本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『バスルームから気合いをこめて』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 集英社文庫

図書館。
最後に読んだステファニーものがなんか盛り下がる話だったので、予約いれてたこれが順番まわってきても、あんまり期待せずに読み始めたのだが。
面白いーーーーっっっ!!!
すっげー面白かったーーーーっっっ!!!
バウンティ・ハンターをやめる決心をしたステファニーの職探しのてんやわんやや、姉ヴァレリーの結婚騒動、お母さんにおばあちゃん、いやもうたまらん。
何が嬉しかったといって、しばらくご無沙汰だった不死身の車ビッグ・ブルーの復活。
モレリとレンジャーのすげーいい男ふたりに大事にされながら、腹も立たないステファニーのキャラ。
…でも、気づいたんです……。
わたし、このひとつ前の『カスに向かって撃て』、まだ読んでなかったんです、中図書館さま。
先にこっちが順番まわってきて、なんの疑いもなく読んでしまったんです、中図書館さま。


『ひまわり』1 石原理 メディエイション

新品購入。
愛する人が亡くなり、その遺児を育てながら残されたラーメン店を続けようとする伝説のトラック野郎、でも味オンチ、と、彼を取り巻く人間模様。
好き〜。こんなん好き〜。続き楽しみ〜。



『ドラル国戦史5 水晶砦の攻防』 デイヴィッド&リー・エディングス(訳:宇佐川晶子) ハヤカワ文庫
『ドラル国戦史6 不死なる侵略者』 デイヴィッド&リー・エディングス(訳:宇佐川晶子) ハヤカワ文庫


『富士山』 田口ランディ 文藝春秋

図書館。
「青い峰」「樹海」「ジャミラ」「ひかりの子」の4編入りの中編集。共通点は「富士山」のみ。
親のコネで地元の市環境局に再就職した男がゴミ屋敷担当になる「ジャミラ」がなんか好き、一番好き。簡単に堕胎する若い患者への嫌悪軽蔑をもてあます看護婦さんがひょんなことから富士山に登ることになる「ひかりの子」もいい話だった。が、富士山の山小屋って、ほんとのほんとにこんななの?


『野球の国のアリス』 北村薫 講談社

映美ちゃんに貸してもらいました〜。
講談社の、児童書っぽい体裁をとったミステリシリーズ。
小説家である「わたし」が取材に訪れた少年野球チームの練習場で、以前取材に来たときに知り合ったアリスという女の子に再会、彼女から不思議な試合の話を聞かされる、という体裁。


面白かったあああーっっっ!!!

行け行けどんどん、やめられないとまらない〜。
左右逆転の鏡の国へ行ったアリス、彼女は元の世界では少年野球チームのエースで3番だったのが、左右逆転の世界でへっぽこチームの助っ人をすることになる。が、その試合のプレイボールがまだ物語前半。ここでアリスが大活躍してへっぽこチームを勝利に導いて、さてその後どうなるんだろう、と思ったら。
やられました。
見事にやられました。
左右逆転の世界というのは繰り返し説明されていたというのに、「あーっっっ!!!」と虚を突かれました。
元の世界ではライバルチームの天才五堂くん、ずっとアリスの女房役だったキャッチャーの兵頭くん、アリスのお父さんお母さんもすごくいい感じで、なによりこのアリスという女の子がほんとにもうすごくいい。
それにしても改めて思う、野球というスポーツの、この感情移入のしやすさよ。


そんで、書き下ろしの後日談がついているというので、一緒に映美ちゃんが貸してくれたのが、文庫版『空の中』有川浩。
後日談は「仁淀の神様」。瞬や佳江、宮じいの、その後の話。
貸してくれてありがとう、映美ちゃん。いい話でした。



『マネーロンダリング』 橘玲 幻冬舎

図書館。
開架をうろついてて、なんで手にとったかは不明。
ぱらぱらっと中を見てみると「工藤秋生」という名前が。
「工藤秋生」といえば狩野あざみの『亜州黄龍伝奇』シリーズの主人公である。
『亜州黄龍伝奇』は主な舞台が香港だったが、これもやはり舞台は香港らしい。
こりゃなんじゃいと借りて帰って読んでみれば。
主人公は国際金融に詳しい香港在住の日本人「工藤秋生」。彼が日本の不良債権処理詐欺で生じた銀行ややくざ絡みの50億円の紛失事件に巻き込まれる。
面白かった〜♪♪♪
金融知識ガイド小説としても、面白い〜♪♪♪
著者は「1959年生まれ。早稲田大学卒業、会社役員。「海外投資を楽しむ会(AIC)」創設メンバーの一人。共著に『ゴミ投資家のための人生設計入門』(メディアワークス)など」(巻末より無断転載)らしい。それでは狩野あざみはと『亜州黄龍伝奇』シリーズを見てみたが、背表紙に写真はあるが、生年や出身校の記載はない。そして「海外投資を楽しむ会」を覗いてみたが、橘玲の顔写真は見つからず。
うーん、同一人物か、違うのか、狩野あざみと橘玲。



『永遠の旅行者』上下 橘玲 幻冬舎

図書館。
『マネーロンダリング』が面白かったので、こっちもダッシュ、借りてきた。
これまたむっちゃ面白かった〜♪♪♪
主人公は元弁護士、今は節税アドバイザーをしながら、PT(Perpetual Traveler=永遠の旅行者)、どの国にも「非居住者」とみなされる期間しか滞在せず、税金を国家に合法的に払わずに済む存在、であるために各国を移り住んでいる。
そんな彼が、「資産20億円を孫娘に相続させたい。しかも相続税を一切払わずに」という依頼を受け、その資産および依頼者をめぐる事件や謎に巻き込まれる話。
どっしりしたものをあれこれいっぱい食べたわりには消化がよくて胸焼けしない、みたいな小説でした。



『そして、警官ははしる』 日明恩たちもりめぐみ 講談社

図書館。
これも開架で拾ってきたんだっけ? それとも朝日新聞の読書欄だっけ?
うーん、ビミョー。
塩崎の存在が地味になりそうな話に華をもたらしているが、その塩崎の存在自体がうーん…。



『中国の童話』 松枝茂夫 玉川大学出版部

図書館。
中国の「荘子」や「韓非子」等に載っている寓話を著者が選んで読みやすくしたものなので、ピンクだよな。
知ってた話が三分の一くらい。「蛇足」とか「矛盾」のもとになった話とか。最初のほうがごくごく短い話で、後ろに行くほど長めになる。ので、最初は四コマとかのギャグで、あとのほうにストーリーマンガが載っている、パロディ同人誌の構成をふと思い出した。てへ。



『名刀伝説』 牧秀彦 新紀元社

図書館。
「侍戦隊シンケンジャー」に溺れたのがきっかけで、日本刀にまつわる伝説とかを読みたいと思って借りてきたのだが。
間違えちゃった。
これ、歌舞伎とか浄瑠璃に登場する名刀や妖刀を筋と一緒に紹介する、がコンセプトの本だった。
まだ最初のほう、「叢雲の剣」のとこの、蘇我入鹿が成敗される話「妹背山婦女庭訓いもせやまおんなていきん」のあらすじの途方もなさに爆笑した。
どのへんに載ってたのかいまぱらぱらしてもわからないのだが、五尺とか六尺とかのとんでもねー長さの刀も笑った。
あ、でも、やくざがもってる長ドス、あれって日本刀なの違うの?の疑問をこの本に解いてもらいました。2尺以下の脇差サイズの日本刀であまり出来のよくないものが長ドス、だったっけかな、あり?
巻末に参考文献が載ってて、その中にわたしがそもそも読みたかった内容らしい本があったので、いま図書館に予約中〜。



吸血鬼と愉快な仲間たち』vol.2 木原音瀬 蒼竜社

図書館。が、これまた他市の図書館からのお取り寄せ。
牛肉と一緒に冷凍されて輸送され日本に来てしまった中途半端な吸血鬼と家主のエンバーマーの話の続編。
今回は吸血鬼が吸血鬼ならではの嗅覚で、テレビ局で起こった殺人事件の犯人を突き止める話。

表紙および挿絵は引き続き下村富美。いま調べたら、コミックスはやはり『首』と『仏師』しか出てないのね。マンガはもう描かないのかなー。


『カラクリ荘の異人たち』3 霜島ケイ GA文庫

新品購入。
太一と義母の和解編。というか、太一がひとりでぐるぐるしてただけだったことが判明、というか。
雪女の女の子は電王のコハナちゃんのビジュアルで読みました。こおゆう、溶けても復活できる雪女、悲しくなくていいっす。



『ミノタウロス』 佐藤亜紀 講談社

図書館。
舞台は革命前夜のロシアの西端の街ミハイロフカ。
成り上がりの農場主の次男として生まれた「僕」が、父を亡くし、兄を亡くし、財産を亡くし、屋敷を亡くし、最後には己の命を亡くす話。
途中くらいで、これを読みきるには勢いがいるぞ、というか、途中で中断したら最後、返却日まで続きを読まずにぐずぐずするぞ、と思い、一気読み。



『鋼の錬金術師』22 荒川弘 スクエア・エニックス

新品購入。
次巻か次々巻くらいで完結、かな?
92頁でものすごく幸せにしてもらいました、ありがとう、荒川弘〜。
ところでアニメでエドの声をしている朴ロ美(ずっと「朴瑠美」と思い「ほおばるみ」と読んでいた。「朴」は韓国読みの「ぱく」で、「瑠」はほんとは「玉」偏に「路」で「ろみ」と読むそうだ)は、「侍戦隊シンケンジャー」で薄皮太夫の声をしている。おかげでmixiのシンケンジャーコミュとかで鋼ネタがときどき登場するのが楽しい。



『コーラル』1 TONO ソノラマコミックス

新品購入。
新シリーズ。病気で入院していた女の子が考えたお話という設定で、メインは考えたお話のほう、水底の人魚たちの話で、たまに物語の外側、女の子自身の話が挟まる。
人間の免疫のかわりに人魚たちがアクセサリー代わりに花きんちゃく等の生き物を身につけている、というのが斬新である。
サメのストライプ、可愛い♪



『日本名刀物語』 佐藤寒山 白鳳社

図書館。
前述の『名刀伝説』の参考文献一覧から借りてきた1冊。
昭和37年発行の本でした。
「「江」というのは、相州正宗の十哲の随一と称せられる越中国松倉郷の住人義弘の作のことである。現存する義弘在銘の作は皆無で、昔から「江と化け物は見たことがない」と諺にあるほど、その作刀がきわめて少ないのは、義弘は一説に三十余歳で若死にしたと伝えられていることによっても想像される。松倉郷義弘を略して「郷義弘」、「郷」とのみも呼ばれた。そして「郷」と「江」とが音の相通ずるところから、天正ごろからは多く「江」の字を用いている」(54頁より自分用メモかわり無断転載)
「江と化物は見たことがない」なんていう諺自体知りません〜。
固すぎず、柔らかすぎず、わたしにはちょうどいい歯ごたえの本でした。

ところで「くりからもんもん」の「くりから」がサンスクリットで「黒竜」のこと、ってこれで読んだんだっけか? 違ったっけか? 『彩雲国物語』で絳攸が義母の百合に「倶利迦羅」という苗字をつけられそうになって死にたい気持ちになるエピソードがあったが、絳攸、「黒竜」だよ、「黒竜」、かっこいいじゃん。似合わねーけど。





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