本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『BILLY BAT』6 浦沢直樹(ストーリー共同制作:長崎尚志) 講談社

新品購入。
バスク人は85パーセントがRhマイナスの血液型で、バスク語もまた系統の不明な独自の言語、というのはこれまでに読んだ本のどれかで知ったけど、フランシスコ・ザビエルがバスク人だったというのを、これで初めて知りました。
ザビエルは日本で亡くなったけど、遺体はゴアに運ばれ、ってのを読んだのは柳広司の『ザビエルの首』か?
後半登場の日系アメリカ人で苗字が「百地」の女の子がこれからどうするのか、次巻が楽しみです。



『なごみクラブ』3 遠藤淑子 竹書房

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元プチヒッキーで、出てきたかと思ったら、次の話にも登場、コンビニでバイトしはじめてて、ところが勤め始めたその日にコンビニ強盗に襲われるも難を逃れる、運が悪いだかいいんだかよくわからない圭太くん、その後も何本かご登場。次巻にも彼の出番はあるのか?
24話の「さびしいと感じたことがない人はいない」という断言は気持ちよかった。
あ、そうだ。しょっぱなの23話に黒猫出てきたんだ。こいつ、不細工なのがナイス♪



『獣の奏者 完結編』 上橋菜穂子 講談社

図書館。
前巻最後でエリンは王獣を軍として訓練する決意をし、エリンの夫で元真王ヨジェの護衛士「堅き盾セ・ザン」であり、護衛士を辞めてからは指物師をしていたイアルは闘蛇軍の闘蛇乗りに。
最終巻はそれから二年後。
王獣の繁殖の謎が解き明かされ、真王国をとりまく国々について語られ、霧の民アーリョ残った人々カレンタ・ロゥについても明らかになる。
真王国の成り立ちについて、そして「霧の民」と「残った人々」の事情について、ちょっとすっきりしすぎというか、これまで読んだ上橋菜穂子の小説では感じたことのなかった違和感を覚えた。
闘蛇の育て方についても、エリン以前にそれについて疑問を持った者がいなかったというのはなあ。
「探求編」でのクリウの語ることに、塩野七生みたいな人だ、と思った。
最終章「エリンの木」で淡々と語られた「その後」は胸にしみた。

ところで最初に読んだ上橋菜穂子の『精霊の守り人』でも著者は「あびこ在住」と書かれ、ここでもやはり「あびこ在住」と書かれている。
車で大阪市内に出るときはときはま線を使うことが多いのだが、あびこはその途中にある。
ひょっとしてそのあたりを歩いていたりしないかな、と、上橋菜穂子を読み始めて以来、そのあたりを通るときはちょっとどきどきする。



『少年陰陽師 さやかの頃にたちかえれ』 結城光流 角川ビーンズ文庫

新品購入。
京都でも、逃亡中の昌浩たちも、やっと反撃の気配。
しかし、これ、どう片をつけるのかね。



『彩雲国物語 紫間の玉座(上)』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫

新品購入。
秀麗の命は風前の灯火。
だというのに、あちこちで笑わせてもらった記憶が…。
瑠花と羽羽の物語には胸が温かくなりました。
瑠花と英姫の漫才には爆笑させてもらいました。
最後の一冊「紫間の玉座(下)は6月30日発売予定です。
この税込価格680円の上巻も、角川ビーンズ文庫にしては分厚めでしたが、下巻は税込価格860円です。
単純計算しても、この1.25倍の厚さか…。



『病める狐』上下 ミネット・ウォルターズ(訳:成川裕子) 創元推理文庫

図書館。
トレーラーハウスで移動する人々「トラヴェラー」。
父と母と弟の四人家族の「トラヴェラー」だが、上流階級の言葉を話し、動物に酷い行いをし、家族に対しても高圧的で残酷な父に、常に不安にさらされているウルフィー。
ウルフィーの父フォックス・イーヴルは知り合いのトラヴェラーたちを誘い、ドーセットの寒村シェンステッドの「誰のものでもない土地」を占拠することによりその土地を我が物にすることを計画する。
裕福な農家の養女として育ち、今は海兵隊員のナンシーは、ある日弁護士の訪問を受け、彼女の母が上記の村シェンステッドに館を構える旧家ロキャー・フォックス家の娘であることを知らされる。
同じくシェンステッドに住む他のごくごく少数の住人たちとロキャー・フォックス家のかかわり、林を占拠したトラヴェラーたちとシェンステッドの住人たち、ロキャー・フォックス家の現当主ジェームズ、そのジェームズの孫であるナンシー、ナンシーを訪ねた弁護士マーク・アンカートン、そしてロキャー・フォックス家の過去。
行け行けどんどん、やめられない、とまらないー。
最後はほんっと気持ちよかったー。



『歌うクジラ』上下 村上龍 講談社

図書館。
すっごい楽しみにしてたんです。上下巻だというので、『半島を出よ』みたいなきっちり組み立てられた重厚な物語を読ませてもらえると思ってたんです。
時代は2100年頃、かな? 舞台は日本。新出島という性犯罪者を閉じ込めるために作られた監獄のような島で生まれ育った「ぼく」、父がデータベース管理者で、父から教えられたため、今では廃れた「敬語」が使える「ぼく」が、父の遺言で「老人施設」にいる「ヨシマツ」という男に足首に埋め込まれたICチップを届けるため、島を脱出しようとするところから、物語は始まる。
なんかもう、突っ込みどころ満載。
というか、もうどっから突っ込んだらいいか、わかんないくらい。
自分で自分を酷い奴だなあと思ったのは、反乱組織の人が惨殺されるとこ。ここでほっとしたこと。
ああ、これで助詞のへんてこりんな話し言葉を、もう読まなくてすむんだ、と。
うーん、これ、いったい、何が書きたかったんだろうな、村上龍。



『おいしい中国 「酸舐苦辣」の大陸』 楊逸ヤン・イー 文藝春秋

図書館。
朝日新聞夕刊に連載されていた「獅子頭」、新聞の連載小説は苦手なので例によって読んでいなかったが、たまにふらっと目に入るとき、なんか美味しそうな料理シーンのことが多く、単行本になったら読もうかな、と思っていた。
この本はたぶん、朝日新聞日曜版読書欄で紹介されていたと思う。
図書館にすぐ予約したが、かなり相当待った。
’64年生まれ、両親がインテリ、しかも母は地主の家の出だったため、文化大革命ではもちろん「下放」されることになる、中国人で中国生まれの著者が、幼い頃の思い出からじゅんぐりに、そのときどきの食べ物の思い出を綴ったもの。
食べるには困らなかったがさほどものが豊かではなかった幼少時代も、そして「下放」された先の北方の田舎村、そこでの困窮生活ですら、申し訳ないが、なんだか豊かで美味しそうだった。
この本は買って手元に置くぞー。

ところで、この本に、豚のすい臓に食用の固体塩基を混ぜて作った石鹸は、見栄えは悪いが、汚れがよく落ちて、手荒れもしないすぐれものだったが、日本のCMで「手に優しい洗剤」と謳われているのは、ほとんどが「植物由来」である、という話が載っていた。(105頁参照)
「植物由来だから安心」、とか、「天然由来成分百パーセントだから安心」、とかって、いま現在の日本に蔓延している迷信だよなー。
ふぐ毒だって、「天然由来成分100パーセント」だもんなあ。
うるしにジギタリスにトリカブトなんかは、「天然由来成分100パーセント」な上に、「植物由来」だもんなあ。

ヘロインやコカインも、「天然由来成分」で「植物由来」だもんなあ。


『ゴールデン・フリース』 ロバート・J・ソウヤー(訳:内田昌之) ハヤカワSF文庫

図書館。
時は未来。人類が光速に近い速度まで加速できる宇宙船を作り出した未来。
舞台は47光年かなたのエータ・ケフェイン星第四惑星コルキスを目指す宇宙船「アルゴ」号内。
「アルゴ」号を管理するコンピュータ「イアソン=わたし」がひそかに一人の乗組員を殺すシーンから物語は始まる。
「わたし」がより多く語るのはアーロン、「わたし」が殺した乗組員、天文学者のダイアナの元夫で、ダイアナの死の真相に疑いをもつ人物。
結末は目新しいものではなかったが、心地よく読める本だった。



『風の王国 春の使者』 毛利志生子 集英社コバルト文庫

新品購入。
3月に出てたのに気づいていなかった。
注文した翌々日に届き、一気読み。
最後に嬉しい驚きあり。
そうか、あれはこれのための伏線だったのか。



『ちはやふる』13 末次由紀 講談社

新品購入。
アニメになるんすねー。

次は巻末おまけ四コマに十分な頁がありますよに。


『騙す骨』 アーロン・エルキンズ(訳:青木久惠) ハヤカワ文庫

新品購入。
こっちは半年前に出てたのに、気づいてなかった。
メキシコ再び。
今回はジュリーの親戚ん家。
そしてやっぱりギデオン・オリヴァーを待ち受ける白骨死体。

これ、
面白かったぞおおおお〜♪

食べたことのないメキシコ料理が多かったので、料理はいまいちイメージしにくかったけど、いやほんま、実に気持ちのいいミステリーでした。



『Landreaall』18 おがきちか 一迅社

新品購入。
レディ・アプローズ、すてき〜♪
スパーホーク(「エレニア記」「タムール記」 デイヴィッド&リー・エディングス ハヤカワFT文庫 の主人公)の愛馬ファランとのラブロマンスが読みたいくらい、すてき〜♪
あの性格悪を尻に敷いてくださいまし、レディ・アプローズ〜♪
恒例かきおろし付録、イオンのじたばたも可愛かったけど、「流浪の将軍と女傭兵の愛と冒険の物語」大好きー。



『おうちがいちばん』6 秋月りす 竹書房

新品購入。
課長のセレブな姑、まだ一度も登場してないけど、強烈だわー。
悪臭の原因は牛乳こぼした跡、というネタにふと思う。人間には二種類いる、こぼした牛乳を拭いて放置した台拭きの匂いを知っている者と幸運にもまだ知らない者と。秋月りすは間違いなく知っている、あのにおいを…。
(しかし、さらに段違いに強烈なのが、日中40度を越える倉庫に半月放置した生卵が割れたときの匂い。わたしが知っている中で最悪の匂い…)



『大奥』7 よしながふみ 白泉社

新品購入。
ついに1巻で馴染みになった連中も登場、1巻最後、吉宗が「没日録」を読み始めたあのときへ。
あのときをついに越え、吉宗の次は家重。半村良の『妖星伝』の時期へ。悪名高い田沼も女だ、わくわく♪



『中間管理職刑事』 秋月りす 竹書房

新品購入。
「OL進化論」で御馴染みの課長と田中くんがアメリカで刑事やってるパラレルもの。
本編には未登場の課長の奥さんのお母さんが一こまだけ登場。
おばさん探偵と勘違い助手も楽しかった〜♪



『彩雲国物語 紫間の玉座 下』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫

新品購入。
30日夜、これをひたすら読んでいた人間、全国何万人くらいいるのかな。
午前1時半過ぎ、読了。
満腹しすぎて、読み終わったあと、しばらくぼんやりしていた。
本当に、なにもかもが本当に、心地よい場所へと収まった、気持ちがよく、気持ちがよく、気持ちがよい、見事な見事な最終巻、完結編であった。
まさか、1巻最後に記されたあの場所へ、ここまで気持ちよくすべてがぴたりと収まるなど、上巻読み終えた時点でも想像していなかった。
帯のQコードから携帯オンリー番外編付録前編も読了。
これも含めた番外編集、二冊くらいは出してくれるのかな。
秀麗の最後の一年も読ませてほしい。
秀麗の娘の話も読ませてほしい。








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