本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『英国王室史話』 森護 大修館書店

図書館。
先々月読んだ『イギリス王室物語』で紹介されてた本。
ウィリアム一世征服王(在位1066-1087)〜エリザベス二世のおとっつあんのジョージ六世(在位1936〜1952)までの英国王の歴代記。
読んでも読んでも読んでも、エドワードにヘンリー、ジョージ、リチャード、ジョンにジェイムズだらけー。
ところで「冬のライオン」は大好きな映画のひとつだが、あれでピーター・オトゥールが演じていたのがよく聴くリチャード獅子心王の父ちゃんで、だからアンソニー・ホプキンスが演じていたのがリチャード獅子心王だったというのを、これで初めて知った。
今のイギリス王家はウィンザー家だが、エドワード七世が王位を捨てて弟のジョージ五世に王位が移るまではサクス・コバーク・ゴータ家、そしてサクス・コバーク・ゴータ家というのはヴィクトリア女王のダンナさんであるプリンス・アルバートの実家の家名で、ヴィクトリア女王まではハノーヴァー王家、ハノーヴァー家以前はスチュアート家で、現王エリザベス二世のあとチャールズが王位を継いだら、エリザベス二世のダンナさんでチャールズのおとっつあんであるエディンバラ公フィリップの苗字も入れて、マウントバッテン=ウィンザー家になるのも、初めて知った。




『夏目友人帳』10 緑川ゆき 白泉社

新品購入。
月分祭、なんかつっこみたくなる話だったのだが、つっこみどころをつつこうとすると、その答えもついでに浮かぶ、その堂々巡り、うーん、厄介な話だ。



『夜の虹 灰色の幽霊』 毛利志生子 集英社

新品購入。
夜の虹シリーズ第二作。
オリガは父の友人だったという老男爵から愛犬の絵を依頼される。穏やかで実に好ましい人柄の男爵、男爵が犬の世話を任せているユダヤ系青年。男爵の屋敷で働く感じのいい人たち。しかし、オリガがスケッチに通い始めて一ヵ月後、男爵は何者かに殺害され…。
オリガの父の死の真相はいまだ謎のままだが、オリガが存在すら知らなかった父の弟、オリガには叔父にあたるヘルムート・ファングが登場、こきみいいくらい鬼畜男。鬼畜といえば、レオニードも健在。このふたりが遭遇するのが楽しみ。



『風の王国 水面の花』 毛利志生子 集英社

新品購入。
3月に出ていたのに気づいていなかった。気づいていなかったおかげで、毛利志生子二冊一気読みできてラッキ♪ だが、あとがきの暖房の話は、7月に読むと「真夏のコタツ攻撃っ!!byツタコタツ」であった。
番外編。
リジムが存命で、娘(名前忘れた)が生まれる前の話。
番外編ということは、本編はもう続きはないのかなあ。ソンツェン・ガンポに再嫁したあとの話はないのかなあ。同じく番外編で、晩年の翠蘭の話とかも読みたいなあ。



『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』 高橋由太 宝島社

N塚長姉が貸してくれた。
時代物。本所深川の鵙屋という小道具屋に奉公するオサキ持ちの周吉が主人公。
あとがきで大森望が人と人ならぬものの相棒ものについてあれこれ触れていたが、オサキ持ちといってわたしが最初に思い出すのは、霜島ケイの封殺鬼シリーズに出てきたオサキとオサキ持ちである。あっちのオサキは喋らなかったが、このオサキは饒舌であった。
読み終わって内容を思い出すと、それほど目新しい話ではないのだが、語り口がみょうちくりんというか、読んでいる最中は、話がどこへ向かっているのか見当がつきにくいという、なんか珍しい話であった。
これが5月に出たばかりで、これがデビュー作。
シリーズになるかなあ。続きが読みたいなあ。
出たら買って貸してね。>長姉



『修道女フィデルマの洞察』 ピーター・トレメイン(訳:甲斐萬里江) 創元推理文庫

新品購入。
フィデルマシリーズ短編集。五編入り。
このシリーズ、七世紀のアイルランドが舞台とあって、目慣れない言葉がいっぱい出てくる。が、すごく読みやすい。巻末の訳注も楽しみなのである。
次はついにシリーズ長編第一作が読ませてもらえるらしい。ああ、待ち遠しい〜〜〜。



『女神さまと私』2 波津彬子 小学館

新品購入。
この2巻で完結。
今作でもライラの不細工さ加減は「夏目友人帳」のにゃんこ先生といい勝負なくらいチャーミング♪



『天地明察』 沖方丁 角川書店

図書館。
朝日新聞日曜版読書欄に載ってた広告見て読みたくなり図書館に予約してだいぶ待った。
江戸時代、和暦を作った渋川春海が主人公。それに和算の関孝和、「江戸を斬る」第一集な保科正之さま、四代将軍家綱の頃の大老酒井忠清、水戸光圀、史上最強の棋士本因坊道策らが絡む。
「渋川春海」という名前に見覚えはあったが、図書館の開架を周遊してたときに背表紙で見たもので、和暦を作った人とは知らなかった。


ばりくそ

面白かったーーーっっっ!!!


保科さまと酒井さまがステキでステキでー。
そんで、北極出地観測隊の建部さまと伊藤さまがステキでステキでー。
どこもかしこも面白かったけど、授持暦が蝕をはずしたあとの展開には、サブイボがたちました。



『贋作『坊ちゃん』殺人事件』 柳広司 朝日新聞社

図書館。
しまった。
柳広司一気読みーで借りてきたが、夏目漱石の『坊ちゃん』のバスティーシュものだというのもわかっていたが、まさかこんな展開と思わず…。
夏目漱石の『坊ちゃん』は、教科書に載ってた「清への愛」@清水義範のとこしか読んでないのよ。そこしか知らない状態で、これを読んでしまったのよ。
ああ、むっちゃもったいないことをしてしまった……。



『神去なあなあ日常』 三浦しをん 徳間書店

図書館。
高校は卒業したものの就職は決まっておらずフリーターで食ってくべーと思ってた男の子が、担任と親によって強制的に林業の現場に放り込まれる話。
この子は林業に順応したが、体力なくて絶対無理な奴もいるよな。
クライマックスの祭りシーンは、もはやハリウッドの冒険ものに近い大スペクタクル。
映画化するなら、祭りシーンはCGにゼニかけてー。わんさかかけてー。これをちゃちい絵面で見るのは辛いぞー。



『シートン探偵動物記』 柳広司 光文社

図書館。
『シートン動物記』を書いたシートン氏、よいお年になったシートン氏のところに若い新聞記者が来て、シートン氏が遭遇したさまざまな事件とその解決を聞き取る、という体裁の、連作短編ミステリ。
柳広司が造形したシートン氏はものすごくステキなおじいちゃまで、すっごく楽しい本だった。

一番最初の「カランポーの悪魔」には狼王ロボのモデルとなった狼が出てきたのだが、今も心に残る「狼王ロボ」の結末の辛さが、この話のおかげでなんだか和らいだ。ありがとう、柳広司。


『盗まれた独立宣言』上下 ジェフリー・アーチャー(訳:永井淳) 新潮文庫

図書館。
ひさしぶりに東もず図書館覗いたときみつけて、「これ、ひょっとしたら読んでない?」と思ったら、やっぱり読んでなかった。
湾岸戦争より後、イラク戦争より前、の話。フセインがアメリカに恥をかかせるために、ワシントンの国立公文書館に展示されている独立宣言を盗み出させ、それをCIAとモサドが取り戻そうとする話。
モサドの女性スパイとCIAのオブザーバーみたいなことをしている教授のロマンスが邪魔というか、このふたりの立ち位置が話をB級臭くしていたが、その他の人物や筋書きはすっごい面白かった。
あと、独立宣言のスペル間違いや書かれたときから今みたいにきちんと保管されてたわけではない話とかも面白かった。



『善人長屋』 西條奈加 新潮社

新品購入。
江戸時代もの。表は質屋、裏は故買屋な大家を始め、店子もみんな、裏稼業をもつ長屋。
そんな長屋にとある間違いから真っ正直な職人が住むことになり、それがとてつもない善人で、困った人をみつけると助けずにはいられず、そのたび長屋の面々が解決に奔走させられる、連作短編集。
最後の書き下ろし、夜叉坊主が悪い奴のわりに辛抱づよすぎる気がもしたが、これもやっぱり、面白かったよおおお、面白かったよおおおおお。



『キング&クイーン』 柳広司 講談社

図書館。
元SP、今はバーの用心棒、の女性が、ひょんなことから悪者に追われるチェスの世界チャンピオンを護衛することになる話。
最後に大どんでんがえし。
綺麗に騙してもらったけど、見事に騙してもらったけど、なんかすっきりしない騙され方であった。





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