本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『ダンタリアンの書架1』 三雲岳斗 角川スニーカー文庫

新品購入。
新シリーズ。九十万と六百六十六の幻書を封印した迷宮の書架「ダンタリアンの書架」を祖父から相続した青年ヒューイが主人公の連作短編集。
最後の「第五話 焚書官」にものすごく違和感を覚えた。「ダンタリアンの書架」は、なぜメイベルにあのような幻書を与えたのだろうと。うーん、2巻を待つ。
ところで133頁。ぎゃはははばんばん!! おいこら、三雲ーっ!!
これを読んだ人の何人がこれからチェスタトンとかクリスティを読むことになるかは知らないが、きっといると思うんだ。読みかけて、「あーーーーっ、三雲めーーーーっっ!!」と叫ぶことになる人が。(= ̄∇ ̄=)



『黒執事』1〜5 枢やな スクウェア・エニックス

N塚長姉から借りた。
長姉ん家に行ったら「このアニメ、こないだから見てるねん」とアニメ第三話を見せられ、それはそこそこ面白く、絵もきれいで、「原作いま5巻まで出てるねん。買うてしまいそうやわ〜」つってたのが、その次遊びに行ったら買って読み終わってて貸してくれたと。
アニメ見たとき、第一次大戦前のオーストリアとかあのあたりの話かと思ったのだが、そうか、イギリスだったのか。(= ̄∇ ̄=)
アニメのほうがさくさく話が進むので、あっという間に原作分を使いつくしてしまいそうだ。が、これ、オリジナル・ストーリーになったほうが面白いかも。



『聖家族』 古川日出男 集英社

図書館。
厚さに驚く。東北の旧家に生まれた死刑囚とその祖母。祖母と祖母の祖母。死刑囚と兄と妹の三兄弟。その三兄弟の両親。三兄弟の両親がかかわった新興宗教の教祖とそのまわりの人たち。死刑囚の妹のふたりの子供。ふたりの子供の父。死刑囚の妹と胎内の第三子。死刑囚の妹の胎内の子を含めた三人の子供たちと、死刑囚の妹の嫁ぎ先の家にかつていた三兄弟。
死刑囚と兄と妹の話のとこと、三兄弟の両親の話のとこが、一番面白かったかな。しかし、いろんなものが拡散したまんまで、読み終わったとき、まったくすっきりしなかった。



『興奮する数学 世界を沸かせる7つの未解決問題』 キース・デブリン(山下純) 岩波書店

図書館。
1900年にヒルベルトが「23の未解決問題」を発表した顰に倣い、クレイ研究所が2000年に発表した「ミレニアム問題」全7題についての、パンピー向け入門書。とのことだが、高校レベルの数学をクリアしていることを前提に書かれたものらしいので、あははは、著者がなにを言ってんのかすらわかんないとこだらけだったわー。
ちなみに「ミレニアム問題」全部で7つのお題は。
1. リーマン予想。
2. ヤン−ミルズ理論と質量ギャップ仮説。
3. P=NP?問題。
4. ナヴィエ−ストークス方程式。
5. ポアンカレ予想。
6. バーチ−スウィナートン=ダイヤー予想。
7. ホッジ予想。
2002年に書かれた本なので、2006年のペレルマンによる5番解決には触れられていない。
ちなみにこの順序は、デブリンが「説明しやすい」と考えた順。
さらにちなみに、クレイ研究所から支払われるご褒美は1題につき100万ドル(1ドル100円計算で1億円ですな)。



『駅神ふたたび』 図子慧 早川書房

新品購入。
東京のローカル線に主に雨の日だけ出没する謎の占い老人、通称「ヨンバンセン」。彼の占いはおそろしくよく当たるが、出た卦と一行まとめしか伝えないため、占ってもらった人はわけがわからないことが多い。第一作の第一話で「ヨンバンセン」に占ってもらい、ついでに易学学園関係者たちと知り合いになった主人公が、今回も占ってもらった人に相談されたりして、「ヨンバンセン」の易を学園に持ち込み、彼らの分析を聞く形式の、連作中編集。八卦仙の話が1話入るのも、前作同様。
固すぎず柔らかすぎず、レギュラーもゲストもキャラがしっかりしてて、今回も楽しかったっす〜♪
 あと、図子慧の文章って、情報量が濃ゆいとこも好き。丁寧に噛み砕いて説明すべきとこはするけど、基本的にははしょれるところはざっくりはしょってて、でもほんのセリフひとつ、語り手の感想ひとつの短いセンテンスからも、背景とかがどわっとわかるとこ。


『マーダー・プラン』上下 ジョナサン・ケラーマン(訳:北澤和彦) 講談社文庫

古本購入。
出てたのをぜんぜん知らず、ブックオフで遭遇。ついうっかり、購入済みの前作の『モンスター』までついうっかり買っちまった、ちっ。
臨床心理医アレックスのシリーズ。安楽死幇助で悪名高い「ドクター死神」が殺され、アレックスはマイロに協力を頼まれる。
なんか、構成悪かった。「ドクター死神」の殺害にあまり興味が持てず、マイロが陰気なのが悲しくて、たらたら読んでて、上巻最後近くのFBI捜査官フスコが語る連続殺人鬼の話で目が覚めた感じ。でも、シリーズ番外編の主人公ペトラがちょろっと出てきて、向こうの後日談が聞けたのは嬉しかった。



『スリーピング・ドール』 ジェフリー・ディーヴァー(訳:池田真紀子) 文藝春秋

図書館。
リンカーン・ライムシリーズの『ウォッチメイカー』に登場した「人間嘘発見器」キャサリン・ダンス主演じゃねえや、主人公の第一作。
ある一家を惨殺して重犯罪刑務所に服役していたカルト小集団のボス、ダニエル・ペル。他事件での新しい物証が見つかり、彼の犯行が疑われたため、尋問のため、郡裁判所の取調室に一時的に身柄を移される。
しょっぱなから尋問するキャサリン・ダンスと尋問されるダニエル・ペルの心理戦にわくわくさせられる。その後の計画されていた逃走、捜索の指揮をとるキャサリン・ダンス、かつてペルのファミリーにいた女たち、薄皮を一枚づつ剥がすように明らかに、白が黒に、黒が白になる事実、は、いつもどおりのディーヴァー節。
ライムシリーズが、ライムが住まうペントハウスのファミリードラマが楽しいように、こちらもところどころに挿入されるキャサリン・ダンスのファミリードラマが楽しい。ライムたちも一シーン、電話の声だけだが客演。
ところでキャサリン・ダンスをキャサリンでもダンスでもなくキャサリン・ダンスと書いてしまうのって、『アンの愛の手紙』に登場するアンの下宿先の家政婦を取り仕切るレベッカ・デュー、アンが彼女の名前について「『レベッカ』と『デュー』は切り離せない」と思ったのになんか似てる。



『きのう何食べた?』2 よしながふみ 講談社

新品購入。
楽天ブックスにまとめて注文してたのが30日の午前にどかんと届き、封も開けずにUSJに持って行き、クリスマスショー待ちしてる間に読んでしまいました、第一弾。
熟年男カップル版「クッキングパパ」第二作。ちなみに「これ、ホモ版『クッキングパパ』みたい…」と言い出したのは、「1巻読んでないねん」「いける、いける、短編連作やから〜」「やったら読む〜」で、ショー待ちしてる間に読んでしまったRP祐子。しかし、この巻で初めて気づいたが、これ、「クッキングパパ」と同じくモーニング掲載だったのね。「#9」の女のモテファッション≒ゲイのモテファッションの考察には大笑いしてしまった。志乃さんの真実にも爆笑。121頁の佳代子さんのセリフにも、RP祐子と「わかるーっ! わかるーっ!」と。が、N塚長姉は同意せず。そら、あんたみたいにあんなよーできたお父さんがいりゃあねえ。



『蟲師』10 漆原友紀 講談社

新品購入。
楽天ブックスにまとめて注文してたのが30日の午前にどかんと届き、封も開けずにUSJに持って行き、クリスマスショー待ちしてる間に読んでしまいました、第二弾。

一番最後の、ヒトの身で山の主に選ばれてしまった娘の話、ギンコの計画がうまくいきカヤがただの人に還れたとしたら、たぶんがっかりしたと思う。が、この結末もひどくせつない。一番最初の、妖質を糸に機を織る女性の話は、ハッピーエンドで救われた。


『Landreaal』13 おがきちか 一迅社

新品購入。
楽天ブックスにまとめて注文してたのが30日の午前にどかんと届き、封も開けずにUSJに持って行き、クリスマスショー待ちしてる間に読んでしまいました、第三弾。

イオンの大暴れっぷりが痛快だった。学園の相談役レイ・サークの天恵っていったいなんだったんだ?





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