本読み日記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


『2001』 日本SF作家クラブ編 早川書房
SF作家の書き下ろし中編を集めたアンソロジー。冒頭に載せられた「非リアリズム文学の大陸へ!」なる大原まり子の文章の仰々しさに笑った。わたし、フィクションにおける「リアルであること」というのは「なにを書くか」より「どう書くか」の問題であり、ジャンルとは無関係なもんだと常々思ってるんもんで。
で、書いてるのは、新井素子、荒巻義雄、神林長平、瀬名秀明、田中光二、谷甲州、野阿梓、藤崎慎吾、牧野修、三雲岳斗、森岡浩之。
新井素子、瀬名秀明、野阿梓以外はほとんど読んだことのない作家。
藤崎慎吾と三雲岳斗、かなりよかったので、今度図書館で漁る〜。
ちなみに、荒巻義雄の「ゴシック」は、「小説の中の漢字量や使われている単語のクォリティは書かれている内容のクォリティとはまったく無関係だ」というのの格好の症例でござんした。


『死の蔵書』 ジョン・ダニング ハヤカワミステリ文庫
『幻の特装本』 ジョン・ダニング ハヤカワミステリ文庫
古書店経営者クリフ・ジェーンウェイ物二冊。
いや、びっくりしました、『死の蔵書』。前身が警察官だったり、プロローグやエピローグで警官をやめたいきさつが語られてたりするのはあっても、半分くらい進んだとこで主人公がいきなり警官やめるっつうのは初めて〜。
で、「蔵書」のほうはすっげえ面白かったが、続編の「特装本」のほうはいまいち。
あとがきによるとジョン・ダニング氏、いわゆるシリーズ物を「作家が手っ取り早く稼ぐ手段」とみなしている模様ですが、そうだよな。シリーズにする気なら、ピンキーみたいな魅力的な登場人物、いきなり殺したりせんわな。

ちなみにわたくし、言うまでもなく、シリーズ物、大好きです。


『エレベーターで4階へ』 マリア・グリーベ 講談社
子供用新刊コーナーに並んでて、あらすじ読んでつい借りてきた。
面白かった〜。行け行けドンドン♪ かなりのストーリー・テラーです、この人。
日本でもかなり豪華なマンションはあるが、欧米のこういう「集合住宅なのにそのひとつひとつがお屋敷みたいな超豪邸」つうのとは桁が違うな。(つっても、日本の超豪華マンションだって、じかに見たことがあるわけじゃないけど)(あ、でも、妹んとこのマンション、頂上のほうの階には「なんぼするねんっ」と突っ込みいれたくなるようなちょっと信じられないような部屋があるらしい。ちなみに妹んとこって、形も大きさも間取りもさまざまな部屋、中にはマンションなのに“二階部分がある”コンドミニアムがありぃの、それが立体パズルみたいにひとつの建物になってる、かなり面白い造りっス)


『ダブル』 久綱さざれ 学習研究社
一卵性双生児とドッペルゲンガーを中心にして、それに伝奇な味わいを絡めた小説。
面白かったけど、ドッペルゲンガー部分、いじりすぎて結末がすっきりしなくなった感じ。
一卵性双生児に関するあれこれの中の、「一卵性双生児は片方が右利きならもう片方は左利きのことが多い」「一卵性双生児は指紋も同じ」という記述、これ、著者本人の思い違いではなく、確信犯的なものだと思う。ちなみに、「エコーが普及してから判明したことだが、妊娠初期には双子だったのに安定期に入るとどちらか片方が消えていることがままある」つうの、これはほんとかな?


『True Love』 美樹静 白泉社
毎月一回、ゲイナイトを開いているバーを中心にした連作。
あいかわらずキャラクターがきっちり造型されてて、安心して読める。


『フラッド』 アンドリュー・ヴァクス ハヤカワミステリ文庫
『赤毛のストレーガ』 アンドリュー・ヴァクス ハヤカワミステリ文庫
『ブルー・ベル』 アンドリュー・ヴァクス ハヤカワミステリ文庫
前科持ち探偵バークのシリーズ。
三作までのタイトル、これ全部、その作で主人公バークが関係する相手。
『フラッド』は話が平板でだらだら読んでたが、二作目以降は行け行けドンドン。
二作目がいまんとこ一番よかった。
三作目のブルー・ベル、いい子なんだ、かわいそうでいじらしてくさー。でもなー。なんだかなー。
バークのチームのメンバーがそれぞれいい味出してます。その中に、ミシェルっていう性同一性障害の男娼がいるんだが、ミシェルについてやはり仲間のひとりのモグラに「男の体に閉じ込められた女だ」って言わせるのね。ヴァクスの知り合いにそういう人がいるせいかもしれないけど、人の痛みをちゃんと想像できる人なんだな、と思った。

おっかしかったのは、『赤毛のストレーガ』に出てくる、あれやこれやの理屈をつけて“少年愛”を正当化しようとする通称「師匠」と呼ばれているペドフィリアの男。どっかで読んだ覚えのある理屈だと思ったら、昔、JUNEで栗本薫やそのあたり、いわゆるホモ=耽美だのとぬかしてた連中がとなえてた理屈にそっくりだったんだよ〜、ぎゃははははははは _(__)ノ彡☆ばんばん!(そんでもって、あのあたりの「あ痛たたたた…」な部分をいまだに引き継いでんのが「イマージュクラブ」だ)


『図書室の海』 恩田陸 新潮社
既作の番外編やこれから書くつもりの長編のモノローグや予告編やアンソロジー集のために書いた短編を集めたもの。
「国境の南」と「オデュッセイア」が好き。


『バルーン・タウンの手毬歌』 松尾由美 文藝春秋
人工子宮が普及した時代、あえて自分の体で胎児を育てようとする妊婦たちだけが暮らす町、バルーンタウンを舞台にしたシリーズの第三作。
第二作目に較べたらこれのほうが面白いが、やはり第一作目の水準には及ばない。まったく別の特殊なシチュエイションを作って、そこを舞台に、第一作のクォリティで書いてもらえないかな〜。
ちなみにタイトル、どれも洒落てます。「幻の妊婦」とか「九ヶ月では遅すぎる」とか、タイトルだけでブッと吹き出してしまう。(ところでケメルマンの『9マイルは遠すぎる』、よく考えてみたら、あたし、まだ読んでない〜。読みたい〜。借りてこなきゃ〜)
ところで第一作の『バルーン・タウンの殺人』、ほんとに超面白いっス。未読の方、ぜひともGOGO!(特に「なぜ助産婦に頼まなかったのか」、タイトルも超イカスけど、中身もむっちゃ面白い〜)


『まほろ市の殺人 春』 倉知淳 祥伝社文庫
半端に都会で半端に田舎な地方都市を舞台にした新シリーズ。
地方都市のなんともいえないダサい感じがいいっス。(シリーズタイトルは「幻想都市の四季」だが、「幻想都市」っすか…。ほかにもうちょっとつけよう、なかったんかい)


『死神見習い修業中』 樹川さとみ 角川ビーンズ文庫
ちょっと読みかけたとこで、なんか気が乗らなくて、ずっとほったらかしてあった本。
なんだかな。主題もキャラクターも悪くはなかったんだがな。


『輝夜姫』20巻 清水玲子 白泉社
『HUNTER×HUNTER』 15巻 集英社


『視線のジレンマ』 水無月さらら キャラ文庫
デパートもの。
さすが水無月さららだけあって、こういう企業モノ書いても安っぽくなく、仕事内容とかの設定もかっちりしてて、主人公も脇役もそれぞれ悪くないんだが、なんだかイマイチのめりこめなかった。なんでだろ。


『甘い生活』 木原音瀬 オークラ出版
人格的に難ありの隠れゲイの男が自閉ぎみなのをいいことにいたずらしていた相手の男の子が、かっこいい青年に育って立場が逆転する話。
いかにも木原らしい話だったけど、んー、このあとで受けにされてしまう男に感情移入できんでなー。


『B.L.T』 木原音瀬 ビブロス
んー、これもなー。なんか、どことなく、しみったれた暗さがあってなー。


『いとしくて残酷なきみ』 金丸マキ コバルト文庫
わーい、ひっさしぶりの金丸マキ〜♪♪♪ あとがきによると「一年八ヶ月ぶり」の新刊だそうだ。そら、ひっさしぶり〜な気もするわな。
表題作と「愛でお腹がいっぱいだ」の二編入り。断然「愛でお腹が」のほうが、金丸マキらしくて好き。(タイトルからしてな)


『ひとりごとの恋』 榎田尤利 大洋図書
榎田尤利モノとしてはイマイチ。今月、好きな作家の新刊ラッシュでラッピハッピ♪♪♪だったのに、読んでみれば、なんか低調…。


『フランドルの呪絵』 アルトゥーロ・ヘレス・レベルテ 集英社
チェスがわからん人間が読んでも面白いチェス物ってのはあるので軽い気持ちで借りてきたら…。
これ、チェス知らん人間にゃわかんねえよ〜〜〜。
あと、根拠もなしにやたらと恐怖とか悪い予感を感じたりするヒロインって、オレぁあんまり好きくねえ。
ヒロインが修復を依頼された絵画のX写真に「誰が騎士を殺したか?」っていう文章が絵の下に書かれていたことが判明する、っていう導入部にはすっごいワクワクしたんだけどなあ。
あと、歴史の謎に現代の殺人がかぶさるっていう構成、ごく一部の例外を除いて(『百枚の定家』梓澤要とかな。あれは絶品♪)どうしても安っぽい感じになるなあ。


『ハード・キャンディ』 アンドリュー・ヴァクス ハヤカワミステリ文庫
『ブロッサム』 アンドリュー・ヴァクス ハヤカワミステリ文庫
『サクリファイス』 アンドリュー・ヴァクス ハヤカワミステリ文庫
バークシリーズ第四、五、六作。
四作目最後で性転換手術のために旅立ってしまったミシェルが、六作目最後まで手紙等で消息は伝えられるものの本人が帰ってこなかったのが寂しい。
amazonで検索したところ、バークシリーズあと三冊出ている模様。ラッキ、あとまだ三冊一気できる〜〜♪


『リメイク』 コニー・ウィリス ハヤカワSF文庫
ある映画を選ぶ。それにすきな俳優を配役しなおす。するとその配役でその映画が見られる。(例:映画「ゴースト」をチョイス。デミ・ムーアのかわりに一条薫んときの葛○信吾、パトリック・スウェイツのかわりにはもっちろんクウガんときのオ△ギリジョー♪)
長生きすれば、そんな楽しみ方も簡単にできるようになるんだわ、きっと〜♪♪♪
とかつねづね思っていたわたしだが、コニー・ウィリスもおんなじことを考えてたか。
観光客向けの、アンハッピーな映画を客が考えたハッピーエンドに変えてくれるサーヴィスっていうアイディアは秀逸。できたらいいなあ、こんなの。そしたら「レオン」のハッピーエンド版作ってもらいにはしるぜ、ハリウッドへ!!
そんでこのハッピーエンド版なんですが、222ページにこれの主人公が考えた「カサブランカ」のハッピーエンドヴァージョンってのがちょびっとだけ載ってるんだが、これ、いいぞ〜。
このハッピーエンド版、ひそかに全部書いてんだろう、コニー・ウィリスっ!! それ、読ませろ〜っっ!!


『イタリアの食卓』 山根三奈 ブロンズ新社
著者山根三奈は、元は森薫、その後杉屋薫名でTVドラマの脚本を書いてた脚本家だそうだ。
彼女ととあるミラノ在住の一家との交友を軸に、イタリアの食生活のあれこれを書いた本。
面白かった♪ 食のあれこれも興味深かったが、笑わせどころ泣かせどころも心得てます、この人。


『ハッピー・バースディ』 新井素子 角川書店
面白かった!! 結末も、ゾーッとさせながらも爽快感たっぷり。
新井素子、読まずに馬鹿にしてる人も多いですが、ときどきすっげえの書いてます、彼女。
これまで読んだ中では『おしまいの日』が一番すき。あれは怖かった〜。

あと結婚生活を書いた『新婚物語』&『結婚物語』もよい。これはドラマ化されたが、ドラマは換骨奪胎されてて超つまんなかった。


『あのひと』 木原音瀬 ビブロス
図書館で借りてきた〜。
これまでこの手は滅多に棚に並んでないので買って読むしかないと諦めてたんだが、置いてあったのよ〜。
ちなみにこれは書庫にあったので、ちょうどそのへんうろついていた顔馴染みの館長さんにお願いした。戻ってきた館長さんはなんとはなしに目が泳いでいた。(気の毒に…)
ともあれ、この手もこれから図書館で借りてタダで読むぞ〜♪

そんでもって、これですが、くっついた後の話がやっぱよいです。(木原音瀬のはくっつくまでがやたら鬱陶しいのよ〜)


『法月綸太郎の功績』 法月綸太郎 講談社ノベルス
短編集。もちろん法月綸太郎とパパ警視が出ずっぱり♪
トリックとか動機はどれもイマイチながら、あいかわらず綸太郎とパパの親子二人暮らしの様子が愉しい。
綸太郎が「ひょっとしたら親父もオレももうぼけてて、養老院でふたり、すでに解決された事件について頭を悩ませてるのかも」とか綸太郎が思うとこがあるんだが、似たようなこと考えたことがあるわ、わたし。ようこちゃんとN塚長姉と三人でくっちゃべっててふと、「なあ、ひょっとしたらわたしら三人、実はもう三人とも養老院におって、数十年前にした話を繰り返してんのかも…」って。そんときゃホモ話で盛り上がってたんですが。


『ボクサーは犬と歩む』 剛しいら クリスタル文庫
ネットで新刊出てるのを知ったんだが、いつも行ってる府大前のTSUTAYAでもう売り切れで、あちこち捜すよりゃわんだーらんどだろうと思ってひさしぶりにわんだーらんどに行ってびっくり。
ボーイズラブ物が店内の四分の一を締めてる〜〜〜っっ!!
はあ、たまげた〜。
んで、ドクター×ボクサーシリーズ第五作。あいかわらずよいです。


『ストーンエイジCOP』 藤崎慎吾 カッパノベルス
家出した少年少女たちが公園で野生に近い生活をする、というところはすんごいよかったのだが、メインの部分である「すりかえられた子供」の顛末が無茶だった。
これ、「すりかえられた子供」抜きにして、もっと寓話的な話にしたほうが絶対よかったんじゃないかと思う。主役の角田も、コンビニCOPじゃなく、公園に現れた記憶喪失の男にしてさー。


『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 上下巻 J・K・ローリング 静山社
日記にも書きましたが。

うーうーうー、もう読んじまったよおおっっ!!

げろくそ面白かったよおおおおおっっっ!!!


続き、続きが、五巻が早く読みたいよ

おおおおっっっ!!!

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