本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハー
ト文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『天才数学者たちが挑んだ最大の難関 フェルマーの最終定理が解けるまで』 アミール・D・アクゼル 早川書房
ちょっと前に読んだ『フーコーの振り子』が面白かったので、他のアクゼルも借りてみた。
現在フェルマーの最終定理「XのN乗+YのN乗=ZのN乗は、Nが2より大きいとき、自然数解を持たない」の最終攻略者の栄誉に服しているアンドリュー・ワイルズがその証明を発表したときのスリリングなシーンで幕を開け、そもそもフェルマーとはどういう人物かというおおざっぱな説明の後、紀元前2000年まで遡って数学史を物語る。
いや、面白かったんす、歴史本としては。フェルマーが生まれたのが1601年、関が原の翌年っつうところからどひゃーで。フランス革命の頃に二十歳で亡くなりながら、その業績を数学史に残すガロアんとこなんかも、気の毒ではあるけれどぞくぞくしたな。ま、数学部分はもう、16世紀初頭の三次方程式からあと、ちんぷんかんぷんでしたが。(というわけで、わたしの数学的知識は現在1500年代ならば最先端つうとこなのね)
にも関わらず、証明の中身はさっぱりわかんないながら最後まで面白かったのは、アクゼルのストーリーテラー能力のおかげだろう。


『相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学 アインシュタインと膨張する宇宙』 アミール・D・アクゼル 早川書房
『天才数学者…』も面白かったので、こっちもさぞや面白かろうと読み始めてみたら………。
すいません、平行する二本の曲線が交わるという状態をまったくイメージできない頭の持ち主にはきつかったっす……。

そおいや、「非ユークリッド幾何学」っつう言葉を初めて知ったのは確か高木彬光の神津恭介ものだったわ…とか第五章「ユークリッドの謎」あたりでしみじみ思い出したりなんかして。


『歯科医の憂鬱』 榎田尤利 キャラ文庫
板金屋の若大将×歯医者のセンセ。前半のくっつくまでが板金屋の一人称、後半のくっついてからが歯医者の一人称。
榎田のホモものとしてはひさびさのアタリ〜♪ いや、やっぱね、オリジナルのホモものってのはどっちかが元からホモっつうエクスキューズが欲しいんですわ、わたし。
ですが、この歯医者のセンセ、腕がいいって設定のわりには親知らずの抜き方が下手すぎ。抜歯名人S田歯科で修業してきなさい。(S田先生、やっとこなんか使わないわよ〜。がりがり削ってたかな、と思ったら、さほどの衝撃もなく「はい、抜けました」なのよ〜。ま、抜歯以外の治療はちょっとその…なので、抜歯以外はお薦めできませんが)(親知らず二本目までS田歯科で抜いたんです。で、親知らずの抜歯っつうのを舐めてたんです。で、「こんなもんはどこで抜いてもおんなじだろう」と三本目、別の歯医者で抜いたら…。そこ、やっとこだったんです…。地獄を見ました…。抜いてから四日か五日くらい、口がまともに開きませんでした。懲りて四本目S田先生に抜いてもらったら、やっぱりセンセは簡単プーに抜いてしまいました)(ちなみにS田センセ、「抜いたあと縫うと中に雑菌が貯まりやすいから」との事情で縫いません。縫いませんが、治りは三本目のやっとこ&縫うより断然早かったっす)


『砂漠』 伊坂幸太郎 実業之日本社
大学生活を描く青春群像モノって苦手というか食指が動かないほうなんで、これも食指は動かないまま伊坂だから読んだんだけど。
面白い〜〜〜っっっ!!! 西嶋出てきたらもうあとは行け行けどんどん。
シェパードのエピソードなんかよかったな〜。動物関係の辛い話はフィクションでも「小人危うきに近寄らず」している身にはしんみり嬉しい話でした。東堂みたいに「ゲットした男の値打ちで自分の値打ちを証明する必要をまったく感じない女」が西嶋に惹かれるのもすごく納得いった。「ぼく」と鳩麦さんのカップルいい感じだったし、南さんが鳥井くんとうまくいってくれてよかったっす。東堂さんの両親もよかったな〜。
「大局を考えずとりあえず目の前にあるものを救いたいと思う自分の気持ちを尊重するべきだ」という西嶋の主張にはげっついシンパシー感じました。あと、「『力いっぱいがんばって主張すれば必ず言いたいことをわかってもらえるはずだ』とみんな心の底では思っているが、三島由紀夫を見てみろ、あれだけがんばって主張してもわかってもらえなかったじゃないか」というのもガツンと来たな〜。(図書館に返却したあとで書いてんので西嶋の主張部分うろ覚えなんすが確かこーゆーこと言ってたと思う)


『ドリームバスター3』 宮部みゆき 徳間書店
新品購入。
「時間鉱山」Part.1でぶち切れてやがんので、まだ続きが出る模様。


『百鬼夜行抄』14巻 今市子 朝日ソノラマ
『鬼外カルテ其の拾参 太夫2』 碧也ぴんく 新書館
『誰も寝てはならぬ』5巻 サライネス 講談社
『フラワー・オブ・ライフ』3巻 よしながふみ 新書館
『鋼の錬金術師』13巻 荒川弘 スクエアエニックス


『彩雲国物語 藍より出でて青』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫
新品購入。
番外編。というか藍龍蓮世直し道中連作集?(= ̄∇ ̄=) (2008.5)



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