本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


『残響』 柴田よしき 新潮社
ヤクザの夫のドメスティックバイオレンスに苦しめつづけられたせいで、その場に残る「過去の音」が聞こえるという特殊能力が目覚めてしまった女性を主人公とする連作短編。
途中から、彼女にそんな能力をあることを知った人間が逆にその能力を利用して罪を逃れようとする系の話ばかりになったとこがちょっと不満。


『月の砂漠をさばさばと』 北村薫 新潮社
絵本。絵はおーなり由子。
母と娘の二人暮らしのささやかな出来事を綴った物語。
ほのぼのとすっごいいい本でした。


『マリア様がみてる レイニーブルー』 今野緒雪 集英社コバルト文庫
これの前の『チェリーブロッサム』より先にこっちが来てしまった。そっちが来るのを待とうと思ったんだが、辛抱しきれずに読んじゃった。(T^T)


炎の蜃気楼35 耀変黙示録Y 乱火の章』 桑原水菜 集英社コバルト文庫
なんかもう、ゴタゴタと…。成田譲が信長に植えられた魔王の種を引っこ抜いたとこは気持ちよかったがな。
ところで、信長って「第六天魔王」って名前が過大解釈されてる感がある。
思うに、信長って人、理知的すぎて、「信仰する」ってことが理解不能だった人だと思うんだ。
例の「自分を神に祀った」ってのも、「お前ら、そんなに信心したけりゃ、オレでも信仰しとけっ」みたいな半ばヤケ、半ば諦めみたいな気持ちだったと思う。
で、正親町天皇宛ての手紙で名乗った(だったっけ?)「第六天魔王」ってのも半ば売り言葉に買い言葉、単に「どうせオレ、信仰とか帰依の心とかぜんぜんわからんもんね。仏の敵だあ? おう、上等、上等」という居直りだったのよね、きっと。
言うなれば、野球なんかどーでもいー子が阪神キチガイの家庭に育って、人から「野球はどこが好き?」と尋ねられて「巨人」と答えちゃう感じ。って、ちょっと違うか?
(ちなみに第六天魔王、「第六天」は六道のうちの天界のひとつ。「魔王」は仏への信仰を妨げようとする敵、つまり「六道の中の天界のひとつにいる、仏への信仰を妨げようとする敵」いわば中ボスなのよね〜))

あ、佐藤亜紀のHPみっけ〜♪♪♪ 新・大蟻食の生活と意見


暁の天使たち2 神々の憂鬱』 茅田砂胡 中央公論新社

こんなとこでブチ切るんじゃねえっっっ!!! 

続き、続き、続き早く

読ませろ〜〜っっっ!!!!


『略奪美術館』 佐藤亜紀 平凡社
冒頭の「(とある海外TVドラマ。盗まれた名画がぶじ取り戻されたところで、探偵役である主人公の奥さんが)『こんな素晴らしい芸術品を独り占めしようなんて間違ってるわ』 間違ってはいない!」に爆笑してしまった。いや、まったく同感だ。
これ、最初っから最後まで実に痛快。(が、だいじょうぶか、佐藤亜紀。余計なお世話だが、ここまで書いて、友達残ってるか〜)

ところでクラナッハの裸婦の臍の位置って、渋澤龍彦は絶賛してるそうだが(どっかで読んだな。『幻想の画廊から』だったっけ?)なんか変なことない? 臍ってフツー、あんな腹のど真ん中にあるか? (とか思ってたら、うちの和也と莉菜の臍、クラナッハな位置だったの〜。お前ら、なんでそんな位置に臍が…。>和也&莉菜)


『陽気な黙示録』 佐藤亜紀 岩波書店
『ブーイングのお作法』 佐藤亜紀 四谷ラウンド
『外人術』 佐藤亜紀 メタローグ
『でも私は幽霊が怖い』 佐藤亜紀 四谷ラウンド
すいません、一気借りしてきて、一気読みしてしまいました。ああ、もったいない、もったいない。
でも、ほんっと面白いのよ、佐藤亜紀のエッセイ系。
(ところどころ、ちょこっと「異議あり」したくなるとこはあるが、たいてい瑣末なとこで、いろんなものに対する基本的な姿勢はすっげえ好き)
(が、どれだったかな? 「これから新しい本が一冊も発売されなくなってもわたしはぜんぜん困らない。そうなったら出版社も仕方なく、絶版モノを再版したりするだろうからかえって有難いくらいだ」 は困る。オレは困る。すっげえ困る)


『バカラ』 服部真澄 文藝春秋
面白い。面白かったんだが。
難を言うならキャラクター造型。シビアな造型を目指して、かえって書き割りみたいになった感じ。
この筋で、構成で、登場人物だけもっと女性作家的だったらなー、服部真澄。


封殺鬼24 黒白の絆』 霜島ケイ 小学館キャンパス文庫
あああ、一年ぶりの封殺鬼〜っっ!!
あとがきによると「当分、浮気はしません。とりあえず次の巻はすぐにとりかかるつもりです」って、ほんとだなっ!! ほんとにほんとだなっっ!!
早く読ませろ〜っっっ!!!


世にも不幸なできごと1 最悪のはじまり』 レモニー・スニケット 草思社
なんでかわからんが、図書館に予約いれてた本。なぜだ、オレ。
あとがきによると、アメリカでは「ハリーポッターに追いつけ追い越せ」な勢いのシリーズらしい。
アンハッピーが売り物らしいが、実際には、一難去ってまた一難、という構成。面白くないことはなかったが、「本好きを自負するオトナが子供に読ませたがる本」みたいなとこが、ちょっとイヤン〜。


『五輪の薔薇』上・下 チャールズ・パリサー 早川書房
互いに縒り合わさった五つの家系が幾世代にも渡ってひとつの荘園の所有を巡って争う物語。
ということなんだが、作者が描きたかったのは、そういうゴシックホラーな部分より19世紀前半のイギリス、特にロンドン、ディケンズな世界だったんだろう。
(この家系、ちゃーんと理解できた人、偉い。わたし、こーゆーゴタゴタした家系モノってかなり好きなほうなんだが、これは途中でわけわかんなくなったもん)


『皆殺しブックレビュー』 佐藤亜紀・福田和也・松原隆一郎 四谷ラウンド
あ痛たたたたたた、な本…。
こーゆーのやんだったらさー、毎回お題決めたら、三人がおのおの「これは面白いぜっ」と思う本をもちよって、その本をお互いに攻撃しあってほしかった。(もちろん攻撃される側はイノチガケでその本を守るのだっ!)
特に佐藤亜紀、あんたがこんなに根性なしとは思わんかったよ。「動物のお医者さん」を他のふたりに「面白くない」って言われたときのあなたの弱腰ぶりには、ものすごくがっかりしました。殴られたら殴り返せよ〜っ!! 守れよっ、あんたの好きな本をっ!!

あと、三人がそれぞれあとがき書いてんだが、福田和也、あんたのはほんっと、読んでて人事ながら恥ずかしくってしょうがなかったわ。


『平成講釈 安部晴明伝』 夢枕獏 中央公論社
つい先日、弟の部屋でバイオちゃんいじってたら、弟が「これ、夢枕言うてるけど、あの夢枕獏か?」と尋ねられてTVを見たら、鮎釣りの番組に獏ちんが出ていた。
ま、それだけの話なんですが。
鮎釣ってるヒマがあったら、キマイラとサイコダイバー、完結向けて驀進してくれ〜とか、ま、ちょっとは思ったんですが。
で、これは講談を元にしたもうひとつの「陰陽師」。リズムのいい文章で楽しめましたが。
ねえ、キマイラとサイコダイバ〜〜〜ん。>獏ちゃん

(ところでサイコダイバーのほうに出てくる「鬼道」の人たちって、獏ちゃんのお師匠である半村良の「妖星伝」の鬼道衆となんかつながりがあるのだろうか)


『花より本』 塚本邦雄 創拓社
毎日新聞に連載していた、好きな本を紹介するコーナーを一冊にまとめたもの。
上の『皆殺しブックレビュー』の直後に読んだので、心が洗われました。
わたしが読んでない本、読んだけどあんまり好きじゃない本をいっぱい入ってたけど、もしも誰かがこの中のどれかを「この本、わたしはイマイチ…」みたいなことを言い出したら、『皆殺し〜』の軟弱連中と違い塚本邦雄は、徹底的にその本を擁護する、ちゅうか、そんな浅はかな意見を述べた相手を渾身の力でねじふせにかかるに違いない。(クーニン、そういう喧嘩は好きそうだもん)


『永遠の7days』 水無月さらら キャラ文庫
アタリ。こういう気持ちのすれ違いものって、すれ違ってる間、イライラさせられるばかりっつうのも多いが、水無月のはそのへんも読んでて楽しいのよねえ。


『恋人はピカレスク』 1、2、3 真船るのあ 花丸文庫
キャラクター設定も筋立ても好みのタイプの話なんだけど、なんだかなあ、可もなく不可もなし。なんでかな。この手のパターンの話なら、もっとオトナな話として読みたかったかな?


『夜叉』12巻 吉田秋生 小学館
ついに完結。これはこれでよかったけど、ドラマのほうが筋立ても結末も好きだわ、わたし。
余談だが、吉田秋生、いまだに『BANANAFISH』に心を残していると思う。描き足りずに番外編も描き、この『夜叉』にシン・スウ・リンも出しちゃったけど、それでもまだ足りてない感じ。で、提案。もう一度最初から、『BANANAFISH』を心ゆくまで描いてみるというのはどうだろう。


『カルバニア物語』 7巻 TONO 徳間書店
やっと出た出たカルバニア新刊♪♪♪  やっぱり面白い♪♪♪ まだ読んでない人、古本屋さんでこの作家の名前見つけたら、断然買いっス。とりあえずハズレないよん。


『名前のない色』 榎田尤利 雄飛
恋人に捨てられた思い出から夏になると絶不調になるイラストレイターと、色覚異常を隠している編集者のロマンス。
問題をどっちか片方に絞ってくれたらよかったな。前半と後半で話が真っ二つに分かれている感じだった。


『愛はめんどくさい』 まついなつき メディアワークス
代表作『笑う出産』も読んでないのに、いきなりこんなもんを借りてきてしまった。ええ、なんとなく。
自分の気持ちや選択や状況を一生懸命分析してて、けっこう「うんうん、なるほど」もあるんだが、考えすぎっちゅうか、頭でっかちっちゅうか、いまいち自分を客観視した上で笑いもんにする余裕に欠けてるっちゅうか。。。


『コンプレックス』3、4巻 まんだ林檎 ビブロス
1、2巻、買って読んで売り飛ばしたあとだったが、BOOKOFFで見つけて、つい買っちゃった。
(「あたくし、ホモは描いておりますが、そのへんのボーイズラブ作家と一緒にしてもらっちゃ困りますわ」な感じが鼻について、ついまとめて売り飛ばしちゃったのよ)
2巻の終わりで別れた達也と淳一、3巻でよりを戻し、最後まで添い遂げておりました。ふたりが分かれる原因となった達也の奥さん、殺さずに生かしといて、「グッドナイト・ムーン」みたいな家族像にしてくれたら、もっと感じよかったんだけどなあ。(が、本人もあとがきで安易に殺しちゃったことを悔やんでたので、ま、許してやっか。←って何様のつもりだよ、オレ。(笑))


『綺羅の柩』 篠田真由美 講談社
一応緑色にしてあるが、わたし的にはほのぼの系赤として読んでいる。(だってこのシリーズ、ミステリとして満足したこと殆どないんだもん〜)今回、京介と深春のベランダシーンでおなか一杯。
それにしてもこれだけ引っ張って引っ張って引っ張ってきた京介の過去、よほどの過去じゃなかったら、ファンはみんなおお暴れするぞ〜。


『食のほそみち』 酒井順子 実業之日本社
図書館の料理本の棚から何気に借りてきた。地味な臙脂色の装丁に、年寄りの書いた重厚な食エッセイかと思ったら、わしより若いエッセイストの書いた軽いエッセイであった。
でも、この人、面白いわ。目線がわしらの年代的にフツーでマトモで。


『旅行者の朝食』 米原万理 文藝春秋
これまた、図書館の料理本の棚から何気に借りてきた本。
で、こないだめたぞう改めもきゅがうちに来たとき、「あ、これ、探してたんです〜」って言うので、てっきり一緒に借りてきた朝日の読書欄で紹介されてた『天才建築家ブルネレスキ』のほうかと思ったら、こっちのほうだったという。タイトルの「旅行者の朝食」というのは、ソ連崩壊前にソ連で作られていた激マズ缶詰の名前。で、崩壊前のソ連に住んでたことのあるめたぞう改めもきゅ&母ヒロ子先生は、その缶詰のことを取り上げたエッセイがあると聞き、読みたいな、と探していた模様。
んで、面白かったっス。書いたのは、ロシア語の同時通訳してる人。同時通訳にまつわるちょっとペダンティックな話題から、家族の大食い話まで、どれも読んでて楽しい。

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