本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『ADコンプレックス』 岩本薫 ビブロス
リーマンもの。舞台は広告代理店。お仕事サクセスストーリーとして、まず読み応えあり。コンドームのキャンペーン戦略練るのに風俗嬢からリサーチすること思いついたあたりなんか、わくわくした。受けのキャラも◎。受けの家族設定も好み。が、攻めがな〜。


『竜天女伝 天の階』 森崎朝香 講談社X文庫
デビュー作『雄飛の花嫁』と同じ世界でかなりくだった時代の話。
予言を解釈しそこなって起こるてんやわんやが結局は予言通りの結末を迎えるってパターンものだが、うまく騙してくれたとは思ったが、いまいちちょいすっきりしなかった。


『ハイスクール・オーラバスター 永遠の娘』 若木未生 集英社コバルト文庫
『ハイスクール・オーラバスター 不滅の王』 若木未生 集英社コバルト文庫
『ハイスクール・オーラバスター オメガの空葬』 若木未生 集英社コバルト文庫
「永遠の娘」と「不滅の王」が炎将最後編。?司(ちっ、出ねえ。「?」んとこは縦に炎二つにりっしんべん)になつく春名子よかった。すっげえいいキャラだった。?司側近孟爺&理林が仕掛けた泥化解除するとこも笑わせてもらった。つうか、暗いネタの途中にもそこそこほどよく息抜きが入って、盛り下がらずに楽しく読めたっす、この三冊。炎将の最後もいい最後だったっす。


『権力の花』 榎田尤利 大洋図書
最近ハズレが続いて榎田尤利だが。
これはアタリ。特に居直ってからの受け(検事)が行け行けどんどん、むっちゃ気持ちよかった。
攻めも、一見前記の『ADコンプレックス』の攻め的ステロタイプな自信満々のいい男っぽいが、なんつうの、ちゃんと血肉のある男になってたな。
が、思想犯専門に取り締まる「思想検事」なるものを出す必要があったかというと、うーん…。が、書きたかったんだろうな、こういう流れになるかもしれない危機感を。


『イヴの七人の娘たち』 ブライアン・サイクス ソニー・マガジン
『アダムの呪い』のブライアン・サイクスの前作。
このサイクスってセンセ、毀誉褒貶が激しいっぽい御仁のような気がするが、わたし、このセンセの姿勢、好きだわ。DNAが分析できるってことは「道具」で、その「道具」を使って何しよう、何調べよう、わくわく、って感じ。
前半がミトコンドリアDNAで母系をたどれるようになるまでの過程やなんやで、後半がサイクス氏が空想したヨーロッパでかつて生活した母系の始祖たちの生活ぶり。前半も楽しかったが、後半は圧巻。


『約束』 うえだ真由 オークラ出版
『てのひらの秘密』 うえだ真由 オークラ出版
『約束』は義兄弟もの。奥さんを事故で亡くした男が奥さんの弟と一緒に暮らす話。男が姉弟と知り合った頃を回想するとこがすっごいよかった。が、この二人がくっつくためには、義弟に彼氏ができて義兄が義弟のセクシャリティに直面させられるとかの、もう一ひねり欲しかったっす。
『てのひらの秘密』は幼馴染もの。いい話だったの。だったんだが。なんかのめりこめずにさらっと読み流してしまった感じ。


『ハミザベス』 栗田有起 集英社
『お縫い子テルミー』 栗田有起 集英社
『ハミザベス』は表題作と「豆姉妹」の二編入り。『お縫い子テルミー』も表題作と「ABARE・DAICO」の二編入り。
どれも、大島弓子っぽい話な感じがするが、彼女の話ほど痛くなく、読んでてどれも心地よい。「オテルモル」んときも思ったが、会話がいいっす。読んでてほんっと気持ちいい。


『ため息と微熱のはざまで』 遠野春日 リーフ出版
元刑事の鉄筋工×現役警部補。やけぼっくいに火がつく系。
好きなタイプの話のはずなんだが。攻めが巻き込まれた事件は単なる再開のきっかけってことでとっとと片つけて欲しかったかな。


『紳士でペナルティ』 たけうちりうと 大洋図書
四編入り。
冒頭の、警部×研究者の話がよかったので、残りはこのふたりのその後の話と思いきや、冒頭の話でちょい出てきたランディなる人物への警部さんの手紙、が、けっこういい手紙だったので、これは幕間だろうと読み進めば、残り二編は過去に遡って警部さんのパブリックスクール時代のお話。。。
あとがきでやっと合点がいきました。この本、別の連作に登場する脇役さんを主人公にした番外編だったんです…。


『インクルージョン』 崎谷はるひ ラキアノベルズ
『いつでも瞳の中にいる』 崎谷はるひ ラキアノベルズ
『甘い融点』 崎谷はるひ ラキアノベルズ
『インクルージョン』は、ジュエリー工芸師×大学生。大学生の九州弁がすっごいキュート。
『いつでも〜』は年の離れた幼馴染お隣さんもので、年上×年下。
『甘い融点』は、風俗店チェーン経営者×薄倖なヒモの青年。
『インクルージョン』と『甘い融点』、どっちも攻め側に、こいつが受けの話が読みてえ〜な親友がいる。特に『甘い融点』の渋沢。あとがきによると、この渋沢とええとこで一瞬だけ出てきたやくざの若頭の話は書いてくれる気があるらしい。つうかもう出てんのか? 探さないと。


『好きの鼓動』 岩本薫 ビブロス
芸能人×大学生。幼馴染もの。二編入り。受けが根性据えて自分たちの関係を恋愛として受け入れるまでの話と、四年後の話。
最初の話、幼馴染の女の子がいい奴だったんだが、もうちょい受けには自力でがんばってほしかった。
ちなみに『ため息と微熱のはざまで』からここまで、中図書館が書庫に隠しこんでしまいやがってた本。おかげでこんなに残ってたんですがね。一気に「書庫の本です、お願いします」すんのも別に平気だったんだけどね。ただ貸し出し手続き終了間際、小学校低学年の男の子が借りたい本を持ってきたとき、司書のおねえさんがさりげなくその子からこれらの本の表紙を見えないように努力してたことがちょいショック…。


『タフの方舟1 禍つ星』 ジョーン・R・R・マーティン ハヤカワSF文庫
「宇宙一あこぎな商人タフの冒険を描く連作集」という謳い文句にそそのかされて読んだのだが。
ぜんぜんあこぎじゃないじゃん。トラブルの解決方法もなんかイージー。


『ANSWER2 SUGGESTION』 崎谷はるひ エキストラ・ラキア・ノベルズ
赤本読み癖がつき、堺市中央図書館が書庫に隠しこんでやがるのを一気に七冊借りてきたその1。(司書のおねいさんの目が遠かったわ…)
幾度かの本棚粛清を生き延びている『ANSWER』の続編。いや〜、こっぱずかしいくらいのラブラブ。これだけラブラブ状態のまま、ストーリーにきちんと起伏があんのは珍しい。
これは買わねば〜。本棚に招かねば〜。


『不器用な純情』 岩本薫 ビブロス
一気七冊その2。三つ前の『好きの鼓動』で脇役だった芸能人の叔父さんとその後輩で友達で後に同僚の話。
両思いなのを知らずにお互い己の思いを後ろめたく思い続けて十年くらいっつうのはよかったんだが、めでたくできあがるにはもう一波乱欲しかった。

あと、第二部に出てくる礼子さん、もっと前向きに気持ちよく救済してほしかった。


『やるときゃやるぜ』 岩本薫 ビブロス
一気七冊その3。義理の兄弟、弟×兄。
ラブコメというより、ただのコメディとして読んだかも。 この二人できてなくても全然オッケー。
弟の実父母がどっちも兄の実母の追っかけだったとか、兄に貢ぐ教授とか教授のオタク娘とか、すっげえ楽しい。
三話に出てくる兄の実父もいい奴であった。


『最悪』 ひちわゆか ビブロス
一気七冊その4。五年前に別れた男と出張先で出くわして…な、やけぼっくいに火系の話っすが。
これ好き〜っっ!! むっちゃ好き〜っっっ!! 攻め最悪ぶりも文句なしだが、受けがもう最高〜♪ おっさんでおばはんで。
石原理の挿絵もむちゃはまり〜っっ!!


『TOKYOジャンク 彼らの恋愛事情』 ひちわゆか ビブロス
『TOKYOジャンク スイート・ホーム』 ひちわゆか ビブロス
一気七冊その5、その6。ちなみに七冊目はうえだ真由だったのだが、これは一度読んだ本であった…。
TOKYOジャンク、最初の二冊くらいは読んだはずだが、あんまり好きじゃなかったのよ。受け、子供なんだもん。子供に手を出すのはいかんだろう、四方堂貴之よ。
が、『スイート・ホーム』、21歳になった柾の話三編、これ、すっげえよかったよおおおおおっ!! いやもう柾ったらいい男になって。。。


『シナン』上・下 夢枕獏 中央公論新社
スレイマン大帝の頃、スレイマン・モスクやセリミエ・モスクを設計した建築家シナンの伝記みたいな話。
スレイマン大帝という名前は聞いたことがあったけど、いつ頃の人かも知りませんでした。歴史の教科書にはちょこっと載ってたんだろうな、きっと。でも授業の世界史、たいていイスラム圏は駆け足だったもんな。いや勉強になったっす。
勉強にはなったが、スレイマンの話とシナンの話、二つの話を無理やりくっつけた感じで、シナン側の話がなんかぜんぜん物足りず。最後、ハサンの妻と再会するとこも、いい話なのはいい話なんだけど、予定調和っつうか、いかにも「作りました〜っ!!」だったしさ。


『小説鋼の錬金術師5 それぞれの絆』 井上真 スクウェア・エニックス
ロイ=マスタング好きにはかなり満腹できる一冊。
軍部んとこだけ拾い読みせず、飛ばさずきちんと読んだはずなんだが、マスタングがハボックの煙草の匂いを確認するシーンと、なんでそんなものを確認したかが判明するシーンで満腹しすぎて、エドとアルが何をどうしていたのか、さっぱり思い出せず……。ダメじゃん、オレ…。


『12時の鐘が鳴る前に』 ひちわゆか ビブロス
雇い主×家政夫もの、かつ、運命の人との再会もの〜。不幸な過去から固まり凝っていた男の気持ちをけなげな男の子がほぐしていくとこがもうなんともいえず気持ちよろしい一冊でした。ダーリン、医者だけどお金持ちというわけじゃなく、玉の輿じゃないとこも◎。欲をいえば、男の子の義母&義姉たちにもうちょい救いが欲しかった。


『アスラクライン』 三雲岳斗 電撃文庫
新シリーズ。一度滅んだ世界が一からリバースされ、今度こそ滅びを回避するために多少設定しなおされた二巡目の世界。最初の滅び時間まであと数年というところで、幽霊つきとはいうもののそれなりに平和に生きていた男の子が、高校進学を契機に、「世界を救う」ためのてんやわんやに巻き込まれていくお話。
むっちゃ面白いっっ!! こんなドタバタ大好き〜♪♪♪ 三雲のではやっぱこの手がいっちゃん好き〜♪♪♪
 続き、続き、早く読ませろっっ!! でも、ランブルフィッシュの新刊も早く読みたいし、読みたいし、ううううううう。


『ひめやかな殉情』 崎谷はるひ 幻冬舎ルチル文庫
『しなやかな熱情』の続編。慈英と臣の関係はすっごいいいんだけど、特に臣がものすごく素直に慈英の描いた作品を感じ取るとことか好きなんだけど、後半、臣が一人で突っ走っちゃうとこがなー。けなげというより、なんかまぬけというかとほほ…。


『HUNTER×HUNTER』22巻 富樫義博 集英社
『蟲師』6巻 漆原友紀 講談社
『Landreaall』6巻 おがきちか 一迅社
『しのぶこころは』 松本テマリ ビブロス
『鋼の錬金術師』11巻 荒川弘 スクエアエニックス
『百鬼夜行抄』13巻 今市子 朝日ソノラマ
『Landreaall』6巻、発売日を携帯のスケジュールに登録した挙句、ひょっとしてもう入ってないかと発売日前日にわんだーらんどへ行き、やっぱり出てなかったものの5巻を探して右往左往した記憶もまだ新しく、取り置き頼もうかどうしようか迷ったものの、店のにーちゃんの「いっぱい入ります」の言葉に安心してそのまま帰ったりなんかしたらしい。
だって読みたかったんだもんっ。待ち遠しかったんだもんっ。



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