本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハート文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『少年陰陽師 妙なる絆を掴みとれ』結城光流 角川ビーンズ文庫
珂神編その2。主人公が2/3、危篤状態で生死の境をさまよっていたその2。清明があいかわらず老骨に鞭打つその2。あちこちぼろぼろの十二神将。辛い状況続きすぎると辛い…。


『風の王国 目容の毒』 毛利志生子 集英社コバルト文庫
領土を守るための戦いに出たリジム。王都ヤルルンで留守を守る翠蘭だが、城の中でソンツェン・ガンポの第一妃が毒を盛られるという事件が起き、第二妃に疑いが集中する。
もう八巻か〜。


『ローマ人の物語]W キリストの勝利』 塩野七生 新潮社
出たのが去年の11月か。。。 半年以上かけてちんたらちんたら読んでたのか、わたし。
第一部皇帝コンスタンティウス、第二部皇帝ユリアヌス、第三部司教アンブロシウス。西暦四世紀のあれこれ。この頃中国は…(検索中)、五胡十六国時代だそうです。そんな時代、世界史で習ったっけ?


『仔羊の巣』 坂木司 東京創元社
『動物園の鳥』 坂木司 東京創元社
坂木と鳥井のシリーズ。
『仔羊の巣』は「野生のチェシャ・キャット」「銀河鉄道を待ちながら」「カキの中のサンタクロース」の三編入り。地下鉄の駅の駅員さんたちがいい感じだった。「カキの中のサンタクロース」は、自分がアレルギーであることを息子に説明しなかった理由が脆弱ながら、食物アレルギーに対する知識の乏しさから生徒を死なせた教師の事件に触れていて、この著者もあの事件には衝撃を受けたんだな、という気がした。いまだにときどき思うのよ。あの先生、今どうしてんのかな、って。
『動物園の鳥』は、シリーズ最終編で長編。栄三郎さんの動物とのスタンスにシンパシー。


『切れない糸』 坂木司 東京創元社
新シリーズ。人づきあいが密な商店街育ちの主人公が、父親の急死から家業のクリーニング屋を継ぎ、ご町内のいろんなささやかな謎にでくわす連作。探偵役は主人公の友人で、近所の喫茶店の留守を預かる沢田くん。(著者の中に喫茶店のマスター×沢田くんの裏設定があるに違いないに500点)
クリーニング屋の職人で、アイロンかけの達人にして映画マニアのシゲさんが素敵。


『二重螺旋』 吉原理恵子 キャラ文庫
『愛情鎖縛 二重螺旋2』 吉原理恵子 キャラ文庫
攣哀感情 二重螺旋3』 吉原理恵子 キャラ文庫
一作目と二作目はいつものサイテーカラオケにプリンセス祐子が持ってきたのを読んだ。
読みかけてすぐ、吉原理恵子の言葉の選び方の無頓着さっつうか、こだわりのなさっつうか、汚さっつうか、もうちょっと見栄え考えて小説書けよ、なとこが苦手だったことを思い出すが、
(「モロ見てしまう」とか「モロバレ」の「モロ」ってのはどうよ? 原作だけど「幻惑の鼓動」の「メロメロ」とか「こてんぱん」とかな…)
一冊目は幸せだった頃の家族の描写がだらだらと長く読み飛ばしたせいで、気がつけば家の中どえりゃーことに。
が、そのまま二冊目読み出して、次男に怪我させたヤンキーを長男が殴るに至って…。
わし「…雅紀にーちゃん、腐ってるけどかっこいい………」
P祐子「そやろっ!そやろっ!」
翌日、思わず3巻買っちゃっている私がいた…。
(ちなみに1巻と2巻、BOOKOFFで探したが、こないだまでけっこう見かけた覚えがあるのに、いまどこにもない〜)

挿絵は円陣闇丸。美しい。


『心地のよい場所』 北川とも クリスタル文庫
『旦那さまはご機嫌ななめ』 吉田珠姫 白泉社花丸文庫
『旦那さまに赤い薔薇』 吉田珠姫 白泉社花丸文庫
『旦那さ
まシリーズ番外編 性悪猫』 吉田珠姫 白泉社花丸文庫
カラオケで吉原読んだせいで口がすっかりこっちになってしまい、図書館でとりあえず適当に漁ってきたもの。
四冊ともハズレ。


『枝豆そら豆』上下 梓澤要 講談社
銀行ついでにふらりと立ち寄った堺東図書館で発見。(乙女向けホモロマンス官能小説を漁るつもりであったが、東図書館、凄いわ。この手の有害図書、全部書庫だわ。カウンターに行ったら司書さんが大学時代の同級生(名前思い出せず)だったので、「あのへん全部書庫やん〜」と訴えたが、「言うてくれたらすぐ出してくるよ」と笑顔でかわされた。ちゃうねん。開架に並んでる中から知らない作家さんのをあらすじ見もって選りたかってん〜)
ほんで、『枝豆そら豆』である。主人公は長屋育ちで大店に奉公に出ている女の子でこっちが枝豆。んで、その女の子が世話係をしているお嬢さんがそら豆。
で、この二人の少女の成長記かと思えば、上巻三分の一あたり、主人公の初恋が破れたあと、いきなり話が十七年飛ぶ。飛んだあとは主人公は大名の側室、お嬢さんのほうは一膳飯屋の女将と、境遇が入れ替わり、その後、江戸発の東海道中に突入する。
東海道中することになった原因であるお世継ぎ問題も専売織物横流し事件も城代家老一味の専横も、たぶんこれからぶじ解決されるんだろうな〜、と思わせるとこでブチっと終わっててありりだったのだが、あちこち実に気持ちのいいシーンがあり、読んでて楽しかったっす。


『凍りついた香り』 小川洋子 幻冬舎
恋人がいきなり自殺し、彼が「失踪者」であり、彼女や勤め先に語っていた素性が偽りであったことを知った女性が、恋人の真実を探る物語。
ちょっと近所まで出かけたはずが、そのまま行方を絶つ話、それも犯罪に巻き込まれたわけではないらしい話って、不謹慎だがぞくぞくする。マリーセレスト号の逸話のぞくぞく感に似ている。
しんしんと静かに進む物語が好ましい。


『くさいはうまい』 小島武夫 毎日新聞社
「鉄腕DASH!」で紹介されてて借りてきた。
著者が体験遭遇したくさくてうまい食べ物をひたすら紹介するエッセイ。
著者の食べ物に対する偏見のなさと食いしん坊ぶりが実に楽しい。

が、納豆とパスタは合わない、というご意見には異論が。美味しいっすよ、納豆パスタ〜。(ボールに納豆、添付のタレ&辛子、生卵一個、あればネギかシソ、を放り込み、ガッと混ぜてから、ゆがきたてのパスタを和える)


『ご新規熱血ポンちゃん』 山田詠美 新潮社
ちょろぎは知っている。佃煮の巻貝くらいの大きさで形の、赤っぽいすっぱいこりこりした漬物だ。西名阪〜東名阪のどっかか、名神の名古屋までのどっかのドライブインで、能書き書いたポスターを読み、ちょろぎ入りのうどんを食い、こりこりした食感が気に入ったので、売ってるのを買って帰り、しばらく美味しくいただいた。
これが群馬(だったよね?山田詠美の実家)だけか、関東全体か、はたまたフォッサマグナ以北すべてかはわからんが、定番ものとしておせちに入ってるってのにびっくり、どひゃー。
高橋家@「頭文字D」のおせちにも、藤原家@やはり「頭文字D」のおせちにも、やっぱり入ってるのか、ちょろぎ?!
つうか、おせちにちょろぎが入ってる地帯の人は、ちょろぎの現物見たらたいがい「あ、ちょろぎだ」って言えたりするのか、ちょろぎ?!
わたしは前述のドライブインで遭遇したのが最初で最後です。少なくともわたしの近辺にちょろぎを見てちょろぎだとわかる人はいないと思います、ちょろぎ。(「目標は幸せちょろぎ」の章参照)


『あと千回の晩餐』 山田風太郎 朝日新聞社
亡くなる四、五年前に朝日新聞に連載した表題エッセーに他の雑誌等に載せたエッセイを足したもの。
風太郎先生、連載始めたときには、とりあえずどこも悪いとこなし、除く肥大ぎみの前立腺と白内障、だったのが、ようやく白内障治療に眼科に行けば眼底出血で糖尿病が見つかり、糖尿病の食事治療のために入院すればパーキンソン病が見つかり、パーキンソン病の薬のせいで幻覚を見て足を骨折、と、「年をとればあちこち悪いとこが」を絵に描いたような有様に。
ところで最近コンタクトレンズの具合が悪い。つけて30分もすると曇る。はずして洗ってはめなおしても、またすぐ曇る。まばたきした直後は特に曇る。検診に行ったが、ドライアイぎみで角膜にも多少傷が見られるしレンズ自体も多少汚れが見られるが使用に問題なしとのこと。角膜修復してくれる目薬とドライアイ用のうるおい目薬を処方してもらったが症状は改善せず。なので、そのコンタクトレンズを買ったときにスペア用に買っておいてずっと寝かせてあったレンズを使い出してみれば。
曇るのは納まった。納まったが、近くが見えない。目から五十センチくらい離れたところが焦点。んで焦点合わすために無意識にのけぞるせいか首が凝り凝りに。
うわ〜っっ、老眼や〜っっ!! 近視で気づきにくかっただけで、こんなに進んでたんや〜っっ!!
とびびったが、ちょっと待てと曇るレンズをはめなおしてみれば。
普通に見える。近くも遠くも問題なし。
ひょっとして作ったとき、店が度数間違えて渡しやがった?
んで買った店に両方もってって見てもらったんだが、度数は同じだけど黒目部分へのひっかかりかたが違うとのことでした。
ま、今でも「本当か〜? ほんとに度数おんなじレンズか、ハートアップ光明池店〜?」とか思ってんですが、二対あってもどっちも使いもんにならんので、レンズを新調しました。取り寄せに一週間かかるとのことだったのでそれまでのしのぎに使い捨てコンタクトも購入しました。新調したレンズは今日受け取りに行きますが、使い捨てレンズで今んとこは好調です。
で、何が言いたかったかというと。
老眼ってこんなに辛いもんだったんですね………。
老眼になるレンズはめてたとき、首ががちがちに凝っちゃったから、うがいひとつが難行苦行だったのよ〜〜〜。(喘息の吸入したあとうがいは必須なので、一日一度はしなくてはならない)(うがいで思い出したけど、歯科衛生士さんでたまに「口をすすいでください」って言うべきところ「うがいしてください」って言う子がいるべ? 「口をすすぐ」のと「うがい」は全然別の動作だろうが〜。歯医者の治療椅子でがらがらうがいしてる奴なんかいねえっつうの)
閑話休題。
喫煙については風太郎先生の意見に同感です。うちのじいちゃんもばあちゃんも「ヘヴィー」のつく煙草喫みでしたが、どっちも平均寿命クリアして、肺癌で死にませんでした。(どっちも体の調子が悪くなり、ついに禁煙に踏み切ってから二、三年後に死んでいる) 一日二十本以上吸ってるのに七十歳ラインクリアして肺癌以外で死んだ人のデータが欲しいぞ。(ただ、これまた風太郎先生と同じく、壁とかについたヤニ見て自分の肺の中の状況を想像しちゃうと、まじ禁煙考えちゃうのよね〜。一気に一箱200円くらい値上げしてくれたら、禁煙できるのに〜)←ま、やんないけどね、政府。煙草税、大事な財源だから。


『ママは悪魔ハンター』 ジュリー・ケナー 早川書房
元バチカン内「陰の力」所属悪魔ハンター、今は専業主婦のケイト・コナーが、ある日いきなり悪魔に憑かれた老人に襲われ、十数年ぶりに現場復帰を余儀なくされる。しかも選挙運動中のダンナとティーンエイジャーの長女と幼児の長男を抱えた状態で。
いや、面白かった。好みからいえば、組織がもうちょっときちんとバックアップしてくれるほうが好みなんですが、悪魔より主婦業にドタバタと振り回されるとこが愉快。途中から登場の元悪魔ハンターのじいさんも好き。悪魔が誰かについては真ん中くらいで予測つくので、ちょっといらいらさせられましたが。
あとがきによると、アメリカではもう続編が出てて、続々編も来年刊行予定とのこと。早く読みたい〜。これまたあとがきによると、ワーナーが映画化を企画中とのこと。楽しみ〜。(映画化といえば「アルテミス・ファウル」はまだかしら〜。いま検索してみたら、監督が「マスク2」と「キャッツ&ドッグス」撮ったローレンス・ガターマンってことだけは決まってるみたいなんだけど、キャストとかは見つけられず〜)


『新リア王』上下 高村薫 新潮社
amazonのレビューより。「「晴子情歌」から続く福澤家サーガ・・・ まぁ、作家には自分の好きなものを書く権利があるわけで。 新しい読者層を開拓してください。 私としては今後主人公・彰之が息子に殺されようが息子を殺そうが、 仏家の道を究めようがイスラム教に改宗しようが、もうどうでもいいです・・・ (レビュアー:ロイマニア)」
にとてつもなく同感です。。。。


『恋はhighinterest』 うえだ真由 オークラ出版
自分を過大評価も過小評価もせず、悪い奴ではないがいい奴すぎもせず、仕事のできすぎる同期の同僚にひがんだりせず、助けられれば素直に礼をいう主人公、好感度大。山場の融資断るエピソードんとこも、断られる社長の造形が見事であった。いや、アタリっす♪


『好きこそ恋の絶対』 いおかいつき 幻冬舎ルチル文庫
クライマックスんとこまではよかったんだよ〜。元白バイ警官の刑事(攻)も、検事(受)も、脇役陣も、話の進み具合も〜。
ドタバタできあがっちゃうとこでげんなり。。。。


『8年目の約束』 うえだ真由 幻冬舎ルチル文庫
幼馴染の再会もの。いきなりアメリカついていっちゃうってのがな〜。


『不条理な男』 樹生かなめ 講談社ホワイトハート文庫
幼馴染ものだが。
愉快っ!! 受のお母さんがもうたまんないっっ!! いやん、大好き、この人〜♪♪♪
不条理な男の不条理ぶりも見事。父親ともども、実に筋の通った不条理ぶり。実に見事なドタバタコメディ。


『花扇』 剛しいら クリスタル文庫
これはいいっ!! 大当たり〜〜〜っっ!!
筋書きにくい。どう書いてもつまんない話っぽくなりそう。途中まで読んだとこで「タイガー&ドラゴン」にちょっと似た仕立ての話だと思ったが、奥付見たらこっちのが先でした。
落語家の話だけど、落語に興味なくても読める(と思う)。


『真昼の月』 いおかいつき 雄飛ノベルズ
『真昼の月』2巻 いおかいつき 雄飛ノベルズ
『真昼の月』3巻 いおかいつき 雄飛ノベルズ
ヤクザの若頭×元刑事。舞台はミナミ(難波とか心斎橋のあたり)。
花郎藤子の黒羽と鵙目シリーズを漂白脱臭したみたいな話で、筋立ても脇キャラも黒羽と鵙目シリーズのほうが断然愉快なのだが、受けに女性の恋人がいないところが心地よく(しずかさんていい女だと思うけど、自分の男がヤクザの情婦という状況に平気な神経はわからない)、一つの事件がきちんと起こってきちんと解決されていくところも心地よい。


『メモリー』上下 ロイス・マクマスター・ビジョルド 創元SF文庫
マイルズ・シリーズ。近刊案内に書名が出てから、伸びて伸びて伸び倒した発行予定日よ。やっと読めた〜〜〜。
低温蘇生措置の後遺症の発作がミッション遂行中に起こり、助けるべき人質をもう少しで死なせてしまうところだったマイルズは、報告書でその事実をうやむやにしたせいで、かえって厳しい処分を受けることとなる。両親不在のほとんど空き家状態な首都の館で謹慎することになったマイルズだが、完全無欠のはずのイリヤンに異変が起こり……。
ああ、やっぱりこのシリーズ、一度読み出したらやめられない、とまらない〜。
最後にはマイルズは新しい地位を得るのだが、その地位についてからのお話が、本国では三本ももう出ているそうな。
読ませて〜っっ!! 早く読ませて〜〜〜っっっ!!!


『舞姫テレプシコーラ』3〜9巻 山岸涼子 ダ・ヴィンチコミックス
1、2巻だけ読んで、バレエものとしてあまりに地に足ついた地味な話だったのでその後ほったらかしていたのだが、ブックオフで3巻4巻つい買ってしまい、あとは既刊全部ずるずると、ああ、やめられない、とまらない……。
六花の成功部分はすこぶる気持ちいい。千花ちゃんの不幸がきつい。ぶじ不安なく踊れるようになるんだろうか。3巻、コンクール会場から姿を消して以後の空美はいつ物語に復帰するんだろう。


『Landreaall』8巻 おがきちか 一迅社
『ポチの幸せ』1巻 日下孝秋 芳文社
『ハチミツとクローバー』9巻 羽海野チカ 集英社



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