本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


来月頭に封殺鬼シリーズ(霜島ケイ)の新刊が出るんだ〜♪
前のは去年の9月に出たばっかなのに、もう出るんだ〜♪
たらったたったったん♪♪♪
『聖女さま、参る!』 霜島ケイ 角川スニーカー文庫
『聖女さま、走る!』 霜島ケイ 角川スニーカー文庫
第二作の『走る!』のほう、新刊案内で見て、図書館で借りてきて、読み終わってからまだ読んでなかった『参る!』の続編だったと気づきました。とほほほほ。
面白い。面白いんだが、聖女さま方のキャラ、なんとなーく樹川さとみの楽園シリーズ思いだしちゃうんですが。
(フレイスはサラとファリス足したみたいだし、アマンは見かけはともかく中身はガーガちゃんだし〜)


『花地獄』 鈴木清順 北冬書房
いろんなとこに書いたエッセイや短編小説をまとめたもんだが、とりあえず紫。
清順が監督した映画、「陽炎座」「ツィゴイネルワイゼン」「カポネ大いに泣く」の三作しか観ていないので(すんません、すんません、「けんかえれじい」も「河内カルメン」も「東京流れ者」も観てないんです〜)ファンを名乗るのはおこがましいんですが、「陽炎座」と「ツィゴイネルワイゼン」はもうなんべん観返したかわかんないくらいだあい好きなので、やっぱりファンを名乗りたいと思う。
愛してるわ、清順っ!! 長生きしてっ、清順っ!! 「ピストルオペラ」は気がついたら公開終わってたけど(いま公式ページ覗いて気づいた模様)ビデオ出たら絶対観るわっっ!! (主演が江角マキ子なので、レンタル始まったらそれほど探さんでも観れるじゃろ)
んで、図書館でこれ見つけ、初めて清順の文章を読んだのですが、彼の撮った映画にテンポも風合いもすっごく似た文章なので嬉しくなってしまった。
中でも短編小説がいいの、すっごくいいの。映画にしたら公開するには半端な時間の作品になると思われるが、観てえなあ。こないだ朝日新聞に載ってた投資企画でヒット商品次々飛ばしてるっつうねーちゃん、清順ファンド作って、資金繰りや資金回収やそーゆーこと考えずに清順が(残り少ない人生)好きなもんを好きなように撮れるようにしてやってくれ〜っっ!!(まだ観てないけど、「ピストルオペラ」の予告編とか観る限りじゃ、まだまだ撮る気も力もあるぞ、清順)


ローマ人の物語]T 終わりの始まり』 塩野七生 新潮社
今回は、アントニヌス・ピウス即位からセプティミウス・セヴェルス帝が死んでカラカラが即位したとこまでで、西暦二世紀あたり。巻末付録の年代記によると、三国志って二世紀末あたりだったらしい。ほーへー。
んで、今回のメインのひとり、アントニヌス・ピウスのあと皇帝になったマルクス・アウレリアスが映画「グラディエイター」でラッセル・クロウを後継ぎにしようとして息子に殺されたあの人だったそうだ。で、映画の「これはウソやで〜」な部分を検証してくれてるとこが面白かった。確かJ子ん家にあったな、「グラディエイター」。借りてきてもっかい観よ。
それにしてもこのシリーズ、正統ローマ史つうか、フツーのローマ史をちゃんと知ってたら、もっと楽しめたし、目からうろこもぼろぼろ落せたんだろうなあ。

あと、こないだ『羊たちの沈黙』(『ハンニバル』のほうかも)読み返してたら、レクター博士がマルクス・アウレリアスの言葉を引用してて、西洋でのマルクス・アウレリアスへの評価の高さを思い知った次第である。(最初に読んだときゃ、まさかローマ皇帝とは思わず、ギリシャかローマの哲学者だとばっか思ってました。昔の翻訳ものなら、こーゆー名前が出てきたら、()の中に二段組で説明が書いてあったもんだけどねえ)


『エンプティー・チェア』 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋
寝たきり探偵(これも障害者ジョークに入るんでしょうか?>ミスター・ライム)リンカーン・ライムシリーズ第三作。つっても、わたし、映画の「ボーン・コレクター」観ただけで読むのはこれが初めてで、読み終わってから、「ボーン・コレクター」とこれの間にもう一作あったのに気づいた馬鹿野郎なんですが。
でも、面白かった〜っっ!! クライマックスの二転三転のどんでんがえしのとこなんか、ほんっと胸がドキドキした。これだけの大どんでんがえしの荒業をみせながら、筋がきちんと通ってて破綻がないとこが凄いっ。(あるっしょ、読んでる最中は「おおっ」なんだ
が、ちょっと冷静になって思い返してみれば「…それやと前半のあのセリフとか筋が通らんやんけ」なの)
いいです、ディーヴァー、第二作も読む〜っっ!!


『林檎の木の道』 樋口有介 中央公論社
以前つきあってた女の子が自殺して、その死の真相をさぐるうち他殺だったことをつきとめる話。
いくら日本の警察の犯罪検挙率が下がってるからってこれはないやろ〜?な話でした。
でも、主役の男の子とかその家族とかはすっごいいいのよ。
この人、ミステリよりちょっと風変わりなホームドラマ書いたほうが断然面白いんじゃないかと思う。
が、ヒロインの女の子、こんな子大っ嫌いっっ!! (それにしても樋口有介よ、下着のパンツのこと「パンティー」なんていう若い娘、賭けてもええが、いまどき一人もおらんぞ)


『執念の家譜』 永井路子 講談社文庫
舞台になった時代も、書かれた時期も、どっちもてんでばらばらな短編を集めた短編集。
中図書館にある永井路子、あと四、五冊で読み尽くすから、そしたら市内のほかの図書館所蔵分、検索かけて取り寄せお願いしなきゃなんないけど、ものすごい数がひっかかりそうで今から不安…。


『ロミオとロミオは永遠に』 恩田陸 早川書房
二十世紀へのノスタルジーをこめたスラップスティック近未来SF。
テンポが軽快でキャラクターも魅力的で面白かったが、惜しむらくは、最後の結末部分のための伏線が途中にひとつふたつは欲しかった。

外見も中身もよく似ているけど分岐点で別の選択をする男の子ふたりが主人公なとこが、村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』や佐藤亜紀の『戦争の法』に似てる。


『ロードス島戦記 ファリスの聖女U』 原作:水野良 作画:山田章博 角川書店
左綴じなのである。つうわけで左開きなのである。んなわけで読みにくくて、買ったまま積み上げてあったのである。
が、こないだ読むもんがなかったときについ手にとってしまい、山田章博の絵に酩酊してしまう。
山田の絵ってほんとやっぱりもうたまらん。。。。


ハイスクール・オーラバスター ヘヴンズ・クライン』 若木未生 集英社コバルト文庫
このシリーズ、挿絵が高河ゆんに変わってすぐくらいから読むのをやめてしまってたんだが、図書館で見つけてついふらふらと借りてきてしまった。
高河ゆんに交代したのがたぶん『烈光の女神』編からだったと思うので、『烈光の女神』編全四冊中、最初の一冊くらいしか読んでないはずだが、これ、番外編集だったのでノープロブレムであった。
そんでもってこの番外編には神原亜衣がぜんぜん出てこなくてより楽しめたのであった。
(強い女の子キャラって好きなはずなんだけど、神原亜衣ちゃんだけはなんでかわからんがすっげ嫌いなのよ〜)
(んで、いま気づいたんだが、龍騎のユイちゃんって、どっかで聞いた名前だと思ってたら、「かんざきゆい」と「かんばらあい」、そうか、これだったのか…)


『山霧 毛利元就の妻』 永井路子 文藝春秋 
タイトルそのまんま、毛利元就んとこに吉川家から妻おかたが嫁いだとこから、毛利家が大家になる前におかたが亡くなるところまで。
大河の「毛利元就」ぜんぜん見てなくって、毛利家のこともほとんどぜんぜん知らなかったので(関ヶ原近辺に出てくんのは、孫の輝元だもん)、元就がええ年つうか世間じゃ晩年な年になるまで大名と呼ぶのもおこがましいような小さな所領の田舎大名だったのをこれで初めて知り、びっくり。


『コフィン・ダンサー』 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋
先に第三作を読んでしまった(第一作の『ボーン・コレクター』はデンゼル・ワシントン&アンジェリーナ・ジョリ出演の映画をビデオで観たっきり)リンカーン・ライムシリーズの第二作。
第三作同様、これもクライマックスで大どんでん返しっっ!!があって痛快。そこに至るまでのストーリーも行け行けドンドン。いや、いいぞ、いいぞ、ディーバー。

ライム、サックス、介護士トムもさることながら、他のキャラクター、おとり捜査の天才デルレイや、双子みたいにそっくりで、ベルガリオンシリーズのじじいの双子魔法使いや『ファーザー・ステップ・ファーザー』宮部みゆきの双子みたいに「分かち喋り」する刑事コンビ・ハーディーボーイズとかもすっごい楽しい。


『眠れぬイヴのために』 ジェフリー・ディーヴァー 早川書房
『コフィン・ダンサー』と一緒につい借りてきてしまったが、リンカーン・ライム物じゃないので、シリーズ大好きなわたしとしては「つまんなかったら読まずに返せばいいや〜」くらいの気持ちだったんだが。
いざ読みかけたら、行け行けドンドン、やめられない、とまらない〜。
いまんとこ一冊もハズレなしだ、凄いぞ、ディーヴァーっっ!!


『ねじの回転』 恩田陸 集英社
21世紀、時間を遡る方法を発見した人類は、それより遡ること80年前の人類の汚点というべき事件を修正する。
が、その後、HIDSと名づけられることになる致死性の高い伝染性疾病が蔓延し、その原因が「過去の修正」にあると考えた国連は、修正した過去を元に戻すプロジェクトを起こす。
という背景のもと、2.26事件が修正される過程をメインのストーリーにしたSF。
すんません、これ読むまで、2.26事件の重要性とかぜんぜん思い至っていませんでした。授業でも駆け足ダッシュのあたりだし、ケンさんの映画も観てないし〜。
女顔で美形の栗原中尉が実在の人物かどうかも知りません〜。が、この人が出てくるたびに、「ファントム無頼」の栗原くんの顔が浮かんで…。
(いま検索してみたら、実在の人物であった。が、写真が見つからない。見たい〜っっ)


『ハチミツとクローバー』1、2、3巻 羽海野チカ 集英社
商業誌デビューしてたのは知ってたが、コミックスが三巻まで出てるのを知らず、こないだ羽海野チカの日記を見つけ、「3巻発売です。1、2巻も重版されました」なるお知らせを見て、羽海野なら商業誌作品もハズレはなかろうと中身もぜんぜん知らず、一気買いしてしまった。(日記はここ♪)
んで、面白い〜っっ!! 美大が舞台でそこの生徒たちがわらわらと一緒に遊んだりご飯食べたり卒制のリミットだったり卒業できたりできなかったり謎があったり恋愛したりする話です。(注:ホモは出てきません。)
(この人がスラムダンク本出してたとき、大阪にご本人自ら売りに来てたりしたことがあるのだが、ふわんほよよんとしたましこさん系の可愛い人だった)
(こないだN塚長姉の絨毯爆撃につきあったとき、明輝堂でこの人のレディー・ジョーカー本を見つけてしまった。薄〜いコピー誌なのに1000円だったので買うのは押しとどまったが、読みたい〜。誰か持ってない?)

(コピー誌といえば、明輝堂よ、買取のときゃ「コピー本はお引取りできません」なのに店にはなんでコピー誌が…)


『弁護士は恋を自白する』 榎田尤利 大洋図書
NYで舞台に立とうと頑張るダンサーの卵とひょんなことから彼に怪我させてしまった弁護士さんのバリバリハーレクインな話に、ダンサーの卵くんの同僚になるダンサー二人の話の番外編二編付。
面白くないことはないが、榎田尤利モノとしてはちと物足りず〜。(物足りなさのあまり、魚住くんシリーズから一気読み返してしまったわたし哉)


『聖夜』 榎田尤利 笠倉出版社
高校生から40前まで、くっついたり離れたり他の人とつきあったり結婚したり離婚したりの、20年モノ大河愛。
ハッピーエンドまでこんだけ引っ張るなら、ハッピーエンド後の部分、もうちょっとボリューム欲しかったっス。


『真夜中を駆け抜ける2 千の花』 依田佐江美 二見書房
わーい、わーい、真夜中の続編だ〜♪
これまで読んだ依田佐江美で一番好きなの、これの1巻〜♪
これは2巻でおそらく完結御礼だと思うので、別の大人のシリーズをはじめて欲しい〜。
(でも、猫死に部分はちょっと…。犬猫は死なさんでくれ。犬猫死は現実で十分です。物語の中でだけは死なないで欲しいです)


『ピース』 館野とお子 ムービック
館野とお子、同人ではSMAP木×中の人なので、てっきり「模倣犯」で中居くんがやったピースのピースかと思ったら、奥付見たら書いたのは1999年らしいので無関係であった。すんません。
が、内容はベタ惚れの攻めに意固地な受けと同人の木×中な感じであった。
2巻も出てるらしいので、探さねば。


『セカンド・メッセンジャー』 月夜野亮 心交社
近未来刑事モノ。
主役ふたりより腋キャラのほうが充実していた。
んで書き下ろし編のほうですが、この麻薬、元はともかく研究室で合成できるんなら、末期癌患者のためのペインコントロールとかにも使える夢の薬なんじゃ…。
いや、中毒性がないんなら、利用先はもっと広いぞ、うん。


『悪魔のパス 天使のゴール』 村上龍 幻冬舎
じゅり母ようこちゃんによると、この本、発売直後、BOOKOFFでやたらと売られていたらしい。
原因は、サッカーの実録モノか、中田のプライベート情報とかが載ってると思って買った人たちが、読みかけてみたらまったくのフィクションだったので「畜生〜」と売り飛ばしたものと思われる。
(中田のHPに連載されてたらしいし)
んで、小説です。小説だから借りてきたんです。だって村上龍って小説は面白いけどエッセイとかすっげえつまんないんだもん。
で、淡々とした話だけど面白かった。わたしはどっちかってえとサッカーに限らずプロスポーツ、実際のゲーム見るよりうまくできたフィクションで読むほうが好きなので、クライマックスのゲームシーンも楽しめました。


『ボーン・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー 文芸春秋
つうわけで、リンカーン・ライムのシリーズ、3→2→1の逆順で読んじまったわけですな、わたし。
これは映画がよかったから原作のほうはもういいか、とか思ってたんですが、いや、これまた面白かった。先に映画観ててもノープロブレムだったわ、わたしの場合。
それにしても映画のほう、自殺幇助のお医者さんとか出てき
たっけ? 面白かったことだけ覚えてて、内容あらかた忘れてるわ、わたし。もっぺん借りてきて観よ。


『唇を閉ざせ』 ハーラン・コーベン 講談社文庫
初めての、ボライターシリーズじゃないコーベン。
種明かし部分、ちょっと腑に落ちない部分はあったものの、いやー、やめられない、とまらない〜♪
が、やはりボライターが読みたい。ので、お願いです、ボライターシリーズもやめずに続けて〜ん。>ハーラン・コーベン


『マークスの山』上・下 高村薫 講談社文庫 
もうそろそろいいかな?(本日2月12日。昨日バリュちゃんが帰ってきて、ついさっき12Mbpsがつながったとこ♪)
ちほあるいははるのの不安は的中しました。これ読んだあと、すぐさまハードカバーのオリジナル版を読み返してしまったんですが、ええ、元が完璧な作品だっただけに、これはいじるべきじゃなかったよ、高村〜。
きっちり丹念に書き込んでしまったせいで、マークスの箍が外れるあたりからの崖を転がり落ちるような感じと、それがあるが故のしんと背中が冷えるような読後感が台無しに……。
(ひさしぶりにハードカバーの帯の煽り文句読んでびっくり。そうか〜、これって「警察小説」だったのか…)
(で、その後、さらに『照柿』『レディ・ジョーカー』へと、ええ)
(『照柿』、前に読んだときは「読んでも読んでも読んでも加納兄が出てこない〜」せいで「面白くない本」に入れてしまってたんですが、すんません、あらためて読み返したら面白かったです。高村版『異邦人』つうか、性格的にどうしても嘘がつけない人はいる、泥棒できない人もいる、詐欺ができない人もいる、が、誰しも人殺しにはなりうるのだ、つうか)
(が、『マークスの山』と『レディ・ジョーカー』の間に挟まった「幕間」感はやっぱりあるな)
(そんでもって『レディー・ジョーカー』、ひさしぶりにきちんと読み返しましたが、やっぱりすごい小説です。これは下手にいじるな、高村〜)
(あ、でも、上巻423ページ上段3行目から5行目だけ、ここはもうちょい適切な言葉に直して欲しい)
(んで、ぢつは『レディー・ジョーカー』の登場人物の中でわたしが一番好きなのは、薬局のじいさんとこのパートの薬剤師のおばちゃんなのであった。あの人、大好き〜)


『ハイスクールオーラバスター 烈光の女神』1〜4巻 若木未生
冷泉院皐月、いや、強烈な悪役であった。よく書けたな、こんなとんでもねえ女。このシリーズぜんぜん読んでなくても、こいつの放つ罵倒の数々を読むだけでもこのシリーズ値打ちあり。


『真っ赤なウソ』 舘野とおこ オークラ出版

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