本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


5月1〜5月31日


『堤防決壊』 ナンシー関・町山広美 文藝春秋
『隣家全焼』に続くナンシー関・町山広美の対談集第二弾。
語調だけならたいそうがらっぱちな彼女たちだが、「何を恥ずかしいか」と感じる感覚はきわめてソフィティスケイトされていて、「あ、やっぱりアレは恥ずかしいこと(もの)だったんだ!」と再確認とかできて、とってもよい。


『八雲立つ』15巻 樹なつみ 白泉社
本筋、ほとんど進展なし。寧子おねいちゃんのいじわるぶり、ちょっと物足りない。おねいちゃん、もっともっと怖い女を目指して〜〜!!


『パパはアイドル!』 東宮千子 角川書店
BOOKOFFの百円均一コーナーで購入。
あいかわらず絵は下手。が、セリフ回しとかはあいかわらずとてもよい。
これで絵がうまかったら、よしながふみに匹敵する作家なのだが…。
(いっそネーム切るのに専念して、作画はほかの作家にまかせろ、とか思ったりする〜)


『続・お登勢』 船山馨 毎日新聞社
『正・お登勢』が、「ガラスの仮面」的に言うなら「二人の王女」だったのに対し、こちらではお登勢、とってもモテモテ、まがうことなきヒロインである。
しかし、NHKのほう、どうやら『正・お登勢』の最後まで行きそうにないわね、この調子じゃ。きっと、貢さまと祝言あげてチャンチャンで終わりそう。(あのあとが面白いのに〜) 
『正・お登勢』の最後では、志津さんともども惨殺死体になっちゃった貢さまだが、もしNHKが『続・お登勢』までやってくれるんなら、葛○さん、役あります!! 貢さまそっくりの男がでてきます! この男もやっぱり非業の死を遂げたりしますけど。(←ネタばれ覚悟の方だけ、空白部分を選択してみてください)
「明治の初めころかあ。このころなら、剣心(緋村剣心。元・人斬り抜刀斎。『流浪に剣心』主人公)も日本のどこかをうろついてんのねえ」とか思いながら読んだ。


『上と外』 1巻 素晴らしき休日 恩田陸 幻冬舎文庫
『上と外』 2巻 緑の底 恩田陸 幻冬舎文庫
『上と外』 3巻 神々と死者の迷宮 上 恩田陸 幻冬舎文庫
『上と外』 4巻 神々と死者の迷宮 下 恩田陸 幻冬舎
文庫
完結してるとばっかり思って予約かけて借りてきたら、まだ完結してなかった〜(T.T)。
物語の舞台である南米よりも、日本で主人公たちを心配する親族たちや彼らを取り巻く人々のとこが面白い。特に、金型屋さんしてる祖父ちゃん、すんげえかっこいい〜♪ あと、邦夫、いい〜♪
あと3巻の冒頭んとこだったかな(図書館にもう返しちゃったから、手元にないのよ)、ひとつの状況から複数の背景を類推するとこ、チェスタトンの「イズレイル・ガレの誉れ」(『ブラウン神父の童心』収録)をちょっと思い出した。


『ルドルフォ』 図子慧 白泉社
BOOKOFFの百円コーナーで2巻まで発見、購入。が、全三巻なのに、3が今のとこ見つかってない。
SF。オープニングの文章、ばりかっちょ。ところで、最近、新刊出ないな。(でも、この人の新刊、こっそり出ることも多いから油断できないのよ〜)(いまamazon.comで検索したら、新刊出てやがった〜!!)


『ラヴァーズ・コンチェルト』 美樹静 白泉社花丸文庫
大学時代、立原道造あたりの講義で聞いた「詩と建築はよく似ている」というヴァレリーの言葉を思い出した。
音楽家を描かせても薄っぺらでなく現実的な面もきちんと描きこまれてて好感がもてるが、美樹静の作品としては、ちょっと食いたりない感じ。


『深き水の眠り』 毛利志生子 集英社コバルト文庫
『深き水の眠り2 まどろみの闇』 毛利志生子 集英社コバルト文庫
水から呼び出され人格をもつに至った水蛇(みずち)。が、きちんとした儀式によって水に還されなかった水蛇は、「はぐれ」となり、飢えのあまり人間を襲うようになる。
200年あまり主を持たなかったが、彼を水から呼び出した少女との最後の約束を守り、飢えに耐えてきた水蛇吼(こう)。彼があらたな主として選んだ少女、沙月。沙月の同級生で、蛇巫の系譜に生まれつき、二体の水蛇を使役して「はぐれ」を追う玻瑠佳。玻瑠佳が使役する水蛇、静河と若竹丸。
毛利志生子はやっぱり面白い〜。玻瑠佳と吼が沙月を間にいがみあう構図も○!


『勝利』 ディック・フランシス 早川書房
いきなり出ていた。いつからこんなに発売時期がずれちまったんだ? (前は10月過ぎたら要チェック〜だったよね?)
内容、イマイチ。悪党たちがなんか非現実的。
あとがきによると、去年、夫人が亡くなり、訳者が耳にしたうわさによると、その痛手からフランシスは筆を擱くつもりでいるらしい。
ひょっとしたら、これが絶作になる可能性も…。


『天界の城』 佐藤史生 ハヤカワ文庫
「阿呆船」、「馬祀祭」「天界の城」「羅陵王」「やどり木」収録。
「羅陵王」と「やどり木」以外はこれまで単行本未収録。(多分。少なくとも、うちにある佐藤史生の本には収録されてない)
「羅陵王」と「やどり木」に共通するキーワードは「スパイス」、当然フランク・ハーバートの「砂の惑星」シリーズを連想させる。(カイル・マクラクランが主演し、スティングのバタフライヌードが拝めたあの映画の原作である。確かに筋の前四分の一に映画の大半を費やしてあとは駆け足ダ〜ッシュ!というすこぶる構成のまずい映画だったが、絵面的にはとても綺麗な映画であった)
(余談:「ラスト・エンペラー」の西太后の登場シーン、「うわ、ベネ・ゲセリットみたいなおばば〜! ヴォイス使ってるよ、これ!」と思ったのは、わたしだけじゃないと思う〜)
この人の描くSFのかっこよさは、民俗学的イメージをふんだんに用いた絢爛さのみならず、エクスキューズの少なさだ、という巻末の解説者の言葉はとっても同感♪


『閉じたる男の抱く花は』 図子慧 講談社
IMでぷよりん&ユウジと話してて、「ぷよりんってちょっと図子慧に似てる〜。図子慧よりずっと細面だけど」とか言って、そおいや図子慧、前のが出てからずいぶん経ってるなあと思い出し、サーチしてみたらこれが出ていた。
(ところでぷよりんも図子慧読んでいた〜。大原まり子とかこの人とか、「あたしも好き♪」と言ってもらえたのは、いまのとこ、ぷよりん一人きり〜)
(ユウジには「ピーターラビットは僕のともだち」を猛プッシュしといた。BOOKOFFの百円コーナーに必ずあるぞお! >ユウジ)
(ちなみにこのとき自称(にわか)文学青年ユウジは、村上龍の「愛と幻想のファシズム」の上巻を読み終えたばかりであった)
「虹色珊瑚」とかの系列の話。この系列の話より「ピーターラビット」とかSFっぽい話のほうが好きなんだが、やはりこの人の書く文章はむっちゃ心地よい。


『熱血ポンちゃんが来りて笛を吹く』 山田詠美 講談社
ポンちゃんシリーズ、だあい好き〜♪ 読んでると、なんかほこほこ幸せな気持ちになる。
山田詠美、いいぞ、いいぞ、彼女ってむっちゃいい奴だぞお〜。
長瀬が主演していた「池袋ウェストパークゲート」について、「私の大嫌いなTV特有のだささがみじんもない。かと言って、嫌味なスタイリッシュな部分もない」。同感だ! 
(で、これで窪塚洋介の大ファンになって、彼の本まで買っちゃったらしいって。>junjun)
(ちなみにわたし、4巻くらいで止まってて、junjunがネタばらし(笑)してくれたシュンが死ぬとこまでまだ見てないのよ〜)


『略奪』 アーロン・エルキンズ 講談社文庫
美術ものだが、クリス・ノーグレン物ではなく、ベン・リヴィアを主人公とする新シリーズ。
結論、むっちゃお勧め〜♪ 「新シリーズかあ」と読もうかどうしようか迷ってる人、GO!しなきゃっ!!
今回の登場人物では、やはりヌスバウム氏が白眉!! 
んでもって、やっぱエルキンズの本は腹が減る〜。
「ユーリが注文したのは、一種のハイ・ティといった感じの軽い夕食のコースで、小皿に盛った料理がそれぞれの前につぎからつぎへとでてくる。どろっとしたチョウザメのスープ、キャベツのマリネ、三種のピロシキ、みじん切りの卵と玉ねぎをそえた赤と黒のキャビア、スモークサーモンと厚切りのキューリとトマトを、一センチあまりの厚さにバターをぬった黒パンに載せたオープンサンドなど」
くーーーーっ、食いてえっっ!!
(キャビアは高いけど、ぱちもんのキャビアなら500円くらいで売ってんので(ランプフィッシュの卵ってやつ)、今度みじん切りの玉ねぎとゆで卵、添えて食ってみよう)


『最後から一番目の恋』 高遠春加 二見シャレード文庫
神経衰弱ぎりぎりの男たちの第三巻。番外編の匡一の父親の話、よかった。泣けた。(が、交通事故、使いすぎ〜。他に死なせ方はなかったんか?)


『晴れたら満月』 椎名りりん ラキアノベルス
なさぬ仲の親子の息子×父親モノ。この父親のキャラクターいいな。(俳優稼業という設定なんだが、カメラに映ってるときと素のギャップが、某葛○氏を彷彿とさせる)

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