本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハート文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。



22日〜31日

『ハピネス』 崎谷はるひ リーフ出版
先輩の忘れ形見×養父モノ。養父のキャラクター設定がとぉっても一条薫なのだが、作品の出来自体はイマイチ。なさぬ仲の共同生活がそこそこうまくいってたところをきちんと書き込んで、ついでにこの養父が先輩に密かに想いを寄せていた、くらいのオマケが欲しかったところ。


『雨柳堂夢噺』8巻 波津彬子 朝日ソノラマ
第46話「むさし野」がこの巻の白眉。現と異界がほのぼのと交わるような話ってやっぱたまんないわ〜。


『探偵は月夜に恋をする』 遠野春日 雄飛ノベルス
探偵×ホスト。「浮気調査お断り」な探偵というのはそれだけで物語が「嘘くせ〜」になるので、この探偵をごくごく普通の、「浮気調査も身辺調査も引き受けます」にしたところはよかった。が、ホストのほうの事情、ちょっとくどすぎ…。ネタバレになるが、「麻薬調査官」か「さる大物政治家の息子」のどっちかひとつで充分だったと思うんですけど。


『タナトス』 村上龍 集英社
どうやら村上龍、何年か一度にこのシリーズを書かずにはいられないらしい。
レイコの独白、ところどころ、ほんま怖い。N塚ん家のラッキー最近自閉症気味で、長姉の話では「独り言みたいなのをブツブツブツブツ呟いてることがある〜」そうな。もしかしてレイコの独白みたいなのを呟いてたら、むっちゃ怖い…。


『模倣犯』上・下 宮部みゆき 小学館
『火車』『理由』系列の宮部作品。あいかわらず、この系列のこの人の作品は凄い。丹念に書き込まれた人々。絶妙のストーリー・テリング。超オススメ♪


『百鬼夜行抄』8巻 今市子 朝日ソノラマ
今回より律大学生編スタート。が、彼を取り巻く状況は高校時代とさほど変わらない。一回きりの登場かと思われたキツネの母娘があいかわらず律の母親のとこに茶道習いにきてたりするところがなんか楽しい。


『パンタパーン』2巻 碧也ぴんく 新書館
これも長くなるのかなあと思ってたら、2巻で完結だった。あいかわらず、後書き下手だわ、この人。(本編は面白いのに、後書き読むと、「う〜ん、そりゃあんたがこおゆう問題にすごく関心もってんのは、ま、いいことだと思うんだけど〜」みたいな反感がむくむくと…)


『MAZE』 恩田陸 双葉社
中近東のどこかにある、人間を食う廃墟の物語。結論は、う〜ん、がっかり。が、そこまではむっちゃ楽しかったからな…。


『月の裏側』 恩田陸 幻冬社
恩田陸版『盗まれた街』。運河の街を舞台に、水をからめた部分がオリジナル。途中、フィニイの『盗まれた街』&映画「ボディ・スナッチャー」に触れている部分も、フェアでよい。
「人間は進化の過程で一度海に戻り、その後、再び陸にあがった」という学説は私もすごく納得したものだが、それを踏まえた上での「では、なぜ人は、これほど水中生活の痕跡をとどめたまま地上で生活せねばならぬほど、慌てて海を離れたのか」という問題提議はものすごく目からウロコであった。


『象と耳鳴り』 恩田陸 祥伝社
退職裁判官関根多佳雄関連の短編ばかりを集めたもの。「給水塔」には『MAZE』の時枝満がゲスト出演。関根の長男で、判事をしている春(しゅん)、むっちゃ好み〜。有栖川有栖とかのつまんねーくだんねー短編よりゃ(火村への愛と、作品に対する評価は、別物だも〜ん)よっぽど本格推理モノとして楽しめます。


『麦の海に沈む果実』 恩田陸 講談社
現実離れした全寮制の学園の設定が、かえって物語に奇妙な味わいを醸している。読み終わって全体を回想してみるとなんだか取り留めのない物語なのだが、読んでいる最中はわくわくできます。

1日〜21日

『ONE PIECE』17巻 尾田栄一郎 集英社ジャンプコミックス
いや、本編よりも表紙裏のシャンクスで壊れたっス。あああ、色っぺえええ!!!
でも、ワンピ、わたし的には原作よりアニメのほうが好きかも〜。
(絵のクオリティが高水準で一定してるし、原作にないエピソードも違和感ないし。なによりもあのスピード感!!)


『黒祠の島』 小野不由美 祥伝社ノンノベル
そこそこ面白かったが、ネタの割には深みが足りんっつうか、泥臭さに欠けるっつうか。泥臭くないのなら、もっと「黒祠の島」だっつう部分を衒学的に掘り下げてほしかったな〜(が、そしたらまんま、京極だよな)。
んで、ここでも叫ぶ。
十二国、書いてくれええっっっ!!!


『カナリア・ファイル 罔象女(みずはめ』 毛利志生子 集英社スーパーファンタジー文庫
毛利志生子、いいぞお。この人とか朝香祥とか、ほんと、どこで書いてるかってだけで作家を区分するのって、すっげえ馬鹿馬鹿しいなって思う。(そういや小野不由美の十二国、大人向けの文庫で再版されてるけど、本としての美しさじゃ、山田章博の表紙&挿絵付きのX文庫の比じゃないもんなー)
後書きによると、カナリアシリーズはこれでひとまず終了らしい。新シリーズに期待するぜっ!!


『疵(スキャンダル) いばらの冠』 かわいゆみこ 青磁ビブロスビーボーイノベルス
大蔵省エリートの話の続編。これはとりあえず○。が、こんだけ美味しそうなネタでこんだけきちんと書き込まれてのめりこむとこまでいかないのが、うーん、なんでだろ。


『消える密室の殺人 猫探偵正太郎上京』 柴田よしき 角川文庫
売れない女流ミステリ作家の飼い猫正太郎の一人称小説。軽妙な語り口がたまりません。できたら前作、『ゆき野山荘の惨劇』から読んで〜。理子シリーズがダメだった人も、これならきっと大丈夫っ!!


『エンダーズ・シャドウ』上下巻 オースン・スコット・カード ハヤカワSF文庫
『エンダーのゲーム』のサイドストーリー。エンダー・ウィッギンの部下ちびのビーンの物語。
いやはや、行け行けドンドンだったわ、これ〜。でも、後書きが久美沙織ってのがイヤ〜。


『ウェディング・ママ』 オリヴィア・ゴールドスミス 文春文庫
大団円の女王、ゴールドスミスの新刊。が、これ、ちょっと…。これまでの作品、もっと紆余曲折あったのに、これはなんかとんとん拍子に行き過ぎて、うそ臭い〜。仕掛けもどれもありきたりだし…。


『YASHA』9巻 吉田秋生 小学館フラワーコミックス
これ読んだ日、さっそくNORIKOさん家に勝利宣言ぶちかましに行ってしまった私である。
(↓は誰なのかという問題を、NORIKOさん家の掲示板でアッシュさんと論争してたの)
そう、シン・スウ・リンが喪に服していた兄は、やっぱ月龍だったのだ!!
が、ベトナム系マフィアに暗殺されたなんて、なんか月龍の最後っぽくない〜。実は生きてて〜!! んで、「老いて西太后みたいになった月龍」(@NORIKO姉)みたいになったあなたを見せて〜!!


『ネバーランド』 恩田陸 
男子ォモノ。後書きの「『トーマの心臓』がやりたかったのだが」という言葉にしびれたわっ!!
しびれついでに、図書館にこの人の本、一斉予約かけてきちゃった。(検索したら、山ほど著作があったのでびっくり)


『パーフェクト・ゲーム』 ハーラン・コーベン ハヤカワ文庫
スポーツエージェント、マイロン・ボライターシリーズの新刊。
はや六作目。相変わらず、面白い〜。ウィン、エスペランサ、ビッグ・シンディたち愛すべきマイロンの仲間たちと違い、たった一人邪魔だったマイロンの彼女ジェシカも消えたし〜。頼む、別れたまんまでいてくれ〜。
でも、これも後書き、久美沙織なんだよ〜。あいつのどこがイヤって、「あたくし、そのへんの少女小説上がりとは一味違ってますのよ」と言わんばかりの態度。けっ、こきゃあがれっ!


『球形の季節』 恩田陸 新潮社
地方都市を舞台にした、なんか不思議な味わいの小説。一応ジャンル的には青春モノってことになるのかな、これ。
坂井みのりというほんとに普通のものすごくまっとうな女の子が出てくるんだけど、その女の子に対する恩田陸の憧れというかコンプレックスのようなものは、実に共感できた。


『君が好きなのさ』6巻 谷崎泉 二見シャレード文庫
えっとお、告白編? 最初が「一目ぼれ→強姦」で始まったわりには、後はすごくまっとうに進んでいるラブ・ロマンスだわ〜。毎巻番外編の付録がついてるんだが、今回の「観月家の人々」はよかった〜。(が、舞台が京都ってことと、男兄弟だらけってとこで、徳川生徒会の「メジャーリーグ」をちょっと思い出してしまった)


『Heaven?』2巻 佐々木倫子 小学館ビッグスピリッツコミックススペシャル 
超オススメ!! むっちゃ面白い〜!! やっぱ原作なしに限るわ、この人。しっとりした湿気のかけらもない人間関係がたまりません〜!! 



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