本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『スティーヴン・ホーキング 天才科学者の光と影』 M・ホワイト+J・グリビン(訳:林一、鈴木圭子) 早川書房

図書館。
ホーキング博士は二十歳過ぎてから筋萎縮性側索硬化症を発症して、全身ほとんど麻痺状態になったというのを、この本で初めて知りました。先天性の脳性麻痺だと思い込んでいました。
発症してからも十年以上は車椅子なしで生活できてて、歩ける頃に前の奥さんと結婚して3人の子供をもうけていたというのも、この本で初めて知りました。
てか、えらい物理学者だというのは知ってても、ブラックホールに関する研究で名をあげた人ってのも、これ読むまで知らなかったしさー。
彼の機嫌をそこねると、車椅子で足の指を轢かれることになる、ってエピソードはステキだ。それを知って以来、足が悪くないのに車椅子専用駐車スペースに車停める人とか、そんな奴らを防止することだけ考えてそのスペースを本当に必要とする人の面倒を考えないコーン等の防止策を見るたび、「ホーキング博士に足の指轢かれるぞ」と思ってしまう。

ホーキング博士の身辺の出来事とその当時の天文学界の情勢の説明とが交互に進む構成。すげー笑ったのが128頁の「1965年以前には、宇宙論は科学における静かな陽の当らない場所であり、少数の数学者が他のだれにも迷惑をかけることなく、自分たちのモデルで遊んでいる小さなゲットーだった」。


『MAMA』 紅玉いづき 電撃文庫

図書館。
本屋でこの作家の本が平積みされてるのを見て、ちょっと読んでみようと思い、借りてきた。
異世界ファンタジー。おちこぼれの魔法使いの卵が長らく封印されていた強大な力をもつ人食いの魔物と契約する「MAMA」と、王家から耳飾を盗んだ男がその耳飾を本当の持ち主に返しに行く「AND」の二編いり。が、別々の話ではなく、「MAMA」の最後から十数年後の話が「AND」。
契約がわりとイージーだったのと、まだ子供だった主人公が契約した魔物に「わたしがあなたのママになる」でちょいへこたれかけるが、物語の中の時間がざくざく進んでいくのが気持ちよく、後編が十数年後の後日譚というのもすごい好みの構成だった。



『天使』 佐藤亜紀 文藝春秋
『雲雀』 佐藤亜紀 文藝春秋


図書館。
図書館の「これから堺市内の別の図書館に帰っていく本ですよ〜」コーナーで『雲雀』を発見、新刊出てたのか佐藤亜紀〜と借り帰り、読んでしまってから、『天使』を読んでから『雲雀』を読むべきだったことに気づいた。
第一次世界大戦前夜のオーストリアやボスニアやあるあたりを舞台に繰り広げられるパワーゲームとサイキックウォーズ。
『天使』は長編で、ジョルジュが「管理官」に引き取られ、諜報員として育てられる物語。
『雲雀』は連作中編集。ジョルジュの父親の話や、ジョルジュの部下になる男の話、ジョルジュのその後等の話。
「管理官」が素敵だった。『雲雀』をもう一度読み返そうと思う。


『骨の島』 アーロン・エルキンズ(訳:青木久惠) ハヤカワ文庫

新品購入。
アマゾンでエルキンズの新刊をみつけ、前作は読んでいたかとここを検索してみたがヒットせず、が、タイトルにはなんか見覚えがある、と思ったら、本棚にあった。書き忘れていたらしい。
な〜んかすっきりしない話だったことは覚えている。


『さようならファインマンさん』 パリティ編集委員会編 丸善

図書館。
ファインマン先生の知り合いたちがファインマン先生を偲んだエッセイ集。
先生のことは好きだったがその目立ちたがりぶりにはちょっと閉口していた人とか、そんなとこも好きだった人とか、人間〜いろいろ♪
「教師として」デイヴィッド・L・グッドステインと「コネクションマシン」W・ダニエル・ヒリスが愉快だった。特にヒリスの「ファインマンの魅力は、彼のチャーミングでない側面を忘れさせた。たとえば、ファインマンはいろいろな点で男女差別主義者であった。決まったスープの時間になると、彼はまわりを見まわして一番近くにいる「女の子」にスープをもってくるように言いつけるのである。その「女の子」が料理人であるか、技術者であるか、この会社の社長であるか意に解さなかった。私はあるとき、この犠牲になった女性の技術者に、煩わしく感じないかどうか尋ねた。「ええ、本当に頭に来ますわ」彼女は答えた。「でもファインマンは私に量子力学をわかるように教えてくれた唯一の人なの。」」(164頁より無断転載) あと、原康夫の締めのとこにもしびれた。「最後に経路積分法の萌芽的な研究を行ったディラック(彼は質問に対して Yes, No, I don't know の三種類の返答しかしなかったと言われているが)の義兄のE・ウィグナーの若き日のファインマン評を紹介しよう。「He is a second Dirac, only this time human.」(彼はディラックの再来だが、今度は生身の人間だ)」(176頁より無断転載)


『エンディミオン』上下 ダン・シモンズ ハヤカワSF文庫

図書館。
いま(10月14日)現在、続編の『エンディミオンの没落』下巻途中。
なので、感想はそっちにまとめて。


ドラル国先史4 峡谷の昆虫人』 デイヴィッド&リー・エディングス(訳:宇佐川晶子) ハヤカワ文庫

新品購入。
謎の声の正体はアーラだよな。アーラの正体は、母なる海?
それにしても表紙のアーラの衣装、ひどすぎ…。


『しろくまカフェ』 ヒガアロハ 小学館

N塚長姉から借りた。
長姉がわんだーらんどで衝動買いする現場に居合わせ、「長姉、買うの? ラッキ〜、今度貸してね」と、借りて読んだが、これ、やっぱ買おう。
この絵、好き。とにかく好き。パンダくんのキャラ設定もナイス♪ しかし、この人の描く人間、なんかどっかで見た覚えのある絵なんだが、うーん……。





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