本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『茨文字の魔法』 パトリシア・A・マキリップ(訳:原島文世) 創元推理文庫

図書館。
十二の邦を統べるレイン王家。王が亡くなり、まだ十四歳の王女が王位を継ぐことになり、その継承式にざわつく王都。
元捨て子の孤児で、王立図書館で育てられたネペンテスは、魔術師を育成する空の学院からまわってきた古い本、そこに書かれた茨文字のとりこになる。
その本を記したのは古の魔術師ケイン。古の王に影のごとく仕えた魔術師。本の内容を解き明かしていくうちに、ネペンテスはレイン王家に迫る危機に気づく。
なんというか、構造的にはすごい物語になる可能性がじゅうぶんあったのに、構造が生かされきっていないというか、焦点がぼけたというか。



『ホアズブレスの龍追い人』 パトリシア・A・マキリップ(訳:大友香奈子) 創元推理文庫

図書館。
『茨文字の魔法』の最後に載ってた広告ページで、知らないうちにこんなん出てたのに気づいた。
短編集。全十五話。
表題作と「音楽の問題」がよかった。



『瞽女の啼く家』 岩井志麻子 集英社

図書館。
岩井志麻子は『ぼっけい、きょうてい』はすげー面白かったが、その後のを数冊読んだらあんまり面白くなかったので、もういいかと思ってたのだが、ブックオフでこの本見かけてちょっとぱらぱらしたら面白そうだったので借りてきた。
時は明治、目の見えない女たちが三味線などの音曲や按摩、死者の口寄せなどをなりわいとしながら共同生活する瞽女屋敷。そこに暮らす三人の女、瞽女頭すわ子、按摩のイク、捨て子だったお芳を軸に話が進む。
途中までは面白かったが、後半、彼女らの抱える恐怖の正体が明かされてくとこが、なんかごたごたで、真相の怖さに較べて読んでてあんまり怖くなかった。



『巨船ベラス・レトラス』 筒井康隆 文藝春秋

図書館。
最初のほうは面白かったけど、登場人物と登場人物の作中に出てくる人物がペラス・レトラスでごたごたしだすあたりからあと…。
つまんなかったよー。
つまんんかったよー。

最後のほうのライトノベルス云々もなー。おいこら、じじい、数出てる売れ筋の上っ面だけざーっと眺めただけの感想だよ、それー。


『謎の転倒犬 石狩くんと竃p堂』 柴田よしき 東京創元社

図書館。
就活中の男子大学生石狩が、アルバイト先でカリスマ占い師摩耶優麗にでくわし、なんでかわからんうちに優麗のところでアルバイト→正社員に就職してしまい、優麗先生にふりまわされつついろんな事件にでくわす、連作短編集。
面白かった〜♪♪♪
楽しかった〜♪♪♪
いま調べたら今年5月に出た本だったのね。開架ででくわせてラッキ〜♪
これ、もっと読みたい、続編出して出して。



『いっちばん』 畠中恵 新潮社

図書館。
若旦那シリーズ。今回は短編集。
表題作「いっちばん」、あの犬がその後どうなったか気になる。長崎屋で飼われることになるのかと思ったのに。
「いっぷく」は嬉しい再会あり。
「餡子はあまいか」は若旦那の幼馴染で菓子屋の跡取りで仕事も大好きなのにいつまで経っても上達しない栄吉の、奉公先での事件。これ、結末がすげー気持ちよかった。わたし、BOOKOFFで「イリヤッド」全10巻をちょっとづつちょっとづつ立ち読みしてるんですが、いま読んでる途中の8巻か9巻に出てきた肉まん作る名人も言っていた。「肉まん作りに必要な才能は、毎日毎日肉まんを作り続けて飽きないことだ」と。

「ひなのちよがみ」は厚塗りオバケでなくなったお蝶さん再登場。若旦那シリーズの楽しさのひとつに、ほとんど寝たきり生活の若旦那が寝たきりであったがゆえに観察眼が養われ観測したことをあれこれ考え合わせてつなぎあわせる能力に長けるようになり、些細な奇妙なできごとやもっと大きな事件などを快刀乱麻解決するというのがあるのだが、これはこれまでのと風合いが異なり、若旦那もまだまだ青二才だというのをテーマにしてるのが目新しかった。
そーいや手越主演の単発ドラマ、第三弾はあるのかな。


『室町お伽草紙』 山田風太郎 新潮社
『室町少年倶楽部』 山田風太郎 文藝春秋


図書館。
金鉱をみつけた。
山田風太郎、昔いっぱい読んだはずだと思ってたが、読んだのは主に忍法帖系で、普通の歴史小説はブッチしていた。
山田風太郎がこの手をどんだけ書いたかはまだ調べてないが、いっぱい書いてるなら、まだいっぱい読める〜♪
『室町お伽草紙』は近畿が舞台。まだ信長の草履とりになっていなかった豊臣秀吉が、京の町で元関白の行空法師と出会い、彼にくっついてちょうど京にのぼっていた信長・謙信・信玄とも出会い、行空法師がおのれが娘を足利家のお姫様のかわりにポルトガル商人への人身御供に差し出したことに端を発する事件に巻き込まれる話。
主な舞台は京の町・石山本願寺・堺。石山本願寺があったのがいま大阪城がある場所つうのを知りませんでした。
塚原卜伝、名前は知ってたけど、信長がこれから台頭してくるぞ、あたりの頃がちょうど老境あたり、の人だったというのも知りませんでした。
復讐譚自体は、なんかお間抜けな復讐で、ちょっといまいち。
足利家のお姫様がなんともいえずかわいらしい人だった。
『室町少年倶楽部』は、ありがとう、山田風太郎。
室町時代、ほとんどよく知らなかったのよ〜。義満〜義政→戦国時代あたりのわたしの中の空白が、おかげでかなり埋まってくれました〜。
「花の御所」ってのも、のちに歴史小説とかのタイトルが通称になったものかなと漠然と思ってたのですが、そうか、足利将軍家の邸宅の正式の通称だったのかー。



『七度狐』 大倉崇裕 東京創元社

図書館。
大手出版社が出している「季刊落語」のふたりきりの編集部シリーズ第二弾。
前作はビミョーだったが、これまたビミョー。話のおおまかな流れはかなり好きな感じの流れなのだが、このネタを落語家でやったのが、わたし的にはリアリティなかったというか。

が、次作が出たらまた読んでしまいそうな気がする…。



「吉宗の恋」 岳宏一郎 
『平成二十年度代表作時代小説 町屋の情け、宿場のえにし』収録

図書館。
西條奈加の『恋細工』あとがきで、西條奈加の短編が『平成二十一年代表作時代小説』に載るというのを知り、調べてみて、平成二十年度版に岳宏一郎が書いていたのを知った。
なんでこっちに別書きしてるかというと、すでに延滞三日目なのに、全十七作収録中、「吉宗の恋」以外は八番目の「朽木越え」岩井三四二までしか読んでないから。
(次の予約は入ってなかったから29日に図書館行って延長手続きとろうと思ってたのに、その日は関ジャニ∞京セラドームで、ばたばたしてたら図書館寄ってる暇なくなって、次の日こそ返しに行こうとしたらその日も関ジャニ∞京セラドームなのにあれこれ用事入って寄ってる暇がなくなって、昨日は昨日であれこれ用事が入ってばたばたして…)

八代将軍吉宗と五代将軍綱吉の側室の姪竹姫の、みのらなかった恋の物語。の形を借りた、吉宗という人の人生の要所要所を描いた短編。
岳宏一郎にしては多少湿っぽすぎるとこはあったが、終わり近くの「竹姫と別れたあと、吉宗にはうれしいことがなにもなかった。」(442頁より無断転載)という一文に、ずどんと胸をえぐられました。
そうなのよ。
こうゆう見事な言葉をさらりと紡ぎだしてくれるところが、岳宏一郎という人なのよ。

作品冒頭の「作者の言葉」を読む限り、まだまだお元気そうで、気力も十分ありそうな感じなので、次作、楽しみにしています。
読ませてー。
読ませてー。



『BILLY BAT』1 浦沢直樹(ストーリー共同制作:長崎尚志) 講談社

新品購入。
舞台は太平洋戦争後の占領下の日本。
主人公は日系アメリカ人のアメコミ作家。
自分の作品の主人公を日本のマンガで見た覚えがあるという話を聞き、従軍中に日本で見たものを無意識に剽窃してしまったのかもしれないという恐れを抱いた彼は日本に飛ぶ。
「無意識での剽窃」というディティールに、テレンス・スタンプ主演の「私家版」を思い出した。あれは実に恐ろしい復讐であった。
謎の蝙蝠。思わせぶりな人々。続きが楽しみー。



『PLUTO』008 浦沢直樹×手塚治虫 小学館

新品購入。
完結巻。
なんでマグマは凍ったんだ?
ロビタってこれまでに出てきたっけ? 出てきて、なんかあったんだっけ?
なんか、あちこち、すっきりしなかったんですが、読んで忘れてるとこがいっぱいあるのかな? わたしが悪いのかな?
 1巻から読み返してみます…。


円環少女サークリットガール10 運命の螺旋』 長谷敏司 角川スニーカー文庫

新品購入。
メイゼルの過去は明らかになるは、「九位」との関係も明らかになるは、亡くなったはずの舞花は小さくなって帰ってくるは、てんこもりの巻。しかも後半はほとんどバトルシーン。
わたし、基本的にバトルシーンはテキトーに読み飛ばすことが多いんですが。
面白かったあああっっっ!!!
面白かったよおおおっっっ!!!
いま著者のブログの覗いたところ、8月末には単発っぽい小説が早川から出るらしい。同じく著者のブログによると、今年じゅうになにかはわからないが、さらにもう1冊、読ませてもらえるらしい。嬉しい、嬉しい、楽しみー。



『夏目友人帳』8 緑川ゆき 白泉社

新品購入。
霊感あるのを自慢する人ってけっこうあちこちにいますが、そうよねー、ほんとのほんとに見えたら、自慢するどころじゃないわよねー。血まみれで死んだ人の霊とほんものの血まみれの人の区別がつかないって、むちゃくちゃ怖いというか、不便よねー。
しかし、真夏にこたつでぬくぬくシーンを読むのはけっこう辛い…。真夏のコタツ攻撃byツタコタツ@トリノイド。



『おうちがいちばん』4 秋月りす 竹書房

新品購入。
この巻も楽しかったっすー。
ところで『OL進化論』29巻82頁の可愛いシャツのおじさん、つぐみのお父さん? 向こうにゲスト出演?



『ヴコドラク』 岡田剛 早川書房

新品購入。
またやらかしてしまいました。
また発動してしまいました。
図書館で借りて読んですっごい面白かったから次出たら買って読むぞー、とか、レンタルで見たらすっごい面白かったから続編は映画館で観るぞー、をしたら、買って読んだり映画館で観たりした途端いきなり、いまいち〜ハズレ、というジンクスが。
岡田だ〜♪ 『ゴスペラー』の『準回収士ルシア』の岡田剛の新刊がやっと読める〜♪と、みつけてすぐに予約して、発売日を指折り数えて待ったのに…。
これ、なんか違う…。
わたしが読みたかった岡田剛と、ちょっと違う…。
なんかごたごたしてて、あちこち血みどろの血まみれで。
次作を待つ…。


『百鬼夜行抄』18 今市子 ソノラマコミックス

新品購入。
「雨戸仙人」も「見知らぬ妹」も「三人法師」もすごい好きなテイストの話。
「一陽来復」だけ、ちょいビミョー。
で、青嵐が自由の身になったことで、次巻から新しい展開があるのかな?



『最遊記外伝』04 峰倉かずや 一迅社

新品購入。
外伝完結巻。
ええっと、ということは、悟空だけが外伝からそのまま生き続けてて、あとの連中はこの巻で死んだり死ななかったりした人の転生?
『西遊記』は大昔に翻訳版を読んだはずだけど(たぶん、尾鮭あさみの西遊記ネタの話読んだ勢いで)、細かいとこまで覚えていないのよー。







INDEX書庫