本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『三橋一夫ふしぎ小説集成2 鬼の末裔』 三橋一夫 出版芸術社

図書館。
開架を周遊していて、これの1、2、3が並んでいるのをみつけ、借りてきた。
これまで名前も知らなかった作家。
ちょっと長めの短編からごくごく短い短編まで、十九編入り。
伝奇系だけどあっさり軽めというか、ちょっと素人くさいというか、書くのが好きな人がちょっと手慰みで書いたようなというか、そういうお話が多かった。



『テンプル騎士団の古文書』上下 レイモンド・クーリー(澁谷正子) 早川書房

図書館。
中図書館開架周遊で拾ってきました。
ダン・ブラウンの『ダ=ヴィンチ・コード』の二番煎じもの。
とはいうものの、ニューヨークで暗号機が盗まれたあと、バチカンで枢機卿が古い記録を調べるところなんかは、わくわくしたんだがなあ。
あとは………。
ところで山岸凉子の『ツタンカーメン』によると、ツタンカーメンの墓を発見発掘したことで知られるカーター博士の最大の凄さは、発見したことよりも発見後、発見した状態からの綿密な記録の作成と、細心の注意を払っての運び出し作業、目録作り、にあるらしい。
というのを読んでいたので、映画「ナショナル・トレジャー」で、ニコラス・ケイジ扮する考古学者が、ついに発見した宝の眠る部屋、そこでいきなりそこに残されていた灯り用の油に火をつけたところで唖然とした。
で、この本の主人公の考古学者は考古学者で、テンプル騎士団が古文書を隠した船首を、その古文書早く見たさに
船首の記録とか何もとらずに破壊して中身を取り出したとこでも、やっぱり唖然とした。


『少年陰陽師 願いの証に思い成せ』 結城光流 角川ビーンズ文庫

新品購入。
籠目編続き。
神祓衆たちに、もっくんが見たまんまのもののけの振りをするところ、可愛かった〜♪
これからどうなるんだ?と思って思わずwikiの「中宮定子」の項を読んでしまいました。脩子内親王は未婚ながら当時としてはそこそこ長生きするのかー。



『レディ・シノワズリ』1 波津彬子 小学館

新品購入。
新シリーズ。
舞台はイギリス。時代はたぶん20世紀前半。主人公は有産階級の冷静で賢い少年→冷静で賢い青年。
彼が謎の美女「レディ・シノワズリ」と彼女の行う詐欺、時には金持ちから金を巻き上げ、時には老紳士が対面を保つのを助け、時には身寄りのない少女が財産を騙しとられそうになるのを救い、に遭遇したり遭遇したり遭遇したりする話。



『チャンネルはそのまま!』4 佐々木倫子 小学館

新品購入。
座礁した外国船籍の船から雪丸がコメントゲットするとこ、気持ちよかったわあ。

巻末付録「制作裏話」の「25話 マスターの伝統」、橘くんの妄想へのつっこみが愉快であった。そーいやテロリストの声明ビデオとかニュースで見て、こいつらもやっぱ、映る前に衣装気にしたり、鏡で顔チェックしたり、撮り終えたあとで「今のどだった?」とか言ってたり、テレビで放送されるのを見て「おれ、ぶっ細工に映ってるー」とか「やっぱあっちの衣装にしたほうがよかった」とか思ったり「お前、かっこよかったでー」「いや、お前もうまいこと喋っとったなー」とか言い合ってたりすんのかな、と思ったことあるわー。


『ここではない☆どこか2 春の小川』 萩尾望都 小学館

新品購入。
3月に出ていたのであった。ぜんぜん気づいていなかった。
今月始まる宮藤官九郎脚本ドラマ「11人もいる!」のタイトルだけでのたうちまわり、ひさびさに『11人いる』を読み返そうとしたら、なんとっ、驚いたことにうちには『11人いる』がなかったのであった。
びっくりしたわー。
で、買おうとしたら、単行本やら文庫やら全集やらで山ほど出てて、途方に暮れてる最中にこれを発見、発見。



『菜食主義者』 ハン・ガン(訳:きむふな) クオン

図書館。
例によって、朝日新聞日曜版読書欄で紹介されてるのを読み、予約したもの。
上記コミックス三冊は、別々に注文したのに同じ日にどかんと届き、三冊一気読みしたら読むのがやめられなくなり、図書館で順番回ってきたばっかだったこの本に突入。
したら、やめられない、とまらないー。
辛気臭い話なのになぜか、やめられない、とまらないー。
ごくごく普通の女性がある日突然、動物系たんぱく質な食べ物を一切食べなくなる。
表題作「菜食主義者」では彼女の夫が、「蒙古斑」では彼女の姉の夫が、「木の花火」では彼女の姉が、彼女について、そして自分について、語る。
ところで「蒙古斑」で彼女は姉の夫に誘われて一緒にアイスクリームを食べる。「菜食主義者」の記述では確か牛乳も卵も受け付けなかったはずなのだが、アイスクリームって牛乳とか卵とか使ってるよな、普通。



『脳ミソを哲学する』 筒井康隆 講談社

図書館。
開架で発見。
これ読んだ覚えがないわーと開いてみたら、断筆中の対談集であった。
対談相手は、村上陽一郎(科学哲学者)、養老孟司(解剖学者)、中村桂子(生命誌研究館副館長)、日高敏隆(動物行動学者)、森毅(数学者)、根本順吉(気象学者)、軽部征夫(生物工学者)、佐藤文隆(理論物理学者)、奥谷喬司(イカ学者)、立花隆(評論家)。
『バカの壁』の養老孟司が解剖学者だったというのをこれで初めて知った。
どの先生もなんかすごく気楽に話してて、すごく愉しい本だった。
中でも日高敏隆さんの、ちょうちょの通り道とか、すりつぶす化学者とか、余談部分とか、すごい面白かった。この中でふたりが言語について触れてるとこで、先月読んだ『みんなが手話で話した島』によると手話はジェスチャーというより言語的なものだという記述があり、しかも島の聾唖の人たちは英語の読み書きもできたそうで、いったい何がどうして人間は言葉を覚えるのだろう、簡単な日常で使う言葉だけでなく、いろんな抽象的な概念を表す語をどうやって理解するに至るのだろう、そしてわたしは日本語で考えるが、この島のそういった人は英語で考えるのか、それとも手話で考えるのか、と不思議に思ったばかりだったので、「あっ」と思った。
この中で筒井康隆が何度か、ヴァン・ヴォークトの『宇宙船ヴィーグル号の冒険』について触れているのだが、わたし、たぶん読んでないわ、これ。



『デーモン聖典サクリード』全11巻 樹なつみ 白泉社
『お伽もよう綾にしき』全5巻 ひかわきょうこ 白泉社
『お伽もよう綾にしき ふたたび』全2巻 ひかわきょうこ 白泉社

RP祐子蔵書。
例によってサイテーカラオケ持込本。
カラオケの最中に『デーモン聖典』1〜10巻途中まで読み、借りて帰って続き&ひかわきょうこを一気。


『犯罪』 フェルディナント・フォン・シーラッハ(訳:酒寄進一) 東京創元社

図書館。
朝日新聞の書評欄で見てすぐ予約かけて、数ヶ月待ち。
刑事事件弁護士である「わたし」が遭遇したさまざまな事件を記したという体裁の短編集。
数ヶ月待ってる間にノンフィクションだったかフィクションだったかも忘れており、最初の「フェーナー氏」を読み終えたところで、慌てて確認した。


むっちゃくちゃ

面白かったーっっっ!!!


抑制の効いたものしずかな文章で語られる、殺人、空き巣、正当防衛、器物損壊、強盗等を犯した人々の、さまざまな、そして奇妙な味わいの物語の数々。


『迷子石』 梶よう子 講談社

図書館。
朝日新聞の広告欄で最新刊『柿のへた 御薬園同心水上草介』の広告を見て、ちょっと読みたいなと思ったが図書館にまだ入ってなかったので、既刊の中からとりあえずこれを借りてきた。
富山藩に仕える見習い医師孝之助が主人公。
現在江戸詰めで、医者としての技量は決して悪くないらしいのだが、直接患者を診るのは下手で、藩士用の長屋にほぼ引きこもり状態。絵を描くのが好きで、知り合いの薬売りに頼まれて、薬のおまけの版画の元絵なんかも描いている。
その孝之助が、お家騒動に巻き込まれる話と、地元で近所に住んでた女性と江戸で再会する話と、幼なじみが殺人犯になった話と、孝之助の更正の話がごたまぜに進み、なんかいらいらじりじりさせられた。



『数学の魔法の宝箱』 イアン・スチュアート(訳:水谷淳) ソフトバンク

図書館。
数学パズルや、数学者のエピソードや、数学ギャグが、一緒くたに詰まった本。
最初からきちんと読もうとして挫折しかけたが、諦めてあちこち拾い読みしだしたらあちこちすっごく愉しかった本。

ところで関ジャニ∞の五大ドームツアー、わたしとなつよちゃんとかおりちゃんと桂子さんの四人、京セラドーム分をありったけの名義使っててんでばらばら申し込みしたところ、29日が二枚不足しているだけで、追加公演分まで人数分揃ってるんですが、余った分を売り飛ばした利益とかも入れると清算がややこしすぎて、考えただけでも混乱します。
いやもう、ジャニオタには算数要るわー。必須やわー。



『いまファンタジーにできること』 アーシュラ・K・ル=グウィン(訳:谷垣暁美) 河出書房新社

図書館。
ファンタジーをテーマにしたル=グウィンの講演やスピーチをまとめたもの。
世間の「ファンタジー」に対する先入観に、ル=グウィンがあれやこれやもどかしく思う気持ちに、だいぶ前に読んだトールキンのエッセイを思い出した。
あれは映画「ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛」のCMだったか、試写会でこれを見た女の子が「これはただのファンタジーじゃない」というのにものすごくカっチーンときた記憶があるが(ここ参照。ひさびさに読み直したが、こりゃ、カッチーンどころじゃねえな)、「ファンタジー」というジャンルへの偏見は、ハリポタ大ブレイクを経た今ですら、トールキンの頃となんら変わっちゃいねえのかも。てか、ハリポタは大ブレイクしたから読んだけど、そのほかのファンタジーは読んでないとか、ブレイク以後に雨後の筍のごとく発売された中のハズレを何冊か読んで放り出した人も多かろうとは思う。

そーいや、マキャフリーのパーンの竜騎士シリーズ読まず嫌いが多いらしいのが不思議だったんだが、そうか、竜が出てきてそれに人が騎乗するらしい、つうだけで、歴史好きだと公言するおっさんが邪馬台国をまず持ち出したときのわたしみたいに、「ダメだ、こりゃ」という気持ちになる人ってのがいたのかあ。


『涼宮ハルヒの憂鬱』 谷川流 角川スニーカー文庫

図書館。
美少女だが芯の通ったはぐれもの、涼宮ハルヒ。エイリアンや超能力者、未来から時間旅行者等に遭遇したいと心の底から望み、周囲の迷惑かえりみず探しまくりながら、そんな面白いものが現実に存在するはずがないと思い込んでいる彼女と、高校で同じクラスになってしまったことから彼女および彼女を取り巻くある状況に巻き込まれることになった語り手「僕」。
これにちょっと似た妄想、わたしも持ってる。実は私は一度眠ると30年と1日眠り続けてから目を覚ますのだ。自分にとっては単に翌日だが、そういうわけで実は30年過ぎているのだが、わたしの目覚めの一日は秘仏の数十年に一度の公開みたいなもんで、わたしがそのことに気づかないように、前日からの齟齬がないように、家族や友達や状況も完全に整えられている。そして眠っている間はモニタされており、夜中に目が覚めそうなときは数ヶ月前くらいから脳波に変化が起こるので、そういったイレギュラーにも備えられている、そーゆー妄想。

ハルヒの変人っぷりは、ちょっとパワーが足りないように感じられたが、この話を次はどう動かすのか、興味があるので、続きも読もう。


『OL進化論』32 秋月りす 講談社

新品購入。
「35歳で独身で」はそのうち「40歳で独身で」になるのだろうかと思っていたら、「管理職1年生」が始まっていた。
なんか「戦国鍋」が「ウルトラゾーン」と「戦国男子」の二系統に分かれたのに似てる。



『私はシャドウ』4〜6 粕谷紀子 集英社文庫

新品購入。
先月出てたのねー。
ドラマ化ってすごいわねー。
ドラマ観てますが、ドラマのフミくんはこっちのフミくんより断然いい奴っぽいので、どうなるのかわくわく。
それにしてもドラマ、素の芹菜のときの顔、あれどうやって作ってんだろ。メイクさん、すげー。






INDEX書庫