本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『誰も寝てはならぬ』10 サライネス 講談社

新品購入。
利休之助の出番が今回多いなと思ったら、驚愕の過去まで。そうか、きみ、売ってた猫やったんか。ロシアン・ブルーやったんか。これまで雑種だとばかり…。
(しかし、犬猫現物陳列販売、ほんま、法律で禁止してほしい)
これもUSJに持っていったのだが、そちらで読むにはいたらなかったが、RP祐子の指摘で、8、9、10巻の帯についてる応募券懸賞みたいなもんがあったことを初めて知る。わたし、帯はねー、買ったらすぐに、二つにたたんで本の間に挟むからー。



『円環少女 9.公館陥落』 長谷敏司 角川スニーカー文庫

新品購入。
今回もくそ重たく、今回も痛快だった。
これまでもその巻中で死にそうな人がなんとか生き残ってきた円環少女なので、東郷先生にも生き延びてほしかったが…。あと、ニガッタも…。アパートで飼われるニガッタが見たかったというか、読みたかった…。



『彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫

新品購入。
ええっと、あんなことが起こったり、そんなことやこんなことが明らかになったり、これからどうなるの? ねえ、どうなるの?
きっと爽快な結末が用意されてるに違いないとは信じているんだけど、ねえ、どうなるの?



『金春屋ゴメス』 西條奈加 新潮社
『金春屋ゴメス 芥子の花』 西條奈加 新潮社


図書館。
朝日新聞読書欄で見て、借りてきた。


げろくそむっちゃ

おもしろいーーーーっっっ!!!


舞台は21世紀後半の日本。その日本の中には、対外的には日本の属国だが、日本国内では外国として扱われている「江戸」があり、そこでは本物の江戸時代に近い生活が営まれている。
江戸生まれだが幼い頃に両親とともに日本に移住した辰次郎しんじろう。病で残りわずかな余命の父のため、江戸入りを希望した彼は、しょっぱなの抽選(競争率300倍)で江戸入り権をゲットする。
江戸での引き受け人は、泣く子も尻に帆かけて遁走する、恐怖の代名詞、長崎奉行金春屋ゴメス。しかも彼の当選も、ゴメスが裏で糸を引いていたものだった。
第一作が、江戸で再び流行りだした致死率100%の流行り病を解決する話。
第二作が、阿片の抜け荷事件。
特に第二作、6〜8頁のくだりには、腹をかかえてのたうちまわった。ああ、よかった。自宅で読んでて。読むのが一日後ろにずれてたら、松竹座に向かう高野線の中で読んでたとこよ。
第三作が早く読みたい、読みたい、読みたいーーーーーーっっっ!!!
この第一作と第二作も、買って本棚に置かねば〜。



『烏金』 西條奈加 光文社

図書館。
金春屋2作があんまり面白かったので、慌ててこれも借りてきた。
これはほんまもんの江戸の話。語り手である「オレ」浅吉が、高利貸のお吟ばあさんに取り入り、彼女の仕事を独自の方法で手伝いだす話。

これまた
行け行けどんどん、

やめられないとまらない〜。


ちなみに『金春屋』2作は2005年と2006年、この『烏金』が2007年、そろそろ新刊出るかな、出るかな〜。

読みてえ〜っ! この人の小説、もっと読みてええええ〜っっっ!!!


『太陽の塔』 森見登美彦 新潮社

図書館。
『有頂天家族』がすげえ愉快だったので、他の本を予約しまくったら、まずこれの順番がきた。
青春小説、のようなもの、であった。
庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』をちょっと思い出した。
この人の言葉の選び方、やっぱ好きだ。

この中に、近所に比叡山鉄道は走っていないのに深夜爆走する比叡山鉄道を見た男の話があったが、『有頂天家族』に確かいたよな。比叡山鉄道に化けるのが好きな狸…。
そんで68頁、飾磨の語る羊の話に心を打たれた。



『私が愛したリボルバー』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 扶桑社文庫
『あたしにしかできない職業』 ジャネット・イヴァノヴィット(訳:細美瑤子) 扶桑社文庫


図書館。
府大そばのTSUTAYAの文庫コーナーで見て面白そうだったので、図書館で探してみたら、第一作の『私が愛したリボルバー』が出たのが’95年、続刊もずっと翻訳出続けている、人気シリーズであった、どひゃー。(ちなみに私がTSUTAYAで見たのは最新刊より1個前の『バスルームから気合をこめて』)
物語しょっぱなの主人公ステファニー・プラムは、年齢30歳、バツイチ、ランジェリーのバイヤーの仕事を失って半年目。
蓄えも使いつくし、愛車のマツダのミアータ(ロードスターのアメリカ名。わりとよくミステリに登場する)もローンが滞っていたため取り上げられ、飼っているハムスターの飯代にも事欠く素寒貧。それがひょんなことから、保釈金請負業をしているいとこのヴィニーのところで保釈金を借りたのに期日に裁判所に出頭しなかった「逃亡者逮捕請負業」、「バウンティハンター」の仕事をすることになる、というか、するというか。
ステファニーの実家の家族が楽しい。口やかましいお母さんに無口なお父さん、すっとんきょうなおばあちゃん。特に第二作では、このおばあちゃんが大活躍。
この第二作では、捜索のため、ステファニーがおばあちゃんと連れ立って、市内に4つある葬儀会館の葬式巡りをするのだが、アメリカでも葬式は葬儀会館なのか、へーほー。でも、ステファニーとおばあちゃんが気楽に行くところをみると、香典とかはないんだろうな。家族の墓に空きスペースがないと、すでに埋まっている棺をいっぺん掘り出して、さらに穴を深くして、新しい棺と縦嵩ねにする、というとこにも、カルチャーショック。
いま調べてみたら、このシリーズ、いま12作目まで日本で出ているらしい。あと10冊も一気読みできる〜♪

しかし、ステファニーのその日暮らしぶりは、他人事ながら心配だ。


『胡蝶の鏡』 篠田真由美

図書館。
西條奈加の金春屋2作を読んだあと、『烏金』も読みたい、読みたい、すぐ読みたいと探したら、美原図書館にあり、借りに行ってついでに借りてきた。桜井京介シリーズの第三部幕開け作らしいが、たぶんここまではちゃんと読んでたと思って。
第一部の第三作だっけ? に出てきたベトナム人男性と駆け落ちした日本人女性の後日談。桜井京介の挙動不審(生活が昼型に。家事をするようになる。ジムに通いだした、等)の原因は、この巻では解き明かされず。



『求む、有能でないひと』 G.K.チェスタトン(訳:阿部薫) 国書刊行会

図書館。
チェスタトンのエッセイ集。訳者のチョイスが、あまりに今の日本に合致しているところが、かえってなんか興ざめだった。
訳者あとがきにあった、チェスタトンは9歳まで字が読めなかった、というのにはびっくりした。


中国の古典文学3、4 史記』上下 司馬遷(訳:藤本幸三、竹内良雄) さ・え・ら書房

図書館。
児童書コーナーで拾ってきた。司馬遷の史記を、年代順にお話風に読みやすくまとめたもの。
司馬遷が漢の武帝の時代、ゆえに紀元前に生まれて死んだ人というのを、これで初めて知った。つうか、武帝って紀元前の人で、漢って紀元前の王朝だったのね。そんでいま調べてみたら、この漢は紀元前8年まで続いて、その後は新が十数年、紀元25年からは後漢が二百年ほど続いて、三国志に突入するのね。へーへーほー。
漢文で習った「項羽と劉邦」、最終的に勝ったのが劉邦で、この劉邦が漢の初代皇帝高祖になったっつうのも、おかげで把握できました。(「項羽と劉邦」というタイトルは覚えてて、剣舞のシーンとかもうっすら覚えてたんだけど、いつの時代の人で、どっちが勝ったかも藪の中であった)
そんで、ええっと、漢の前、秦の始皇帝が天下とったのが紀元前221年、で、はるか西のカルタゴでは、ハンニバルがカルタゴの軍総司令官になったのも紀元前221年。ゆえに、第二ポエニ戦争は秦の始皇帝在位中。このころ、インドとか中東はどうなってたのかな?



『兎の秘密』 佐野洋 講談社

図書館。これも、『烏金』を借りるついでに、美原図書館で借りてきた。南海高野線越えするのがじゃんくさくて、あんまり行く機会ないから、美原図書館。
佐野洋子の本を探してて、これにしよと借りたのだが、「子」がないのに気づいたのは、家に持ち帰ってからだった。あはははは。
日本のおとぎ話を題材にした、短編ミステリ集。雑誌の対談形式のや、スピーチ形式のとかあり、結構面白かったっす〜。



『巨人譚』 諸星大二郎 光文社

新品購入。
一番新しく書かれた話と、一番古く書かれた話で、ほぼ30年のへだたりがあることに、著者あとがき読むまで気づかなかった。30年間、つうか、『生物都市』からほとんど絵柄が変わっていなかったのかと、あらためてびっくり。恐るべし、諸星大二郎。
「星山記」が一番好き。なんともいえないほのぼのとしたカタルシスがあった。


『追憶のハルマゲドン』 カート・ヴォネガット(訳:朝倉久志) 早川書房

「本を買わずに借りる人や、本を貸す人は、わたしから見ればトワープです。百万年前、わたしがショートリッジ高校の生徒であった当事のトワープの定義はこうでした。自分のけつに入れ歯をはめ、タクシーの後部座席からボタンを食いちぎるやつのこと」(46頁 ヴォネガットが自分で読むつもりで用意していたが、本人想定外の事情により、息子マークが代読することになったスピーチ原稿より)
で、図書館。(= ̄∇ ̄=)
インディアナ大学のリリー図書館に保管されていた未発表作品を集めた短編集。冒頭付録に、息子マークによる序文と、第二次世界大戦で連合軍が勝利したあと、故郷の家族に書き送ったヴォネガットの手紙と、上記スピーチ原稿。
短編11編は、大半が第二次世界大戦を題材にとったもの。著者の死後にまとめられる未発表作品集というのは、正直、モノはそれほどよくないことが多いが、これは例外であった。(訳者のあとがきでの推測によると、戦後すぐの頃の機運にあわず、お蔵入りになったのではないか、とのこと)
表紙はおなじみ和田誠によるイラスト。裏表紙にはヴォネガットの写真。ヴォネガットによるイラストや、自筆の警句だのもありの、素敵な本。
というわけで、「借りて読んだらよかったから買わなくちゃ〜」本リストにまた1冊加わってしまった…。



『モーおじさんの失踪』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 扶桑社文庫
『サリーは謎解き名人』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 扶桑社文庫
『けちんぼフレッドを探せ』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 扶桑社文庫
『わしの息子はろくでなし』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 扶桑社文庫


図書館。
前述のバウンティ・ハンター、ステファニー・プラム・シリーズの第3、4、5作。
ああ、もう第6作まで読んでしまった…。既刊読みつくして、元からのファンのかたがた同様、翻訳待ちをすることになるときが来るのが、今から怖い。。。
主人公の「わたし」ステファニー、ヴィニーの事務所の事務主コニーにファイル整理担当のルーラ、雇い主である当のヴィニー、ステファニーのお父さん、お母さん、おばあちゃんに、愛ハムスターのレックス。ステファニーと訳ありの警官のモレリに凄腕バウンティ・ハンターのレンジャーの、愛すべきレギュラー陣。あ、忘れちゃなんねー、ステファニーの伯父さんが残した不死身の車、1953年製パウダーホワイトのビュイック。
ところでこのシリーズ、ステファニーが実家に夕飯をたかりに行って登場するお母さんの手料理だの(常にデザートあり)、ルーラと出かける際に必ず立ち寄ることになるマクドやフライドチキン等のファーストフードやら、1作一度は登場するドーナツやら、読んでるとやたらめったら腹が空く…。



『鋼の錬金術師』21 荒川弘 スクエアエニックス
『頭文字D』38 しげの秀一 講談社
『3月のライオン』2 羽海野チカ 白泉社
『大奥』4 よしながふみ 白泉社
『生きてゆく私』 TONO 新書館


鋼、アニメが新たに始まるのね〜。劇場版の続きからなのか? それともあれはなかったことにするのか? オリジナルストーリーなのか? うーむ。
大奥、あいかわらず凄い。
生きてゆく私、パンツの話に衝撃を受ける。映画を見てて、そのシーンで起きる内容よりそこで登場人物が食ってるもののほうが気になるのには、ものすごく共感。
先に結末を知ってから、心穏やかに映画や小説を楽しみたいというのは、びみょー。リンカーン大統領のおっかさんがそーゆー読み方する人だってのは、なんかで読んだ覚えがあるんだが、さて、誰のどんな本に載ってたネタだったんだろ…。





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