本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハート文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『死ぬまでお買い物』 エレイン・ヴィエッツ 創元推理文庫
図書館。
舞台はフロリダ。とある理由から高収入の仕事やまっとうな暮らしを捨ててトランクひとつでこの地にやってきたヘレン。同じ理由から社会保険番号すら明かせず、源泉徴収されるわけにもいかない彼女がやっとありついた仕事は、超高給ブティックの安給料の雇われ店員。価値観のまったく異なる美女たちに唖然としつつもへレンが雇われ店長クリスティナに不審を抱き始めた矢先、そのクリスティナが行方不明になり…。
美女たちの描写に、「デンジャラス・ビューティー2」で本人役でカメオ出演していたドリー・パートンを思い出しました。1946年生まれだから、こんときゃ…(電卓で計算している)59歳っっ?! 凄かったよ、40歳くらいにしか見えなかったのよ。皺もほとんどなかったのよ。
ヘレンがそれまでの暮らしを投げ捨てなくてはならなかった理由には実に腹がたった。シリーズ化されているらしいので、この先、この問題をすっきりさせて欲しいっす。


円環少女(サークリットガール) 1.バベル再臨』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
円環少女(サークリットガール) 2.煉獄の虚神<上>』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
図書館。(これから別の図書館に返却される本ですよ〜コーナーから拾ってきた)

結論:アタリ〜♪♪♪

並行世界もので、他の世界ではその世界特有の「安定しない」系があり、その系を利用した「魔法」が「安定した」力として利用されている。わたしたちのこの世界ではどの体系の魔法でも利用可能だが、恐るべきことにわたしたちが「観測」してしまうことにより事象は無理やり安定させられ「魔法」は消去される。ゆえにこの世界は他の世界から「地獄」と呼ばれ、罪人の流刑地とされている。罪を贖うには「協会」の管理のもと、敵対魔導師を100人、倒さなければならない。
魔法体系がぴちっと構築されているのが心地よい。なんで一児童を保護監視するために便宜上副担任になった協会の係官、通称「鏖殺戦鬼(スローターデーモン)」が担任さしおいて授業までやってんだ?とか、「小学校六年生くらいの可愛い女の子に慕われる」っつうのは男のドリームとしてどうよ?とか、ま、突っ込みどころはいろいろありますが、世界観と魔法バトルシーンがすげー面白いから許す。
キャラとしては、1に出てきた宣名大系の高位魔導師「染血公主」ジェルヴェーヌが、残虐無慈悲な悪役ですげーかっこよかった。

『執事の特権』 榎田尤利 大洋図書
図書館。
大学を出てから家業を手伝っていた仁(攻)が、なんで家業の手伝いをやめて就職しようとしたんだか事情は説明されてたはずだが覚えてないのだが、大手製薬会社に就職することになるのだが、希望していた営業職ではなく、創業者の孫で、経営者としては有能だがわがままで偏屈で人嫌いで神経質な乙矢(受)の秘書としてだった。
読んでる間はそこそこ面白かったのだが、不思議なくらい心に残らなかった話。


『いかさま師』 柳原慧 宝島社
図書館。
家族は母のみ、その母も余命いくばくもなく病床にある中、紗貴は母の引き出しから母宛に書かれた古い奇妙な遺書を見つける。遺書の差出人を調べてみれば、彼は無名の画家で、30年前に自殺を遂げており、残された屋敷でずっと暮らしていた未亡人もつい先日亡くなったばかり、区役所が相続人を探している最中だった。
初めて読んだ作家だが、行け行けどんどん、面白かったぞ〜。語りがうまい。ライトノベルスと本格推理の中間くらいの感じの文章で、結末も安っぽくなくすっきり。
この本の前にもう一冊出しているらしいので、現在予約中。


『天皇陵伝説』 八木荘司 角川書店
図書館。
仁徳天皇陵あたりが舞台。天皇陵南側の大仙公園内になる博物館で、主催の新聞社が大枚はたいて北朝鮮から借り出したブツを目玉に特別展が企画されているのだが、博物館に届いたそのブツが何者かに盗まれ…。
むっちゃ地元舞台の話なので面白く読んだが、ぜんぜん知らない場所が舞台だったらたぶんぜんぜん面白くなかったと思う。
大仙公園の博物館(いっぺん行ったことあったかな…)に大挙して人が押し寄せることになったらJR阪和線百舌鳥駅が大変なことになるぞ〜(道に面した改札通ったらそこがもうプラットホームっつう小さい駅なのよ)、とか、天皇陵に入るのは日本人にとって相当な禁忌だと主張されてるがうちの父ちゃん、仁徳天皇陵じゃないけど、ニサンザイ古墳の掘んとこまでは、子供の頃に入り込んで遊んでたらしいぞ、とかな。ちなみに仁徳天皇陵前の道はN塚長姉の通勤路で、ニサンザイ古墳右側の道はわたしの生活道路で、ニサンザイ古墳のまん前にわたしら行きつけのカラオケボックスがあったりします。が、警備員の巡回なんか、どこでも見たことないっす。あと仁徳天皇陵に最後に人が入ったのは明治時代なんつうのも知らない人のほうが断然多いので、もし仁徳天皇陵ケツ側のラブホ集落の窓から仁徳天皇陵内に人影が見えたとしても、たいていの人は「調査でも始まったんかな?」くらいで、誰も通報しないと思う。小説中で、右翼の手で仁徳天皇陵内に埋め戻されたブツを夜間こっそり探すシーンがあるんですが、昼間堂々と探しても大丈夫だったと思う。


『エンドゲーム 常野物語』 恩田陸 集英社
図書館。
常野物語番外編。
わあい、常野だ〜♪とわくわくしながら予約して、わくわくしながら順番来るのを待ったんですが。
あんまり好きなタチの話じゃなかった………。




『ダブル・スター』 ロバート・A・ハインライン 創元SF文庫
図書館で借りました。TDL旅行用に。飛行機の中とか、ひとりでアトラクション待ちするとき用に。ハインラインならそうハズすことはないだろうと。
未来もので、才能はあるけど仕事にあぶれている俳優が、誘拐された大物政治家の替え玉として雇われ、絶対に政治家が出なくてはならない式典に出席するだけのはずが、情勢の変化からずるずると雇用期間が引き延ばされ…。
なにしろ1956年の作品なので、テクノロジーについてはあちこち古臭いんですが、面白い。語り口もさることながら、細かいディティールの押さえ方が素晴らしくうまい。人種偏見についての考察なんかも、いま読んでも見事だ。
と、行け行けどんどん旅行中に読み進んだんですが。
帰りの飛行機の中で。
主人公がついに皇帝に謁見を賜ることになる。俳優が影武者している大物政治家は、日々会った人のことを細かくデータベース「ファーリーファイル」に管理している人で、ファーリーファイルには皇帝のことはごく簡単にしか記されていなかった。ので、それほど親しい間柄ではないのだろうと謁見に臨んだ俳優だが、謁見の間を引っ込んだ皇帝の私室で、偽者であることを皇帝に指摘され、政治家と皇帝がかなり親しい間柄であったことを知る。
…ファイルが不備だったわけではないと気づいたのは、あとになってからだった。あのファイルは、その基礎にある論理によれば、有名な人物が、自分より有名でない人物について記憶するために存在するのだ。ところでまさしく皇帝こそは、別格である。−−−つまり、もっと有名なのだ。ポンフォート(政治家)がウィレム(皇帝)について、身辺の細かいことを記憶するのに、もちろんメモなんかは必要なかった!
ここを読んだところでわたしは呆然と本から顔をあげ、N塚長姉とRP祐子に言った。
「これ、読んだことある本やったわ…。20年くらい前に………」



『空と月の王2 約束のカケラ』 霜島ケイ メディアファクトリーMF文庫
新品購入。
1巻を買い、そのときすぐに読めない事情か何かがあって買ったけどまだ読んでない本コーナーに置いてそのまま忘れてたんですわ。で、買ってから読むまでの間に2巻が出てしまってたんすね。。。
トキの正体が小出しにされる。お約束どおり、本人に自覚はないが、本人が思っているほど凡庸な素性ではなかった模様。(お約束だがかなり好きな展開)
奇妙な宣教隊とかの新キャラも現れ、次巻も楽しみっす。


『彩雲国物語 緑風は刃のごとく』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫
新品購入。
前巻最後で「現在役職についていない官吏はクビ」布告が出され、布告対象どんぴしゃり中の秀麗はクビ期限までになんとかどこかの部署に配属されようとするのだが、その過程で他の対象ドンピシャリ中の連中の面倒までみる羽目になり。。。
クビ宣告された連中の面倒をみるとこは愉快だった。冒頭やっとご登場の藍家の三つ子にもわくわく。
が、どうしても官吏でいたいなら、裏道の滑り止め確保した上で、表道の「手柄をたてる」に奔走するずるさも必要だったと思う。
とはいうもんの、やっぱすげー面白い。楸瑛の身辺も気にかかる。次巻いつだろ〜。


『少年陰陽師 真実(まこと)を告げる声をきけ』 結城光流 角川ビーンズ文庫
新品購入。
珂神編三巻目。絵に描いたような罠が用意されてて、こういう罠で互いに誤解した人たちが争うのって、読んでて辛いので、なるだけ早く解消して欲しいっす。
それにしてもビーンズ文庫、なんでシリーズ物にナンバーを振ってくれないのだろう。読み返すときに難儀するのよ〜。
ところでアニメが始まってますが、今んとこ絵がむっちゃ綺麗。


『主婦は踊る』 青木るえか 角川文庫
『主婦の旅暮らし』 青木るえか 角川文庫
葉子ちゃんに借りた。
子猫を家に連れ帰るときってほんとどきどきする。そのどきどきはわたしの場合「こいつがどんな猫になろうとも、最低でもこいつと14、5年は一緒に暮らすことになるんだ…」というどきどきなのだが、それに加えて「スカでも14、5年…」の心配までしている人もいるのか…。すんません、だってそんなにスカひいたことってないもんで。(わたしが触るとうなりゃあがる巳夜子ってそう考えるとスカだったのか?)
この2冊で一番心に残ったのは『チョコレート戦争』。覚えてる。エクレアはフランス語で稲妻、のくだり。小学校んとき図書館で借りて読んだ。その後はわたしの中で「中のクリームが稲妻のように口の中になだれ込む」に変換されてましたが。そうか、あれ、『チョコレート戦争』って話だったのか〜。(大原まり子原作の岡崎京子『マジック・ポイント』に出てきた襲撃され慣れてるシュークリーム屋さんのエピソードって、これへのオマージュだったのかな?)

ところで、自分以外の女が痩せたってのは確かに基本的にむかつく話ですが、例外がある。それは青木るえかくらいぼてぼてと肥え太ってしまった奴がするするっと劇的に痩せる話。が、これのカタルシスの必須条件は「痩せて嘘のように綺麗にな」ることなのであった。。。うーん、半端……。(しかし、ダイエットに限らず整形とかでの大変身、あれってなんでああわくわくすんだろうね?)


『世界の日本人』 早坂隆 中公新書クラレ
これも葉子ちゃんが貸してくれた。
日本人をネタにしたジョークの紹介(時代背景解説付)。
朝日新聞の広告に出てた「早く飛び込め!」(110頁)が、一番よくできてて面白かった。


『空中ブランコ』 奥田英朗 文藝春秋
図書館。
おそるべき精神科医伊良部シリーズ第二弾。
これと『町長選挙』が『イン・ザ・プール』の続編と知り、慌てて予約。こっちはすぐ順番きたが、『町長選挙』はいま現在248人待ち中223番目。半年後くらいには読めるかな…。(遠い目)
これまたやっぱり人づきあいが苦手な空中ブランコ乗りだの、尖端恐怖症のヤクザだの、破壊衝動に駆られる精神科医だの、スローイング・イップスのプロ野球選手だの、強迫神経症の女流作家だのが、次から次へと伊良部に癒されていく〜。看護婦のマユミさんもかわらずいい感じ〜。特にほっこりさせられたのは、医学会の大物である義父のヅラを剥がしてみたくてたまらない精神科医の話だな〜。いい話だったな〜。

それにしても映画版の伊良部が松尾スズキで、ドラマ版が阿部寛って、映画もドラマもまだ観てないけど、どっちも別に太ってないじゃん。やっぱこれはデブタレの役どころだろ〜。


『パーフェクト・プラン』 柳原慧 宝島社
図書館。
『いかさま師』が面白かった柳原慧のデビュー作。第二回「このミステリーがすごい」大賞受賞作だったらしい。受賞時点ではかなり杜撰だった箇所が大森望の指導のもとびしばし直されたのがこれらしい。
かつては新宿三丁目界隈で名を馳せていたが今は代理母業で生計をたてている女性が、自分が生んだ子供が虐待されているのを知り、発作的に誘拐してしまうところから、物語は始まる。彼女の知り合いたちが彼女と子供を助け、ついでに身代金を奪うことなく大金を手に入れようと画策し、それは当初うまくいくかに思われたのだが…。

行け行けどんどん、面白かった〜♪♪♪

もっと読みたい。次作、早く書いて、出して〜。


『高校教師、なんですが。』菅野彰 キャラ文庫
図書館。

アタリ〜♪♪♪


NOといえない男、高校教師中村良明の、NOといえないがゆえの転落人生。
事態自体は深刻なんだが、いや、本人的にはほんと深刻な事態なんだろうが、最初から最後まで読んでて実に楽しかった。


『愛がいない部屋』 石田衣良 集英社
図書館。
「恋愛小説集」シリーズ三作目。さらっと読めた。すごく心に残る話もないが、飛ばしたくなるほどつまらない話もなし。


『B級グルメ倶楽部』2巻 今市子 ダリアコミックス
『チキタ★GUGU』6巻 TONO 朝日ソノラマ



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