本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『英雄の書』上下 宮部みゆき 毎日新聞社

図書館。
新しく発売された本が図書館で借りられるようになるのは、発売日から二ヵ月後くらい。
なもんで、その間に出たことをうっかり忘れる本もけっこうある。
その1冊。
ファンタジー。
キーワードは「英雄」。
同級生を殺してしまった中学二年生の兄。
小学五年生の妹は「印を戴く者」となり、狼やまだひよっこの「書」の力を借りて、兄をそのような凶行に及ばせた「英雄の書」を追って異世界に旅立つ。
中学生による同級生の殺害、という辛い事件を扱いながら、「黄衣の王」「印を戴く者」「無名の地」など、言葉がきちんと練られていたのが、ファンタジーとして心地よく、この世界の事件と異世界のできごとが、実に見事に縒り合されていた。



 
『風船を売る男』 シャーロット・アームストロング(訳:近藤麻里子) 創元推理文庫

図書館。
中図書館の開架で発見♪ 発見♪
シャーロット・アームストロングは大好きな作家だが、いつのまにかこんなん出てたのに、ぜんぜん気づいていなかった。
長編。
が、なんかいまいち出来がいまいちというか、あちこち歯がゆい話であった。



『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦 角川書店

図書館。
語り手は小学生の男の子。
彼の住む町にある日いきなり大量のペンギンが現われ、彼は通っている歯医者の歯科衛生士のおねえさんがペンギンたちを作り出していたことを知る。
この男の子の語り口が、いかにも森見登美彦の一人称主人公らしくて、すっごい愉快だった。



『エイリアン・テイスト』 ウェン・スペンサー(訳:赤尾秀子) ハヤカワSF文庫

図書館。
彼はユカイア・オレゴン。オレゴン州の自然公園の中、狼の群れの中で暮らしているところを拾われて、人間社会の仲間入りをし、今は私立探偵をしている。
ユカイアの相棒ウィン。育て親と妹。すごくステキな人たちで、途中まで行け行けどんどん、楽しく読んでたのだが、ユカイアの素性が明らかになったあたりで失速。これって、うーん………。



『プリズン・ストーリー』 ジェフリー・アーチャー(訳:永井淳) 新潮文庫

図書館。
短編集。
ジェフリー・アーチャーは偽証罪で二年ほど獄中生活を送ったのだが、その最中に聞き込んだ話を元にした話が、十二話中九話、らしい。
ところで、『英雄の書』からここまで、書いているのは9月16日で、タイトルだけ書いておいたものの、とっくに図書館に返却済み。ググって記憶を補いながら書きました。アマゾンとかの説明以上のことを書いてくれてるとこが少なくて、困りました。
だから、読んだらすぐ書け、書いてから返せと…。>わたし ←何度やらかしても懲りるのはそのときだけ。



『バイバイ、ブラックバード』 伊坂幸太郎 双葉社

図書館。
何股もかけている男が、原因はわからないがとある組織を怒らせてしまい、組織が派遣した女に監視され、どこともしれない場所に連れ去られることになる。その連れ去られる期限までに、つきあっていた幾人もの女性に別れを告げに行く話。
知らない作家の本にこんなあらすじが載ってたら、まずその本を読んでないと思うのだが。
さっすが伊坂幸太郎、面白かった〜♪♪♪
この何股もふらふらかけてしまう男、何股もかけちゃう男なのに、いい奴なんだ。で、何股もかけちゃうのにも、そりゃしょーがねーかとほだされてしまうんだ。
そんで、こいつを監視する女性の造形が見事。
わたしはマツコ・デラックスのビジュアルで読みました。大好きなの、彼女。
一番笑ったのは、如月ユミの章。「R指定のナマハゲ」と、ユミと友達の好絵ちゃんの「あれ、何だべ?」「なまはげでねか?」とついお国言葉が出てきたとこ。
町じゅうが総力をあげて気合の入ったナマハゲ作って子供たちを怖がらせようとするなんて、なんかすっごいいい町だと思う。



『舞姫 テレプシコーラ』第二部4巻 山岸凉子 メディアファクトリー

新品購入。
先月出てたのに気づいていなかった。ひさびさに本屋に買いに走った。
六花がコンテを棄権したあと、なんかまどろっこしい展開だった。が、最後のところで本選、ローラ・チャンの出番。
早く、早くこの続きが、読みたい、読みたい、読みたい………。



『秘密』8 清水玲子 白泉社

新品購入。
「第九」は被害者の脳から生前の映像記憶を取り出し、加害者を探し当てる。
が、その記憶が実際に見たはずのものと違っていたら?
わたしがこれまでドラマで見た中で、一番美しかった「お市の方」は夏目雅子で、わたしがこれまでドラマで見た中で役所広司の織田信長はベスト3に入るのだが、わたしの記憶の中でこのふたり、同じ大河ドラマの中で、信長とお市の兄妹を演じていたはずなのだが。ふたりが同じ画面にいる映像記憶すらあるのだが。
夏目雅子は「おんな太閤記」のときのお市さまで、役所広司は「徳川家康」のときの信長だったのだった…。


『BILLY BAT』4 浦沢直樹 講談社

新品購入。
4巻で気持ち的に多少失速。
ケネディええもんで、ディズニーわるもんという、ありがちな構図に、多少失速。



『鋼の錬金術師』26 荒川弘 スクエアエニックス

新品購入。
次巻で完結か………。



『午後のお茶は妖精の国で』3 遠藤淑子 祥伝社

新品購入。
完結巻。
巻末のグランドフィナーレを読んで、妖精の女王が放置されたまんだったことに気づいたわー。



『大奥』6 よしながふみ 白泉社

新品購入。
綱吉が逝去し、家宣が将軍位を継ぎ、そして逝去し、次巻では「絵島生島事件」が語られるらしい。
六代家宣とその子で七代の幼将軍家継は、綱吉と吉宗に挟まれて印象薄いあたりなので、どこまでウソでどこまでホントかもよくわからない。
そして「絵島生島事件」のこともよく知らない。「絵島生島」と聞いて最初に浮かぶのは、『妖星伝』に出てきた「絵島」の絵馬。
ところで10月なんてはるか先だわと思っていたが、映画「大奥」、公開までもう半月を切ってしまった。(これを書いているのは9月18日)
予告編にもついに中身が登場、セットも衣装も小道具もほんとにちゃんと時代劇で、俄然楽しみになってきた〜♪ 
んで、キャストの写真入りポスターを初めて見たのは、8月8日梅田ブルグ7でだったが、まずはもちろんうちの大倉を探したのだが、「これか? いや、大倉にしたら綺麗すぎる。でも、玉木がこれで佐々木がこれで阿部サダヲでこれがたぶん中村蒼…ってNHKの「QED」の子か、これこれ。……うっわーっ、このむっちゃ綺麗なん、やっぱりうちのたつーっっっ?!」と消去法で………。



『死せる魔女がゆく』上下 キム・ハリスン(訳:月岡小穂) ハヤカワFT文庫

古本購入。
ブックオフでなんとなーく購入。
1960年代、遺伝子操作によって作られた致死ウィルスが研究所から流出、変異して人間たちを死に追いやった。が、古より人間に混ざって生きてきた吸血鬼、レプラコーン、フェアリー、魔法使い等々、の「人間でないもの」たちはそのウィルスに免疫を持っていたため生き延び(が、エルフだけは子孫を増やすために人間と交配してきたため全滅)、人間と彼らの人口比率が一挙に転換する。
主人公のレイチェル・モーガンは魔法使い。「邪悪な魔法を操る黒魔法使いの逮捕や、人狼や吸血鬼がらみの難事件を捜査する<異界保安局IS>の捜査官だが、上司のデノンに嫌われて、最近回される仕事はろくでもない事件ばかり。そんなおり、事件絡みでレプラコーンを捕まえたレイチェルは、レプラコーンの「あたしを見逃してくれたら、三つの願いをかなえてあげる」についうっかりつられてしまう。
レイチェル、レイチェルの相棒で<生ける吸血鬼>のアイヴィ、レイチェルの助手のピクシーのジェンクス、ジェンクスの妻と子供たち、教会の向いに住む謎の老人キースリーに、謎の大富豪トレント。
キャラは立ってて、あちこち楽しいとこもあったが、なんかごたごたした筋運びだった。
一番の不満は、トレントの正体が明らかにならなかったとこ。続編への色気が見えすぎて。
ちなみに、こちらと違い、偶然別々の世界がつながってしまったという設定だったが、人間と人間でない者たちが入り乱れる世界に、花郁悠紀子の『フェネラ』を思い出した。



『琥珀捕り』 キアラン・カースン(訳:栩木伸明) 東京創元社

図書館→古本購入。
『シャムロック・ティー』読んだあと、すぐに借りてきたものの、貸し出し期間中に手をつけられず、そのまま放置、先々月くらいに思い出して借りてきたものの、ダッシュで読むのは惜しい本なので、ちみちみちみちみ読んでたら、延長かけても読み終わらず、「そのうち買う」つもりが、ついに諦めて古本で「いま購入」に。(だってもう新品がなかったんだもん)
なんかもう、どこからどこまでわたし好みの本。
amazonでこの本について「複雑な迷路に彷徨いこんだような」と評していた人がいたが、キアラン・カースンが作り上げたこの迷路の、なんと精緻でなんと美しいことか。



infoseekの無料ホームページサービス、10月末で終了するそうだ。
ショックーーー。
ここ、どこに引っ越そう…。cgi使えて安いとこ探さなきゃ。
それより日記の画像、どうしよう………。どうにかしても、貼り付けアドレス、全部貼りなおすのか、わたし……。
三木谷のあほんだらーーーっっっ!!!



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