本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『シカゴより好きな町』 リチャード・ペック(訳:斎藤倫子) 東京創元社

図書館。
『シカゴよりこわい町』の続編。
アメリカを襲った大恐慌、そのために『シカゴよりこわい町』では語り手の妹であったメアリ・アリスは今度はひとり、田舎町に住む例のとんでもないおばあちゃんのところに預けられることになる。
そしてやっぱり起きる、いろんな騒動の数々。
これもやっぱり。


大当たり〜♪♪♪

リチャード・ペック、これを含めてこれまで読んだ4冊、ぜんぶ「ときどき読み返したい」本だわ、手元に置かなくちゃー。


『後はマのつく石の壁!』 喬林知 角川ビーンズ文庫

新品購入。
一年ぶりの新刊かー。そんなに出てなかったのかー。びっくり。



『ジョーカー・ゲーム』 柳広司 角川書店

図書館。
みわこといずみにお薦めされた。


面白いーっっっ!!!

第二次世界大戦直前の日本、陸軍に作られたスパイ養成機関「D機関」に関わる連作中編集。「ジョーカー・ゲーム」「幽霊」「ロビンソン」「魔都」「XX」の五編入り。
スパイといえば007だが、常々思ってたのよ、スパイの本分である情報収集だけなら、うちの妹とかそのダチとかの大阪のおばはん連中のほうがきっと、断然ええ仕事するぞー、と。
あと、元の自分を「抹殺」した上で敵国に潜入、偽の身の上で生きる、元の自分を知る人物とはなにか起きたときしか連絡がとれず、ひょっとしたら死ぬまで、連絡をとらないまま、偽の身の上のままで死ぬことになるかもしれない、そういう状況で、スパイである自分、を確立していられるかどうかという問いかけなんかも、どきどきさせられたなあ。
ところで、敵国に潜入し真面目な村民として代々暮らす、何かことが起きたときには「獅子身中の虫」となるが、たいていはなにごともなく一生を終える、そういう「スパイ」の家系が出てくる時代小説を読んだことがあるが、そのとき思ったのよ。「草」という身分を植えつけてやれば、「自分はただの百姓じゃないぞ」という矜持を持てて、しかもフツーの村民よりよっぽど身を謹んで生活する、その国の領主にとってはものすごく都合がいいんじゃないかと。
ともあれ、他のも読むぞ、柳広司っ!



『夏目友人帳』9 緑川ゆき 白泉社

新品購入。
ケマリの話も、的場一族との話も、いい話だった。
第三十四話の、湯上りほこほこのにゃんこ先生、可愛い、可愛い、可愛い…。



『ダンタリアンの書架』4 三雲岳斗 角川スニーカー文庫

新品購入。
屋敷妖精の本、欲しいー。欲しいー。
うち、楽よー。ディスワード邸に較べたら本の量なんて鼻くそだし、ジェシカみたいな汚し方もしなくてよー。
恒例最後のおまけ、焚書官と幻書泥棒の話も面白かった。



『小林薫と訪ねる美の巨人たち』 テレビ東京編 日本経済新聞社

図書館。
テレビ大阪(大阪ではテレビ大阪)放映の「美の巨人たち」、番組のナレーションをそのまま字に起こしたもの? なのかな?
わたしは去年見始めたんですが、00年に放映開始だから、もう10年目なのねえ。
わたしは地デジ録画してるけど、いつくらいからデジタルになったのかな?
地デジ録画、録画したのをR焼きして、面を作るのに、オープニングのフェルメールの「真珠の首飾りの少女」んとこをキャプチャーしてみたら、プリントしてもすっげえ綺麗でびっくりした。



『シアター!』 有川浩 メディアワークス文庫

映美ちゃんが貸してくださいましたー。
劇団を主宰するもと苛められっこの弟。その劇団が赤字のために存続の危機に。借金の額は300万円。
泣きつかれた商社勤めのカタギの兄、「ゼニは貸してやるが、口も出すぞ」の宣言のもと、集客力はそこそこあるのにいつも赤字の劇団の建て直しに立ち上がる。
24日(日)、Loppi前で10時を待つ、のために持っていきました。
行け行けどんどん、やめられないとまらないー。
読み終わったのが、一瞬勝負直前の9時55分。
なんて錦戸ちょうどの亮〜。
弟の子供時代の話から、吸引力抜群。ソフビ人形を使うごっこ遊びで、きちんと設定とかせずにいられないところ、すっごい共感した。他にも、「わかりやすさ」ゆえに劇団が評価されない問題とか、芝居をやる人たちの意識の問題とかにも、すっごい共感した。劇団員のキャラ立てもよかったっすー。


『聖フランスシコ・ザビエルの首』 柳広司 講談社
『はじまりの島』 柳広司 創元推理文庫
『饗宴』 柳広司 原書房
『黄金の灰』 柳広司 原書房


図書館。
上記の順番で読んだ。
四冊すべて、誰もが名前だけは知っている歴史上の有名人を主人公、もしくはメインの登場人物としている。
『聖フランシスコ・ザビエルの首』は連作短編集。オカルト雑誌から鹿児島の小村に伝わる"ザビエルの首"の取材を依頼されたフリーライターが、フランシスコ・ザビエルが生きていた頃にザビエルが遭遇した事件をその事件に関わる人に憑依するような形で見聞きし、謎解き役をも務める。
『はじまりの島』はチャールズ・ダーウィン。彼がビーグル号に乗船していた頃の、ガラパゴス諸島の無人島での一週間のことを、同じくビーグル号に乗船していた記録画家アールが、後に回想する、という体裁のもの。
『饗宴』はソクラテス。アテネの町の連続殺人事件。
『黄金の灰』はシュリーマン。
殺人事件は起きるのだが、ミステリという体裁を整えるための看板みたいなもので、名前は知っていて、有名になったトピックスは知っていても、それ以外のことはよく知らない、そんな「偉人」たちを、血も肉も癖もある「ひとりの人間」として描き出す、ある意味みごとな「伝記」である。
どれも面白かったが、『黄金の灰』、シュリーマンの二番目の妻ソフィアを語り手にした、「トロイ発掘」直前の一週間、がすっごい面白かった。調べてみるとこれが単行本で出た1冊目の柳広司の小説だったが、トマス・ブラウンが自分の正体を現すあたり、『ジョーカー・ゲーム』で「スパイ」というものについて結城中佐が語っていたことにストレートにつながってて、すっごいわくわくした。

(トマス・ブラウンであるが、「背は高くない。肉付きの良い、いささか肥満気味の丸い体を弾ませるように歩き、茶色の髪に茶色の目、丸い顔に」という特徴を読み、ブラウン神父を思い出さなかった読者はいないだろう。トマス・ブラウンは「弾ませるように歩き」で、「よちよち歩く」ブラウン神父とは、歩き方は違うようだが)
(しかし、考えてみれば「よちよち歩く」のは中村保男の訳でのブラウン神父だ。つまり、ブラウン神父を「よちよち歩」かせたのは、考えてみれば中村保男だ。原語ではここ、なんて書かれているんだろう?)
(そういえば、ブラウン神父のファースト・ネームはなんだろう? 「ブラウン神父 ファーストネーム」でググってみたところ、ここがみつかった。それによると頭文字は「J」らしいので、「トマス」ではないのね)



『なごみクラブ』2 遠藤淑子 竹書房

新品購入。
とあるホストクラブを舞台にした連作短編集の続き。

ところでいま「たけしょぼう」変換したら「丈書房」と。「竹」でなく「丈瑠」の「丈」が。


『おうちがいちばん』5 秋月りす 竹書房

新品購入。
課長、やっぱ好きー。むっちゃ好きー。56頁「課長伝説」なんか大爆笑。96頁「女上司オンリー」にも大爆笑。こんな課長が姑にだけは苦戦を強いられてるのも愉快。







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