本読み月記


【ジャンル分け】 元々日本語で書かれた大人向け小説
元々日本語で書かれたジュブナイル小説。
日本語で書かれた小説以外のもの。

元は外国語で書かれていて、翻訳されたもの。

乙女のためのホモ小説
コミックス

われながら、なんつう荒くたい分け方であることよ。
ええっと、大人向けかジュブナイルかは、出版元の意向そのまんまです。角川スニーカー文庫とか講談社ティーンズハート文庫とかコバルト文庫とかは、どんだけ立派な作品でもジュブナイルに入れてます。逆もそう。

『ひとがた流し』 北村薫 朝日新聞社
図書館。
朝日新聞の朝刊か夕刊に連載されてたもの。うちは朝日新聞だが、連載始まってからの数日それに気づかず、最初から読めないならもう単行本になるまで我慢〜と、連載時にはぜんぜん読んでなかった。
偶然から今はわりと近所に住み、親しく行き来している学生時代の女友達三人。独身の千波と娘と2人暮らしの牧子と夫と娘と三人家族の美々。彼らのそれぞれが章ごとに主人公となり、現在進行中の出来事や過去の出来事が描かれる。淡々と進むのに読み出したらやめられず一気読み。こーゆーのは普通「行け行けどんどん」なのだが、この物語には「行け行けどんどん」と言葉はなんか使いたくない。似合わない。胸にしんとしみる美しい物語。


『異人館』 レジナルド・ヒル(訳:松下祥子) 早川ポケットミステリ
図書館。
単発もの。ケンブリッジで学ぶことになった数学専攻のオーストラリア人の女性サムは父方の祖母について調べるため、元は司祭を志していたが今は歴史学者に進路変更したスペイン人のミゲルはエリザベス一世治世下でのカソリック弾圧についての調査のため、イギリス北西部の小さな村を訪れる。
1960年頃のイギリスからオーストラリアへの「孤児移民計画」というのが物語のひとつの大きな柱になっている。親がなかったり親に棄てられた孤児が十数万人イギリスからオーストラリアに送られたらしい。サムの祖母もその一人で、物語の中では1990年代にイギリスで大きな社会問題になったらしいが、訳者あとがきにはなんの説明もない。検索してみたところ、ここによると(もちろんインフォシークのweb翻訳の世話になって)、1922年〜1967年のおよそ45年に渡って、15万人の子供たちがオーストラリアのみならずカナダやローデシア(ってどこ?)、ニュージーランドに「出荷」されてたらしい。へーーーー。
サムが追う謎のほうはわくわくしたが、ミゲルが追う謎のほうはいまいち興味がもてずたるかった。ほんでミゲルはなんで霊見えてたの?


『円環少女4 よるべなき鉄槌』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
新品購入。
1、2巻をブックオフで見つけ、3巻とこれは観念して新品で買った。
面白かったんですが、仁の過去がついに明かされたり、メイゼルたち一行と仁たちが地下壕で出くわすとこもご都合なイメージがなくて納得なんですが、キャラクターみんなあいかわらずいい味出してんですが、完全大系の完全なるがゆえの制御の厳しさとかメイゼルがカレー作るとこなんかもすっごい好きなんですが、エレオノールがとりあえず生き延びてくれたのも嬉しかったんですが。
ものすごくすっきりしないとこで終わってやがる………。

続き、早く、早く、読ませて………。


『鬼外カルテ其の拾四 非常ノヒト1』 碧也ぴんく 新書館
新品購入。
ビィも太夫も天狗も消え、ついに最終章鬼外の話。
鬼外って平賀源内だったんすか、へー。
と思って、小学校の頃、平賀源内出ててすっげー面白かったNHKのドラマがあったなと思い出して検索してみたら、どうも「天下堂々」というドラマだったらしい。もっぺん観たい…。


『新たなる神話 始まりのエデン』 榎田尤利 講談社X文庫
新品購入。
最終話。
全員無事とはいかなかったが、1巻から一気に読み返したくなる、実に気持ちのいい大団円であった。


『アダルシャン番外編 ユスティニアの花束』 雨川恵 角川ビーンズ文庫
新品購入。
ついに最終巻かと思ったら、番外編集であった。七編入り。
ユーゼリクスとアレクシードのバカ兄弟ネタがやっぱりおかしい、楽しい。フラッドがユーゼリクスに教えられて初めてアレクシードを王子と気づく話も大好き。


『秘密』3 清水玲子 白泉社
新品購入。
死者の脳をスキャンして生前五年間の視覚記憶を再現することにより凶悪事件を解決する「第九」シリーズ3巻。
こないだサイテーカラオケにこれの1、2巻を持ってたのだが、時間切れでN塚長姉もRP祐子も読まず仕舞い。が、3巻読んで思い出した。このシリーズがグロかったのを…。うーん、あいつら確かホラー系は苦手だったよな。これはギリの線かしら。今度も持っていこう、読ませてみよう。
(どっちもホラー苦手で、「こんなんどこが怖いねんっ」なもんまで怖がるので、ちっ、アカンタレめと常々思ってたのだが、最近、ディズニー製の「南極物語」は犬は死なないらしいというので観ようとしたが、天候がくずれかけたあたりで不安になり、結末を先に確認したら8匹のうち2匹死ぬことが判明、これはあかん…と途中を見る勇気をなくしたわたしは、動物映画超へたれ…)←もちろん名作と名高い高倉健の「南極物語」なんか、観ようと思ったことすらない。


『オランダ水牛の謎』 松尾由美 東京創元社
図書館。
有栖川みたいなタイトルだが松尾由美、『安楽椅子探偵アーチー』の続編。第一作は大好きなので、続編が出るのを知ったときはすげー嬉しかったのだが、うーん、いまいち…。
五編入り。表題作の「オランダ水牛の謎」、オランダ水牛という言葉は知っていたが、これ読むまでなんの疑問も持ってなかった己に愕然とする…。


『風の影』上下 カルロス・ルイス・サフォン(訳:木村裕美) 集英社文庫
図書館。
物語の始まりは1945年、場所はスペイン、バルセロナ。主人公は古書店を営む父と2人暮らしの少年ダニエル。ある早朝、ダニエルは父に連れられて行った「忘れられた本の墓場」でフリアン・カラックスの『風の影』という小説に出会う。
最初はわくわくしたのだが、そしてクライマックスあたりから再び行け行けどんどんになったのだが、途中はなんかだれてだらだら読んだ。愛すべきフェルミンがいなかったら、途中で投げ出してたかも。真相をヌリアの手記にすべて語らせるってのもなー。というか、「忘れられた本の墓場」なるファンタジックな場所から語りだされた物語が、こんだけまっとうな過去からの因縁ものってのが、なんかちぐはぐ。
が、クライマックス〜大団円はすげーよかったなー。ラモス神父に結婚式を執り行わせるとことか、情報くれたじいさんとこに女性を連れてくとことか。ダニエルが息子を「忘れられた本の墓場」に連れてくとこで終わるのも心地よい余韻があった。
それにしても「忘れられた本の墓場」ってのはいったい誰が出資して存続してるんだろ? 最初はこの世界のポケットのようなファンタジックな場所かと思ったが。

ライン・クーベルトという怪人が登場するのだが、浦沢直樹の『MONSTER』にそんな名前の登場人物いなかったっけ?と思ったら、あっちはヨハン・リーベルト〜。


『図書館戦争』 有川浩 メディアワークス
図書館。
読んだことない作家だが、例によって朝日新聞の広告にそそられて予約してみれば100人以上待ち〜。(そして現在、これは165人、続編の『図書館内乱』は62人、そのまた続編の『図書館危機』は53人待ち〜)
時間軸的には横並びらしいが、どこからか枝分かれし、別の歴史をたどる別の日本。30年前施行された「メディア良俗法」の実行部隊「良化特務機関」VS図書館防衛隊。図書館の駆け出し女性防衛員が主人公。
面白い〜、行け行けどんどん♪ 主人公も同僚たちもキャラが立ってて楽しい。検閲対象語が一語入っているというだけで内容に関わりなく没収対象になってしまうとか、個人の貸し出し記録の守秘義務の原則を守るためのジレンマだとか(人質問題のときの「自己責任」ヒステリーを思い出したわ)、世論を煽るだけ煽ってすぐ忘れるマスメディアとか、共感できるネタも多かった。が、実際こういう事態になったとき、本を出す前に出版社がチェックすると思うし、出版業界および書店はもっと衰退してそうに思う。


『天と地の守り人 第二部』 上橋菜穂子 偕成社
図書館。
このシリーズ、アニメ化され、4月からBS2で放映されるらしい、どひゃー。アニメのオフィシャルサイト、ここ
283頁、同盟をまとめるためにカンバル王に膝を折ったチャグムにバルサが「みごとなホイ(捨て荷)だったね」と声をかけるところで涙が出ました。次巻が最終巻だそうです。待ち遠しいです。(と思ったら今月発売されてた〜。気づいたのが三月末。出遅れて、既に予約42人、みゅう)


『小川洋子対話集』 幻冬舎
図書館。
対話の相手は、田辺聖子、岸本佐知子、李昴+藤井省三、ジャクリーヌ・ファン・マールセン、レベッカ・ブラウン+柴田元幸、佐野元春、江夏豊、清水哲男、五木寛之。
岸本佐知子とのがおかしくて超共感できる。「イベントは一日一件まで」とか「塔に幽閉されるっていいなあ」とか。江夏豊とのもすげーよかったっす。


『鋼の錬金術師』16 荒川弘 スクエアエニックス
新品購入。
第62話〜第65話。第63話までは月刊ガンガンで読んでたが、その後ガンガン買うのやめたので、第64話からはまだぜんぜん読んでない部分〜♪
アームストロング姉、かっちょいい〜vvvvv この姉とハボックとお見合いしてた妹が少佐挟んで姉妹だと思うと、感慨深い。
そしてついに出てきたぞ、スロウス。ううう、コミックス出た時点で連載分はだいたい二巻分くらい先に進んでるんだよな、ああ、すでに何が起こっているんだろう…。


『BEAST OF EAST 東方眩暈録』3 山田章博 幻冬舎
新品購入。
待ちかねた、待ちかねたわっっ!! 
やっぱたまりません、山田章博の絵は。絢爛たる伝奇絵巻。


『PLUTO』2〜4 浦沢直樹×手塚治虫 小学館
古本購入。
BOOKOFFで最新巻の4巻まで揃ってるのを見つけて衝動買い。
●べさん家で1巻読んだきりだと思ってたのに、2巻も読み覚えがあった。が、どこで誰に借りて読んだか覚えていない。どこだっけ?
ウラン、可愛い♪ が、話はさらにどんどこ重たいほうへと転んでいく。アトム、ほんとにほんとは死んでないのか?
ちなみに映美ちゃんの故父上ミネオさんは「Y田先生?」「ほら、
御茶の水博士みたいな」「あ、生物の」で通じるくらい御茶の水博士なルックスの方であったが、手塚治虫の御茶ノ水博士より浦沢直樹の御茶の水博士のほうがさらにミネオさんに似ている。



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