本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『マリアビートル』 伊坂幸太郎 角川書店

図書館。
『グラスホッパー』の続編というか、『グラスホッパー』と同じ世界のまた別の物語。
自分の手を汚さず、見栄やコンプレックス等を刺激することにより他者を操って、人を傷つけるのを楽しむ中学生。その中学生に息子を殺されそうになったアル中の元殺し屋。ある大物の息子の救出と身代金奪回を請け負った檸檬と蜜柑の二人組。東京から新幹線に乗り、車内でトランクを回収、次の上野駅で降りるだけの、簡単な仕事をすればよいだけだったはずの、世にも不運な男七尾。
彼らを乗せた「はやて」車内、東京駅から盛岡駅までの物語。
途中まではなんかしんどかったが、七尾がキレたあたりから俄然勢いがついた。
そして、途中に挿入される謎の情景がぴたりと納まったときの気持ちよさ、そして爽快きわまりない読後感。
ほんと、困った作家だなあ、伊坂幸太郎。



『アルテミスファウル 失われし島』 オーエン・コルファー(訳:大久保寛) 角川書店

図書館。
アルテミス・ファウル・シリーズ第五作。
かつて人間と妖精たちが戦った。
敗色濃厚となり、地下に逃れることにした妖精たちの中、ただ一種族「デーモン」族だけはそれを是とせず、彼らの中の魔法を使えたものたちが、住む世界を別の世界へと移した。
「妖精の書」の解読によって彼らの島がこちらの世界に戻りつつあることを知ったアルテミス・ファウルは、ピープルたちへの借りを返すため、デーモンがこの世界に現れる場所を推測、待ち伏せして捕まえようとするが、そこには他にもデーモンを捕まえようとしている人間がいて、まんまと鼻先からかっさらわれる。
デーモンの世界が面白くなくて、デーモンたちのボスも魅力的でなく、わりとだらだら読んでしまった。
アルテミスの片目とホリーの片目が入れ替わったのは、次作への伏線か。
アルテミスの帰りを三年もバトラーに待たせたのも酷いぞ、オーエン・コルファー。



『獣の奏者外伝 刹那』 上橋菜穂子 講談社

図書館。
実は、『獣の奏者』シリーズ、全四作なのを知らず、「闘蛇編」「王獣編」だけ読み、「探求編」「完結編」を読んでいなかった。
それに気づいたのは、この外伝を予約、あと三人で順番回ってくるなあ、あたり。
慌てて「探求編」「完結編」を予約したが、この二冊、いまだに百人近い待ち。
観念して、この外伝を先に読んでしまった。
「刹那」「秘め事」の二編にエピローグ風掌編の「初めての……」付き。
「刹那」はエリンとイアルがともに暮らすようになり、子が生まれるまでの物語。
「秘め事」はエサル師の若い頃の恋、そして彼女がなぜ王獣保護場で教導師になったかの物語。
ところでさっき知ったのだが、この外伝、「闘蛇編」「王獣編」と「探求編」「完結編」の間に位置する話らしい。
ということは、この続き、この後の話がまだ読めるんだ、わあい〜♪



『ちはるさんの娘』1 西炯子 双葉社

N塚長姉蔵書。
「これ、むっちゃ面白いねん〜♪」と貸してくれた。
洋品店を営むちはるさん(80歳)と、その娘で近所に住むバツ一売れっ子ミステリ作家ちなつさん(38歳)の、日常の齟齬を描いた四コマ漫画。
最初、「え、80歳の母親と38歳の娘?!」と思ったが、引き算したらなんのこっちゃ、42歳のときに生んだ娘であった。
わたし、どんな80歳になるんだろ。きっといまとあんまり変わねーんだろうな。どうするよ、わたしが80歳になっても、テレ朝が日曜日の朝、仮面ライダーと戦隊放映し続けてたら。絶対見てるよ。そんでシンケンジャーみたいに溺れた日にゃ、役者ショー観に行くんだよ、Gロッソに。



『魔法使いの弟子たち』 井上夢人 講談社

図書館。
井上夢人はこの本読み月記に読んだ本の記録をつけ始める前に数冊読んだ覚えがあるが(読んだ覚えはあるが何読んだっけ?と月記内を検索してみたが、1冊もヒットしなかったのよ)、ずっと読んでいなかった。これはたぶん、朝日新聞の広告見て予約かけたんだと思う。
山梨の大学病院で院内感染が発生。それを取材することになったフリーライターの男は、役所で病院に勤める婚約者の安否を気遣う女性を発見、彼女から話を聞くうちに彼女の異変に気づき通報、そのまま彼女とともに隔離されることに。
男と彼女、彼女の婚約者と彼女と婚約者が発病寸前に見舞ったという老人ホーム入居者の男性は、初期感染者の中では奇跡的に死を免れるが、症状が治まったあと、彼らは自分たちが奇妙な能力を身につけていることに気づく。
面白かったけど、彼らの能力があまりに凄くて、ちょっと突拍子がなかった。最後のどんでん返しも、え、え、そうなの?という感じ。



『風の王国 王太子の花嫁』 毛利志生子 集英社コバルト文庫

新品購入。
ついに舅ソンツェン・ガンポとの婚礼の日を迎えた翠蘭。儀式はつつがなく終わるが、その夜、ソンツェン・ガンポは血を吐いて倒れる。彼は己の死がさして遠い日でないことを隠させながら、ツァントゥーという王国内にありながらいまだ形式上は独立を保っているツァントゥーを尋ねてそこの王族からラセルの花嫁を選ぶよう、翠蘭に指示する。
著者の中にはすでにラストシーンがあるらしい。それが翠蘭の生涯のどのあたりかはわからないが、そのラストシーンまで、このシリーズを読ませ続けてほしいと切に願う。



『御師弥五郎』 西條奈加 翔伝社

新品購入。
伊勢参りの話。
こういうお参りの「講」を世話する人を「御師」というのを、この本で初めて知りました。
江戸時代の伊勢参りのあれこれは面白かったけど、お話としてはなんかいまいち勢いつかず。



『誰も寝てはならぬ』14 サライネス 講談社

新品購入。
ハルキ入院編。もしくは利休之助「寺」居候編。
帯に利休之助登場編だけを集めた『猫も寝てはならぬ』の宣伝が。そんなに人気なの、利休之助〜。
288「油断」冒頭で、ハルキくんがおじいちゃんと行った動物園は、やっぱ天王寺動物園か?



『BILLY BAT』5 浦沢直樹(ストーリー共同制作 長崎尚志) 講談社

新品購入。
トニーとダイアンのエピソード、途中はしんどかったけど最後、スカッとしたわー。
そうだよなー。人種差別してる人たちも、決してひとつの固まりでなく、それぞれ別々のモラルを持ってて当たり前だよなー。と目から鱗も落としてもらいました。



『鋼の錬金術師』27(完結) 荒川弘 スクエアエニックス

新品購入。
実に気持ちのいい最終巻だったんですが。
二年後を見せてもらえたのもとっても嬉しかったんですが。
読んでる間はあんまり気にしてなかったけど、アルを取り戻すためにエドが代価を支払うとこで、錬金術が使える人と使えない人、その分かれ目ってなんだったのかなと。


『真夜中を駆けぬける3 美しく燃える森』 依田沙江美 二見書房

新品購入。
ブックスケジューラーにヒットしたあと、発売が延期になって延期になって、忘れていたら7月に出ていた。
塩野女史がステキであった。特に「懐かしい夜」の最初のとこ、大好きー。






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