本読み月記 |
【ジャンル分け】 | 最初から日本語で書かれた小説。 最初から日本語で書かれた小説以外。 日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。 日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。 コミックス |
『ロードサイド・クロス』 ジェフリー・ディーヴァー(訳:池田真紀子) 文藝春秋 図書館。 キャサリン・ダンスシリーズ第二作。 死亡事故も起きていない場所に死亡事故現場のような十字架が立てられ、その近くで女子高校生が車のトランクに閉じ込められ溺死させられかけるという事件が起こる。捜査に着手したキャサリン・ダンスのチームは、彼女のパソコンから彼女が地元有名ブログで同じ高校の生徒をバッシングする書き込みをしてあったのを見つけ、その生徒の家を訪ねるのだが、訪ねた直後、その生徒は姿をくらまし、第二の事件が。 ネットの匿名性から派生する諸問題というのは、どこの国もかわんないのねー。 今回から登場の大学の教授でコンピュータの専門家のジョン・ボーリング、できすぎのいい男で、途中までなんか裏があるんじゃないかと疑ってました。 ジェイソン、気がつけばいい奴っぽくなってたけど、こいつ、ゲームの中で殺したキャラが生き返るの待ってまた殺して経験値稼ぐような奴じゃなかったっけ? あと、真犯人の動機がちょっと弱かったかな? これだけのことのためにこんだけややこしいことするか、ふつー。 |
『イケナイ宇宙学』 フィリップ・プレイト(訳:江藤巌+熊谷玲美+斉藤隆央+寺薗淳也) 楽工社 図書館。 中図書館の開架の物理棚から拾ってきた。 世間に蔓延する間違った天文知識を地道にひとつづつ訂正していったり、いい加減な終末論に憤ったり、一般人の知識の無さにつけこんだ星商売に憤ったり、間違いだらけのSF映画をつっこみつつも楽しんだり、憤り部分はちょっとうっとうしかったんですが、第1部第2部あたりは実に愉快な本でした。 アポロ11号が実は月に着陸してない説を最初に知ったのは、田中芳樹の『創竜伝』だった。そこで「そーいやそうだ、なんで?」と思ったのが、空気がない月でアメリカ国旗がはたはたと盛大になびいてた、って点だったけど、この本の第4部第7章ではそれには触れられていなかった。で、ググったらすぐみつかった。ここ。そうか、そういう理由だったのか。 この本の中で一番笑わせてもらったのは、 「子どもに『なぜ空は青いの?』と聞かれたら、その子をしっかり見つめて、『それは、レイリー散乱が関係する量子効果と、さらには網膜内の紫色に反応する視細胞の欠乏が原因だ』と答えればよい」(72頁より無断転載) そんで、著者ホームページはここ。 そーいや「仮面ライダークウガ」、わたしは不慮の事故からうっかり第39話を見てしまい、どん底はまりしたのだが、この第39話「強魔」、ズ・ゴウマ・グが超音波に弱いと知った警察は超音波発生器を携えてクウガをフォローするのだが、超音波をオンしたとき、画面からはなんの音もしなかったとこ、ここにしびれたのもあるわー。 |
今月もまた、七日発売のアイドル誌三誌「duet」「Wink up」「POTATO」、三誌とも買ってしまった。 「POTATO」はお兄ちゃんらが珍しい取り合わせで、そんでもって7WESTの伝言お絵かき反省会が腹痛くなるほど面白かったし、「winkup」は濱ちゃん+BADのセピアな写真も素晴らしかったけど、veteranページ、伊藤くんに神降りてたし、「duet」はなんといっても濱ちゃんの剥き出しの二の腕が決め手♪ アイドル誌、以前はあちこちで買ってたが、最近はもっぱら、イズミヤ泉北店二階の本屋さん。 近所に三軒あるTSUTAYA、以前は府大前店に主に行ってたのだが、最近はDVDやCD借りるのに深井店に行くことが多い。 が、ここのアイドル誌はビニールパックされてて、中身が見られないのだ。 その点、イズミヤ泉北店の本屋さんは、中身がチェックできる見本誌を置いてくれている。 イズミヤ泉北店には、三菱東京UFJ銀行とゆうちょ銀行のATMがあり、仕事の通帳を記帳に行くことが多い。ので、そのついでに行けて、都合がよろしい。 で、今月もまた、三誌まとめてカウンターに持って行き、「袋、要りません」と言ってシールを貼ってもらい、剥きだしで三冊小脇にかかえ、意気揚々と本屋を後にしかけたところで…。 …そういやわたし、ここでアイドル誌とTV誌以外、買ったこと、ねえんじゃね? しかもTV誌、関ジャニ∞が表紙のときしか、買ったことがねえんじゃね? ひょっとしてここの店員さんたちにわたし、小説どころか漫画すら読まないおばはんだと思われてる? 本を読むのは道楽だ。 時間はごっつい取られるが、楽しい愉快な道楽だ。 二次的には、読んで得た知識がおもちゃにも武器にも防具にもなることがあるが、 基本的には面白いから読んでいるのだ。 などと思っていたのだが。 なんだろう。 店員さんからそんな風に思われてるだろうなあと気づいたとき、我胸にこみあげてきた、このなんともいえない愉しい気持ちは。 越後のちりめん問屋の楽隠居を名乗っているときの水戸光圀〜な気分は。 道楽だ、と言いながらも、わりかしあれこれいっぱい本を読んでる自分が、わたし、けっこう自慢、けっこうプライドのよりどころのひとつ、だったみたい…。 |
『ストライク・ザ・ブラッド1 聖者の右腕』 三雲岳斗 電撃文庫 新品購入。 新シリーズ。 舞台は海上に作られた人工島" ただの人間だったのになんかの事情で「伝説の中にしか存在しない世界最強の吸血鬼」第四真祖になってしまった高校生暁古城、そして彼の監視役を命じられた獅子王機関の剣巫姫柊雪菜。 このふたりを軸に、攻魔師を兼業するゴスロリ系教師だの、古城に片思いするプログラミングの天才少女だの、普通の人間の古城の妹だの、普通の人間ぽかったが実は裏があってまだ正体はわからない古城の親友だのが絡む、学園コメディ。 いや、これからの展開が楽しみです。 第一から第三の真祖関係者のこれから出てくるのよね、わくわく♪ |
『忘れられた花園』上下 ケイト・モートン(訳:青木純子) 東京創元社 図書館。 主人公は三人。 オーストラリア人と、幼い頃オーストラリアに来た元イギリス人と、イギリス人。 オーストラリア人はカサンドラ。カサンドラの祖母ネルが、幼い頃オーストラリアに来た元イギリス人。そしてネルの幼い頃の記憶に残る「お話のおばさん」がイギリス人。 訳者あとがきに、この物語から思い出される他の物語があれやこれや書かれていたが、読んでる最中わたしが思いだしたのは。 ドラゴンクエストZ。 同じ場所の現在・過去・未来で、石版を捜したり石版を捜したり石版を捜したりした思い出。 そして、行け行けどんどん、一晩一気してしまったが、最初はすごく魅力的だった「お話のおばさん」イサドラが、大人になるにつれどんどん魅力を失っていくのが不思議だった。悪役として描かれた彼女のいとことその母親のほうがよっぽど吸引力があり印象深い。また、タイトルにもある「花園」がなんかいまいちだった。 他にも、無理くりな部分とか、納得いかない部分もあったが、20世紀初頭のイギリスのとこはかなり面白かったので、邦訳出てる前作も読んでみよう、ケイト・モートン。 |
『獣の奏者V 探求編』 上橋菜穂子 講談社 図書館。 完結編は現在6人待ち。が、堺市の図書館6館に蔵書されてる本なので、もうすぐ順番回ってくる。 ので、感想は完結編読んでから。 |
『シェイクスピア・シークレット』上下 ジェニファー・リー・キャレル(訳:布施由紀子) 角川書店 図書館。 タイトルと美しい装丁に惹かれて、中図書館の開架から拾ってきたのだが。 あはははは、こりゃひでえーーーー。 シェイクスピアの幻の最後の戯曲、そしてシェイクスピアはなぜそれを書いたか、の事情のとこは面白いんだが、それがダン・ブラウンもどきの、追いつ追われつ人がばたばた死につつ、とともに探索されるのだ。 今月の初め、やさぐれたくなる出来事が起こり、逃避がてらオリヴィア・ゴールドスミスの『女優の条件』と『ザ・ベストセラー』を読み返してしまったのだが、『ザ・ベストセラー』に出てきたあの哀れな著作権エージェントを思い出した。 ロマンス作家スーザンのエージェントで恋人のアルフレッド・バイロン。 スーザンしか顧客を持たないことを無意識下で恥じ、スーザンほったらかしにして新しい顧客獲得にあがいた挙句、すべてを失う男。 この哀れな男は、『フィレンツェの一週間』について著者であるカミラに、「セックスシーンが必要だ」と間抜けなアドバイスをするのだ。 カミラはそれを跳ねつけたが、中には言われるがまま書き直してしまう作家もいるんだろうなあ。 そんでこの『シェイクスピア・シークレット』、実はもう少し落ち着きのある作品だったのが、「時代はダン・ブラウン」とエージェントにそそのかされ、こんなわっけない話になっちゃったのかなあ、などと想像してしまった。 著者のキャレル本人が「時代はダン・ブラウン」と自らこんなんにしちゃったのかもしれないけど。 シェイクスピアについてのとこがどれほどちゃんとしてるのかはわたしはよくわかんないんだけど、筋自体はほんっとB級サスペンスで笑えます。 |
『四色の藍』 西條奈加 PHP研究所 新品購入。 2月に『無花果の実のなるころに』が出たばっかなので、次のが出るのはまだまだ先だと思ってたら、ブックスケジューラーにこれがひっかかった。 江戸もの。 亭主が殺されたばかりの藍染屋の後添えが、女ばかり三人の仲間を得て、だんなさんの死の真相を暴くお話。 女四人の造詣&人間模様がすっごいよかった。 そんで真相も気持ちよかった。 |
『眺めのいいヘマ』 ジル・チャーチル(訳:新谷寿美香) 創元推理文庫 図書館。 よくよく思い出してみれば、このジェーンのシリーズ、『ゴミと罰』から『エンドウと平和』まではブックオフで揃え、なので『飛ぶのがフライ』は新刊買いしたのに、『カオスの商人』ではそのこと綺麗に忘れてて図書館に予約してしまい、これまた図書館に予約してしまった。 今回はブライダル。 結婚式のプランニングを頼まれ、うっかり引き受けてしまったジェーンが、親友シェリイとともに最後の仕上げのために式&披露宴会場となる狩猟小屋に行ったら、例の如く死体が出現〜。 プロローグ、プランニングを引き受けたことをジェーンがシェリイにカミングアウトするとこ、ここのふたりの会話からしてもう、愉快で愉快で、いつものように一気読み。 それにしても日本人、キリスト教徒でもないのに牧師さんor神父さんの前で誓いを立てるってのはかなりポピュラーな式になってるのに、 なんでだろうな。 ところで作中では携帯電話がまだ普及していない。 で、本国での出版年を確認したら1999年。 そして訳者あとがきによると、本国ではいま現在このシリーズ、あと五作出ている。 「次回作 Mulch Ado about Nothing は、今回ほどはお待たせしないでお届けできるハズです。どうぞお楽しみに」(訳者あとがきより無断転載) ほんとだな。待ってるぞー。>新谷寿美香様 |
『フラッシュフォワード』 ロバート・J・ソウヤー(訳:内田昌之) ハヤカワSF文庫 図書館。 テッド・チャンが大当たりだったので、ヒューゴー賞受賞作家でまだ読んだことがない作家を捜し、その中で中図書館の開架にある作品がある人を捜したら、ソウヤーのこれがあったので借りてきた。 時は2009年。CERNでヒッグス粒子を発見するための実験が行われる。が、その実験が始まると同時に、世界中の人々がほぼ二分間、21年後の自分の中におり、その二分間から戻ったとき、その二分間の空白のため、さまざまな場所でさまざまな悲惨な事故が起きていた。 2009年なのにまだ録画にビデオテープが使われていたり、マイクロソフトの新しいOSがWindows2009だったりして、「ん? 何年の作品だ?」と思ったら、この邦訳は2001年発売だが、本国アメリカでは1999年発売、そしてわたしが借りてきたのは2001年発売されたときの初版であった。 で、確認して納得して読み進んだら、133頁、 ローマ教皇ベネディクトゥス十六世が、精力的に世界各地を訪問するスケジュールを発表した。カトリック教徒も非カトリック教徒もひとしくミサに招待し、フラッシュフォワードで愛する人を失った人びとを励ます予定だ。フラッシュフォワードが神の奇跡なのかどうかという質問に対しては、教皇は判断を保留した。 うっそおおおおっっっ!!! 1999年ならローマ教皇はまだ先代のヨハネス・パウロ二世だ。亡くなられたのが何年かまでは覚えていないが、わたしがHDDレコーダーを買ったのが2003年。NHKの「探検ロマン世界遺産」で「祈りの響く聖なる地 バチカン市国」が放送されたのはレコーダーを買ったあとだ。HDDレコーダーに録画したこれが今も残っているからだ。NHKの取材チームがこれを取材に行ったとき、ちょうどヨハネス・パウロ二世が亡くなられたのだ。 いまウィキペディア見たら、ヨハネス・パウロ二世が亡くなられたのは2005年でした。「ベネディクト十六世」の項によると、ベネディクト十六世は、ヨハネス・パウロ二世の健康が悪化した頃から実質教皇庁を取り仕切っていて「次期教皇」の最有力候補だったそうで、彼がコンクラーベで選ばれて教皇名を選ぶとしたら「ベネディクト」だろうとソウヤーが見当をつけたのが当たったのか、それともただのまぐれあたりか? で、ここであんまりびっくりして「フラッシュフォワード ソウヤー 教皇」でググって初めて知ったんですが、これ、アメリカで連ドラ化されてたのねー。 "フラッシュフォワード"を体験したのはほぼ人間だけ、手話のできるチンパンジーやゴリラも何か体験したらしいので、ある程度以上の知能を持った生き物だけ、というのはなかなか苦しい説明で、その説明どおりなら白人大好きなイルカやクジラはどうだったのだろう、とかはあったが、ともあれすっごい面白かったので、他のも読もう、ロバート・J・ソウヤー。 ところでわたし、ヨハネス・パウロ二世は大好きだったけど、ベネディクト十六世にはほとんど興味がなかったんだけど。 ここ。 これ読んでから、少しだけ愛がわいてます。 それと、フラッシュフォワードの原因となる実験を計画したふたりの物理学者のひとりロイド。いわゆる「サプライズパーティー」についての彼の考え方に、ものすごく共感した。お誕生日等を忘れたふりをしておいて当日当人をびっくりさせる「サプライズ」、自分がこれされたらあんまり嬉しくないかも…とは思ってたけど、その理由までは考えず、仰々しいお祝いごとにあんまり興味がないせいだと漠然と思ってたんですが、そうか、そういう見方もあるのかー。 ロイドについては、フラッシュフォワードの原因が自分たちの実験であった可能性が大きいことを公表する記者会見での彼の記者あしらい、ほんとに気持ちよかったー。 あと、これに出てくる、大型ハドロン衝突型加速器を過去のものにする電子レンジサイズの いま現在まだ未発見だけど、理論上、重さが200(か300だっけ?)を超える元素が存在すれば、それはものすごく安定しているはずだ、というのをなんかで読んだ覚えがあるけど、トニーが作った元素、原子番号にして何番くらいになるんだろう。 |
『侍ばんぱいあ』 おがきちか 太田出版 新品購入。 新シリーズかと思ったら、1冊完結であった。 江戸時代。 バンパイアの女の血をうっかり舐めてしまったせいでバンパイアになってしまったお侍が、若い娘ばかり襲う辻斬りをやっつけたり、公儀のエクソシストに退治されそうになったり、尼寺の用心棒を頼まれたり、の話。 面白かったよおおおお。 そんで、心地よかったよおおお。 お侍が住む長屋の大家の倅のキャラが秀逸。 最後に描きおろしのエピローグが入ってたのも嬉しかったなあ。 |
『無限の話』 ジョン・D・バロウ(訳:松浦俊輔) 青土社 図書館。 著者はイギリス人の天文学者で物理学者。 数学の無限や宇宙の無限やいろんな「無限」についての四方山話。 各章の中の小見出しごとに有名人の発言や小説やエッセイや俗謡からの引用が記されてるのが楽しい。 そして、本文の中にも、ボルヘスやアーサー・C・クラークやシルヴァーバーグその他いっぱい、いろんな作家の著作について触れてるのが楽しい。 てか、この人、ほんと、腐るくらい本読んでる人だわー。 ロバート・B・ラフリンの『物理学の未来』読んだときも、うわー、こんなにSF読んでる物理学者がいるんだーとびっくりしたが、このバロウさん、それ以上だわー。 ところで、コンピューターの2038年問題について触れてたのはこれだっけ? それとも『フラッシュフォワード』のほうだっけ? 仕事で使ってるパソコンの内蔵電池が切れてるらしく、いっぺん電源落としてコンセントもオフにすると、次に電源入れてもWindowsがすぐ立ち上がらず、BIOS画面で内蔵時計を今日の日付に治してやんないといけないのよ。 その内蔵時計の修正前の時間がいっつも1970年1月1日。 常に1970年1月1日。 なんで1970年1月1日???といぶかしんでいたんですが。 そうか、こーゆー理由だったのかー、と目から鱗ー。 |
『誰も寝てはならぬ』15 サライネス 講談社 新品購入。 平井さんの飛行機怖い、なんで飛んでるのか理解しがたいとこが怖い、ですが、 考えてみれば、あんなでっかい重たいもん浮かせるくらいの空気に常に押さえつけられてるのよね、わたしたち。 だから、低気圧だったり、台風来たり、で空気圧が下がれば、体にかかる圧力も下がって、そのせいで血圧も下ってだるかったり眠かったりするの、当然っちゃ当然の話よねー。 |
『囁く谺』 ミネット・ウォルターズ(訳:成川裕子) 創元推理文庫 図書館。 そーいやミネット・ウォルターズって長いこと読んでないけど、読んでない間にどんくらい出てる?と思ったら、最後に読んだ『蛇の形』より後に出たのは『病める狐』上下巻のみだったが、『蛇の形』より前に出てたこれを読んでないのが判明。 とある新興高級住宅街の屋敷のひとつのガレージで餓死した浮浪者。死後半年経ってから、その浮浪者の身元を調べようとするその家の女主人。社会派のジャーナリストだが、いろいろと問題を抱えた男。男がそれを掘り起こしていくうちに浮かび上がってきた、二つの失踪事件。 推理小説をメモとりながら読むことはないのだが、これはメモりながら読むべきだったと思う。 あるべきピースはあるべき場所にぴたりと納まったらしい感触はあるのだが、感触であって、二つの失踪事件のあっちとこっちが頭の中でごったんごったんに。 主人公のジャーナリストは、最初は「うわ、ヤな奴〜」と思いながら読んだのだが、老弁護士ローレンスが登場し、死んだ浮浪者の仲間の少年を自宅に住ませる羽目になり、さらに抑圧されたゲイの同僚まで引き受ける羽目になったあたりから、なんかこいつらいい感じ〜♪になったんだけど、最後はこれかい。 ローレンス氏が一番ステキだったかなあ。晩年のジョージ・C・スコットのビジュアルで読みました。 |