本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。


『あかんべえ』 宮部みゆき PHP
江戸が舞台の幽霊噺。
伝奇モノとか霊能者が出てくるシリーズ書いてる人って、シリーズのだいたい3巻目か4巻目あたりのあとがきで必ずと言っていいくらい、「こんなものを書いてますが、わたしには霊感はかけらもないですっ!!」っておおいに主張するんだけど、思うにあれって、「わたしも霊感あるんです〜。視えちゃうんです〜。憑かれそうになることも多いんです〜」なファンレターによっぽどうんざりさせられてるんだろう。
つうわけで、「特殊な場合を除けば、霊とその霊が見える人の間には、同じ傾向の暗い部分がある。なので、晴朗な心の持ち主には基本的には霊は見えない」という設定に、宮部みゆきの意地悪心を感じたな。
あと、霊感能力争いするお嬢ふたりにもな。


『スリピッシュ! ひとり歩きの姫君 前編』 今野緒雪 集英社コバルト文庫
ロアデルのために東方牢城の人たちがこっそりフラマーティヴルのお祝いの支度をする「フラマーティヴル」と、タイトルの「ひとり歩きの姫君」の触りの部分。(「フラマーティヴル」が、一冊にするには半端に短かったため、こういう構成になった模様)
第二話を読んだのがだいぶ前だったので、頭三分の一くらいまで、「誰が誰やら…」状態であった。これだから借りて読んでるシリーズものは…。

(借りて、といえば、来月3月1日から堺の図書館、ネットで本が検索できて、予約もネットでできるようになるの〜♪♪♪)


ハイスクール・オーラバスターミレニアムBOOK NEO』 若木未生 集英社コバルト文庫
短編「シャドウ・イーター」に、既巻のあらすじ、登場人物たちによる登場人物紹介、座談会等にイラスト担当の高河ゆんの漫画付と、同人なノリの一冊。
これも始まってから10年以上かあ……。そうか、そんなに月日は流れていたのか……。


『死の教訓』上・下 ジェフリー・ディーヴァー 講談社文庫
アメリカの田舎町で女子大生が殺され、資金不足で廃校寸前の大学の事情や、捜査を担当する捜査主任の家族の事情が絡む話だったんだが、捜査主任の学習障害持ちの娘がどうなるか気になって気になって、本筋を十分楽しめませんでした。
あとどんでん返し部分も。ベン・ブレックの名前がどうして大学の名簿になかったのか、これはきちんと説明して欲しかった。
それと真犯人、なんかレクターっぽい。ひょっとしたらディーヴァーが『レッド・ドラゴン』のレクター博士に触発されてこの真犯人を造型し、それをさらにハリスが読んでレクター博士のイメージを膨らませて『羊たちの沈黙』が成立したんじゃ…という想像は、これが書かれたのは1993年、ハリスの『レッド・ドラゴン』が1981年、『羊たちの沈黙』が1991年、これが1993年なので、的を外れておりました〜。


『悪魔の涙』 ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
筆跡鑑定人パーカー・キンケイドがFBIに協力し、大量殺人鬼を追う話。
男手ひとつでふたりの子供を育てるキンケイド、好感度大っ!!
リンカーン・ライムも電話でだけだけど登場して、とっても嬉しい。
しかし、ディーヴァーの小説って、どれをとっても映画化向きだと思う。
(が、ディーヴァー的には映画「ボーン・コレクター」の出来栄えは不本意なものだったんだそうだ。ん〜、あれ、好きなんだけどな〜。どこが気に入らなかったのかな)←が、エンディングのガブリエル&ブッシュの「ドント・ギヴ・アップ」のせいで、わたしの頭の中で映画の評価二割増しくらいなった可能性も大。


『青い虚空』 ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
ネットワーク犯罪もの。
サスペンスとしても行け行けどんどんな上、PCのことも今までよりはよくわかったような気になる、お得な一冊。
あとキャラクターもいい。凶悪だがスキルも相当に高いクラッカーを追うために一時的に刑務所から借り出される懲役中のハッカーもいいし、最初はしぶしぶネットワーク犯罪課にまわされてきた実はすんげえ有能でいい奴だった刑事ビショップも感じいい。書かれた年代、古い作品より新しい最近の作品のほうが、キャラクター造型的にはわたし好みだ。
それにしても、他人のメールだの、PCの中身だの、覗いてそんなに面白いもんかしら。


『眠る探偵』 榎田尤利 ジュネ・ノベルス
新シリーズ。睡眠障害持ちで常識なくて貞操観念低いバイ・セクシュアルのやもめの探偵に、その助手の胤違いの弟、年のわりには老成した探偵の娘が、持ち込まれた事件を解決する話。
続きが出たら、きっと買うだろう。が、『LOVE&TRUST』の続きのほうがさらに待ち遠しいわたしである。それにしてもよく仕事するなあ、榎田尤利。まだ買ってないけど、今月、もう一冊出てたもんな。


封殺鬼 玉響に散りて』 霜島ケイ 小学館キャンパス文庫
これまでの問題の数々が一気に片付いて、カタルシス満点〜♪♪♪
しかも、桐子さまの再登場まであって〜♪♪♪
中でも気持ちよかったのは、三吾がついに兄に造反したとこだな。
沙穂子の父ちゃんの親バカぶりも楽しかった♪
それにしても、ほんっとこのシリーズ、面白いんです。
今月から随時新書版で出ますんで(しかも大幅改稿♪)、キャンパス文庫はちょっと…だったらそっちをどうぞ♪
(おれぁもちろんこっちも買ったぜ。文庫版の西炯子の挿絵、むっちゃ好きですが、新書版のほうは下村富美で、これまた嬉しい♪)


『HUNTER×HUNTER』16巻 冨樫義博 集英社
新刊出るたびつい1巻から読み返しちまうのよね。
んで、あちこち「これはおかしい…」に再度気づいてしまうんだが、やっぱり面白いのよね〜。
それにしても旅団の連中、早く出てきて欲しいな〜。

特にクロロ。もちろんクロロ。


『デザイア』 七地寧 ラキアノベルス
七地寧におお外れなしっ!!と思ってたが、これはちょっとそのお…。
まじめに書いてください。>七地寧さま


『ヘルズ・キッチン』 ジェフリー・ディーヴァー ハヤカワ文庫
またやっちまったよ、ディーヴァー。ジョン・ペラム物、第一作まだ読んでないのに先に第二作読んぢまったよ、ディーヴァー。
マンハッタンのスラムでドキュメント作品制作中だったペラムだが、インタビューのために訪れようとしていたアパートが放火され、容疑者として交流されたペラムの訪問相手であった老女を助けるためにペラムが奔走する話。
あんまり好きな話ではなかったが、最後の最後の落としは見事の一言。


『ベネチアングラスの謎』 太田忠司 祥伝社
霞田志郎モノの短編集。
千鶴の過去モノの「四角い悪夢」が怖くて好き。


『紅の悲劇』 太田忠司 祥伝社
霞田志郎モノ長編。
太田忠司、同人界にはけっこう造詣の深い人なので、志郎が試しに口紅塗ってみるシーンは確信犯のくすぐりだろう。
が、いま検索してみたら、まともなサイトや感想文ばっかり〜。
太田さん、やっぱ腐女子萌えさせるには的確な攻めキャラが要るのよ。
(三条くんはやっぱな〜。兄妹どんぶりはいかんよ、三条)
(霞田志郎はやっぱ受けと思うわたしである)


『航路』 上・下 コニー・ウィリス ソニー・マガジンズ
去年の10月頃発売されてすぐ図書館に予約したものの、順番まわってきたのは四ヵ月後の二月も末〜。
が、謎なのよ。栞紐が買ったときのまんまとしか思えない「し」の字の形にへばりついてたのよ。今まで借りた人、みんな自前の栞挟んでたの? それとも、上巻も下巻も、栞紐使う必要ないくらい、一気読みしたの?
んでもって、日記にも書きましたが、
すんげえ面白い〜っっ!!
行け行けどんどん、やめられない、とまらない〜っっ!!
主題はNDE(Near Death Experiences
臨死体験)。でも、本文中でも言及されてるとおり、「フラット・ライナーズ」じゃないよん〜。
主な舞台は大勢の患者が入院する大病院。臨死体験者から聞き取りをし、死の間際に近づいた人たちがなぜこれほど似通った体験をするのかを調査研究している女性ジョアンナに、身体に影響を及ぼすことなしに臨死体験とほぼ同じ脳の状態を作り出す薬剤を発見した研究者が協力を請い、ジョアンナは手伝うことになるのだが、最初に集めた被験者は実験を始めてみればそれぞれに問題があり、ついにジョアンナ自らが被験者となるのだが…。
これも日記に書きましたが、「臨死体験が××であり、×××であるのなら、ジョアンナ以外の臨死体験者の細かいディティールがなぜ××××××のデータに符号したのか」という疑問は残るものの、読み出したらほんっと止まらないよ、これは。


鬼外カルテ其の九 プリンス・マーメイド』 碧也ぴんく 新書館
今回は人魚&八百比丘尼ネタ。
面白かったけど、鬼外氏は海辺に出張で、太夫とかのお馴染みの面々が出てこなかったのが寂しかった。
あと、鬼外ん家のリビングで育ちかけの弁天も気になるし〜。
八百比丘尼ネタといえば忘れられないのは、星野之宣の「月夢」。これはしびれたぜ。


『ハチミツとクローバー』4巻 羽海野チカ 集英社
表紙裏の著者近況報告によると、家を留守にしたとき羽海野は、留守中に空き巣に入られても大丈夫なように、ハンコや通帳を絶対にわからないとこに隠したんだそうだ。あまりに完璧に隠しすぎて、どこに隠したんだかわからないのだそうだ。どっかで聞いたな、こんな話、うーん、デ・ジャヴ…。
今回から真山の勤め先の面々も登場、こいつらも楽しい。リーダー、可愛い〜ん。
ただセミの話だが、あいつら地面の下にいるときも、うつらうつらと楽しい夢とか見ててそこそこ楽しいんじゃないかと、わたしは思ってるんだが。(中にはきっといるんだ、「えー、外出んのお? めんどくさい〜」とか言ってセミにならずに地中で一生終えるような奴も)

INDEX書庫