本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars Y 茨の宝冠』 吉田直 角川スニーカー文庫
『トリニティ・ブラッド Rage against the Moons X バード・ゲイジ』 吉田直 角川スニーカー文庫
『茨の宝冠』、エリン公って有能さを軽薄な皮で隠したキャラだと思ってたので、この展開は嬉しかったっす。が、エステルが結局即位しちゃったのにはびっくり。てっきりエリン公が女王になるもんだとばかり。がさつなヴァネッサがワーズワース教授の非常識ぶりに振り回されるとこも楽しかったっす。
『バード・ゲイジ』のほうは、新教皇庁編締めくくり中編集。
ところで図書館で借りた本、予約待ちがほかにいる本だと普通は緑色の紙が挟まれてんのに、このシリーズ、常に誰かが予約待ちしてるにも関わらず、紙なし。なぜ?
それにしてもこのシリーズ、読み返し用にやっぱ買わなくちゃ、買わなくちゃ、あるかしら、BOOKOFFに。


『風の王国』 毛利志生子 集英社コバルト文庫
初めての中国時代もの。単発かな? 皇帝の姪が皇帝の養女となり政略結婚でチベットに嫁ぐ話。
「世界ふしぎ発見」かNHKなんかで見た覚えの話だと思ったら、やっぱり実話を元にしたお話でした。(ここ参照)
公主が叔父の立場とか己の役割をわきまえた大人〜な造型だったとこが、毛利志生子らしい。リジムが実は…ってとこはあまりにもお約束すぎたけど、いい男だったのでわたし的にはOK。
でもやっぱ伝奇ものを読ませて欲しいぞ、毛利志生子。


『不思議のひと触れ』 シオドア・スタージョン 河出書房新社
短編集。十編入り。スタージョン、名前が知られている割には翻訳数の少ない作家なので、『影よ、影よ、影の国』に収録済みの作品はこの際除外して欲しかったぞ、河出書房新社。
ちなみにスタージョンといえば『人間以上』だが、そして『人間以上』もかなり好きだが、それより『夢見る宝石』が断然好きだ。これはええでっせ。たまりませんで。これまで読んだ本のベスト10作るなら絶対入る本なのよ。


『龍使いのキアス』 浜たかや 偕成社
ファンタジー。朝日新聞の読書欄で紹介されてて図書館で借りてきた。
浜たかやなんて作家、今まで名前も知らなかった。が、むっちゃ読み応えのある好みのタイプのファンタジーであった。
ここに載ってる評がわたしの感想にとても近いと思う。
それにしても、こんなお話を書く日本人作家がいて、ずっと書き続けてるらしいのに、今まで名前も知らなかったってのが、かなりショック。


『誰か』 宮部みゆき 実業之日本社
図書館に予約に行ったら、例によって数百人待ち〜。で、例によって三年待ちの覚悟を決めてたんだけど、映美ちゃんが貸してくれました〜♪
主人公とその妻、子、義父がすっごいよかった。偉すぎる義父に反発覚えたり、金持ちすぎる奥さんに見栄張ったり、フツーの書き手ならリアリティ出すためについ書きこんでしまう、なんかイヤ〜な設定がなく、読んでて実に心地よかった。
でも、これ、短編連作で読みたかったな〜。姉妹と姉の婚約者の関係、「あ、なんかそうなっちゃいそう…」な後味悪い展開でなー。


『語り女たち』 北村薫 新潮社
『誰か』と一緒に映美ちゃんが貸してくれました。
『水のオペラ』系列の短編集。ひとつの文字がいつの間にか世界から抹殺されていて理由も何もわからないまま終わる「文字」が一番好き。


『犬は勘定に入れません』 コニー・ウィリス 早川書房
タイム・トラベルもの。『ドゥームズデイ・ブック』と同じ世界の物語。
が、救いもなく人がバタバタ死んでったとこにある種のカタルシスがあったあちらと正反対。読み出したらもう、やめられない止まらない〜な、むっちゃ楽しくて愉快なドタバタロマンス喜劇。タイム・パラドックスものとしてもものすごく出来がいいっす。


『足のない獅子』 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 裏切りの聖女』 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 一角獣は聖夜に眠る』 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 火蜥蜴の生まれる日』 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 豊穣の角』 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 狼と銀の羊』 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 開かれぬ鍵 抜かれぬ剣』上・下 駒崎優 講談社X文庫
足のない獅子 晴れやかな午後の光』 駒崎優 講談社X文庫
『黄金の拍車』 駒崎優 講談社X文庫
黄金の拍車 白い矢』 駒崎優 講談社X文庫
黄金の拍車 針は何処に』 駒崎優 講談社X文庫
『クイーンズ・ガード』 駒崎優 講談社X文庫
クイーンズ・ガード 額の中の美女たち』 駒崎優 講談社X文庫
「足のない獅子」シリーズは、舞台は13世紀のイギリスの片田舎。領主夫人の姉の忘れ形見のリチャード(受)と、その従弟で兄弟のように育った領主の息子ギルフォード(攻)が、近隣で起こる事件を解決したり解決したり解決したりする話。ホモじゃないけど仲良しこよしのラブラブ。受け攻めはっきりしてるけどとりあえずホモじゃない。いや、わたくし、最近、こおゆうのが一番口に合うみたいで…。そういう症状の方、いらっしゃったら、あなたも腐女子更年期仲間〜。
ま、キャラクター好きにはそれなりに美味しい話なんだがな、毎回必ず出てくる場所や人がいて、その都度判で押したような同じ説明があるってのが多少鬱陶しいし、ストーリー的にはちょい退屈だったりするんだがな。
このシリーズの完結編である「開かれぬ鍵…」にリチャードの異母兄が登場するのだが、こいつが弟と同様受で、これにもやっぱり建前は親友で腹心だけど彼氏がいて、いやありがとう、駒崎優。そうか、受の兄はやっぱり受か。
「黄金の拍車」シリーズは、「足のない…」のその後シリーズ。「足のない…」は「開かれぬ…」で綺麗に完結(「晴れやかな…」は番外編ばかりの中編集)したとばかり思ってたので、いや、嬉しかったっす。
「クイーンズ・ガード」は現代日本が舞台のホテルもの。が、こっちは登場人物は魅力的なんだけど、ネタがな…。泊り客が泊まった部屋の中で何しようと、よほどのことでないかぎりかまわねーじゃん、とか思うもん。


『真説ラスプーチン』 上・下 エドワード・ラジンスキー NHK出版
朝日新聞の読書欄に載ってたので借りてきたんだけど。
つまんねー。くだんねー。しょーもなー。


『千里眼のマジシャン』 松岡圭祐 小学館
『マジシャン』の枡城刑事と里見沙希がゲスト出演。
が、あまりにも荒唐無稽…。特に悪役に説得力なし。枡城さんも、そーゆーことがあったにしろ、なんかキャラ変わっちゃってたし…。


『暗夜鬼譚 火雷招剣』 瀬川貴次 集英社コバルト文庫
パールホワイト危機一髪的(パールホワイト見たことないけど、故淀川長治氏が語られるのを読んだせいで、見たような気になっている。あ、ちなみにパール・ホワイトってのは、無声映画時代の冒険活劇っす)状況でぶつんと終わっているにも関わらず、暑さのせいか、かなりだらけて読んだので、さほどどきどきせず。ああ、もったいない。完結したら、1から一気に読み返そう。そうしよう。


『夏のダイヤモンド』 高瀬美恵 小学館キャンパス文庫
BOOKOFFで購入。タイムトラベルもの。が、タイムパラドックスものとしてこの結末はなー。辻褄があってるようでなんともいえない齟齬があるような気がしたな。


『仙姫午睡』 桂木祥 講談社X文庫
これもBOOKOFFで購入。伝奇もの。そこそこ面白かったが、なんかなー。もっと設定がどわっと生きるような話にしてほしかったな。


『セラヴィ・ベイビー』 たけうちりうと クリスタル文庫
『セラヴィ・キッド』 たけうちりうと クリスタル文庫
これまたBOOKOFFで購入。この二冊210円は安かった。死ぬほど安かった。
『セラヴィ・キッド』収録の「セラヴィ800」、中でもこれ好き、むっちゃ好き、実は泣いた。スーパーはつかりや他の普通車が800が爆破されないように近く走るとこで、ついじわーっと。(が、わたしに鉄道知識が皆無ゆえに泣けたのか、はたまた鉄ちゃんが読んでも泣けるとこなのかは、不明)


『魔法』 クリストファー・プリースト 早川書房
ただいまブレイク中の『奇術師』を図書館で探したら予約50人待ちくらいだったのでこっちを先に読むことにした。
プリーストはこれまで全然ノーマークの作家。
(サンリオ文庫から数冊出てたらしいので、ひょっとしたら読んだかもしれないが、いまうちにゃないし、記憶にも残っていない…)
(うち、サンリオSF文庫、わりとけっこうな数あったんだけど、いつぞやの本棚大粛清のとき、読み返しそうな気がしない分、まとめて二束三文で売り飛ばしちゃったのよ)
(その話をして、葉子ちゃんから「馬っ鹿野郎〜っっ! 他人事ながら、もったいない、もったいない、もったいない…」と、もうちょっとで首を絞められるところであった)
「不可視者」という概念のエクスキューズは面白かったし、スーの語る「不可視者」の暮らしとかも興味深かったし、読後感もいい意味で奇妙な味わいだったが、訳者があとがきで力説してるほどにゃ面白くなかった。


『西の善き魔女4 星の詩の巻』 萩原規子 中央公論新社
図書館の開架でこれを見つけたものの、1〜3巻の内容を綺麗さっぱり忘れてて、思わず4巻まとめて借りてきて、1巻から読んでしまった。
これか〜。この話だったか〜。が、3巻途中で本編は完結してて、3巻後半は番外編だったのになぜに4巻…と思ったら、4巻はまるまる番外編であった。あったが、収録されている二編のうち、「真昼の星迷走」は本編後日談でラッキ♪ 好きなの、ハッピーエンドのそのあとのあれこれ書いた話。その前に載ってるアデイルが主役の「銀の鳥プラチナの鳥」も、後日談で明らかになるルーンの生い立ちの伏線になってて、話自体も面白かったっす。


『ラブ&トラスト 100ラブレターズ』 榎田尤利 大洋図書
ラブ&トラストシリーズ完結編。
なんだかなー。兄弟の請け負った仕事に納得がいかないというか、沓澤が核にマジ惚れしてたとこはよかったんだけど、いくらなんでもここまでかっこよく描かれるとウソクセーとかなー。


『貴婦人Aの蘇生』 小川洋子 朝日新聞社
ただいま大ブレイク中の『博士の愛した数式』、本屋でちょろっと立ち読みしたらかなり面白そうだったが、これは図書館じゃ数百人待ち〜。
で、これもやっぱりすぐに借りれる本から手をつけてみようかと。
小川洋子もこれまでまったくノーマークだったが、面白い〜。こういう人間の書き方する話って、大好き〜〜。
全然ノーマークだったから、これからいっぱい読める、嬉しい♪


『SEX PISTOLS』2巻 寿たらこ ビブロス
『どーでもいいけど』 秋月りす 竹書房
『かしましハウス』8巻 秋月りす 竹書房
『鬼外カルテ其の拾 ゆめに雪そらに花』 碧也ぴんく 新書館
『輝夜姫』24巻 清水玲子 白泉社
『HUNTE
R×HUNTER』20巻
 富樫義博 集英社
『誰も寝てはならぬ』1巻 サライネス 講談社
『ジョーカー8 ファイナル・ミッション』 道原かつみ 新書館

寿たらこは1巻同様、N塚長姉に借りて読みました。は虫類のおにーちゃんの話はともかく、グリズリーvs月の輪熊、もとい、グリズリー×月の輪熊ってのは、なんか、腐女子としてのありようというか臨界点というか、そういうものを試されたような気持ちが……。
『鬼外カルテ』は買い忘れてたの、これ。これ買い逃したまんま、11巻買って読んで、なのに1巻から読み返したときも、それを棚に並べなおしたときも、10巻抜けてるのにぜんぜん気づいてなかったの、てへ。
サライネスはひっさびさの新刊。『大阪豆ごはん』12巻がいま調べてみたら1998年12月発売なので、五年半ぶりの新刊。「WRC」で月一四コマ一本書いてるのしか知らなかったので(最近立ち読みしてないからまだ続いてるのかは不明)、わんだーらんどでいきなり平積みのこれ見つけてびっくり。で、サラ・イイネスと書こうとしてよく見たらサライネスに変わってた。「伸たまき」が「パーム」最終巻でいきなり「獣木野生」に変わったのに較べれば、マイナーチェンジな改名だ。(笑)
『ジョーカー』もやっぱわんだーらんどでいきなり見つけてロイヤル・プリンセス・祐子ともどもびっくりしたな。前巻『X(カイ)の歌声』が1997年5月だから、こっちは7年ぶりだよ、あはははは。が、めでたく完結〜。



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