本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!/壊れもの注意!』 冲方丁 角川スニーカー文庫

図書館。
ミリオポリスにロシアの人工衛星が落ち、テロリスト集団がそれを狙う。目的は衛星の動力源であった原子炉を利用して核爆弾を作りそれをミリオポリスで使うこと。
涼月は原子炉回収に派遣されたロシアの軍人のもとに出張させられ、陽炎はミハイル中隊長に同行、夕霧はPR業務へと、ばらばらにされた「?(犬×3)ケルベルス」。
最初、ちょっと読んでは休み、していたが、追うのが原子炉で、それが複数のテロリスト集団によってリレー式に運ばれるとわかったあたりから行け行けどんどん。
最後に出てきた飛ぶ特甲三人組がテスタメントかスプライトの別シュピーゲルの主要キャラ?
ユーリーとその配下の男たちの造形が凄かった。
女性だけの技術集団<タフタ>、登場シーンはほんの1頁だったけど、印象強烈、また出てくるかな。



『幻想郵便局』 堀川アサコ 講談社

図書館。
朝日新聞日曜日読書欄の広告見て、図書館に予約した。
卒業間際になってもなかなか就職が決まらなかった田舎町暮らしの「わたし」が、履歴書の特技欄に「探し物」と書いたところ、山の上にあるけったいな郵便局に採用されるが、けったいなだけあってその郵便局、実はあの世の出張所…。
サイテー男どもに輪姦されそうになるシーンもあったが、そのサイテー男どもはきっちりシメられてたし、そのへん以外は牧歌的な雰囲気がほぼ全編に漂う、感じのよいお話であった。
一番好きなのは、タマエ大奥様の息子の嫁の美穂子さんが「へへへ…」と笑うとこ。(72頁)



『文明を変えた植物たち コロンブスが遺した種子』 酒井伸雄 NHK出版

図書館。
朝日新聞日曜日読書欄に載ってて、図書館に予約した。
じゃがいも、ゴム、チョコレート、トウガラシ、タバコ、トウモロコシ。
それらがコロンブスのアメリカ発見以後、どのようにヨーロッパに伝わり、さらに他の地域へ広がっていき、どのように利用され、それらのためにどのような変化が起きたか、が、それぞれについて物語られる。


すんげー面白かったっ!

タイヤが黒い理由なんか、いままで考えたことなかったわー。
トウガラシが中南米原産で、コロンブス以前にはその他の地域にはなかったってのも知らんかったわー。
とうもろこしは米や小麦と違ってたんぱく質の含有量が少ないため、それだけ喰ってたらカロリーは足りててもたんぱく質が不足して生きていけないってのも知らなかったわー。
ヨーロッパ人が日常的に新鮮な肉にありつけるようになったのはイモやとうもろこしの栽培が広まってからなので、日本に「開国してください」しにきたときは日常的に新鮮な肉にありつきだしたばかりの頃だったってのも知らなかったわー。
文章はやわすぎず硬すぎず、上記の植物にまつわるさまざまなことが簡潔に語られて、すっごく愉しい本だった。
著者は明治製菓食料開発研究所室長から食料生産部長を経て愛媛明治の社長さんになった人だそうだ。

「とうもろこし」の章の「巧妙な三種作物の組み合わせ栽培」によると、紀元前1000年頃、アメリカ大陸では、トウモロコシを軸にしてインゲンマメとカボチャの三種を組み合わせて栽培する方法を確立されていたらしい。この三種は混ぜ植えしても互いに競合しないどころか助け合う利点まである上、栄養学的にも優れた組み合わせなのだそうだ。
そういや、トルティーヤに豆のディップを塗って具を巻くって食べ方、愛読している「カリフォルニアのばあさんブログ」で読んだばっかだわ。
そういえば『農場の少年』にも混ぜ植えが載ってたなあと思ったら、こっちはカラス麦とカナダエンドウだった。これもなにか利点があったんだろうか?

実家の裏に、父ちゃんがときどきやる気が出たときになんやかや植えてる猫の額ほどのスペースがある。あそこで今年の春、やってみようかしら、トウモロコシとインゲンマメとカボチャの混ぜ植え。


『サイハテの聖衣シュラウド』 三雲岳斗 電撃文庫

新品購入。
1巻とか書いてなくて、サブタイトルもないけど、単発ってことはないと思うので、新シリーズでいいのか?
近未来、日本各地は「禍憑妃マガツヒ」(破局粒子DCPを撒き散らすさまざまなモンスターの総称)の棲息圏となっており、その圏域をそれ以上広げないため、棲息圏まわりは民間軍事会社の前線基地が作られ、獣装巫兵たちが禍憑妃と戦っている。
獣装巫兵とは、聖衣を仲立ちとして、禍憑妃の細胞から取り出して封印した魔力を借り受ける力をもった少女たち。
そんな前線基地のひとつ、本州最西端の赤間関要塞。たとえるなら、くそ田舎の国境警備隊みたいな、最果て要塞。
そこに赴任中の四人の巫兵たちの、おんぼろ女子寮暮らしみたいな日常を描いたお話。
三雲岳斗の小説には「でたらめなくらい端正な容姿」の少女や女性がちょくちょく登場するが、これでは元・伊吹山攻防戦の英雄、今はそののらくらぶりといい加減さで仲間の手を焼かせる紗々羅がそれ。
そおいや、流星@7WESTの容姿も、「でたらめなくらい」レベルだよなあ。なのに中身は別の意味で「デタラメ」だもんなあ。ふつー、あれだけの容姿なら、中身も容姿に引っ張られてそれなりにしゅっとするよなー。ったく、三雲のキャラの男版みたいな奴だよな。他にも、賢く美しいのにキレたら怖い淳太さまとか、あれだけの男前なのにしょーもないこと言いの薫太とか、ミステリアス文ちゃんとか、関Jr.の連中のキャラ立ちっぷりって、そういや三雲っぽいよなあ。濱ちゃんなんかは、温厚で戦闘で無茶もしでかさないけど、天然なボケっぷりでしばしば仲間を脱力させるのね………。
あかんーっ! 思わず妄想に突入しかけた、あかんーーーっっっ!!!


『東京ロンダリング』 原田ひ香 集英社

図書館。
これまた朝日新聞日曜日読書欄で見て予約。
浮気がばれて離婚され、実家にも帰れず、住むとこ探して、人が死んだ部屋に日当5000円で一ヶ月くらい暮らす仕事にありついた女性りさ子。(人が死んだ部屋は、次の入居者にその旨を伝える義務があるが、それを納得づくで入居する人があれば、そのまた次の入居者へは告知しなくてもよいため、なのだそうだ)
この仕事を始めて三年、ぼんやりと引きこもりに近い生活をしている彼女が、仕事で住むことになったおんぼろアパートの大家さんや彼女が懇意にしている定食屋の息子と知り合ったことから、ちょっとよいほうへと変わっていく話。
この仕事を始める前のりさ子の生活や夫だった人というのが書き割りみたいで現実味に乏しかったが、りさ子に仕事を斡旋する不動産屋の相馬、相馬のところで働くまあちゃん、りさ子と同じ仕事を二十年くらい続けている菅等も感じがよく、心地よくするすると読んだ。
ロンダリングといえば、ブラウザの画面からWORDやテキストエディタやいまこれ書いてるのに使ってるホームページビルダーにコピペするとき、そのままペーストすると、書式もそのままくっついてくることがある。ので、ブラウザにつけているGoogleのツールバーの検索窓にいったん貼り付け(昔はメモ帳開いて貼り付けていた)、それをコピー&ペーストすると、くっついていた書式がはがれる。わたしはこれをテキスト・ロンダリングと呼んでいる。



『まちがいだらけのハネムーン』 コニス・リトル(訳:三橋智子) 創元推理文庫

図書館。
中図書館の開架で拾ってきた。
第二次世界大戦中のアメリカ。看護婦のミリエルが出会って一週間の休暇中の中尉さんと役所に届け出るだけの結婚をするところから話は始まる。
ヴァイオレットはたぶん本物のヴァイオレットじゃないんだろうなあとかなり早い時点で思ったが、その点に登場人物誰もなかなか気づかず、種明かしは結局クライマックスになってから。
で、苛々しながら猛ダッシュ読み〜。



『ヒア・カムズ・ザ・サン』 有川浩 新潮社

有川浩はいつもどおり映美ちゃん蔵書、いつもどおりお借りして読みました。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」と「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」の二編入り。
どちらも主人公は古川真也、もうすぐ30歳、出版社の文芸雑誌編集部の編集者で、そして触っただけで触ったものの過去が見えるサイコメトラー。
ヒロインもどちらも真也の同僚の大場カオル。
そしてどちらも「父帰る」、カオルが小さい頃アメリカにわたった脚本家の父が日本に帰ってくる話。
なのに、まったく別の物語。
冒頭の説明によると、ほんの七行のあらすじを元に、このふたつの別々の物語が生まれたらしい。
で、この元の七行のあらすじの出所は、ググってみたところ、劇団キャラメルボックスってとこの公演ちらしに載ってたものらしい。

「ヒア・カムズ・ザ・サン」のほうは安心して読めた。「Parallel」のほうは、みんなが落伍者だと思ってるこの父親が実はほんとにハリウッドで成功してたりする、虚構として気持ちいいほうに向かうかな、と思いながら読んだが向かわないままで、でもその割にはいたたまれなさ度はましだった。


『むかしのはなし』 三浦しをん 幻冬舎

図書館。
昔話に題材をとったらしいが元の話はほぼ形を残していない短編集。
「ラブレス」(かぐや姫)、「ロケットの思い出」(花咲か爺)、「ディスタンス」(天女の羽衣)、「入江は緑」(浦島太郎)、「たどりつくまで」(鉢かつぎ)、「花」(猿婿入り)、「懐かしき川べりの町の物語せよ」(桃太郎)の七編入り。
ホストが破滅する「ラブレス」、空き巣と愛犬の思い出の「ロケットの思い出」、幼女性愛者の叔父に恋をする少女の「ディスタンス」まではそれぞれ独立した話だったが、「入江は緑」以降はいきなり連作となり、最後の「懐かしき」の登場人物が「ラブレス」につながっていた。
「花」の女性と「懐かしき」のモモちゃんがキャラとしてはものすごく心に残った。



『ハーモニー』 伊藤計劃 早川書房

図書館。
『虐殺器官』結末が引き起こした<大災禍ザ・メイルストロム>から五、六十年後の世界が舞台。<大災禍>以降、<生府>という医療経済を軸にした政治形態によって一部地域を除く各地が自治されている。その自治形態が目指すものは、構成員すべての健康と長寿。人はWatchMeという体内監視システムを埋め込まれ、WatchMeは分子レベルでその人の健康状態を監視している。
そんな社会に違和感を覚える三人の少女。トァンとミァハとキアン。そのひとり、成人して螺旋監察官となったトァンが語り手。
トァンの少女時代の回想と現在のトァンの話が交互に語られるあたりは、かなりもう、「うーん、これ、もういいかー」などとだらけた気持ちで読んでたのが。
よくそこで放り出さなかったと思う。
健康という価値観に支配された世界で、何千人もが一斉に自殺を図る事件が起き、その事件を調査することになったトァンは、独自のルートで次第に事件の芯へと近づいていく。
凄い凄いSFでした。
凄い凄い物語でした。
やがて世界が迎える、恐るべきカタストロフ。
そのゼロ地点の情景の静けさ。
なんという静けさ。


『まほろば駅前多田便利軒』 三浦しをん 文藝春秋

図書館。
前に一度読みかけて勢いでないうちに返却日が来てそのまんまにしてたのだが、開架にいるのをみつけてまた借りてきて、やっと最後まで読んだ。
東京と神奈川の県境のまほろ市で便利屋を営む多田が高校時代の同級生行天とでくわし、転がりこまれ、行天に便利屋を手伝わせることになる。
一番チェックに向かない盆と正月に限って、いきなり多田にバスの運行チェックをさせるじいさん、好き。



『猫舌男爵』 皆川博子 講談社

図書館。
皆川博子はこれまでにたぶん一冊しか読んでない。遺伝子改良された蚕から取った絹糸で織った絹地が着た人に劇症アレルギー起こさせる話だった。絹ってそういや動物性だったんだーと思った。
これは開架で出くわしてタイトルと表紙の絵に惹かれて開いてみたらなんか好みな感じの話っぽかったので借りてみた。
「水葬楽」「猫舌男爵」「睡蓮」「太陽馬」の四編入り。
わたしが好きなたちのけったいな話ばっかりで、すんごい愉しかった。



『忠臣蔵殺人事件』 皆川博子 徳間書店

図書館。
『猫舌男爵』と一緒に借りた。
これはつまんなかったー。
桑田が撮ろうとしていたドラマはちょっと観てみたいと思った。



『最後の願い』 光原百合 光文社

図書館。
連作ミステリ。
劇団を立ち上げようとしている度会という俳優が探偵役。「花をちぎれないほど…」で脚本家、「彼女の求めるものは…」で制作、「最後の言葉は…」で舞台美術、「風船が割れとき…」で俳優、「写真に写ったものは…」で稽古場提供者、「彼が求めたものは…」で俳優、をゲットしつつ、彼らの周囲の小さな謎を解いていく。
謎とまでいかない話もあったが、面白かった〜♪♪♪
最後の「…そして、開幕」も、それまで集められた仲間が全部出てきて、すごい楽しかった。



『おかしな本棚』 クラフト・エヴィング商會 朝日新聞出版

図書館。
ほとんど眺めただけで、合間のエッセイ部分、三分の一くらいしか読んでないけど、ま、いいや、書いとけー。
蔵書から何冊かピックアップした本を並べた背表紙写真がひたすら続き、合間にちょこちょこっとそれらの本についての文章が挟まる本。
うちにある本はほんの数冊くらいだったけど、うちにはないけど読んだことのある本はもうちょっとあって、うちにないし読んだかどうかわからないけどたぶん読んでない気がするけど図書館で背表紙にはちょくちょくお目にかかっている本もいくらか。
とか思いながらつらつら眺めていると、思わぬ時間の経ってしまう本。

この人、いつかはついに読んでしまうのかな、『二年間の休暇』。この本で最初に思い出すのは、登場人物でもエピソードでもなく、話の中に出てきた海ガメのスープとブランデーに漬け込んだプリン。


『昭和元禄落語心中』1、2 雲田はるこ 講談社

新品購入。
「村上信五の週刊関ジャニ通信」(ABCラジオ)の「漫画恋愛講座」コーナーで紹介されてて、面白そうだったので、つい購入。
昭和最後の名人と名高い落語家八雲。弟子をとらないので有名な八雲のもとに押しかけ弟子入りした刑務所出たての与太郎。父亡きあと八雲に引き取られ、今も八雲の家に住まいながら、八雲に恨みを抱く小夏。そして小夏の亡き父、やはり落語家だった助六。


人間でも、陰気な人と陽気な人とあります。
芸人なんかとくにこの、陽気なほうが得ですわな。
出てきただけでぱあーっと明るいというような感じの人。
近世で名人といわれました、黒門町の師匠はんとかわたしらはいいますがな、桂文楽という方は、けしてそんな派手なむちゃくちゃな芸やない、もう正統派、かっちりとした芸でしたけど、もう陽気なお方で、座敷なんかでもあの師匠が入ってくるとぱあーっと座が陽気になりました。陽の人、でしたな。
先代の林家染丸という方、まだご記憶の方もおまっしゃろけど、嬉してしゃあないっていうような顔で舞台でてきまんのやさかいな。なんともいえん顔、もう顔くずせるだけくずしてな。あれがおかしいんでっせ、出るまぎわまで弟子つかまえて怒ってることもあんのや、「いかんやないかっおまえはもうっ、あんじょうしときっ、たっ、たっ」、それがこっち向いたとたんにあの顔になる。ようあないも変われるなあ思うてたんですが。
先代の桂春団治、いまの三代目のお父さん、二代目の春団治さんなんてのは、こらもう陽でしたな。
でぶーっと肥えてね、にこにこしてはって、にたーっと笑うともうそれだけで嬉しなったような気がいたしまして。
あの人がばあーっと派手に噺をやってるっちゅうと、もうお客のほうもそんな気になってしまいましてな。このまままっすぐ帰ったんじゃ申し訳ない、てな気になって、な、どっかで一杯寄ろか、てなもんでな。ミナミの法善寺の花月なんか出てくると、飲み屋やら遊ぶとこいっぱい並んでまっさかいね。どっかでやって帰ろやなっ、てな雰囲気になってしまう。
わたしの師匠の米團治なんて人は、噺はうまかったけど陰の人でしたさかいにね。これがなんか人情がかった噺をじっくりしめてしとしとと語ったりしてるっていうと、そや、いっぺんお墓参りに行かなならん、てな気に。
えらい違いでございますさかいにね。
   (CD「特選!米朝落語全集第32集」収録「所帯念仏」より無断聞き起こし)

陰の八雲、陽の助六というわかりやすい対比に、米朝さんの「所帯念仏」のここんとこが浮かんだ。
八雲の人情噺とかじっくり聴かされたりするとやっぱ、そや、いっぺんお墓参りに行かなならん、てな気になるのかな?
15、6歳の小娘ならともかく、もういい年の小夏が、八雲への恨みを抱えながら、八雲ん家で鬱々し続けてるのがうっとうしかった。
落語がそないに好きで話したいんやったら、八雲がなんといおうと、女は真打になれなかろうと、やったらええやんけ。
二巻途中から八雲と助六の若かりし日が描かれだすが、なんかあれこれ想定内。
で、なんか期待はずれっしたー。
それにしても、なんで八雲、これまで弟子とらなかったんだろう?
桂南光(だったっけ?) 
「弟子とるいうんはそらもう無料奉仕みたいなもんでっせ。飯は食わせなならん、噺は教えなならん。そやけどわたしらも師匠にそないして育ててもろたし、まわりもんですわ」(出典不明)
この先、この理由も納得できる形で明らかになるのか? 
あじゃらかもくれんぴーなっつてけれっつのぱ、ぽんぽん。
ところで八雲さん、刑務所で聞かせるなら、「死神」より「江島屋」のほうが面白かったと思います。


『誰も寝てはならぬ』17 サライネス 講談社

新品購入。
完結巻。
そういえば『大阪豆ごはん』も、まったりまったり続いてたのが、最後にちらほら変化の兆しを見せて終わったなあとしみじみ。
次は何書くのかな?
舞台は大阪に帰ってくるのかな?



『フェニモア先生、人形を診る』 ロビン・ハサウェイ(訳:坂口玲子) ハヤカワ文庫
『フェニモア先生、墓を掘る』 ロビン・ハサウェイ(訳:坂口玲子) ハヤカワ文庫

図書館。
開架で拾ってきた。
探偵は、開業医のフェニモア先生40歳。副業で探偵みたいなこともやってる独身(恋人あり。25歳の美しい古書業者)のこの先生が、
第一作「人形を診る」では、死んだ猫を埋める場所を探していた男の子と出くわし、世間一般に「インディアン墓地」と認識されている空き地で、若い女性の死体を発見する。
で、こっちはミステリとしても面白かったし、あれこれ愉快だったんですが、第二作「墓を掘る」のほうは、二作目だというのに地元からかなり離れた場所で起きる連続殺人事件で、フェニモア先生は探偵としてとても無能で、しかもキャラがよれていた。
第三作もあるみたいなんだけど、どうしよおおお。



『舟を編む』 三浦しをん 光文社

映美ちゃん蔵書。
図書館そのうち予約しようと思ってたら、いきなり映美ちゃんが三浦しをん読み出してて、いきなりこれを買っていました、激ラッキ〜♪
辞書を作る話。
「広辞苑」とか「大辞林」みたいな分厚い辞書を作る話。
前半は、出版社の営業にいた馬締が辞書編集部の荒木に目をつけられて異動、天職にありついたり、下宿の大家さんの孫に恋をしたりする話。
そして半分くらいのところでいきなり13年が経過、辞書が刊行されるまでのラストスパート編。
かぐらさんが13年後、馬締の奥さんになってたのは、嬉しかったなあ。
ソケブー大百科のエピソードも気持ちよかったなあ。
辞書のあれこれも面白かったなあ。
うちにある辞書は、いま数えたら11冊。
だが、買いたくて買ったのは「ワープロパソコン漢字辞典」だけで、あとは学校で買わされたり買わされたり買わされたりしたものを、なんとなーく残してあるだけ。あ、おかんが学生時代に学校で買わされたと思われる辞書も一冊あるわ。新生閣とやらの「明解新辞典」、最初のほうのページが失くなってて、「いしょ(遺書)」から始まってるわ、ゲン悪うー。
ところで去年の「江」は第一話でギブしましたが、今年の「平清盛」は観ています。観ているどころか、「篤姫」以来の保存決定ー。三上博史の鳥羽天皇がむっちゃ怖いです。二話で崩御された白河院もむっちゃ怖かったです。いまはまだ幼い崇徳天皇ですが、これが数十年後、讃岐に流され、恐ろしい呪詛の言葉を撒き散らして亡くなるのかと思うと、今からわくわくです。
しかし、天皇家ってのは変な家だよなあ。何度も危機があったけど、そのたびその危機回避にちょうどいいのがひょこっと現れて、どうにかしちまうんだよなあ。
で、「平清盛」を観ているわけですが、藤木直人がやってる「佐藤義清」、なんかこの名前見覚えあるわ、誰だっけ?と調べたら、あはは、西行法師の出家前かー。調べないと思い出さなかったことより、見覚えあると思った自分を褒めてあげたい。
などと思って、これまた大学の講義のテキストとして買わさせられたのをそのままなんとなく残してあった「山家集・金塊和歌集」を超ひさしぶりに開いて、きったない字の書き込みなんか眺めてたりしてたとこでこの本を読み始めたら、これに「西行」ネタが出てきた。
シンクロニシティ数珠繋ぎ♪





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