本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦 角川書店

図書館。
春夏秋冬の四部構成のドタバタ・ハートウォーミング・ラブ・コメディ…だよな? 後輩の「彼女」に片思いする大学生の「私」サイドと、後輩の女の子、片思いされてるんどぜんぜん気づかない「私」サイド、このふたつの一人称がかわりべったん。


ゲロクソバリバリ面白いすぎる−ー

ーーーっっっっ!!!!!

半分くらい、電車と飛行機の中で読んでしまいました。ときどきものすごく危険でした。が、こらえきりました。でかした、オレ。
(一番危険だったのは、阪急電車乗車中にさしかかった「小さいときだけ悪ガキでした」)
春が李白さんとの飲みくらべ、祇園の通りに忽然と現れる三階建ての豪奢な山車(だったっけ?)にどんだけ胸が轟いたか、夏は古本市、秋は学園祭、冬がインフルエンザ。どれもこれもほんとに楽しくて、楽しくて、楽しくて。

これも買うー。絶対手元に置かなきゃーーー。


『カスに向かって撃て!』 ジャネット・イヴァノヴィッチ(訳:細美瑤子) 集英社文庫

図書館。
で、はい。ステファニー・プラム・シリーズは、先月先に読んでしまった『バスルームから気合をこめて』の前作です。
この巻で盛り返してたのね、ステファニーのシリーズ。で、サリーはこの巻で再登場してたのね。最後の最後、ついにステファニーがギャングにとっ捕まって、どうなるんだ…とはらはらしたら……。いや、実に気持ちのよい結末であった。
しかし、順番どおりに読みたかったわ………。



『日本刀よもやま話』 福永酔剣 雄山閣

図書館。
実在の人物が所有した実在の刀にまつわるあれやこれやのよもやま話。
上向けて置いた刃に小豆を落としたら軽い小豆がまっぷたつになる話やら、天皇家にまつわる剣の話やら、小柄だった豊臣秀吉が自分の背丈にあわせて名物を「大磨り上げすりあげしたもったいない話やら、鉄砲をまっぷたつにする「斬鉄剣」の話やら、盛りだくさんの楽しい本でした。
『日本刀おもしろ話』『日本刀物語』も一緒に借りてたが、この『よもやま』読んだとこで返却期限がきてしまった。また借りよー。



『ミミズクと夜の王』 紅玉いづき 電撃文庫

図書館。
まだまだもっともっと膨らませて、デティールも細かく描いたら、どんなに凄い物語になったろう、と思わせてくれる話でした。



『シャムロック・ティー』 キアラン・カーソン(訳:栩木伸明) 東京創元社

図書館。

読んでるあいだじゅう、

すんごい楽しかった〜♪♪♪


「「ぼく」が在籍する寄宿学校を舞台にした冒険物語であるという点では『ハリー・ポッター』をおもわせるジュブナイルの味わいがあり、謎の文書をめぐる図書館探索は『薔薇の名前』を思わせ、見つけたルーズリーフ・アルバムに自分自身の人生が書いてあるあたりは『はてしない物語』ばりで、絵が持ち主の人生を侵蝕するところは『ドリアン・グレイの肖像』が下敷きになっており、ウィトゲンシュタインとブラウン神父のからみは、哲学と推理小説の幸福な出合いを描き出す」「とはいえこの本を、ポストモダン的なパスティーシュの手際を見せつけた仕事だと思ったら本質を見誤るだろう。(中略) ウィトゲンシュタインの奇人ぶりを語りながらテクストの背後に「語りうるもの」と「語りえないもの」をめぐる哲学のエコーを響かせ、シャーロック・ホームズ、コナン・ドイル、ブラウン神父などの口を借りて<推理>という精神機能へのオマージュを語らせたこの本には、人間存在の奥底に思いのほか深く根を張った背骨が通っている」(訳者あとがき234、235頁より無断転載)
「本書『シャムロック・ティー』には起承転結という意味でおおきな道筋がついている。それを追っていくと一種のファンタジーSFとしても楽しめる。が、魅力的で野放しの枝葉の部分もまた、いつまでもそこで遊んでいたい、と思わせるほどどれも面白い」(桜庭一樹による解説342頁より無断転載)
ほんとにすっごい楽しい本だったけど、どう感想書いていいやらよくわからず、無断引用してしまいました。桜庭一樹の解説、「個人的には、内田善美の『星の時計のLiddell』を読んだときの衝撃と似ているかもしれない」(343頁より無断転載)にも共感しました。
ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィニ夫妻の肖像」が重要なディティールとして登場するのだが、この絵、美術の教科書で初めて観たとき、衝撃を受けた。あ、そうだ。訳者があとがきでそれについてもいいこと書いてたんだ。
「ファン・エイクの絵は、たとえそれが絵はがきのような図版であっても、ぼんやり眺めるのが難しい。画面全体にピントが合って、万物が宝石のように輝いている画中世界に向き合うと、目が勝手に細部をスキャンしはじめるからである」(332頁より無断転載)
あと、カソリックには365日、この日は聖○○の日、みたいな祝日があって、聖人ごとに得意技が違う。
世界史の授業では、カソリックがわるもんでプロテスタントがええもんみたいな感じだったが、聖人がいっぱいいてそれぞれお気に入りだったり信心している聖人がいるって、受験だったら文殊菩薩か天神さんみたいな、日本のヤオヨロイズムに似てる感じで、わたしはカソリックのほうが愛想があって好きなのだが、この本には「その日は精神科医の守護聖人、驚異のクリスティナの祝日であった」(21頁)「聖フロリアンといえばもちろんオーストリアの守護聖人だが、醸造業者の守護聖人でもある」(172頁)みたいな、聖人の紹介がいたるところに散りばめられているのも、ほんとに楽しかった。
余談ですが、葬式とか法事のときとか、坊主呼んでお経読んでもらうじゃないですか。しかし、お経って中国語、それを音読み、それもたぶん、中国人が聞いてもちんぷんかんぷんの音での音読みっしょ。これって、ラテン語が死語となったあともカソリック教会では聖書をラテン語読みし説教もラテン語で行われてた、っていう状況にすごく似てないっすか?



『彩雲国物語 黄粱の夢』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫

新品購入。
番外編。「鈴蘭の咲く頃に」が清蘭が茶州に流されることになった事件の真相。「空の青、風の呼ぶ声」は、復讐のために殺刃賊に潜入した燕青と、殺刃賊で「小旋風」と呼ばれるようになっていた清蘭との出会い。「千一夜」は邵可が薔薇姫を妻にするにいたった顛末。
「鈴蘭〜」と「空の青〜」、どちらも最後に大どんでんがえしがあり、ジェフリー・ディーヴァーをちょっと髣髴とした。「空の青〜」では、燕青という人の複雑さというか、奥の深さ加減に、震撼ともさせられた。
かなり重たい番外編であったが、行け行けどんどん、やめられないとまらない。なのに、犬散歩前に読み出してしまい、「鈴蘭〜」途中くらいに(犬の)啓介が隣に陣取り、「空の青〜」くらいからキュンキュン鳴きだし、それでもとまらず無視して読んでたら、「千一夜」に突入した頃についに「キュンキュン」が「ひーんひーん」になり、しぶしぶ本を置いて散歩に出たのだった。
教訓:彩雲国読むときは、とりあえず犬の散歩は済ませてからにしよう。



『ダンタリアンの書架』3 三雲岳斗 角川スニーカー文庫

新品購入。
第一話「換魂の書」、『狼たちの王都』読みたい〜、わたしも読みたい〜っ!! 片方が死ねば片方が生き返り、生き返ったほうを殺せば死んだほうが生き返る、って、あっちは昼は姫君が鷹に、夜は騎士さまが狼に、だったけど、「レディホーク」をちょっと思い出した。自分の好ましい結末を書かせるために作家を脅すのは、「ミザリー」を思い出した。間違っている、間違っているぞ、ポーラ。己の意にそまぬ展開したときは、己の意に沿うまで、妄想で行間を埋め、背景を再構築する、それが無理なら意にそまぬ箇所から筋別れさせ別の未来をでっちあげる。それが、正しい腐女子のありよう、生きる道だぞ。
第五話で、ヒューイとダリアンがついに1巻登場のハルとフラン、焚書官とその書架に遭遇。わくわくした〜♪



『女神さまと私』1 波津彬子 小学館

新品購入。
新シリーズ。
舞台はイギリス。たぶん、アガサ・クリスティがダンナの発掘にくっついてってた頃くらいのイギリス。
エジプトの女神のかりそめの姿である猫ライラのぶさいくさがすげー可愛い。



『麗しのオルタンス』 ジャック・ルーボー(訳:高橋啓) 創元推理文庫

図書館。
東京創元社の新刊案内コーナーで見て面白そうと借りてきた。
のだが。
説明をちゃんと読んで、著者がウリポのメンバーだと知ってたら、たぶん借りてこなかっただろう。
前衛文芸とか実験的文芸とか、嫌いなのよ、苦手なのよ、わたしー。
舞台はパリ。金物屋ばかりを狙う泥棒とか、行方不明のボルデヴィア公国の第一皇子とか、パン屋でバイトする哲学科学生オルタンスの恋愛とか、話があっちに行き、こっちに行くが、思ったよりはまともな小説だった。とはいうものの、興味のないことをくだくだ書いてるとこはかなりすっ飛ばして読んだ。
面白かったのは、オルタンスが図書館に行ったとこ。これはかなりカリカチュアライズしてあるが、そういえば昔、図書カードで蔵書探すの、大変だったわー。探す以前に、自分が知りたい読みたいことの載ってる本そのものを探すのも大変だったわー。いい時代になったもんだ。
で、読んでて気にかかったのは。
・ キュウリのクリーム煮 ほんとに「クリーム和え」じゃなく「クリーム煮」? 煮てあるなら、ほんとにキュウリ? ズッキーニじゃなく?
・ シヌール神父の妻と娘たち 神父さんてことはカソリックの聖職者っすよね? プロテスタントの牧師さんは結婚できるけど、カソリックの神父さんは今でも結婚できないもんだと思ってたんですが、フランスでは違うの?



『役にたたない日々』 佐野洋子 朝日新聞出版

2003年秋〜2008年冬までの日記だが、毎日の日記じゃなく、一年に3日か4日分、その日のできごとやそれまでのできごと等を記したもの。
冒頭、起き抜けに白人どもの暴虐の歴史に憤るとこから、爆笑。ピンクハウスばあさんズをじっくり見るためにふたりが入ってった蕎麦屋に続いて入り、席が混んでてばあさんズと合席になったとこでの、「真ん前だぜベイビー」(31頁より無断引用)にのたうちまわる。洋子さんーっっっ!!
乳がんの手術をし、手術後、「冬のソナタ」を皮切りに韓流に溺れ、一年間ベッドに寝っころがって韓流を見続けたために顎の骨をはずし、韓流に飽きたと思ったら、ジャニーズですかいっ、慎吾ですかいっ、長瀬ですかいっ、洋子さんーっっっ!!!
大笑いしながら読んだのに、最後に末期癌であることが明かされる。
友達の葉子ちゃんが「死ぬなら癌がいい。だいたいいつ頃死ぬか見当つきやすいし、身辺整理する余裕もあるし」つってて、言われてみりゃそりゃそうだとも思い、洋子さんのさばさば感もわからんでもないが、やはりしんみりしてしまった。
ところでわたし、いま癌だとわかったら、なにがなんでも、再来年の春までは生き延びさせてもらえるよう、せっせと治療する。シンケンジャーVS来年の戦隊が公開か発売されるのが再来年の春前くらいのはずなのよ。それ観るまでは絶対死ねないもん。



『ドラル国戦史7 高峰の決戦』 デイヴィッド&リー・エディングス(訳:宇佐川晶子) ハヤカワ文庫
『ドラル国戦史8 新しき神々』 デイヴィッド&リー・エディングス(訳:宇佐川晶子) ハヤカワ文庫


新品購入。
やっと読み終わりました。8で完結です。
エディングスだから面白くないはずはない、はずはないんだ、と己に言い聞かせながら読みきりましたが、エディングスじゃなかったらわりと早い段階で投げ出してたと思うの…。
解説の三村美衣という人によると、エディングスの作品、「The Redemption of Althalus」ってのが未訳らしい。
出してくれたら、わしはもちろん買いまっせ。>早川書房御中



『池袋ウエストゲートパーク[ 非正規レジスタンス』 石田衣良 文藝春秋

図書館。
「千川フォールアウト・マザー」「池袋クリンナップス」「定年ブルドッグ」「非正規レジスタンス」の四編入り。
「千川フォールアウト・マザー」がシングルマザー、「非正規レジスタンス」が派遣&カフェ難民。
ところでいきなりなんですが、今年も府・市民税の振り込め通知が届きました。
思うんだけど、所得税・固定資産税・自動車税に府市民税、5月は税金の季節…。
今年も読むぞっ、図書館の本っっ!!
うちの家族全員の府市民税分くらいは、図書館で元とるぞっっ!!



『逆視眼』1 石原理 フロンティア・ワークス

新品購入。
過去視能力をもつ青年がはみだしものだが切れる刑事とともに連続殺人犯を追う話、のようだ。
ホモが邪魔である。
最近そう思うことが多くなり、「枯れたか、わし」と思ってたが、シンケンジャーで殿に溺れてわかったな。枯れたんじゃなかったんだな。口が肥えたというか驕ったというか、「まずいもんなら食わないほうがまし」になってたんだな。ホモロマンス入れなきゃならないならないで、きちんとしたもんを入れてよ〜。



『Landreaall』14 おがきちか 一迅社

新品購入。
13巻で疑問に思ったレイ・サークの天恵は「本に書いてあることを書いた人の記憶と照らし合わせて真実か否かを判定することができる」らしい。でも、本人の記憶もけっこう頼りにならないもんなー。
アトルニアの騎士団、確かに過去隣国と戦争したが、本来はモンスターを退治するためのもんだったの、すっごい嬉しい。学長とティティの会談、読み応えあった。
それにしても「Landreaall」、うーん、なんつったらいいんだろう、騎士団とか王族とかであったり、刀や剣であったり、なにもかもが間違いなく構築されているといえばいいのか、おがきちかはこれらをこれほど間違いなく構築するために、これまでにどれほどの本を読んで自分の中に積み重ね、あらたにどれほどの本を読み調べているのだろうと、読んでいてときおり震撼とさせられる。



『誰も寝てはならぬ』11 サライネス 講談社

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大塩さんネタを読み、大葉を植え忘れてたのを思い出した。ついでに香菜も植えようと種をDAIKIに買いに行ったら、大葉はあったが香菜はなかった。他の店には置いてっかなー。
ほんでカメダさんネタですが、わたしは低気圧がくると、てきめんにだるくなり、眠くてたまらなくなります。しかし、降るとはかぎらないので、予報にはまったく使えません。



『OL進化論』29 秋月りす 講談社

新品購入。
82頁右「シャツと甲斐性」にほっこり心を温められました。
ところでいま公開中? もうすぐ公開? の岡田准一主演の「おとなり」ですが、恋愛ものより、『OL進化論』の何巻だったっけ? 1人は料理ができないのに田舎から野菜をわんさか送ってこられてもてあまし、1人は飯作る暇もないのに田舎から米をわんさか送ってこられて、もう1人は失業中のシェフ、この3軒両隣のアパートの住人の話、この3人がひとつ食卓を囲むようになる話とか作ってくれたらいいのにー。もちろん安易に三角関係とかにはせずに。
あとね、これも何巻に載ってたか忘れたけど、テレビの料理番組で「料理は愛情です」とか言うたんびに思い出す、シビアな料理のセンセのお言葉。







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