本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『キスと手錠』 たけうちりうと 大洋図書
友人に泣きつかれて高額な宝石入りアタッシュケースを手錠で手首につなげて警察まで運ぶことになった不登校児学級の先生(受け)が、運送途中、ケースごと拉致られ、ケースの鍵を開くために呼ばれた男(攻)と恋におちる話。
ホモロマンス小説としてはいまいち。略奪側グループが非営利目的な集団であるとこがとても胡散臭かった。先生の友人で、先生にケースの輸送を依頼する宝石商が一番厚みというか説得力のあるキャラクターであった。


『カードミステリー 失われた魔法の島』 ヨースタイン・ゴルデル 徳間書店
ヨースタイン・ゴルデルってなんかどっかで見たことある名前だわ、と思いつつ借りてきたら、あの『ソフィーの世界』の著者であった。って、読んでないけど、『ソフィーの世界』。
これは面白かったっす。ノルウェー人の父親と息子が、「自分を探すために」家を出た妻もしくは母がギリシャでグラビアモデルをしていることを知り、休暇をとって探しに行くメインの物語に、父親の父親に端を発する別の物語が物語の中の物語として進行していくお話。
ところで今年の仮面ライダー剣もそろそろ佳境なんですが、剣のベースは13×4+1=53枚のトランプ。剣原案者、頭のどこかにこの本のイメージがあってそういう設定にしたのかも。(だったらトランプで数える年月部分とかも応用してほしかったぞ、剣)
ほんで、この本の中にあった文章なんですが、「ジョーカーはほかのカードとはまったく違った、はずれ者だ。ジョーカーはクラブでも、ダイヤでも、ハートでも、スペードでもない。8や9でもない。キングでもジャックでもない。ほかのカードはトランプの一部だが、ジョーカーはその外にいる。ジョーカーはほかのカードと一緒に包まれはするが、ジョーカーの住みかはそこにはない。だからジョーカーはのけ者にされ、誰にも惜しまれることもない」。これ、始さんメイン本作られる方、序文にどないだ?


『angels 天使たちの長い夜』 篠田真由美 講談社
建築探偵シリーズ番外編。蒼が主役の長編第二弾。蒼が通う学校で見知らぬ男が殺され、たまたま学校にいた十数人の生徒たちが、自分たちの中にいる殺人者を推理する話。
設定自体に納得できず、結末にもまったく納得できず。


レヴィローズの指輪 エルカーヴァの種』 高遠砂夜 コバルト文庫
レヴィローズの指輪 宝玉泥棒』 高遠砂夜 コバルト文庫
父からは火属性を、母からは土属性を受け継いだジャスティーンの中の、土属性を無理やりひっぱりだそうと、従兄リュオンが画策するのが『エルカーヴァの種』。リュオンのマヌケぶりが愉快であった。
『宝玉泥棒』は火、水、土、風×2の五人(つってもいいのか?)の宝玉が一つ舞台に登場して新喜劇するとこがとても楽しい。


『走れ!エゴイスト』 五月緑子 オークラ出版
この作家初めて読んだけど、むっちゃ面白い。登場人物は主人公の官能小説の挿絵画家(受け)、その弟(ゲイで服装倒錯者)、弟の友達(攻め)、主人公の担当者、の四人しか出てこないのに閉塞感がなくて、テンポがよくて、それぞれのキャラがたってて、すごい楽しゅうございました。


『煙』 松岡圭祐 徳間書店
読んでる最中は楽しかったんですが、結末が…。こんなベタでマヌケな真相、大嫌い〜っっ!!


『ボディ・レンタル』 佐藤亜有子 河出書房新社
そもそも主人公がなー。小理屈こねくりまわして自分を「フツーではない」存在としたくてたまんない若気の至り爆裂中、って感じで、ゾッとするような感情の機微とかをぜんぜん見せてくんないのよ。見栄っ張りのおっさん連中がイチオー文学賞受賞作品ってことで堂々と読めるソフトポルノ作品?


『安楽椅子探偵アーチー』 松尾由美 東京創元社
現場に行かず、関係者から話を聞いただけで、事件の真相を解決するタイプの探偵を「安楽椅子探偵(アームチェア・ディティクティヴ)」と呼ぶが、これはまんま、ひょんなことから自我を持っちゃった安楽椅子が購入主である小学生の男の子と友人になり、男の子が持ち込むささやかな謎を解決する話。
最後アーチーがただの椅子になってしまいそうな予感がしてたんですが、裏切ってくれてありがとう。


『ムーンリット・ハンティング』 水壬楓子 桜桃書房
ファンタジーもの。夜に狼に変身する王様×鷹匠の少年。
BOOKOFFで購入したのだが、直後わんだーらんどに行ったら平積みばりばりの新刊であった。
いい話でしたが、挿絵がイヤ。鷹匠の少年が子供子供しすぎてたのがむっちゃイヤ。


『水の通う回路』 松岡圭祐 幻冬舎
ある日突然子供たちが「黒いコートの男」の幻に怯えて異常な行動をとり、彼らの共通点が発売されたばかりの超人気ゲームの新作であることが判明、制作会社の社長が原因を探して奔走する話。
結末に納得行かず。主人公の社長にも共感しきれず。キーパーソンであるプログラマーもかなり殴りたくなる奴。著者的にも文庫版『バグ』で読んで欲しいとのこと。


『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 J.K.ローリング 静山社
読み終えた誰かが貸してくれるのをハイエナのように待っていたところ、映美ちゃんが貸してくださいました〜。
ハリーはハーマイオニーの忠告に耳を貸さず癇癪ばっか起こしてるし、ハグリッドは上巻の終わり近くまで行方不明だし、魔法省からホグワーツに乗り込んできたおばはんアンブリッジはどんどん権力を増してくし、早く大団円で楽になりたいばかりに、行け行けどんどんというより追いかけられるように読んでしまいました。ああ、もったいねー。
で、例の人がほんとのほんとに死んでしまったのが判明してから(実は危機一髪無事だった、を期待してたんだけど)、前巻のあとがきに「次回で死ぬ人がいます」ってのを思い出したんですが、うーん、この人殺しちゃうとは。前巻のあとがき読んだときゃ年功序列でダンブルドアか、はたまた定石ならいかにも犠牲者になりそうなハグリッドかと思ったことも思い出したんですが、うーん、この人がここで死ぬのって。。。 ああ、この人の人生って一体……。


『まぶた』 小川洋子 新潮社
短編集。八編入り。うち「まぶた」は『ホテル・アイリス』の短編版みたいな感じ。あれの結末もこんなだったっけ? 痛い話で読んでてしんどかったから覚えてないっす。
一番好きなのは「バックストローク」。語り手の弟がこんな風になる話って、小川洋子の短編に他にもあったような気はするんだけど、あれ、なんだっけ。これ、好きだけど、最後から二行目が謎。あと「お料理教室」の、排水口に詰まってたものがゴボゴボ出てくるとこは気持ちよかった。


『ダ・ヴィンチ・コード』上・下 ダン・ブラウン 角川書店
朝日新聞の読書欄で紹介されてるのを読んで、「これってひょっとして『トリノ聖骸布の謎』に出てきた『血と薔薇の聖杯』?」とか思って図書館に予約してみたら、その時点で68人待ちでした〜。が、思ったより早く順番回ってきて読んでみたら、あっちとは違いました〜。小説でした〜。そんでもって荒俣宏によるあとがきによると、あっちもとっくに邦訳出てました〜。邦題は『レンヌ=ド=シャトーの謎 イエスの血脈と聖杯伝説』でした〜。これ読んだらあっちはもういいか、みたいな気もしますが、図書館にあったら読んでみたいです。あと、これをもっと楽しむための参考図書として荒俣宏が挙げてる他の本もなんか面白そうっす。
んで、ルーヴル美術館の館長が殺され、館長とその晩会うことになってたアメリカ人の宗教象徴学のセンセが容疑者にされてしまうもんの、館長の孫のおかげで拘留を免れ、ともに館長の残した謎を追う話。
イエスがマグダラのマリアと実は夫婦だったなんつうあたりは別にどうでもいいや〜だったんですが、んで真犯人、こいつだったらヤだなー、もう一捻り欲しいなー、とか思ってたらやっぱそいつだったりしたんですが、謎を追っていく途中の解説部分がむっちゃ面白い。京極夏彦みたいな教養ミステリ。いや、トランプのスペードが剣だっつうのは仮面ライダーブレイド前から知ってたんですが、クラブが杖でハートが杯でダイヤが星っつうのは初めて知ったわ。そおいやレンゲル、杖が得物だったわ。ダ=ヴィンチの「最後の審判」にナイフを持った謎の手があるっつうのも、ダ・ヴィンチの画集開いて(十数年前、天牛堺の百均コーナーで購入。なので載ってるのはもちろん、洗浄前の「最後の晩餐」)ほんとに誰の手でもない手が突き出てたからびっくりしたわー。
(が、誰もがヨハネだと思ってたイエスの左隣をマグダラのマリアとするなら、12−1=11で12使徒(ペテロ(=シモン)、アンデレ、ゼベタイの子ヤコブ、ヨハネ、ピリポ、バルトロマイ、トマス、マタイ、アルバヨの子ヤコブ、タダイ、シモン、ユダ。マタイ伝10-2。ちなみに聖書の中身検索、ここでできるよん)に一人足りないんだけど)

(大学時代に大学の図書館で借りて読んだ覚えがある本なんですが、キリストが人類の罪を贖うためには十字架にかけられる必要がある、それを成就するためにユダはあえて「裏切り者」の汚名をきたっつう説を載せた本、知ってる人います? もっぺん読みたいんだけどタイトルがわかんないの〜)


『ねこのばば』 畠中恵 新潮社
長崎屋の若旦那シリーズ第三弾。今回も短編集っつうか中編集で五編入り。
表題作に出てきた寛朝、レギュラー入り希望〜。こおゆう世間で霊能力者としてもてはやされてて胡散臭いけど、実際ちゃんと霊能力がある坊さんキャラって大好き〜。
前作では佐助の過去が明らかにされたが、今作「産土」では仁吉の過去が明らかにされます。人に歴史あり。あやかしにも歴史あり。


『新しい太陽の書1 拷問者の影』 ジーン・ウルフ ハヤカワSF文庫
『新しい太陽の書2 調停者の鉤爪』 ジーン・ウルフ ハヤカワSF文庫
朝日新聞の広告で、『ケルベロス第五の首』の宣伝を見て、図書館に予約しようとしたところ、五人待ちくらいしてたので、まずこっちを読むことにしたのだが。
これ全四作なの。なのに堺市の図書館には1と2と4しかないの。3の『警士の剣』がないの。府立図書館にはあるの。でも府立図書館までいくのじゃんくせー。で、古本で安いのねえかとスーパー源氏で調べてみたら、一件しかなくて。

No.845204  警士の剣 新しい太陽の書3 帯・カバー少擦れ
ジーン・ウルフ/ハヤカワ文庫SF/発行/\4,000
  古本光堂
だと、あはははははは、はは、ははは…。(泣き笑い)
で、とりあえず2まで読んでみたんですが。
設定はすっごい好みなんですが、そしてあちこちわくわくしたりぞくぞくしたりするとこはあったんですが、語り口が口にあわんかったっつうか、この世界をスケッチしてくれるだけのほうがよかったっつうか。


『寂しい金魚』 花郎藤子 白泉社
ヤクザと高校のセンセの話。


暁の天使たち外伝2 天使たちの華劇』 茅田砂胡 中央公論新社
つまんねー。くだんねー。面白くねー。
本棚にあるこの人の本、あるだけ全部売り飛ばしたくなるほどつまんなかったっす。


『PrettyBaby3』 斑鳩サハラ ビブロス
本棚のこの手の本、売るか残すか決めるために全部読み返してて、
(買った本は読んでから本棚にしまうかどうか決めるので、本棚にある本は全部一度は読んだはずなのに、中身を綺麗に忘れ果ててた本がどんだけあったか。いや、楽しかったわ、読み返し〜)
で、長いこと読んでなかったこれの1やら『お兄様は生徒会長様』やらをひさしぶりに読み返して。
やっぱ面白い〜っ!! 悩むことなく残留決定っ!!
なとこでBOOKOFFでこれを発見♪
1から名前だけ出てきてた日浦会長のおじいさまがやっと登場、タロのじいちゃんと意気投合するとこが楽しくて、これまた残留決定〜。


『昼となく夜となく』 ひちわゆか ビブロス
ファンタジー。宝石を食べる不老不死の生き物を探す富豪の物語。
赤にするのをためらうほど、いや、いい話でした。結末もせつないけどいい結末でねー。


『恋と愛の境界線』 遠野春日 リーフ出版
警察官もの。部下×上司。部下が元からゲイだったのがせめてもの救いだったが、上司のほうがその境界線をえいやっと超えちゃうとこに納得いかず。
これがホモfor乙女専門本でないミステリもので、二人の関係が単に親しいだけだったら、ええもん読めた気がしたんだろうが、赤本だからなー。


『奇跡のオブジェ』 水無月さらら ビブロス
仏像専門の大学教授、男女を問わない放蕩者だったがいまや枯れかけた五十代、が、以前から惚れこんでいた仏像を手元に置くことになって奇妙な夢を見たと思えば、仏像は青年に変化するわ、己はずんどん若返っていくわ…。
これ、好き〜。むっちゃ好き〜。いや、ええ話でした。しかも挿絵は円陣闇丸。ありがとう、これ、うちの近所のBOOKOFFに売り飛ばしてくれた人〜♪


『冷たいシーツの上で』 たけうちりうと 大洋図書
研修医×レントゲン技師。
たけうちりうとの小説にはよくあることだが、当事者本人たちよりその友人とか家族とかの脇役キャラがやたらと楽しい。


『風の王国 天の玉座』 毛利志生子 集英社コバルト文庫
唐からチベットに降嫁した文成公主をモデルにした話の第二弾。そうか、単発じゃなかったのかー。
むっちゃ面白いっす。思わず前作読み返した上、毛利志生子一気読み返しに突入してしまったくらいっす。まだ続くのかな。続いて欲しい〜〜。読みたい〜〜〜。


『勘弁してくれ』 崎谷はるひ フロンティアワークス
アパレルメーカー勤めの受け専門のゲイの男が、つきあってた彼氏との別れ話に難儀してるとこに現れた青年と鬱憤晴らしがてら行きずりの関係を持ってみれば、行きずりどころか小さい頃可愛がってた年下のはとこと判明し…。
判明して途方に暮れるとこまでの本編に、それより長い書下ろしの続編付。
一番最後に挿絵担当者による1頁漫画がついてて、これがむっちゃ笑えた。


『寡黙な華』 榎田尤利 大洋図書
榎田尤利の本でなかったら、あらすじ読んだ時点で買ってなかったであろう。
千早に感情移入できず。結末はいい結末だったんだけどなー。


『お気に召すまま』 水無月さらら キャラ文庫
設計屋さんの上司×部下モノ。
甘やかし好きな上司のキャラは面白かったんだけどなー。


『ゆっくり走ろう』 榎田尤利 キャラ文庫
くっつくまでと、くっついてからの二編入り。
恋愛部分以外のとこがあちこち、やたらと面白かったんですが…。


『プラクティス』 ひちわゆか ビブロス
歯医者さんとサラリーマンの話。
が、キャラクターがむっちゃ五代くんと一条さんであった。


『じれったい口唇』 遠野春日 ビブロス
別れた男と再び…な話で、こーゆー設定の話は大好きなわたしであった。
身勝手で傲慢で実は惚れた弱みで弱気な攻めというのもツボなはずなんだがなー。
なんだかなー。


『頭文字D』29巻 しげの秀一 講談社
『王子の方舟』 円陣闇丸 ビブロス
『あふれそうなプール』5、6巻 石原理 ビブロス
『チョコレート・キス』3巻 依田沙江美 二見書房
『幻水楼綺譚』 今市子 徳間書店
『やろうぜ!』2巻 石原理 角川書店
『イヴの眠り』2巻 吉田秋生 小学館
『勇午』1巻〜7巻か8巻 真刈信二 講談社
『あふれそうなプール』、BOOKOFFは100円コーナーで5巻を、普通のとこで6巻を見つけて購入したのだが、帰って読んでみれば、カバーだけは5巻6巻なものの、中身はどっちも6巻。。。 いやもうびっくり。。。 あるのね、こんなこと。つうか、売った当人ですら気づいてなかったかも。翌日買った店に持ってって事情を話してみれば、普通の半額コーナーに中身も5巻な5巻があり、差額支払なしで交換してくれたの、ビバ。
『勇午』は●べさん家で読みました。香港編の終わりまで読んだはず。面白い。面白いんだが、勇午、拷問一回につき入院療養回復まで半年から一年かかっても不思議じゃない状態だぞ、そりゃ。あんたの回復っぷりに無茶苦茶納得いかなかったわ。が、こーゆー受けバリバリなくせに有能なキャラって好き。



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