本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


『妖奇切断譜』 貫井徳郎 講談社ノベルス
『鬼流殺生祭』の続編。事件はまったく別。
謎解き部分は「それはないやろ…」だったのだが、腐臭漂う死体の山だの、人肉喰いだの、これでもかとばかりの猟奇趣味満載、いや、楽しませていただきました。


『BLIND GAME』10巻 碧也ぴんく 角川書店
完結巻。クライマックス、イマイチ……。
これ、おそらくたぶんあんまり読み返さないと思うので、10巻まとめて売り飛ばそうかと考え中。


『天空の遺産』 ロイス・マクマスター・ビジョルド 創元SF文庫
マイルズシリーズ。年代的には、『ヴォル・ゲーム』の後で、『無限の境界』収録の「迷宮」以前。(『天空の遺産』と「迷宮」の間には『アトスのイーサン』がまだ挟まっているらしいが、未訳なのだ)
ホートとゲムという二段階のセタガンダの貴族制や、人前には絶対に姿を晒さず、その権力のありようすら謎に包まれたホート女性等、なんだかわからないがなんだか覚えがある…とか思ったら、あとがきによると、日本の平安朝をモデルにビジョルドはセタガンダ社会を構築したんだそうだ。ほえ〜。
ともあれ。やっぱマイルズシリーズは面白いっっ!!


『消された子供』上下巻 エリザベス・ジョージ ハヤカワ文庫
『大いなる救い』の次の作品。
下巻の途中あたりで落ちがわかってしまう。もうちょっと目くらまししてほしかった。
リンリー、サイモン、デボラ、ヘレンの四角関係のとこはやっぱり退屈で、つい読み飛ばす。(中でもリンリー、大っ嫌い)(次点はヘレン)


炎の蜃気楼33 耀変黙示録W 神武の章』 桑原水菜 コバルト文庫
ついにアニメ化〜っっ!! 来年一月キッズステーションにて全13話〜〜っっ!!
本編は、氏康父は出てくるは、小太郎は出てくるは、千秋に綾子にこれまで登場したあの人この人うじゃらうじゃらと揃い踏み、さらに最近のトレンド怨霊祟徳院が中暴れ〜。(この大暴れではない中暴れぶりが、やっぱミラージュってバリバリB級ね〜つう感じ)
 


『ローマ人の物語\ 賢帝の世紀』 塩野七生 新潮社
一年がかり〜。つっても、未読本に積み上げてあったわけでなく、こつこつ読んでの一年がかり。頭の調子の悪いときはこのシリーズ、一頁読まずに眠くなるから。
今回は、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウスの三皇帝。だいたい西暦百年代前半あたり。トライアヌスんとこがなんか退屈でなかなか進まなかったが、ハドリアヌスに入ってからはけっこう行け行けドンドンだった。
ハドリアヌス後半の「ユダヤ反乱」のとこの、「ユダヤ人にとっての自由とは」分析、ものすごく納得した。(で、一神教は偏狭になりやすい、と塩野は感じているにも関わらず、「だからこいつらはよ〜」では終わらず、分析した上で今までのローマの対ユダヤ策の是非を論じるところが、さすがマキャベリスト〜です)(マキャベリといえば、『マキャベリ語録』で塩野は「『君主論』は統治のためのハウ・ツーを述べたものであり、世間で思われているような善悪とは無縁のものである」と主張してるのだが、これ読んで思い出したのは、大学んときの中世文学のセンセが世阿弥の『花伝書』を、「世間ではこの本は美学を論じた哲学書のように思われているが、これは世阿弥による「いかにして舞台で成功するか」のハウツー本だ」と言い切ったこと。原典読まずに人からのうろ聴きでわかったつもりでいる人のほうが断然多いもんな、世間…)


『暁の回廊』4巻 長岡良子 秋田書店
最終巻。長岡良子の上代モノは大好きで、これも読んでしまったのだが、今回はこれまでの作品群より年代的にさらに遡った(中大兄皇子青春編?)このあたり、ぼんやりとした謎のまま残しといてほしかったな、という気持ち。


BEAST of EAST 東方眩暈録』2巻 山田章博 バーズコミックス
絢爛〜♪ 印度から中国、そして次に日本に居を移した九尾の狐大傾城玉藻前(玉藻前という九尾の狐をはじめて知ったのは、そおいやわたなべまさこの九尾の狐三部作だったわ、あたし)(中国での彼女はもちろん、かの有名な妲巳さま〜)安部晴明、平将門、藤原純友とこの時代のスーパースターを揃え、そこに獣人だの吸血鬼だの魔鍛冶師鈴御前だのを大シャッフル、いやもう、こおゆうのが好きなもんにはたまらない〜〜〜。(が、一番のお気に入りは、暇な貧乏探偵のような鴨光栄、ステキ♪)


『ヘヴン』2巻 遠藤淑子 白泉社
この人がたまに書く暗い話はもー、ほんま、どーしよもーもなく、暗い。特に後半、きつかったわ……。が、この人の作品の九割を占める小洒落の効いた生きのいい話と、まったく隔絶しているわけではなく、根っこで確実につながっている確信が、この作家を信用させる一因となっていたりする。


『狼には気をつけて』3巻 遠藤淑子 白泉社
アレクサンドラとフォレスト君のシリーズ第三作。最初の頃に比べて、アレクサンドラへのフォレスト君の保護割合がでかくなってきたのが気にかかる。(大人ぶってて実はけっこう大人、なアレクサンドラが好きなのよ)


こゆるぎ探偵シリーズ番外編 野原のロマンス』 たけうちりうと 小学館パレット文庫
本編三作同様、やっぱり映美ちゃんに借りた〜。「これ、ダメだったわ、わたし…」と映美ちゃんが告白なすってたが、そりゃそうだ。本筋ミステリ、サイドにホモロマンスの本編と違って、この番外編、まるまるホモロマンスなんだもん。
傾いた旅館を建て直す「細腕繁盛記」な部分はそれなりに面白かったんだけどな〜。(こいさんと板前の恋ってのも考えてみりゃ王道だしな)(こいさんつっても、次女じゃなく次男だけど…)


『西洋骨董洋菓子店』3巻 よしながふみ 新書館
2巻の終わりがアレだったので、3巻で完結かな?とか思ったら、ぜんぜん続く、続く…。
1、2巻に比べて、おお!と唸らされるとってもオトナな粋なフレーズややりとりが少なかったような気が…。(が、レシピ12前編の、「出会って15分でセックスして、あとの一時間45分ずっと喧嘩しているフランス映画みたいな…」というレトリックはさすが〜!である)
あの女子アナコンビ、どっちも好き〜。あとチィと楓子父娘、いいなあ〜。


『四人の申し分なき重罪人』 G・K・チェスタトン 国書刊行会
『詩人と狂人たち』にノリが似ているな、と思ったら、あとがきによると『詩人〜』の翌年に出た本なんだそうだ。
(んで、長年、ブラウン神父シリーズ訳したのは福田恆存だと思い込んでいたが、中村保男のほうだったことが判明)
(記憶をたぐると、この思い込みの原因は大学の図書館で借りて読んだチェスタトン著作集の主だったものを福田恆存が訳していたせいだと思われる)
(ところで長年の謎。福田恆存と中村保男ってよく共訳とかしてるけどどおゆう関係?)
(そおいや、「アウトサイダーとしては最もバランスのよい人間」とチェスタトンを評したコリン・ウィルソンの『アウトサイダー』(続のほうだったと思う)もこの二人の共訳だったっけ)
(思うに、チェスタトンがこれほどの明晰さにも関わらず絶望しなくて済んだのは、同じ国、同じ時代に、もう一人の知の巨人、バーナード・ショーがいてくれたおかげだと思う)


『工学部・水柿助教授の日常』 森博嗣 幻冬舎
ほのぼの淡々と面白い〜♪ 犀川助教授のどことなく熱の低い個性が、西之園萌絵シリーズで一番好きな部分だという向きには超お薦め本♪
こおゆう三人称エッセイみたいなの、もっと書いて欲しい。(自分を笑う余裕とそんな笑うべき自分を許す余裕のある人が書く三人称身辺モノって面白いよね?)


『愛の深淵』 エリザベス・ゲイジ 扶桑社ロマンス文庫
大河メロドラマ。スーパー・昼メロ。が、惜しい。レスリーでなく、ジルを主人公にしたミステリにしたら、どんだけ面白かったことか。(いや、面白いんだが、なんか焦点がぼけてる感じ)


『ARMS』18、19巻 皆川亮二 小学館
ユーゴーが、ユーゴーが、死んじゃったよおおおぉぉぉぉぉ。
殺すなよ〜、皆川っ!! 死ななかったら、第五部でヴァイオレットとユーゴーの仲良しツーショットだって見られただろうにぃぃぃぃぃぃ。


『ソドムの林檎』 野阿梓 早川書房
amazonでつい検索かけて見つけて注文してしまった今年九月に出た新刊。
『銀河赤道祭』の登場人物でも一際印象深いジガ・ヴェルトフ集団のテロリスト、キノ・グラースを主人公とした「ブレイン・キッズ」と、やはり『銀河赤道祭』登場人物であるザウバーを主人公とした「夜舞」の短編二本に、『バベルの薫り』の姉川孤悲とジョージクの出会い編である表題作収録。
大原まり子の凋落に比べれば多少はマシとはいうものの、『凶天使』を頂点とするあの植物性鉱物のような煌びやかで硬質のかつての野阿梓には、もう再び会うことは敵わないのか……。


『風精の棲む場所』 柴田よしき 原書房
『柚木野山荘殺人事件』ではほんのちょい役、『貴船菊の白』では主要な脇役だった元中学教師にして今は推理作家の浅間寺竜之介氏(&相棒サスケ)を主人公、わーい、待ちかねてたぞ♪、とした長編ミステリ。
破綻のないまとまりのいい作品だったが、欲を言うなら、浅間寺氏のホームグラウンドとその暮らし振りを中心に据えた短編連作集が読みた〜い! (ほんま読者とはわがままなもの也)


『ハリー・ポッターと賢者の石』 J.K.ローリング 静山社
言わずと知れた世界的大スーパーベストセラー。かっちょ経由でみゆきママから借りられなければ、わたしがこれを読むの、きっと世間が「ハリー・ポッター。そおいやそおゆうのも流行ったなあ…」な頃になっていたことだろう。
絵に描いたような貴種流離譚。面白いことは面白いが、なぜこれが世界的大ベストセラーになったのかイマイチようわからん。。。
一番好きなのは、ホグワーツ魔法魔術学校新入生への入学前に用意するもの一覧表。これは洒落ている♪


『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 J.K.ローリング 静山社
一巻読み終えたときは↑なことを言ってたんですが。

面白い〜〜〜っっっ!!!

無茶苦茶面白かったわ、これ! もう、行け行けドンドン、やめられないとまらない〜。


『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 J.K.ローリング 静山社
んでもって、これ。

さらに面白い〜〜っっっ!!!

二巻も面白かったが、これも面白い〜っっ!! 英語圏ではすでに第四巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が出ているとのことだが、日本版のこれが出たのが今年の七月だから、次はやっぱ来年七月か…。
そんときゃ、また貸してくだされ。どうぞよろしくお願いします。m(__)m>みゆきママ
イギリスじゃきっと、キングスロード駅9と4分の3番線ホーム、超名所ね。


『Papa told me』26巻 榛野なな恵 集英社
episode.139「シャーベット・オレンジ」。作品に対する批判に萎縮し、筆を折ってしまった作家が、再び筆をとろうとする物語。
作品に対する批判を重く受け止めすぎてしまうことをその人の弱さと言いながら、「でも困ったことにその弱い部分が創作に必要不可欠なものなのでしょう」という北原女史の言葉は、とても、重い。


『パンドラ★パニック』1巻 名香智子 小学館
名香智子の新シリーズ。名香智子のこれまでのキャラクターではヴィスタリアが一番好きなので、主人公の王女さまがヴィスタリアみたいなタイプならいいなあ、と思ったのだが、ヴィスとは別のタイプだった。でも、なかなかよい感じに非常識。あと、まだ出番は少ないが、バーゼ王家のマデリン姫、泰然自若な姫ぎみぶりが好み。男どもはいまんとこどーでもいいや。
でもやっぱ、名香智子って、王侯貴族描かせたらいいなあ。


『ドリームバスター』 宮部みゆき 徳間書店
宮部のSFっぽい話って、一連の超能力者モノも時間遡行を題材にした『蒲生邸事件』もあんまりよくなかったので、これはもう図書館の開架でゲットできるまで待つまつもりだったんだが…、本屋の平積みコーナーでつい表紙見ちゃったら、愛する山田章博画伯の絵〜〜〜!! だったので、つい買っちゃいました、1600円。あいたたたたたた。
が、己が選択に悔いなしっ! 裏表紙まで山田の描きおろしなんだよ〜。中にも一枚、山田描きおろしの口絵があるんだよ〜。
おまけに内容も◎! が、最後の頁には「to be countinurd…」の無情な文字が……。
宮部、早く続き出せ〜〜〜っっっ!!!
(が、逃亡中の凶悪犯の数と、それを追うドリームバスターたちの数と、現在の捜索年数&捕獲済みの凶悪犯の数、かなり無茶というか、納得できん数字だぞ。>宮部みゆきどの)


『少年サロメ』 野阿梓 講談社
「覇王の樹」「砂路」「孤悲」「王国の真昼」「少年サロメ」の五編入り。
「砂路」は「小説JUNE」に掲載された「アルンハイムの彷徨」(だったかな?)の改作(だと思う)。野阿梓のHPで調べてきたところ、未読の「雨天 ブルーバードの 飛ぶ」もアルンハイム物だとかで、これってシリーズだったらしい。ほー。
「覇王の樹」が一番好きかな。「少年サロメ」、挿入される日夏耿之介訳のワイルド「サロメ」が野阿梓の文章と溶け混じり、とても美しい。(王子サロメとともにアズラエル入りするジャベリンという総督、ジャベリンって他の作家の作品にもいたな、誰の何だっけと必死で思い出したら、エディングスのベルガリオン&マロリオン物語のドラスニアの密偵長だった。あの人、大好き〜♪)
ところで現在、『銀河赤道祭』をつい読み返してるんですが、キノ・グラース、つい頭の中で勝手に「木野グラース」に変換されてしまう…。


『孤島の姫君』 今市子 朝日ソノラマ
デニーズの帰り、その隣にあるBOOKOFFに寄ったとき、K美ちゃんが捜しているけど見つからないというコミックスを一緒に探してて発見。「赤い袖」「沈黙」、「真夜中の食卓」「遺影がない!」「孤島の姫君」「美しき獣たち(文鳥マンガ)」の六編収録。「真夜中の食卓」以外はすべて未読の作品であった。ブラボ〜♪(情けは人のためならず〜)
冒頭オールカラーの「赤い袖」、ほんの四ページの小品だが、実に不思議な味わいの佳品。「沈黙」「孤島の姫君」も楽しい。
あと、この人の文鳥マンガ、これまで一度も読んだことがなかったのだが、
すっげえ面白かったっ!! (食わず嫌いはいかんと思った)

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