本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス

先月より、ジャンル分け変更。
が、変更した本人が、いまだに新色に慣れない…。

『獣の奏者 T闘蛇編』 上橋菜穂子 講談社
『獣の奏者 U王獣編』 上橋菜穂子 講談社
図書館。
『精霊の木』に始まって守人シリーズまで一気してしまった原因は、朝日新聞に載ってた『獣の奏者』の広告のせいであった。
やっと順番まわってきました。霧の民アーリョ出身ながら獣ノ医術師として闘蛇の世話をする母と二人暮らしの少女エリン。しかし母の世話していた闘蛇が五頭も死んでしまい、母は罪に問われ、死刑の宣告を受ける。


これまた大当たり〜っっ!!!


上橋菜穂子にハズレなし〜っっ!!


もうのっけから波乱万丈、行け行けどんどん、全二巻一気にGOGO、やめられないとまらない。


『ねにもつタイプ』 岸本佐知子 筑摩書房
図書館。
ちびちび読むのにいい塩梅な本だったもんで、ついトイレに置いて全部読んでしまいました。
『気になる部分』のときの「もしこれ電車で読んでたら…」と恐怖するほどののたうちまわるような大爆笑はなかったが、小さい「あるあるあるあるわたしもある」ジャブを休みなく打ち込まれる感じ。
岸本佐知子の日記がここにあるんですが、なんでこんなハンパな分量なんだ、白水社。なんでもっとどどんと読ませてくれないんだ、白水社。この日記もっと読めるんならゼニ出すぞ、白水社。


『天使が開けた密室』 谷原秋桜子 創元推理文庫
図書館。
先月読んだ『激アルバイター・美波の事件簿2 龍の館の秘密』の次の話かと思えば、前の話であった。富士見ミステリー文庫で絶版してたのを、創元社が出しなおしたらしい。
例の武熊の紹介で葬儀屋で仏さんを運ぶアルバイトをすることになった美波だが、その葬儀屋の社員が霊安室で殺されるという事件に遭遇する話。
思わずばあちゃん死んだときのことを思い出した。電話で死んだのは86歳のばあさんだと聞かされた葬儀屋、ばあちゃんをうちに運び入れしなにあまりの重さによろけて、もうちょっとでばあちゃん地面に落とすとこだったのよ。教訓:先入観で判断せず、体重を確認してから来い。>葬儀屋
事件簿2でも思ったが、美波と謎解き役の隣の修矢との角突き合い部分が面白くない。幼すぎてうざい。書き方によっては凄く楽しい部分になると思うので、そういうシーン書かせたら抜群にうまい菅野彰でも読んで勉強してほしい。


『主語を抹殺した男 評伝三上章』 金谷武洋 講談社
図書館。
朝日新聞日曜版読書欄で紹介されてた本。
しまった、まず三上章の『象は鼻が長い』を読み、それから金谷がこの前に書いた『日本語に主語はいらない』『日本語文法の謎を解く』『英語にも主語はなかった』を読んでから、これを読むべきであった。
第一章「三上文法と出会う」が滅法面白かったのだ。カナダ人の生徒からの「わたしは日本語がわかります、はどれが主語ですか?」という質問にうろたえ、後にその構文が「札付き」(爆笑)だったことを知ったり、「Je t'aime」と日本語で言いたいとき「わたしはあなたを愛しています」でよいのかという質問に「間違ってはいないが、どう考えても悪文だ。なぜなんだろう」と悩んだり、どうしても主語が必要な英語の場合「雨が降る」を「It rains」といわねばならないことに本多勝一という人が「英語の悲鳴」を聞いたこととか。
伝記部分は三上章の妹茂子さんについてのところは読んでて心地よかったが、三上章本人部分は読んでてけっこう辛かった。


『再起』 ディック・フランシス(訳:北野寿美枝) 早川書房
図書館。
訳が菊池光ではない。なぜなら去年、米原万里さんが亡くなり、浅羽莢子が亡くなった上、菊池光まで亡くなっていたのだった。魔の年…。ちなみに今年は、アート・バックウォルドが亡くなり、カート・ヴォネガットが亡くなっている。今年は海外の愛する作家がどたばた亡くなる年かも…。ディック・フランシスも85歳、うーん、危険…。
ほんでひさしぶりのフランシスの新刊。あとがきによると、五年ぶりの新刊なのだそうだ。年のせいで書くのをやめたと思ってたので、新刊が出たことを知ったとき、「V・C・アンドリュースみたいに、ゴースト作家のチームを結成して、彼らが書いた“新刊”をディック・フランシス名義で出したもんだろうか?」とか思ったんですが、これもあとがきによると、ディック・フランシスの奥さんがずっとリサーチ等で夫の作家業をフォローしていて、その奥さんが五年前に亡くなったせいで一度は筆を折ったものの、今度は息子が母にかわってリサーチを助けて仕上がったのがこの本なのだそうだ。
主人公はおなじみ隻腕の元チャンピオン・ジョッキー、シッド・ハーレー。仕事も順調、私生活でも恋人と静かに愛を育んでいたシッドが、チェルトナム・ゴールドカップの日、三つの死に遭遇するところから物語りは始まる。
わりと予定調和な話だったが、シッドと元妻ジェニィの和解は嬉しかったな〜。
解説がアタック25の児玉清。フランシスへの愛がむっちゃ感じられるいい文章でした。
ところで一昨日、生まれて初めて馬に乗りました。朝日新聞のアスパラクラブで乗馬クラブクレインの無料体験乗馬チケットが当たったの。うちから一番近かったのが羽曳野で、車で20分くらい。わたしが乗せてもらったのはミヤコさんという真っ黒い牡馬(去勢馬かな? たてがみが坊ちゃん刈り風なのが可愛かった)でした。ほんの30分足らずくらいだったんですが、二日経った今も太ももの内側の筋肉がバキバキ。でも予想外にむっちゃ楽しかったなー。乗馬クラブなんてレッスン料とかバカ高いもんだと思い込んでたけど、ここはちょっと高めのお稽古ごとくらいのお値段なのよー。うーん、悩む…。


『天と地の守り人 第三部』 上橋菜穂子 偕成社
図書館。
完結巻。
シリーズ第一巻の『精霊の守り人』を読んだのが去年の11月だから、この十年がかりの大作をほんの七ヶ月で読んでしまったわけか。いや、絶妙な時期に手をつけたもんだ、オレ。
弟の身代わりに草兵として徴兵されたタンダ視点の戦争部分が、読んでてほんとに辛かった。
帝国側のドラマも読み応えあった。
実に清清しい大団円。
が、ナユグの春について、もう少し詳細な描写がほしかった。
録りためたまんままだ観てないアニメもそろそろ見始めよう。(でもアニメ、もっと原作挿絵な絵がよかったなー)


『風の王国 波斯ペルシャの姫君』  毛利志生子、増田メグミ 集英社コバルト文庫
新品購入。
番外編二編&漫画一編。
番外編は碧蘭の幼馴染みで何巻かで西域に旅立った尉遅慧うつちけいが主人公の表題作と、吐蕃とばんの宰相ガルとその妻エフランの夫婦愛(笑)を描いた「しるしの石」、漫画は例の女装のジスンが主人公の話。
ガルの奥さんのエフランがもう可愛くて可愛くて、彼女に振り回されるガルが実に愉快。


『ほんまに関ジャニ∞!!』1 みやうち沙矢 講談社
新品購入。
生まれて初めて「Winkup」と「duet」を買ってしまったときは「ああ、ついにここまで来てしまったか…」と思ったが、別冊フレンド5月号をつい買ってしまったときもやっぱり「ああ、ついにここまで来てしまったか…」と思ったな。で、やっぱりこれも買っちまったかよ、オレ。
最初に読んだ別フレ5月号のヒナちゃんの犬受難話がかなり面白かったのでコミックスを楽しみにしてたのだが、うーん、こんな話だったのか…。きっとこの友達に裏切られてプーしてたのが姉のコネで関ジャニ∞の写真撮ることになった女の子に共感できたら面白かったんだろうな。が、巻頭の描きおろし漫画は面白かったので、きっと2巻はもっと面白いはずだ、うん。


『頭文字D』35 しげの秀一 講談社ヤンマガKC
新品購入。
美佳ちゃんは可愛い。実にまっとうな女の子で可愛い。最初出てきたときは「またしげのお得意の勘違いヒロインかよ」と思ってすまん。神奈川組の大阪弁の奴もいい感じだ、楽しみだ。そしてさらに楽しみなのは、兄がFCのチューニングを松本に依頼したことだ。わくわく♪


『少年陰陽師 翼よいま、天へ還れ』 結城光流 角川ビーンズ文庫
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珂神編完結編だと思い込んでいたのに、ゲームのノベライズであった。しかもぜんぜん面白くなかった。面白かったのは、下の兄ちゃんの70頁の「実は俺、…」のとこくらい…。


『アスラクライン7 凍えて眠れ』 三雲岳斗 電撃文庫
新品購入。
さんざん楽しませてくれた最後に、驚天動地の実に悲しくせつない新展開。うわー、これからどうなんの、うわー、うわー。


『円環少女5 魔導師たちの迷宮』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
新品購入。
いったいここまでこじれにこじれた物語をいったいどう大団円にもっていく気だ、長谷敏司。
うー、続き、続き、続き、続き……………。




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