本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハート文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


10月25日〜10月31日

    『花残月』 浅香祥 集英社コバルト文庫
孫策・周瑜シリーズ。どちらも14歳。
あああ、これで孫策・周瑜シリーズで出てる分、ぜ〜んぶ読んじまったのおおお。
もっともっと読みたいよおおおおおお。


    『夏嵐 緋の風が呼ぶもの』 浅香祥 集英社スーパーファンタジー文庫 
んで、これがデビューしてから最初に出た文庫だそうだ。
あらすじ読んで、やばいと思った。ネタが大化の改新あたりなのだ。
実はこのあたり、死ぬほど好きで、わたしの中ではイメージががちがちに出来上がってるのだ。
(この“がちがちのイメージ”を一言で表現するなら、
中大兄皇子総受け! つくづくわかりやすい女ね、わたしって)
井上靖の「額田女王」みたいなクソみたいな作品(好きな人、いたら、ごめん。でも、あれ、キャラクター、書き割りみたいだと思わなかった?)は論外として、よほどよい小説であっても、イメージから外れると受け付けない可能性が高いのだ。
が。
杞憂であった。
メインは大海人皇子と額田女王のロマンスだが、いいです、これ。額田モノで初めていいと思った。
今年出会った中では、ピカ一の作家である。


    『明日香幻想 玉響の章』 浅香祥 集英社コバルト文庫
んで、上の『夏嵐』後、孫策・周瑜シリーズ等の中国モノを書き、再び古代日本に帰ってきたのですね。
『夏嵐』は額田女王メインのロマンスだったが、こっちは大海人皇子が主役。
天皇を父に、皇后を母にもちながら、病弱ゆえに都から遠く離れた場所で、両親とも兄姉とも一度もあいまみえることなく育てられた皇子大海人。が、それは実は、彼の出生にまつわる重大な欺瞞ゆえのことだった…。


    『カナリア・ファイル 黒塚(前)』 毛利志生子 集英社スーパーファンタジー文庫
呪禁師有王のシリーズ。前に出たのが番外編だったので、やっと本編の続き。
鬼狩一族が不気味でよい。後編、早く読ませろっ!!


    『I WANT…』 北川とも ムービック
この人、第一作をのぞいてずーっとハズレだったので、最近買わなくなってたのだが、つい手にとってあらすじ見たら弟×兄だったのでついふらふらと買ってしまった。
結論、ハズレ。兄に横恋慕する変質者からませるより、その分、兄弟のあれやこれやを書き込んでほしかった。きっと著者もそうしたかったんだろうが、それだけで一作書ききるには力量が足りなかったのであろう。
あとがきが一番面白かったぜ。「同業者から中傷FAXまでもらったし」って。誰からかしら♪ 何が書いてあったのかしら♪♪


    『能瀬くんは大迷惑!! Jr編』3巻 辻よしみ 徳間書店
相変わらず、わらわらと面白い〜。
うち、確か、この人のナバール本(FE)があったと思うんだけど、捜しているのに見つからない。ひょっとして前に自棄起こしたときに、つい弾みで売り飛ばした?


    『MONSTER』15巻 浦沢直樹 小学館
そろそろ佳境っス。実は一度も通しで読み返してないの。完結したら、ガーッと一気に読み返すんだあ♪♪♪


    『毎日晴天!』1巻 原作:菅野彰 漫画:ニ宮悦巳 徳間書店
すんげえ原作に忠実〜。ニ宮悦巳は、絵は綺麗だけど漫画はあんまり面白くない〜な人だが、原作付だとイケている。が、この人の挿絵がついているだけで、イマイチの作品もそれなりに思い入れて読むことができるので、挿絵の仕事は減らしてほしくない〜。


    『最遊記』7巻 峰倉かずや ENIX
三蔵→受け、八戒→受け、悟空→お子ちゃま、…つうことは、悟浄ってひょっとしてハーレム状態!!??
…失礼しました。が、煩悩するより、悟空が可愛くて可愛くてたまらない〜。
続き、早く続きを………。


『私立荒磯高等学校生徒会執行部』1.2巻 峰倉かずや 徳間書店
BOOKOFFでGET。だが、定価税込み560円のが税抜き350円になっているだけであった。しかも、キャラコミックスの癖に(言いがかり)、寸止めにも至らない可愛いお話であった。久保田はかっちょよかったがな。

10月16日〜10月24日 

    『占い師SAKI(1) 幸運を告げる者』 七穂美也子 集英社スーパーファンタジー文庫
「騒がしい幽霊」「正しい娘のあり方」「DNA」の三話入り。
幼馴染で大学生になった今も仲良くつるんでいる主人公と親友という美味しいはずの設定にいまひとつ煩悩できず。
が、このシリーズ、六冊一気借りしてしまっていたのであった。


    『占い師SAKI(2) 六芒星形(ヘキサグラム)は語る』 七穂美也子 集英社スーパーファンタジー文庫
シリーズその2。「言い忘れた言葉」「ミス・フォーチュン」の二話。
まずくはないが、うまくもない。


    『占い師SAKI(3) 過去と未来の狭間』 七穂美也子 集英社スーパーファンタジー文庫
「スピリット」「禁断の占い」の二話に番外編「パンドラの箱」。
快楽殺人犯に主人公が狙われる「禁断の占い」は結構好みの話。


    『占い師SAKI(5) 正義の女神の迷宮』 七穂美也子 集英社スーパーファンタジー文庫
これまで幾多のスカウトを蹴飛ばしてきた美貌の主人公が、父親の勤める会社のCMに無理やり引っ張り出される話だが、このCM製作んとこが素人くさすぎて、とほほほほである。が、今回けっこう出番の多かった主人公の父ちゃんは素敵だ。


    『占い師SAKI(6) 下された審判』 七穂美也子 集英社スーパーファンタジー文庫
ミステリ仕立て。これも安物の話かあとあくび混じりに読んでたが、種明かし部分で目が覚めた。犯行のからくり部分はイケます。いえ、かなりよいです。


    『占い師SAKI(9) 正義の女神の迷宮』 七穂美也子 集英社スーパーファンタジー文庫
挿絵が織田涼歌から立野真琴に替わっている。あとがきにはイラストレーター変更について何も書かれていなかったので、(7)か(8)で交代したのだろう。織田涼歌のほうがよかったなー。
中身は「SWEET MEMORIES」と「人間消失」の二話。「SWEET MEMORIES」は、アレルギーのせいでケーキが食べたくても食べられない人もいる、という目のつけどころはよかったが、知人のケーキ屋を盛りたてるあたりはやはり安物くさい。「人間消失」は、話自体はどうってことないが、主人公のファザコンぶりは◎。


    『魚住くんシリーズ2 プラスチックとふたつのキス』 榎田尤利 クリスタル文庫
1を読んでいないくせに、ついふらふらと購入。
よい。主人公とダーリンは2終了時点でまだ清らかなままだが、淡々として端正な文章がよい。不幸な過去てんこもりの主人公だが、じめじめ湿っぽく描かれてないところもよい。
が、一番気に入ったのは、主人公たちの友人であるインド系イギリス人のサリームと、夜の公園でひとり踊る少女の交流を描いた番外編であった。これ、いいよおおお。


    『恋愛処方箋7 ロマンスのゴール』 檜原まり子 白泉社花丸文庫
Hシーンはもういらん。Hシーンなしのいちゃいちゃと、病院シーンだけでよい。


    『ウルバンの月』 花郎藤子 白泉社花丸文庫
この人、古い作品はハズレ多いが、最近の作品はハズレがない。
これも
当たり! できればシリーズにしてほしい。
やはり、できあがってからの話の出来如何で、乙女のためのホモ小説作家の作家としての力量は計れると思う。
(若手作家ってやっぱり、そのへん、下手な人が多い)
(が、年をくえば上手くなるかというと、そうとは限らない。う〜ん)

10月14日 『KISS’N FOCUS』 うえだ真由 オークラ出版I’Sノベルス

カメラマンとバイトでモデルやってる高校生の男の子の話。
う〜ん、イマイチ。若さってこんなものだよ、という主張があり、ディティールもきちんと書き込まれてるのに、なんでかなあ。なんか、うざかったなあ。

10月13日 『アンジェリーク』3.4.5巻 由羅カイリ 角川書店アスカコミックス

BOOKOFFで発見! まだ百円落ちしておらず半額だったが、迷わずゲットした。
奥付によると、5巻が出たのが去年の三月。ということは7巻くらいまで出てるのかな、いま。
ゲームではオリヴィエさまってアウト・オブ・眼中だったのだが、コミックスではかっこいい。
(だって相性、悪いのよー。執務室初訪問ではたいていケンモホロロノ扱いを受ける)

(でもオリヴィエさまの声は、兄と同じく、子安さん)


    『ギャラリー・フェイク』20巻 細野不二彦 小学館  
週刊連載でよくネタが続くものだなあと感心する。今回、京都の話がほろ悲しくてよかった。

10月12日 『そして僕は途方にくれる』 月上ひなこ 白泉社花丸文庫

この日、買ったもんのまだ読んでない本の山の下のほうから、ボーイズラブもの、大量発見。地殻変動によって上に層ができたため、忘れ去られていたものらしい。
これは義理の父子の話。主人公は子連れ女と学生結婚、すぐ離婚した男。彼の前に別れた女房の連れ子が現れるが、その子は世間で名を知られたアイドルで、元継父にラブラブだったという話。

この主人公のどこがそんなに魅力的なのか、イマイチ説得力に欠ける。


    『そして僕は途方にくれる』 月上ひなこ 白泉社花丸文庫
上の続編。やっぱり、その継父のどこがそんなにいいんだ、お前?っつう感じ。


    『GENE2 望郷天使』 五百香ノエル キャラ文庫
1がどんな話だったかほとんど忘れ果てていた。こんなのより、『キスと海賊』シリーズの最後にちょびっとだけ登場した赤毛の皇帝さんの話を早く書いて欲しい。


    『pure heart』 ふゆの仁子 青磁ビブロス
短編集。伊関と永見の話が三編、溝口と潮の話が三編、間に挿絵の石田育絵の漫画(4P)が一編挟まっている。
このシリーズ、一作目が一番よかったなあ。

10月11日 『鳳凰飛翔 華焔、江を薙ぐ』 朝香祥 集英社コバルト文庫

周瑜未亡人編の続き。世間では「赤壁の戦い」って呼ばれているあたりのお話。


    『二龍争戦 星宿、江を巡る』 朝香祥 集英社コバルト文庫
上の続編。ようやく曹操軍の船に火がつきます。しかし、このシリーズ、人名の説明とかはきちんとされてるのに、ものすごく読みやすい(中国モノって、本名がうんたらで字がうんたら、ってとこでまず躓きそうになりません?)。漢字の含有量も、多すぎず、少なすぎず、ちょうどよい。季節の変わり目で読むモノ捜してる人、お薦めします。


    『旋風の生まれる処』上・下 朝香祥 集英社コバルト文庫
これも孫策・周瑜シリーズ。どちらも15歳。ピチピチでラブラブ。

10月10日 『月が空のどこにいても』 松前侑里 新書館ディアプラス文庫

今回、挿絵が碧也ぴんく。ボーイズ・ラブものの挿絵やったのは初めてじゃなかろーか、この人。
大人の男と、高校生の男の子の話。男の子の両親のキャラクターがよい。特にパパ、可愛い。本筋のラブストーリー部分は、もうちょっと捻りが欲しかったなー。


    『青春残酷物語』 菅野彰 新書館ディアプラス文庫
当たり。癖のあるキャラクターがわいわいしてるのが、やっぱ面白い、この人。シリアスはもう書かないで〜。不幸書くよりドタバタ書くほうが、不思議なことにこの人の場合、よっぽど説得力がある。
ところで、この人のエッセイ集『海馬が耳から駆けてゆく』が文庫化されました。面白いのよ、これ。お薦め。南野ましろの挿絵もふざけてていいぞ。


    『WILD WIND』 松岡なつき キャラ文庫
本業石油掘りだが依頼されて日本で温泉掘ることになったヤンキーのあんちゃんと、両親を失して伯父の家に身をよせるアメリカ育ちの男の子のラブロマンス。おそらく、こおゆう業種のあんちゃんを書こうと思ったきっかけは、ブルース・ウィリスの「アルマゲドン」であろう。あの映画、SF部分はとほほほほだったが、宇宙出る前の油田掘り野郎たちんとこはすんげえよかったもんな。

10月9日 『OpenSesami2 楽園にとどくまで』 真船るのあ キャラ文庫

『オープン・セサミ』の続編。幼い頃に父親から性的虐待を受けたため、解離性同一性障害(いわゆる多重人格)を起こした男の子と、彼をスカウトしてデビューさせ自らマネージャーをつとめる男とのラブロマンス。このダーリンが、男の子の中の別々の人格の間で揺れ動くところが秀逸。これ、もう、3、出てるのよねー。捜さなきゃ(この手の本は出たときに買わないと、あとで捜すとすっごく苦労することになる)。


   『緋色のフレイム』 春原いずみ キャラ文庫
この人も当たりはずれ激しい。これはイマイチ。これなら受けをもっと不幸にしなきゃ。


   『プライム・タイム』 芹生はるか 二見シャレード文庫
大当たり!! 面白い〜!! すでに二度読み返してしまった。
映画製作会社に勤める男に一目惚れ、少しでも彼の近くにいたいと一流企業の内定蹴飛ばして無理やり就職してみれば、資金面でのどんぶり勘定が祟って会社はいつつぶれてもおかしくない火の車。なにより損得勘定先に立つ経理手腕で会社を建て直し、惚れた男もついでにゲット! これぞ、男のホモ・ハーレクイン!

10月8日 『ラズワードの恋人』 たけうちりうと 大洋図書

たけうちりうとは当たり外れが激しいが、これは当たり、のうちかな? 今市子の挿絵が美しい。


   『真・霊感探偵倶楽部 夜が囁く』 新田一実 講談社X文庫
完全、惰性で読みつづけているシリーズ。主人公とそのダーリン、もはや倦怠期っつう感じ。一作一作のネタがこぶりすぎて、事件二の次、主人公たちの日常風景が本編っつう感じ。

10月7日 『フォーリング・エンジェル』 ナンシー・A・コリンズ 早川FT文庫

女吸血鬼モノ。ミッドナイト・ブルー三部作完結編。解説によると、このシリーズは、モダン・ホラーの系統の中では、スプラッタ・パンクに分類されるんだそうだ。
それはともかく、読んでて痛快。あちこちにまぶされたオカルト要素も好ましい。


   『ブラック・ローズ』 ナンシー・A・コリンズ 早川FT文庫
ミッドナイト・ブルー・シリーズ外伝。ソーニャ・ブルー版荒野の用心棒。(とか言いながら、「荒野の用心棒」ってまだ見たことないのよね、わたし)

10月6日 『共生虫』 村上龍 講談社

認識不安を描かせると、やっぱうまいわ、村上龍。
自分の卑小さから目を反らすためにネットで獲物をひっかけてだまくらかす連中を主人公が殺しちゃうとこ、すんげえ気持ちよかったな、うん。

10月5日 『現は夢、久遠の瞬き』 朝香祥 集英社コバルト文庫

これは、日本の古代モノ。時代は壬申の乱から十数年後くらい。
媛神と青年のラブ・ロマンスに古事記成立の裏話を絡めたものだが、まったくうそ臭く感じさせないところが凄い。
いや、日本モノも面白いわ、この人。

10月3日 『旋風は江を駆ける』 上・下 朝香祥 集英社コバルト文庫

三国志で御馴染み、孫策と周瑜の物語。桑原祐子の表紙&挿絵が美しい。
孫策が袁術から独立し、江東を平定するくらいまでの話。
  『江のざわめく刻』 朝香祥 集英社コバルト文庫
『旋風は江を駆ける』の続編。冒頭でいきなり孫策が死んじまいやがります。
諸葛孔明至上主義者は読まんほうがよいと思う。孫策亡き後の周瑜が“未亡人”な感じでなかなかよろしい。
  『青嵐の夢』 朝香祥 集英社コバルト文庫
孫策と周瑜の出会い編。どっちも十歳、いや可愛い。たまらん。
あとがき部分に、キャラクター人気投票結果のおまけがついているのだが、上記『江のざわめく刻』以後、ファンからの復活懇願脅迫コール「もう亡霊でもゾンビでも腐っててもいい!」が殺到したという話に、「あ、死んだ。しょーがねーか。三国志でも早めに死んでるからな、こいつ」と簡単に諦めた己を反省する。
  『華の名前』 朝香祥 集英社コバルト文庫 
これも孫策と周瑜のシリーズ。どっちも14歳の頃のエピソード。
図書館でまとめて借りてたものの放ったらしてたのが、読みかけたら一気読み。ああ、もったいない。
このシリーズ、まだあるはずなの。借りに行くの。貸し出し中なら予約しとこ

10月2日 『KI.DO.U』 杉本蓮 徳間デュアル文庫

森脇真末味の表紙とイラストにつられて買った。
主人公は妙齢の女性。彼女は二年前に亡くなったはずの父親から、人間型コンピューターであるモバイルを相続する。
彼女が相続したこのモバイル、名はアマネ、はあとがきで大原まり子&小谷真理の両氏が大絶賛するとおり、非常に魅力的なのだが、凶暴ぶりはともかく、口の悪さ、なんか類型的な罵詈雑言で、彼の口の利き方にもうちょっと捻りを効かせて欲しかった。

10月1日 『竜の眠る海 夏至祭』 金連華 集英社コバルト文庫

暁の傭兵ジェイファン・スーンの過去にまつわる物語。で、外伝っぽい。
次の本は<月の系譜>シリーズ第二部なんだそうだ。あれで終わりじゃなかったのか。嬉しいけど。
それより銀葉亭シリーズの新刊、長いこと出てない。読みたい。

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