本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『ブレイブ・ストーリー』上・下 宮部みゆき 角川書店
すいません。買ってしまいました。図書館で予約の順番が回ってくるのを待ちきれないことはなかったんですが、BOOKOFFで半額で上下揃ってるのを見つけちまったったのさ、激ラッキ♪♪♪ (が、上巻は帯なしだったもんのちらしとかはそのまま入ってて、下巻なんざ帯に応募券まで切り取られずに残ってた。いま話題になってる、ガキがこづかい欲しさに本屋で万引きしてその足で売りに行くってアレかも。。。)
平和だった日常が壊され、それが元に戻ることを求めて、異世界を旅することになる少年の物語。
これをこのままRPGにはできないだろう。異世界部分を相当膨らませないと、すっげえへろいゲームになると思う。
それを思うと名作RPGやシュミレーションって、ものすごい量の情報が詰まってんのよね。
それにしても、TVゲームは想像力を必要としない遊びだとかほざきやがるバカがいまだに新聞とかにのさばってるべ?
RPGやシュミレーション、アドベンチャー関係で、攻略じゃない本やサイトが、世の中どんだけあるか知らないのか。どれだけの情報がプレイヤーの想像力に委ねられていることか。エピソードとエピソードの隙間部分や、語られなかった部分をあれこれ考えたりせず、ゲームしている人間って殆どいねえよ、バカタレが。しかも、本読むより想像する時間はたっぷりある。レベル上げにせっせといそしんでる間なんか、ほんっと妄想タイムよ。
あとパズルゲームやシューティング、格闘等については、けんだまとか鞠つきやヨーヨー系の遊びの楽しさと本質は同じと思うのだ。


『死人主催晩餐会』 ジェリリン・ファーマー ハヤカワ文庫
『殺人現場で朝食を』 ジェリリン・ファーマー ハヤカワ文庫
ハリウッドでケータリング業を営むマデリン・ビーンシリーズ第一作第二作。
ケータリング屋さんが探偵役のミステリというとダイアン・デヴィッドソンのクッキング・ママ・シリーズが有名だが、同じくケータリング業者の女性を主人公にしてファーマーがつけた新味は、ハリウッドを舞台にして実在のスター等を背景にちりばめることと、歴史上の謎を絡めること。
第一作のほう、かなり楽しんで読んだが、犯人がなんかいまいちパッとしなかった。「なーんだ、こいつかよ〜」って感じ。
第二作のほうも、やっぱりかなり楽しんで読んだけど、仕事上の時間が緊迫しているわりには主人公がなんだかのんびりしてて、「おい、大丈夫かっ?!」と読んでるほうがイライラしました。
第一作ではポレンタを、第二作ではブリオッシュを作るシーンあり。ポレンタのほうは分量が出てたのでマデリンが作るとおりに作ったら作れるかも。が、ブリオッシュのほうは分量なし。


『電脳日本語論』 篠原一 作品社
ATOKの進化史をプロジェクトX的描き方で記したもの。
太郎の前身がJXワードだったというのを初めて知った。使ってたわ、これ。。。
その後、バイト先で遭遇したのが一太郎ver2。で、最初にこの二つを使ったせいで、その後、小さい印刷会社に勤めたとき、テキスト入力部においてあったのはオアシスだったけど、社長室のほうのPCには松と一太郎両方入ってて松に初遭遇、「一太郎より松のほうがいい」といわれたけど、「松」すっげえ使いにくかったのね。
(松のほうが一太郎よりかなり高いソフトであったというのも、これで初めて知った)
(先にあげたバイト先というのは、輸入ビデオの通販屋さん。アメリカから取り寄せできるビデオタイトル一覧を作ってたのが、ベイシックベースで動く「プレッセ」というソフトだったが、日本タイトル・原題・年代・時間・監督名・出演者・お値段をA4幅にすっきり見やすくまとめられるというレイアウト機能の点では、今のエクセルよりもこっちのほうが使い勝手がよかったと思う)
わたしはワープロソフトに対して諦念みたいなものを持っていて、「出したい字なんか出なくて当たり前」な気持ちで使ってるので、だからMS−IMEでもそれほど不満はないが(たとえば、「使ってたわ」と出すときも「つかってた」変換「わ」無変換、で出している。今試してみたら「つかってたわ」変換でも「使ってたわ」とちゃんと出るが、「つかってたわ」変換で「使ってた和」とかになる時代が長かったから。で、その頃も別に不満はなかったのよ)、これ読んで、ちょっともっぺんATOK使ってみたくなった〜。

それにしてもあらためて思うのは、大学のとき、よくぞ英文タイプの講座を受けといたもんだ。あそこでしごいてもらったおかげで、初めてワープロソフト触ったときから、ローマ字入力ならブラインドで打てたのよね。(しかもタイプと違って、小指で打つキーも軽い軽い)


『山尾悠子作品集成』 山尾悠子 国書刊行会
ずーっと前、天牛堺書店の古書コーナーの100円投売り場で『仮面物語』を発見、おお、かの有名な山尾悠子ではないかとすかさずゲット、以後『仮面物語』は幾度かの蔵書大粛清を余裕で生き延びて、今もうちの本棚にいらっしゃるわけだが、今まで「山尾の他のも読まねば〜っっ」と切羽詰った気持ちにはなぜだかそれほどならず、他の作品は一本も読んでいなかった。
こないだひょっこり「そおいや山尾悠子〜」と堺市図書館の予約検索かけたら三年前にこんなもんが出てて(野阿梓公式サイトにこれに関するタイトルはあったのだが、リンク切れで中身が読めなかったのよ。これだけじゃなく、あんたん家、リンク切れだらけなのよ。なんとかしろよ、野阿梓)、ええ、一気、一気読み〜。
収録作品については、ここ参照。(検索かけてさっき見つけた。どうやらここが、野阿梓宅目次からリンク切れてた先らしい)
「一行一句たりとも、ベタな文章は綴らず、ベタな単語は使わんぞ」という気概にあふれた、伝えることより表すことを主目的とした文章群。なのでときどき、誰がどうしてどうなったのか、とってもわかりにくかったりする。
んで、「夢の棲む街」「ムーンゲイト」「シメールの領地」「ファンタジア領」「耶路庭国異聞」「童話・支邦風小夜曲集」「破壊王」「蝉丸」が面白かった。
逆に、面白くなくて斜め読みしたのは、「街の人名簿」「蝕」「黒金」「透明族に関するエスキス」。

佐藤亜紀・野阿梓・小谷真理・東雅夫による「山尾悠子とわたし」な「栞」と、収録作品について著者本人にインタビューした内容を盛り込んだ収録作品についての「解題」の付録つき。
「夢の棲む街」の中に、ある女性が銃で撃たれた瞬間にその部屋の中だけ時間の流れがものすごく遅くなり、十年後の今も撃たれた女性は床に倒れていく途中、というエピソードがあったのだが、佐藤史生の「金星樹」(『金星樹』収録)を思い出してしまった。


『オットーと魔術師』 山尾悠子 集英社コバルト文庫
表題作以外に「チョコレート人形」「堕天使」「初夏物語」入り。うち「堕天使」は上記『作品集成』に収められていた。
この中でそこそこ面白かったのは、星新一系ショートショートテイストの「堕天使」と、あの世の人間をこの世に少しの間だけ反して時間を過ごさせる仕事をしているサキ氏の、仕事にまつわるエピソードを集めた「初夏物語」。


『ハイペリオン』 ダン・シモンズ ハヤカワSF文庫
名作の誉れは耳にしていたが、なぜか読んでいなかった『ハイペリオン』。
(相当前に読んだ『カーリーの歌』がてんで口にあわなかったせいかもしれない)
“時の墓標”なる抗エントロピー場に包まれた謎の場所をもつ辺境の星ハイペリオン。その星へ宇宙の蛮族アウスターが侵攻を開始し、シュライク教団によって選ばれた七人は「最後の巡礼」として“時の墓標”を目指すことになる。
選ばれた七人が順繰りに語る「ハイペリオン、もしくは時の墓標とわたし」が、それぞれの職業にふさわしいバスティーシュに満ちていて楽しい。
が、最後の最後、巡礼たちが“時の墓標”に到達したときも、提起されたすべての謎はまったく解決されてないのよ〜。それは続編の『ハイペリオンの没落』なのよ〜。さらに『エンディミオン』と『エンディミオンの覚醒』をくわえた、四部作でひとかたまりなのよ〜。
よかった、全部出揃った今ごろになって手を出して。

司祭の物語で描かれた、人に寄生し、体の隅々へと神経を伸ばす十字架、あれってひょっとしたらクウガのベルトのイメージの元になってるのかも。


『創竜伝13 噴火列島』 田中芳樹 講談社ノベルス
12が出たのが2000年8月だそうなので、ほぼ三年ぶりの創竜伝。
で、第一巻出たのはいつだっただろうと思ったら、1987年8月だと。
その頃の首相って、…中曽根? 竹下? 今回、森らしいのが新首相として登場するのだが、シリーズ始まって以来初めての首相交代だったと思うので、えっとその後が今調べてみたところ宇野・宮沢・細川・羽田・村山・橋本・小渕・森・小泉だそうだから、竹下だったら、間の七人ブッチしたわけか。
ともあれ、この巻、次男の極悪性悪美人なとこが好きでたまんない向きにはとても美味しい。
(ちなみにわたくし、長男×次男ベースの三男×次男。次男には長男に道ならぬ思いを抱いてて欲しいけど、長男は次男の忘れない♪恋心♪いつまでも♪恋心♪に気づいたりしちゃイヤなのよ〜)


『穢土』 樹川さとみ エニックスノベルス
青か緑か迷ったが、とりあえず青に。
伝奇もの。本人もあとがきで書いてるとおり、珍しく現代日本が舞台。
面白かったが、あちこち物足りなかったとこもあるので、この1.5倍くらいの長さが欲しかったと思う。


『レディ・ガンナーと宝石泥棒』 茅田砂胡 角川スニーカー文庫
シリーズ第三作目。ジェネロとエレオノーラが駆け落ちするまでがくどくてだるくて、かなりほったらかしにしてあった。
駆け落ちしたあとは行け行けドンドン急展開〜♪で面白かった。


『その瞬間とき、僕は透明になる』 松前侑里 ディアプラス文庫
横軸ふたつかみくらい離れた世界に飛ばされてしまった受けの子が、似ているがぜんぜん違う人生を歩んでる恋人とすったもんだする話。
続編に橋の神様たちが出てくるけど、エディングスのエレニア・タムールのアフラエルみたいなノリの神様だった。
そこそこ○。


『上海金魚』 かわい有美子 クロスノベルス
妻子持ちの男とつきあっいる青年と、つきあってた相手の取引先の商社マンの、上海の休日。(後にくっつく)
商社マンがすっげえいい男。すっごい大金持ちとか特殊技能者とか有名人とかじゃない普通の商社マンなんだけど、ものの見方や感じ方がものすごく感じがいい。さすがはかわい有美子。(が、名前が漢字になったせいで、またもやもうちょっとで見逃すとこだったよ。名前は簡単に変えてくれるな)
青年のほうの、真面目な地方公務員だけど元々ゲイという設定もよかった。
欲をいうなら、ハッピーエンド後のふたりを描いた短い番外編が付録についてたらもっとよかったなと。


『やろうぜ!』 石原理 角川書店
二輪バカの男の子とその子に一目ぼれした遊び人の同級生が、レース資金を貯めるために無茶をしたり、レースに反対する親を説得したり、じゃれたりじゃれたりじゃれたりする話。
どっちもほんとにいい子なのよ〜。読んでてすっごい楽しいのよ〜。


『六本木夜間診療所』 檜原まり子 花丸ノベルス
写真的記憶だけでは片付けられない奇妙な記憶能力をもった日系ペルー人と、六本木の夜間診療所を切り盛りする医者の話。
この日系ペルー人(攻)の、「いつでもどこでも勃てられて、相手だけ悦ばせて接して漏らさず」ってとこさえなければ(んなアホな)、脇役キャラもよく、説得力のあるいい話。


『リバース・ヘヴン 狼牙めざめる』 彩院忍 角川スニーカー文庫
『電脳天使』完結後、新作を待って待って待ち続けてた彩院忍だが、一昨年の十月にこんなんだしてやがった。
海抜2000メートルほどの場所に存在する逆転層における気導をもつ者たちの抗争。
登場人物たちがみな魅力的なのと会話の妙味は、話がかわっても変わらず。
なのにこいつ、これ以降、一冊も本、出してやがんないのよ〜。


小説書けっ!! 

本出せっっ!! 

読ませろぉぉぉっっっ!!!
>彩院忍どの

探してみたがサイトもなし。が、茶屋町勝呂みたいに違う名前で地下に潜ってやがる(ここの「NANAO」コーナー参照。この絵、どう見ても茶屋町だべ? 違ってたら御免)こともあるからな。
「ひょっとしたらここ、彩院宅では?」と思われる疑惑サイトをご存知の方、教えて〜〜〜。

これ読んで、完結巻読んで以来封印していた『電脳天使』を読み返す。ううう、やっぱり面白い。ローランドと創造主の関係、隠微で色っぽい〜〜。四巻で創造主を生還させてほしかった。。。(んで、創造主ん家の呪いってのはいったいなんだったんだ?)


『明日が世界の終わりでも』 榎田尤利 クロスノベルス
自分では恋人を抱かず、知り合いの男たちに抱かせてそれを見ているだけの男と、それに悩み苦しむその恋人の話と、その男の友人の美容師が軽い気持ちで客のやぼったい高校教師に手を出して本気になっていく話に、それぞれが一度は断ち切ったり断ち切られたりしたつながりをつなぎなおそうとする大団円編付。
あらすじ読んで「こういうのはちょっと…」と買わずに図書館で借りたのだが、すんません、いい話でした。買わなくちゃ。


『炎の記憶』 剛しいら クロスノベルス
剛しいらはドクター×ボクサーシリーズだけでいいや、と思ってるのだが、挿絵の雪舟薫の絵が好みでつい手にとり、あらすじチェックしたら悪くなさそうだし、クロスノベルスってハズレ少ないような気がしたから、つい買っちゃった。
『水の記憶』って本の続編だったらしいが、それ読んでなくてもノープロブレムでした。
臨床心理士と熱帯魚屋につとめる青年のカップルが、近所で続く連続放火事件の犯人はひょっとしたら自分ではないかと悩む男の子を助ける話。
そこそこアタリ。


『明日のために』1巻 高口里純 スコラ
ブックオフで100円。近未来モノ。その時代、育ちつつある子供たちはみな、七人の卵子提供者が提供した卵子から生まれた子供たちである。例外は、提供者である「母」たちが己が子宮に宿して産んだ子供のみ。
が、提供された凍結卵子からこの世に送り出された子供たちが暴動を起こしはじめ、それを制圧するために七人の母セブン・マザースが呼び寄せられる。
いや、面白い。面白いので、続編が出てるか確かめに行ったら、この巻含めてまるごとソニーマガジンズに引っ越して三巻まで出ている模様。探そ。


『月の出をまって』 波津彬子 小学館
ブックオフで発見。どうして発売時に買わなかったのかフシギ。見逃したか、他の本と混同したか。
19世紀末のイギリスを舞台にした作品を集めた短編集。どれもよい味わい。


『ワークデイズ』 榎田尤利 大洋図書
吾妻&伊万里シリーズの好脇役王子沢が生真面目で要領悪い榊と知り合いくっつくまでの番外編。
王子沢くんにはできれば好脇役のままでいてほしかった。。。
ところで吾妻&伊万里シリーズ、三作目なんかいつ出てた?! 読んでねえよ! 本棚にもないよ! 探さなきゃ、キワさま〜〜〜。


『ナチュラルプレイス』 大竹とも MBコミックス
ブックオフで100円。見つけて「お♪」とか思ってすぐ買ったが、考えてみれば、この人、イラストでしか知らんかったのだ、わたし。漫画読むのは初めてだ。
学生モノから社会人モノまであれこれ入った短編集。チューどまりの結婚式場の舞台裏のドタバタ話が一番好きかも。


『南くんの偏愛の対象』 金丸マキ 集英社コバルト文庫
主人公の文具オタクぶりは楽しかったが、こういう攻めがひたすら押せ押せGOGO!系のはわたくしちょっと…。


『HUNTER×HUNTER』17巻 富樫義博 ジャンプコミックス
この表紙のキルア、たまりまへんなあ。
いまだにGIの基本カードの機能すら、よくわからんまま読んでます。


『告白』 高遠春加 イースト・プレス
『神経衰弱ぎりぎりの男たち』以来の高遠春加。
甘さが邪魔。計司にはやはり、壊れきった人非人のままでいてほしかった。
(そおいや『神経衰弱ぎりぎりの男たち』のキャラクターでわたしが一番好きだったのは、攻めのほうの亡き親父であった)


『爺さんと僕の事件帖』四巻 しかくの 角川書店
学校のプールの水が貯めても貯めてもある程度貯まったところで誰かに抜かれる事件を解決する「清か水求む」と、学校の図書館の処分本の中から見つかった古い日記に記された「隠された宝」を探す「閉鎖書架の神様」に、「建築探偵・中寺逸実の事件簿」のオマケ付。
あの日記をネタになさるならば、逆ですわ〜。Iさん×日記の人でなく、日記の人×Iさんですわ〜。>明日香さま
プールってなんも考えずに入ってるけど、言われてみれば、そこそこ清潔好きの人にはたまらんだろうな。特に学校のプールなんか、一度水張ったら、ときどき塩素で消毒はしても、水そのものはそのまんまだしさ。


『秘密』2巻 清水玲子 白泉社
わあい、2巻がやっと出た〜♪ 『輝夜姫』のほう、話がほんっと進まんようになってるので、こっちのほうが断然楽しみなのよ、いま。
法医第九研究室の新人が誘拐され、脳だけが研究室に送りつけられてくる「2002」と、死刑囚の脳が残した映像から一家惨殺事件の真犯人が別にいることをつきとめる「2003」。(そうか、年に一作ペースなのか…と今頃気づいた)
死んだあと、こんな風に脳に残ってる映像覗かれるのなんかイヤだ〜。もしも殺されて死んで、覗いてもらったら犯人わかってもイヤだ〜。犯人捕まっても死んだあたしにゃ関係ねえもん。なら、覗かれても死んだあとなんだから関係ないっちゃないんだが。
が、もしこういうもんがほんとにできて、賛否を問われたら、賛成するな、きっと。殺人事件とかはできるだけ解明されてほしいもんな。
ところで『山尾悠子作品集成』に、彼女のあとにすぐ台頭してきた日本の女流SF作家として、新井素子、栗本薫、大原まり子の三人の名前しかあがってなくて、「ウソ。他にもいるだろ〜。えっとえっと…」と考え込んでしまったのだが、その頃読んだ女性の書いた国内SF作品って、よくよく思い出してみれば、殆どが少女漫画だったんだ。。。。


九十九十九ツクモジュウク』 舞城王太郎 講談社ノベルス
逆マトリョーシカ構造というのか、最初の話を次の話がフィクションとして包含し、その次の話が最初の話とその次の話をフィクションとして包含し、という形態の連作集。全部で七話あり、四話と五話、六話と七話が順番逆になっている。(いま目次を見て気づいたとこ)
面白かったの、せいぜい三話まで。特に一話は、アガタ・クリストフの『悪童日記』的面白さがあったんだが。
主題は「清涼院流水」。が、わし、清涼院流水、第二作あたりで「クーズ、クーズ、お前の母ちゃんでーべーそー」とすっぱり見放してんのよ。(どこがどう嫌いか、分析記述する値打ちもない模様)


鬼籍通覧 隻手の声』 椹野道流 講談社ノベルス
シリーズ第四作。前作のあとがきに「鬼籍通覧はもう一作続きます」とあったのを「次で完結です」と解釈したのは間違いであった。「とりあえず(これの売れ行きがどうであれ)次作は出させてもらえることが決定しています」が正しかったようだ。ほんで、第三作の売れ行きもそんなに悪くはなかったのか、第五作が出るのも決定している模様。わあい、わあい、まだ読める〜♪
(買わずに読んでて御免)
今作も面白かった。メインストーリーの面白さもさることながら、タカちゃんと筧くんがフツーに仲良しだったのがよかった。これくらいが好きなのよ。なにしろ枯れてきてるから。(笑)


『敦煌物語』 松岡譲 講談社学術文庫
スタインやペリオが千仏堂主人から仏典をせしめる前半は面白かったが、後半が噴飯モノ。やってるこたあスタインやペリオとおんなじじゃんよ、立花くん。だいたいあたし、国のため、っつうのが大っ嫌いなのよ。それなら、自分が手柄や栄誉をモノするため、だったスタインやペリオのほうがよほど共感できるっつうの。
ちなみにわたくし、「美術品はその故国にあるべし」つうのは理解できません。いいじゃん、じゃんじゃん流通すりゃ。売られて散逸するからこそ、コレクターにも集める楽しみってのがあるんだしさー。くたばれ、ナショナリズム。めざせ、グローバリゼイション。(意味不明)

一番好きなのは、やっぱ小心者で文盲の千仏堂住職王さん。ベリキュート。語り手の書家にしてコレクターの爺さんも素敵。


『ハイペリオンの没落』 ダン・シモンズ 早川書房
第一作『ハイペリオン』の洗練を思うと、ダンさんや、ヘット・マスティーン船長&森霊修道会や寄生十字架とシュライクの関わり等、最低限解き明かさねばならなかった部分を第一作に組み込んで一作完結にしときゃよかったんじゃないの、つう感じ。あちこち冗漫。
が、マイナ・グラッドストーンはバリバリかっこよく、クライマックスのウェブ世界(離れた星系や惑星同士が、政府や企業や個人が設置した「どこでもドア(固定)」でくもの巣のように細かく野放図につながれた世界)が一瞬にして分断されるとこなんか、すっげえ気持ちよかった。
『エンディミオン』どおしよ〜。とりあえず借りるだけ借りてくっか〜。


『バルバラ異界』1巻 萩尾望都 小学館
わあい、SFだ、SFだ〜♪♪♪
わたしはSFに対して狭量な人間であるが、『スターレッド』も『マージナル』や『A−A’』も見事なSFであった。(『11人いる!』は、わたしにとってSFではない。単に未来を舞台にしたお話である。なにしろ狭量だから(笑)。「精霊狩り」や「ガラス玉遊戯」あたりは微妙なところ)
まだ1巻なので、感想はパス。
が、萩尾望都の絵ってやっぱ凄い。


『サン・メルシ つれなき美女』 領家子 講談社
主人公が叔母を追憶するとこは、すっごい楽しかったが、現在状況部分は退屈だった。


『ネシャン・サーガT ヨナタンと伝説の杖』 ラルフ・イーザウ あすなろ書房
ハリポタブレイク後、雨後の筍のごとく発行された子供向けファンタジーのひとつ。
けっこう面白い。いま二巻目読んでます。
で、これ読み出す直前、なんとなくロビン・マッキンリーのダマール国二冊を読み返してたんだが、面白いっ。やっぱりげっつい面白いっ!!
頼むよ、早川ファンタジー文庫。あの頃のノリに戻ってくれよ。萩尾望都やめるへんめーかー、山岸涼子とかの表紙がむっちゃはまる作品が目白押しだった頃にさー。

(あらためて検索してみたが、ロビン・マッキンリーの邦訳、やっぱこれ二冊っきりよ。本は山ほど出てんのにさー)
(調べてみっと、続きが読みたいのにその後邦訳出てませんな作家、どんだけいるか。神様、英語が日本語のように読める力をわたしに下さい。喋る聴く能力はぜんぜん要らないですから)

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