本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


夢の宮 古恋鳥』上下 今野緒雪 集英社コバルト文庫
夢の宮 十六夜薔薇の残香』 今野緒雪 集英社コバルト文庫
夢の宮 王の帰還』上下 今野緒雪 集英社コバルト文庫
しくしくしく。夢の宮シリーズ、これで既刊分、ぜんぶ読んじゃったの。しくしくしくしく。
夢の宮シリーズのテーマは「予言」、どんなに人が予言にあらがっても結局は予言が成就してしまう、もしくは予言が当事者たちの思いもかけない形で成就する、という物語が多いのだが、この三作は特に予言色の強い物語。
『古恋鳥』は最後のドンデン返しが見事だった。唸ったよ、わし。
『十六夜薔薇の残香』は、『薔薇の名の王』の続編。これも「予言が当事者たちの思いもかけない形で成就する」ドンデン返しがあるが、それよりも、その死を秘した状態での茨木の殯の情景が心にしみた。
『王の帰還』、王権をめぐる予言を主題にしたとても怖い話。
しかし、鸞王家の存続って、ほんっといつでも常に超つなわたり。

さ、次は「マリア様」シリーズだっ!!


『悪い夢 私の好きな作家たち』 久世光彦 角川春樹事務所
書評、ごく一部「読書」にまつわるエッセイ、を集めたもの。
「泉鏡花の魅力はその素晴らしいタイトルに尽きる」とか、「足穂は研究しようとしてはいけない。途端に不味くなる」とか、そやねん、そやねん!とむっちゃ嬉しくなる本でした。
あと、故向田邦子さんを語らせた途端、なんか可愛らしく、ウェットになっちゃうとこも、わたしはけっこう好きです。(山口瞳の項なんて、ほんといじらしかった)
が、いい本と悪い本の比率が、昔に較べて後者が高くなっている、という主張には賛成できん。その本がいい本か悪い本かなんて、所詮、読んだ人個人のもんじゃん。問題は、評論家や世間や周囲が「それしょーむないやん!」と言っても、自分が面白いと思ったもんは「いや、これは面白い。いい話だ」と主張できるかどうかだと思う。(わし、これに関してだけは、ダチたちから鍛えられたも〜ん)


外法師 冥路の月』 毛利志生子 集英社コバルト文庫
わーい、わーい、外法師第二弾だ〜♪♪♪
今回は、実に悲しくてやりきれない結末の、でも綺麗な、ほんとに綺麗な恋にまつわる呪いの物語。
渡辺綱、「精悍な顔立ちが満面の笑みで著しく損なわれ、アマガエルに似た風貌になる」という一文に、つい渡辺いっけいの顔が浮かんじゃった。
ところで、今月のコバルト新刊、図書券500円が当たる愛読者カードはがきがついてるのに、これだけ入ってなかった! (-_-メ)。


グラス・ハート 熱の城』 若林未生 集英社コバルト文庫
このシリーズだけは表紙裏にあらすじ載せんのやめろ。これで読者何パーセントか逃してっぞ、きっと。
バンドなんて実際はこんなもんじゃないだろ、とかは思うんだが、このシリーズの若木未生の文章って、理屈抜きでほんっと気持ちいいのよ、読んでて。(expect 歌詞んとこ。あれはちょっと気恥ずかしい…。あ、でも今回、櫻井ユキノの曲の歌詞は「これ、マジ、聴きてぇ」と思ったな)


『炎の蜃気楼34 耀変黙示録X』 桑原水菜 集英社コバルト文庫
ええ、まだ買ってます。読みつづけてます。でも最近、同人誌には手を出してません。サイトもウェブリンクも捜せば腐るほどあるでしょうが巡ってません。
(これのパロに関しては、まだ巻数が十巻越えたか越えなかったころに出た葉月つかさのが一番好き。景虎の女王さまぶりが最高です)
毒を食らわば皿まで。最後までつきあう。好きなだけ書いてくれ。


『LOVE&TRUST』 榎田尤利 大洋図書
お、榎田だ♪と目を止め、あらすじを読んで「お」と思い、中をぱらぱらして、「こ、これは頭文字Dだわっっ!!」と買っちゃったもんの、店出たとこで「『頭文字D』は嬉しいが、もしも兄×弟テイストだったら………」と己の短慮を悔やんだ。
が。
杞憂でした〜♪♪♪

おおあ〜た〜り〜〜〜♪♪♪
核が兄上♪ 天が啓介♪ で、正文が呼び名は「フミ」だけど、拓ちゃん〜♪♪♪
で、これ、兄上が受けなのはいいんだけど、兄弟はただの仲良しすぎる兄弟で、兄には別に男がいて(でも恋人じゃないの♪)、天ちゃん@啓介は正文@拓ちーとラブラブになりかけてて、わし、啓×拓は苦手なはずなんだが、気にならんかったわ。兄弟のキャラクターの立ち方とか姿とかしぐさの描写とか喋り方が「頭文字D」パロとしては完っ璧だったから。
(あ、でも、上記のような理由から、拓×兄が第一主張の人にはお薦めできません)
ともあれ。
続編、読ませろ〜っっっ!!! >大洋図書どの
(が、あまりに完璧に頭文字Dすぎて、石原理の絵、好きなんだけど、この本に関してだけは、わたし的には邪魔だった)
(あと、ただ一つ、難を言わせてもらえば、核の一人称を「僕」にしたこと。ぜんぶ「俺」に書き直しちゃおうかしら)


テレビ消灯時間D 雨天順延』 ナンシー関
2000年9月から2001年8月まで連載分。
「大食い」モノに対する愛と冷徹な分析はさすがである。
あと、「郷ひろみ」の分析は見事のひとことであった。


夢の宮 蛛糸の王城』 今野緒雪 集英社コバルト文庫
既刊分は読み尽くしたと思っていた「夢の宮」シリーズだったが、「ご予約の本が届いてます」の図書館からの電話に借りに行ってみれば、一冊残ってた〜♪
が、これ、なんか座りの悪いお話だった。おおまかな筋自体は悪くないんだけどなー。


『ウォーレスの人魚』 岩井俊二 角川書店
弾みで借りてしまった。だって、わたし、岩井俊二の撮った映画って「スワロウテイル」しか観てないんだけど、これ、すっごい退屈だった覚えがあるんだもん。
が、これ、すっげえ面白かったっ!!
マーム・エイドという組織自体にはちょこっと無理はあるものの、実に見事な伝奇小説であった。


『晴子情歌』上・下 高村薫 新潮社
実は、30ページ読んだくらいのとこで、「さっさと読み終えて売り飛ばそう、これ」と思った。
読み終えたいま、とっとと売り飛ばすべきか、それとも図書館に寄付すべきか、第二部出るまでとりあえずとっとくか、悩み中。
『照柿』『地を這う虫』よりはとっつきやすかったんだが。
最後のほうにいかにも高村らしいサービスシーンもあったしな。

しかし、これだけ分厚い上下巻で、晴子の娘時代だけなんだもんなー。いや、大河だ。


『ぴかぴかbrand−newday』 依田沙江美 徳間書店
ファミレスを舞台にした話に、可愛いヤンキーくんと家庭教師の短編つき。
このヤンキーくんの両親、だあい好き〜♪
ファミレスの話も依田らしくキュートであった。
(この前に読んだ伝奇っぽいコメディが大外れで、ちょっとがっかりしてたんだけど、いや、元に戻ってくれてよかった)


『頭文字D』 24巻 しげの秀一 講談社
そりゃ、ずっと読んでますが。出りゃ買いますが。あいかわらず、兄弟、死ぬほど愛してますが。
1部の頃の、「うぉ〜、行け行けっ!」なわくわく感、ないなあ。
絵も、全体的には5巻くらい、兄に焦点を絞れば11巻あたりが一番好きなのよ。
いい加減、ラスボス(もちろん文太さんよね?)挑戦してほしいです。
あ、でも、文太さんvs涼介サマって、読みたい。ほんっと読みたい。完結した暁にはぜひ番外編で〜。


『君と極限状態』 長江堤 茜新社
『晴子情歌』の反動だろう。家にある乙女のためのホモラブロマンスを怒涛のように読み返し、BOOKOFFでもこの手を漁り〜。
で、久しぶりに読んだ、長江堤。あいかわらず、色気がぜんぜんなくて、おかしい。ヤカンドウ(野外動物観察同好会)の先輩がた、むっちゃいいです。


『想い出の月約束の海』 椎名りりん ラキアノベルス
しっとりとしたいい話でした。今更気づいたけど、あんまり新刊バカバカ出す人じゃないけど、けっこうハズレないわ、この人。


『無器用なのは愛のせい』 遠野春日 リーフ出版
新刊平積みされてたとき、「高校生の話か。ちっ」と舌打ちとともに平台に戻したんだが。
んー、もっと遠野らしい話が読みたい。はかばかしい進展もなく最後近くまですれ違いばっかで、読んでてだれた。


『THE MASK CLUB』 村上龍 メディアファクトリー
失敗作。
最初に言いたかったこと、やりたかったが、途中でどうでもよくなっちゃった感じ。


『魔法飛行』 加納朋子 東京創元社
巻末で有栖川有栖が書いてるとおり、北村薫の『空飛ぶ馬』に始まる例のシリーズにテイストが似ている。似ているが、あれほどのシャープさはない。ないが、とてもいい話である。


『いちばん初めにあった海』 加納朋子 角川書店
表題作と「化石の樹」の二編入り。ミステリ的には「化石の樹」のほうが好き。
表題作のほう、あれ、ここはちょっと破綻つうかつじつまあわんぞ、と思ったとこがあったはずなんだが、いまこれ読み終わってから十日経ってるので、忘れちゃったい。えい。


『昨晩お会いしましょう』 田口ランディ 幻冬舎
セックスを主なディティール(主題ではない。あくまでディティール)に使った五つの短編。
面白い。むっちゃ面白い。
が、これと一緒に『ミッドナイト・コール』つう短編集も借りてきたんだが、ちっとも面白くない。ぜんぜんダメ。『モザイク』やこれを書いた同一人物とはとうてい思えないくらい。
なぜ? どのへんが分岐点?
 


『ONEPIECE』23巻 尾田栄一郎 集英社
アラバスタ編終了。これ一冊読む間、三回泣いたな。あそことあそことあそこですが。
(家族で高麗ガーデン行ったときに持ってったのだが、予約しわすれたら一時間待ちで、わしとかよと和也とまわし読みしていた)


『ギャラリーフェイク』25巻 細野不二彦 ビッグスピリッツコミック
ラファエロが模写したほうのもう一枚のモナ・リザって、ピューリッツァー博士が主宰するスイスのシンジケートが所有してんじゃないの?(『世界不思議百科』コリン・ウィルソン 「永遠の美女モナリザはどこにいる」P223参照)


『ショッピングの女王3 崖っぷちだよ、人生は!』 中村うさぎ 文藝春秋
エルメスは商品に伝説を付加すんのがうまい、というのにはむっちゃ賛成。ケリーもそうだが、バーキンもそうだよなー。ま、わたしは一生ケリーやバーキンの本物を手にする機会はないと思うので、ケリーを「やたら金具の複雑な、重くて使いにくいバッグ」なぞと言い切る機会もないでしょうが。
しかし、うさぎよ。なんでそこまでわかってて………。(涙)
あと、彼女がお世話になった友人の結婚祝に思い切って十万円包んでったら、同じく招かれたジュブナイル作家仲間が「え、一万円じゃダメなの?!」とか言い出して、大騒ぎになるとこは爆笑。


『ななつのこ』 加納朋子 東京創元社
上質の少女漫画を思わせる連作。「バスストップで」出くわした青年が佐伯綾乃だというのはその時点で読者の大半はピンとくると思うのだが、それがマイナスでない。気づかない主人公に苛つくこともない。心地よい一冊。


『月曜日の水玉模様』 加納朋子 集英社
こちらは小さな会社につとめるOLが主人公の連作集。これも実に心地よかった。


『ミミズクとオリーブ』 芦原すなお 文藝春秋
先に『嫁洗い池』を読んでしまったのだが、こっちがいわば一巻。
こういう奥さんって、菊地秀行とかに出てくる胸バーン尻バーンウェストキューッでインフォマニアな女性とは対極の、もうひとつの男のファンタジーだよな〜。
と思いつつ、読んでて心地いいのはなぜだ、オレ。


『恋なんか面倒くさい』 藤隆 ムービック
BOOKOFFにて250円也。いや、久しぶりに読んだわ、藤隆。この前に「大学生編」と「中学生編」が出てて、どっちも読んだはずだが(でもって、これは「高校生編」)、ぜんぜん覚えてないわ、あはははは。
しかし、最近、この手を新刊で買わなくなり、もっぱらBOOKOFFであるもの勝負してんですが、なんか、中学生のお話が昔に較べて増えてないか? (ホモロリの気はまったくなく、まったくないどころか老け専の気はおおいにある(やっぱ食べごろつったら、シャンクスくらいの大人の男だろうが〜)わたしとしては、オトナのロマンスに増えてもらいたいっス)


『相棒』 剛しいら 大洋図書
これまたBOOKOFFにて250円。
「ドクター&ボクサー」シリーズ以外の剛しいらはたいがいハズレなんだが、石田育絵の絵につられてつい買った。買ったがやっぱりハズレ…。


『100万ドルの赤いバラ』 小林蒼 心交社
『風が見える瞳のままで』で脇役だったプールバー店長のアユキとダーリンの話。BOOKOFFにて100円。いや、掘り出し物だった。いい買い物をしました。


『狼には気をつけて』4巻 遠藤淑子 白泉社
以前、IME辞書がすっごい調子悪くなったとき、マイクロソフトのサポートに泣きついたら、「ユーザー辞書をあらたに作る」という解決法を教授してくれたのだが、それからも何度かすっごい調子が悪くなり、元の辞書に戻してもやっぱり治らないときはさらにあらたにユーザー辞書を作っていたら、今では四つ。しかもあらたに作ったユーザー辞書、それまで登録した字がないのよ。まっさらさらなのよ。
なんでこーゆー話をしてるかというと、白泉社が登録してある辞書としてない辞書があって、これは「はくせんしゃ」で一発変換できたから登録してあるほうだったんだな〜と、ま、それだけの話なんですが。
で、フォレストくんとアレキサンドラの話の四巻。アレキサンドラが再び、オトナぶってて実はオトナ、なアレキサンドラに戻ってくれて、とっても嬉しい。


『死神探偵と憂鬱温泉』 斎藤岬 ソニーマガジンズ
BOOKOFFにて300円。
表題作と同じキャラクターが出てくる話がもう一つ、それに家族の変わり者の息子が主人公の話が一つ。
表題作よりその続編の「変わらぬ娘」のほうがよかった。
家族の変わり者の息子が探偵やってるほう、いいっス。こいつ、殆ど榎木津礼二郎〜♪ 主人公ん家のメイドの千代もすっごいキュート♪♪♪


『チョコレート・キス』2巻 依田沙江美 二見書房
提案。ホモの話はオトナの話だけにして、学園モノはホモ抜きのコメディにしてくれんか? (この人の学園モノ、ホモ抜きのほうが絶対面白いと思うんだけど)


『ANOTHER MONSTER』 ヴェルナー・ヴェーバー、浦沢直樹 小学館
『MONSTER』副読本。ヴェルナー・ヴェーバーと浦沢直樹の共著ということになっており、ドイツのフリーランスジャーナリストであるヴェーバーが一連の“ヨハン事件”を追ったノンフィクションという体裁をとっているが、ヴェーバーは架空の人物。
ヴェーバーがニナの足跡を追いなおす第26章が余計といえば余計だが(これをより楽しく読むために『MONSTER』全18巻一気に読み返したあとだったのでそう思ったのかもしれない)、事件に即したドイツ語の新聞をわざわざ作ったりして、細部もないがしろにしていない、実に見事な本気のお遊び本。


『あんまり好きにさせないで』 高尾理一 リーフ出版
展開は多少たるいが、いわゆる「演歌的耐える受」の話とは一線を画した話でよかった。

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