本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『優しくて冷たい果実』前・後編 たけうちりうと 小学館パレット文庫
老舗料亭の跡取り孫が、屋台骨が傾きかけてるとこに店が火事に遭うは店主の祖父さまは倒れるはの中、店に残った板前たちや幼馴染と別の場所に支店を開き、暖簾を立て直す話。
大当たり〜♪ こーゆー筋立てにありがちな安っぽさがない。攻めの幼馴染を女の子にすりゃ、そのまま映画にしても実に気持ちのよいまっとうな映画ができあがるに違いない。料理評論の重鎮氏が試食会で口にしたコメントの真意が明らかになるとことか、その重鎮氏にフランス料理のシェフとの勝負をけしかけられた主人公が喧嘩を買うとことか、ぞくぞくしました。サクセスストーリーの正しいカタルシス。結末近くの、病癒えた祖父さまのわがままぶりも楽しかった。図書館で借りて読んだが、これは買う。断然、買う。


『もしもし』 ニコルソン・ベイカー 白水社
アメリカには「アダルト・パーティ・ライン」なるテレクラに似てるけど男のほうが自宅からかけられるサーヴィスがあるらしい。
で、この小説、最初から最後までそれで通話することになった見知らぬ男女の会話のみ。
アメリカでは大ベストセラーになったそうだが、わたし、これは退屈だった。やっぱ『中二階』みたいなのをもっと読ませて欲しいぞ、ニコルソン・ベイカー。


『ナ・バ・テア』 森博嗣 中央公論新社
『スカイクロラ』の続編。が、『スカイクロラ』が戦闘機乗りの話であることと乾いた文章が気持ちよかったことしか覚えてなくてのお。キルドレ、って前作でちゃんとした説明あったっけか、あれれ?


『夏時間』 国枝彩香 竹書房
『未来の記憶』 国枝彩香 ビブロス
『風の行方』 国枝彩香 ビブロス
N塚長姉が貸してくれた。坂井久仁江みたいな絵だと思ったら、同一人物であった。(確認のため検索して、ここをみつけた。今度熟読してみよう。が、ここにも吉本ばなな=嶋田双葉説は載っていなかった)
で、『夏時間』は短編集。暗い救いのない話ばっか。が、フツーは今の絵を冒頭にドカンと持ってきて、後ろにいくほど古い絵だったりするのが、後ろに行くほど表紙の絵に近い絵になってくのが良心的っつうか、なんかわからんが天晴れと思った。
で、『未来の記憶』と『風の行方』は同一シリーズの連作編集。高校の化学のセンセ(攻め)と美術のセンセ(受け)の話。
これ、むっちゃ好き好き大好き〜〜〜vvvvv 読み終わったあと、すぐさま最初からまた読み返して、いきなり三回リターンしてしまったくらい好き〜〜〜vvvvvv


『可愛がってあげる』 水壬楓子 ハイランド
これまたN塚長姉が貸してくれた。
不幸な生い立ちの男の子がエッチだけど有能で思いやりのある「夢の王子さま」に救われる話。(身も蓋もねえな、オレ)
この彼氏、素敵。ドスケベだけどとっても素敵。

ただな、挿絵が青樹?(出ねえよ。「総」って字の旧字体だよ、たぶん)なのよな。この人の絵、基本的には嫌いじゃないんだけど、てか絵によっちゃすっげえ好きなんだけど、この手の挿絵するときの受けが子供子供してるとこがすっごい苦手なのよ。


『ムーンリット・エスケープ』 水壬楓子 幻冬舎
『ムーンリット・ラプソディ』 水壬楓子 幻冬舎
これは自分で買いました。ファンタジー。
『エスケープ』は郭都の皇太子と薬師の男の子の話。いい話であったが受けがかなり子供な上、挿絵がさらに子供子供しててなー。
『ラプソディ』は景都の第二皇子と蝙蝠人間(身も蓋もない…)の話。蝙蝠人間な受けがむちゃくちゃ可愛かったんですが、彼が景都の跡継ぎの命を狙うもっとシリアスなエクシュキューズが欲しかった。

それにしても、このままいけばこの世界の皇族、どこもかしこもホモまみれ…。(特に彩都。王も王弟もホモ。どうすんだ、跡継ぎ)


『恋はある朝ショーウィンドウに』 金丸マキ キャラ文庫
ブティックの販売員の青年が主人公で受け。彼の仕事大好きぶりが説得力あって好ましい。
が、この攻めの男がイマイチよーわからん。受けにほんとに惚れてるんだよーとエクスキューズするクライマックスで、なんか、何かが噛み合ってないような歯がゆさが…。


『気になる部分』 岸本佐知子 白水社
先月、朝日新聞日曜読書欄の「ベストセラー快読」コーナー(だったと思う)で、アメリカのセンセだかなんだかが書いた子供を褒めて伸ばす方法みたいな本をこの人がいちびってるのがあんまり面白くて、調べてみたら翻訳家、エッセイも一冊書いてたがそれはかかりつけの中図書館に置いてなかった上、そんときゃ堺市の図書館のネットサーヴィスシステムが総入れ替え中だったのよ。
で、システム復旧したから(予約してる本のチェックができるようになったんだ〜♪ これまでネット予約11冊までだったのが30冊までオッケになったんだ〜♪ いま何人待ちかもわかるんだ〜♪ いま借りてる本もチェックできて、それに予約が入ってるかどうかもわかるんだ〜♪ ビバ、堺市〜♪♪♪)さっそく取り寄せてもらいました。
「T 考えてしまう」の六、七編めくらいまではもう大爆笑だったんです、ええ。のたうつほど笑わせてもらいました、ええ。これもし電車の中で読んでいたら…と思うと、恐怖で背筋が凍ります、ええ。それが読み進むうち、なんだかしんみりと…。ときどき盛り返して笑わせてはもらえるものの、ある、あるわ、とってもあるわ、そーゆーこと…と、ええ、しみじみと。
特に「猿の不安」。この人の場合は「自分は人間のつもりで生活しているが、いま見えてるのは全部自分の脳が作り上げた嘘っぱちで、ほんとは猿の群れの中にいて、仲間から『なんか変な奴だ』と思われているかも」ですが、わたしの場合は「自分は普通に生活しているつもりだが、いま見えているのは全部自分の脳が作り上げた嘘っぱちで、実はわたしは檻の中にいて、しかも素っ裸で、檻の外から眺める人から見れば素っ裸の女がほかに誰かいるみたいに喋ったり笑ったり食べたりキーボード叩いたりするしぐさをしてて、しかも檻の中にはトイレもあって、見物人の目の前で排泄してたりもする」(飼育&見世物にされる値打ちがわたしになぜあるのかは不明。ほかに「自分は実はもうよろよろのばあさんで養老院にいて今の生活はボケた頭が夢見るだけってのもある)てのが。
それよりさらに身につまされたのが「V 軽い妄想癖」の「日記より」最後の、一つ家で二派に分かれて床下と天井裏に分かれて住んでいる人たちの話。床下派だったわたしが天井裏派からの誘いにのって仲間を裏切ったすぐあと、仲間たちは床下に住むのに飽きて普通の居住用空間部分に引っ越すの。この選択ミス&寝返るタイミングの絶妙の間の悪さ、ううう、ぜんぜん他人事じゃないっす、岸本さん。。。。


『沈黙』 古川日出男 幻冬舎
ルコという音楽の歴史部分が行け行けどんどんむっちゃくちゃ面白かった。
主人公の美大生とその大伯母さんの古い家での暮らしぶりとか、その大伯母(「大叔母」は一発で変換できるのに「大伯母」が入ってないのはなぜ?>IME辞書)さんの知り合いのデザインの仕事している老紳士や、彼が噛むことになって主人公もバイトみたいな感じで関わる「30/50展」というプロジェクト部分も、読んでてすっごい楽しかった。ただクライマックスがな…。描きたかった構図そのものはよくわかるような気がするんだがな。
『13』がデビュー作で、そのあと出たのがこれだった模様。


『アビシニアン』 古川日出男 幻冬舎
三部構成。
「T 2001年、文盲」を読み終えたあと、ひさしぶりに、ほんとにひさかたぶりに、ぐちゃぐちゃの気持ちにさせられました。ジュニアがついてた頃のカート・ヴォネガットを読んだあとみたいな、なんかもうどうしたらいいのかわからない気持ち。全部読んだ今だからこそ「U」と「V」は蛇足に思えますが、「U」と「V」があってくれたおかげで、けっこう早めにそんなぐちゃぐちゃの気持ちから立ち直れたと思います。


『チルドレン』 伊坂幸太郎 講談社
陣内という愉快な男と彼の友人や同僚たちの連作中篇集。
(このあたりでいきなりXPが再起動しやがった。「うわああああ、どっから保存してなかった、オレっ?!」と一瞬生きる気力をなくしかけたが、ホームページビルダーの「ツール」→「オプション」→「ファイル」内、「自動保存を行う」をオンにしてあったおかげで、ほんの十数文字の被害だけで済んだのであった。ビバ、ビルダーVer.8♪ ちなみに「バックアップファイルを作成する」はもちろん切ってある。あれオンにすると、フォルダん中がむちゃくちゃ汚くなるんだもん〜)
陣内にはひょんなことから知り合った、ひょんなことというのは銀行が強盗に襲われたときにたまたま居合わせて一緒に人質になったことなのだが、永瀬という盲目の美青年な友達がいるのだが、その友達に見知らぬおばはんがなんかよーわからんが盲目だというだけでいきなり同情してきて彼に「がんばってね」とか言いながら無理やりお金を「施され」たりすることがあって、目が見えないというだけで蔑む人に比べれば善意の人には間違いないのだが、善意の人だけにどうこちらの不快感を伝えるのも大人げない気がして伝えかねてのね。ちょうど陣内が居合わせてるとこにそーゆーおばはんが出現し、永瀬に「がんばるのよ」とこのときは5000円「施し」てくれる。ここで陣内が永瀬に「お前ばっかりずるいっっ!!」と暴れるとこ、むっちゃ好き〜。
あと最終話「イン」の結末、すっごい幸せ〜な気持ちにさせてもらいました。


『gift』 古川日出男 集英社
短編集。
どちらかというと短編集より長いのドッカーンのほうが断然好きだ。短編は、連作集じゃない短編集ね、ちょっと読んだだけでやっと馴染みかけた登場人物たちともうお別れで、また別の登場人物たちと最初から馴染みなおさなければ、の繰り返しで、なんかせわしない感じがするからだ。
ところがこれは…。
どの短編も一行目からずどんとその中に入っていけて、どれもこれもすっごいすっごい楽しかった。見事な短編集。


レヴィローズの指輪 リルファーレの冠』 高遠砂夜 集英社コバルト文庫
五人目(六人目? ソールを一人に数えるか二人に数えるかって、難しい問題だ)にしてついに女の子の宝玉登場♪
今回もそれぞれのキャラの特質が生かされきってて、すっごい楽しい。あとがきも愉快。


『今日からマのつく自由業!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『今度はマのつく最終兵器!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『今夜はマのつく大脱走!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『明日はマのつく風が吹く!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『閣下とマのつくトサ日記!?』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『きっとマのつく陽が昇る!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『いつかマのつく夕暮れに!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『天にマのつく雪が舞う!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『地にはマのつく星が降る!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『お嬢様とは仮の姿!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『めざせマのつく海の果て!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『息子はマのつく自由業!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『これがマのつく第一歩!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
『やがてマのつく歌になる!』 喬林知 角川ビーンズ文庫
塩野七生のローマ人の新作がそろそろ出てるはずだとアマゾン覗き、ついふらふらと、ええ、ついふらふらと、一緒に注文しちゃったの。偉いよ、アマゾン。正月あけてすぐの5日早朝に注文したのに、六日にゃ届いちまったのよ、ええ、ローマ人シリーズ新作ともども。
(そして発送状況確かめに行って、ついふらふらスマトラ沖地震募金に寄付も。ついふらふら50ドルも。しくしくしく、確定クリックした瞬間、なんか憑り依いてたんだわ、わたしに、きっと…)
ほんで、正月早々、一気! ほれ、一気! の一気読み〜。
が、ビーンズ文庫よ、再版した分にゃ裏表紙に既刊全部載せといてくれ〜。どこにも番号も振ってないから、順番どおりに読むの、大変だったわよ〜。しかも『お嬢様とは仮の姿!』、表紙のどこにもこのシリーズだと明記されてなかったから、気づいて慌てて買いに走ったわよ〜。

作者のお遊びとしては、毒女赤毛のアニシナにいたぶられるグウェンダルってのがツボでござんした。
アニメも三回くらい見た。原作に忠実で、絵も綺麗なんだけど、この話は文章で読むほうが面白いと思った。


『トリニティ・ブラッド アポカリプス・ナウ』 吉田直 角川スニーカー文庫
トリブラ、これまでの分は全部図書館で借りて読んだけど、やっぱこれはうちの本棚に揃えときたいよなー、と思ってたので、その第一歩として平積みされてた新刊を購入、本編読み終えてあとがきに突入したら。。。
「…。著者である吉田直先生の突然の逝去(2004年7月15日)により…」
………知らんかったよ、、、って、つうことはエステルが即位してカインが出てきてむっちゃ佳境だったリボーンの続きってもう絶対に読めないのかよ、おいぃぃぃぃぃっっっっ!!
ところで四月あたりからWOWOWのノンスクランブル放送でトリブラ始まってるみたいですが、一回も見てません。だってここのトレスくん、許せないっ。こんなのトレスじゃないぃぃっっ!!


『暗夜鬼譚 烈風覇王剣』 瀬川貴次 集英社コバルト文庫
あおえと帝と賀茂の斎院が今回の救いでした。。。 てかこの帝、やっぱり好きだわこんなヤツ〜。
次の巻くらいじゃばばっと反撃してすっきりさせてもらえんのかしら。


『神話の子供たち 片翼で飛ぶ鳥』 榎田尤利
シリーズ第三作。ダンス・ウィズ・ウルヴス編。サラたちがネイティヴ・アメリカンな感じの村に滞在する話。サラの謎についてはまったく進展なし。


『イヴの眠り』3巻 吉田秋生 小学館
『ワークワーク』1巻 藤崎竜 集英社
『輝夜姫』26巻 清水玲子 白泉社
『バルバラ異界』3巻 萩尾望都 小学館
『ヘルタースケルター』 岡崎京子 祥伝社
『君知るや』 石原理 新書館
『Voice or Noise』1、2巻 円陣闇丸 徳間書店
『退魔針 魔針胎動編』4巻 斎藤岬 幻冬舎
『おうちがいちばん』1巻 秋月りす 竹書房
『バルバラ異界』3巻、ダブリ買いしてしまいました。二頁めまで見て「あ、こりゃまだ読んでなかったよな」と購入、帰って三頁目開いたとこで既に読んでたことに気づきました。いまマーケットプレイスに出品中。誰か買って…。(売れました。ありがとう、買ってくだすった人〜)
岡崎京子の『ヘルタースケルター』むっちゃ怖い話であった。というか怖いもの見たさ心を煽り倒してくれる話。麻生検事、いかす。彼を主人公にしたミステリがむっちゃ読みたい。ミステリ作家、誰かこのキャラぱくって〜。
秋月りすの『おうちがいちばん』、すっごいすっごいすっごい楽しい〜♪



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