本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハート文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


12月19日〜12月31日(すいません。このところ、ここには載せられない小説ばっかり、ネットで貪り読み暮らしております)

『山田太郎ものがたり』14巻 森永あい 角川書店
番外編集。そうか。やっぱ御村はよし子ちゃんとくっついたか。ちくしょ。


『特製チリコンカルネの殺人』 ナンシー・ピカード ハヤカワ文庫
NORIKO姉&まりおんさんがNORIKO姉宅の趣味の掲示板でこの本のことを語り合っており、読みたくなった。ジェニー・ケインシリーズは読んでたのに、なぜかこれだけ飛ばしてたのである。
このミセス・ポッターというシリーズは、ヴァージニア・リッチのシリーズだったのだが、彼女は三作を上梓して後急死、遺稿となった第四作めを、リッチの遺族よりの依頼でピカードが完成させたものである。
マクヘンリー夫妻に関する謎が解き明かされていないのは、おそらくリッチが第五作あたりの題材にするつもりであったからだろう。
一度、ミセス・ポッターのレシピ通りにチリコンカルネを作ってみたい。


『頭文字D』20巻 しげの秀一 講談社
連載では現在、拓ちゃんとトモさんがバトル中だが、この勝敗はともあれ、その後の展開予想。
20巻で「買うか」といっていた車(インプレッサ説、ファンの間でかなり有力だけど、いったい何にするんだろ、ワクワク)が文太さん家へ来てしばらく経った頃、文太さんの昔のダチ(渋いおじさま希望。いっそ、小柏父再登場でもいい)が、自分を登り、文太さんを下りドライバーとして、プロジェクトDに挑戦、藤原父子、夢の親子対決!!なんてどないだ?


『最遊記外伝』1巻 峰倉かずや ENIX
最遊記モノ、画集だのなんだの山と出てるので、埋もれてこれを見逃すところであった。
時は本編より500年前、舞台は天上界。尾鮭あさみの水仙花シリーズとほぼかぶるあたりであるが、水仙花では次郎真君とラヴラヴだった「なたく」(ちゃんとした字出したら、?になる〜)が悟空とマブダチになりつつあり、水仙花では「花嫁のバカ父」やってた「なたく」の父ちゃんがこれではとおってもワルです。
天蓬な八戒、ス・テ・キ〜♪ 超好み〜〜♪♪


『ニュームーンに逢いましょう』 依田沙江美 ニ見書房
表題作とその続編が半分、残り半分が学園バンドモノ(?)。清楚な絵柄であいかわらずとおってもエッチ。
デティールや外野内野の人々の描き方が上手い人なので、ホモもの以外描かせてもきっと面白いだろうが、できればこのままホモもの一本で突っ走って〜!!


『櫻の系譜 夢弦の響』 金蓮花 集英社コバルト文庫
月の系譜シリーズの第二部だと思ったら、世界は同じでも別サイドのストーリーだった。
副主人公の砌がどうやら月の系譜シリーズで常夜姫の宿敵として描かれながら一度も登場しなかった桜の巫女の孫らしい。
ところで、銀葉亭は〜?


『封神演義』23巻 藤崎竜 集英社ジャンプコミックス
ついに最終巻。元の封神演義を知っている人たちの間では賛否激しい作品であるが、元を読んでない私は超面白かったな〜。
あとがきによると、もうすぐ短編集が出るんだけど、これの外伝みたいなのも収録される予定らしい。待ち遠しい。
そういや、アニメ版の聞仲さまの声、クウガの杉田さんがやってらっしゃるらしいんだけど、アニメ、一巻だけは見たけど、なんか構成まずいなこれ〜とか思って、続きぜんぜん見てないのよ。聞仲さま、一巻にいたっけか?

12月1日〜12月18日


『数学者の言葉では』 藤原正彦 新潮社
『若き数学者のアメリカ』 藤原正彦 新潮文庫
Keiっちのお薦め本。数学者が書いたエッセイを読むのは生涯ニ度め、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』以来だが、う〜ん、なんつうのか、ところどころ物凄く鋭い洞察を見せるかと思えば、とんでもなく鈍い部分もあり、素晴らしくニュートラルな感性をさらすかと思えば、どうしようもない偏狭さものぞかせる。こんな奴、知り合いだったら、「バカなのか利口なのか、はっきりせいっ!」と苛々するだろーなー(ごめんね、Keiっち)。
面白かったのは、学者、中でも数学者というものに関する考察部分。『数学者という蛮族がいる』って感じ。
読んでる途中で判明したのだが、父君は作家の新田次郎氏であった。(と言いながら、あたし、この人の本、ミラージュはまりたての頃に戦国モノを一冊か二冊、読んだだけだわ)


『楽園の魔女たち 星が落ちた日』 樹川さとみ 集英社コバルト文庫
楽園シリーズ13作目。どうやらそろそろエイザードの過去が明るみに出るらしい。次くらいで終わりかなあ。やだなあ。永遠に続いてほしいシリーズの一つなのに。


『魔術師さがし』 佐藤史生 小学館プチフラワーコミックス
表題作とその番外編。他に別の中篇が一つ。
表題作およびその番外編は、“人工知能は自我をもつに至るか? 可能だとすれば、それはどういう過程を経てのことだろうか”という主題を扱ったものだが、なんつーか、同じ主題を扱った『ワン・ゼロ』に較べ、マジメに考察した分、凡庸でつまらなくなった。ネットの達人を魔術師に喩えるというのも、なんかもう手垢のついた手法だし。
中篇に至っては箸にも棒にもかからず。
それでも、売り飛ばし本群に即放り込む気になれない程度には読めるところが、なんつうかもう…。


『白眼子』 山岸涼子 潮出版社
うわああ、山岸涼子の怖い奴だ〜、怖えんだよ、あんたの描く怖いのはほんとに〜…と思って読んだら、怖いのは怖いけど、最終的には心温まるハート・ウォーミングなお話であった。これはこれで面白かったけど、やっぱ、救いのない系の怖い話が読みたい…。


『あなたしか見えない』 高尾理一 リーフ出版
弟×兄。兄の名前を涼介、弟の名前を啓介にすれば、頭Dパラレル物で十分通用する。(というか、この逆が製作過程なんだろう、多分)
弟のパラノイアックな執着の犠牲者に見えた兄だが、入念な蜘蛛の巣に絡め取られたのは実は弟だった、というあたりはとてもよい。すごくよい。
欲をこくなら、過去関連のエピソードをもうちょっと簡潔にしてほしかった。


『パーム26 愛でなくZ』 獣木野生 新書館ウィングスコミックス
いま気づいたんだが、名前、替わってるわ。びっくり。が、いまさら替えてどういう意味が…。本人的にはあるんだろうが。
この巻、世界環境会議でのシドのスピーチが白眉。そうだ。わたしたちはそれぞれ「大衆のひとり」であることにあぐらをかいているべきではないのである。


『八雲たつ』14巻 樹なつみ 白泉社ララ・コミックス
ふと気づけば神剣六本も集まっていた。
今回、闇巳の姉寧子さんがいい味出してました。いやあ、おねいさん、ふっきれちゃって怖いです〜。いいです〜。


『ワンピース』16巻 尾田栄一郎 集英社ジャンプコミックス
トニー・トニー・チョッパーなんつうキャラクター、反則だよお、尾田! 畜生、泣かせやがって!


『パンタパーン』1巻 碧也ぴんく 新書館ウィングスコミックス
読みきりだと思ったら、続き物だった。「T」の字、小さすぎるよ、新書館!
近未来物。森が体内の汚染物を浄化するというあたり、ちょっとナウシカっぽい。
でもこの人の作品って、絵は綺麗でむちゃ好み、ストーリー展開もちょっとしたエピソードの挟み方も上手く、キャラクターも魅力的なのに、なぜか溺れるところまで至らないのよねー、不思議。


『夏の塩』 榎田尤利 クリスタル文庫
先月読んだ『プラスチックと二つのキス』の前作。マリという脇役がいい。すごくいい。文章も、おかず(このおかずは、ドラムプレイでいうところのおかずに近いものとお考えください)が効いてて好み。分別は赤にしてあるが、普通の小説としても十分読めます。読めるというより、「ラヴはなしでもいいや」って感じ。が、フツーの小説として小さな出版社とかから出てたら、読んでないわな、わたし。


『薄情が薄氷を踏む』 名香智子 小学館プチフラワーコミックス
シャルトル家シリーズ最終巻。アンリはもともと美女姫シリーズの脇役で、その後、秘境ファンタジー物でどっちかの足を失っている。萩尾望都のオスカーや木原敏江のフィリップさまのようなもので、顔と名前は同じだがぜんぜん別の人物かと思いきや、アンリのほうはぜーんぶひとつながり、同一人物のアンリであった。
いきなりアンリが片足義足だったり、いきなりアネモネたらいうアンリの元婚約者とやらが出てきたり、ソンモールたらいう日本在住のアンリの長年の片思いの相手が出てきたり、このシリーズしか読んでない人、さぞや混乱したことだろう。
わたしはやっぱり、シャルトル侯爵夫人ヴィスタリアが好き〜〜〜。


『ダスクストーリィ』2巻 TONO 集英社クリムゾンコミックス
他者の紡ぐ幻想がヴィジョンとして見える少年タクトを主人公とした短編シリーズ第二巻。
よい本です。よい作家です。もし書店で見かけられたらぜひご一読を。
第二巻中、もしもどれか一編だけ立ち読みなさるなら、ぜひ第十夜を。


『ナイス・レディ』 ジェン・サックス ハヤカワ文庫
相手の気持ちを傷つけたくないばかりにデートの相手をつい殺してしまう(しかも極めて手際よく)女と、殺人を生業とする男の、風変わりなラヴ・ストーリー。
でも、女はそれほど大量に殺してません。ほんの三人ばかりです。ばらしちゃうけど、最後はハッピーエンド♪


『貧乏サヴァラン』 森茉莉 ちくま文庫
森茉莉の作品および書簡から、食べ物に関するものばかり集めたアンソロジー。選んだのは早川暢子という人。
ほとんど読んだものばかり。これは収録してほしくなかったな〜と思うものも入ってる。
ところで森茉莉さん(彼女のファンの殆どは、まるで友達を呼ぶように、彼女のことを「さん」付けで呼んでしまう傾向がある)によると、彼女の偉大なるパッパ森鴎外は、葬式饅頭を四つに割り、それをご飯に載せ、煎茶をかけて喰ったらしい……。
(ところで、先月に載せた佐藤亜紀の『検察側の論告』に、茉莉さんの息子の爵氏のことが書かれています。彼女、大学で爵先生に仏蘭西語を習ったそうなの)

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