本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『少年陰陽師 朝の雪と降りつもれ』 結城光流 角川ビーンズ文庫

新品購入。
籠目編完結。
兄弟同時に呪いを返すとこだけは気持ちよかったが、なんかあれこれごたごたとした完結編であった。



『噺家侍 円朝捕物咄』 浦山明俊 翔伝社文庫

図書館。
堺市の図書館で予約できるのは15冊まで。
長期戦のが少しづつ貯まってきて、メインでお世話になってる中図書館以外からのお取り寄せに使える空きはいま3冊分くらい。
なので、中図書館所蔵の冲方丁のオイレンシュピーゲルシリーズ、予約せずに返却待ちをしている。
で、返ってるかなーと、日本人作家文庫コーナーの「う」のとこ探してて、これ発見。ぜんぜん知らない作家だったが、あらすじ読んだら面白そうだったので借りてみた。
時は文久三年(1863年)、西條奈加の『恋細工』&『涅槃の雪』でお馴染みになった天保の改革から20年数年後くらい。
主人公は、三遊亭円朝(初代)、24歳、職業:噺家。
名人と名高い彼が、実は腕も立ったという設定で、その頃江戸を騒がせる夜盗と戦ったり、苦労する唖の若い女性を助けたり、する話。
いや、痛快っした〜♪♪♪
結末もすんげえ気持ちよかった〜♪♪♪
これ、二時間くらいの単発のスペシャルドラマにならないかなあ。
しかし、落語するシーンがあるんだよなあ。「真景累ヶ淵」と「文七元結」。
おまけに立ち回りもあるんだよなあ。
そんで、ドラマにするなら、やっぱ時代劇のお約束的「若者」でなく、ほんとに二十代の俳優にやって欲しいよなあ。
うーん、うーん…。
ところで「文七元結」はまだ聴いたことないが、「真景累ヶ淵」は図書館にあったCD「(落語・講談)怪談ばなし」で「宗悦殺し」と「豊志賀の死」だけ聴いた。七代目一龍斎貞山っていう講談師のなんだけど、これ、あんまり面白くなかった。

で、これが面白かったので、『陰陽師・石田千尋の事件簿 鬼が哭く』を読んでみたのだが…。
主人公の陰陽師とその秘書が着てたり持ってたりするブリーフケースやらスーツやらのメーカー名を一々書いてあるのに、しかもちょくちょくアルファベットで書いてあるのに辟易しつつも読み進めてみたが、悠太をむざむざ死なせたとこでついに放棄。



『銀の犬』 光原百合 角川春樹事務所

図書館。
ファンタジー。
ケルトの伝説に題材をとった、声無き祓いの楽人バルドオシアンとその相棒ブランを主人公とする連作中編集。
「声なき楽人」「恋を歌うもの」「水底の街」「銀の犬」「三つの星」の五編入り。
いまんとこ一冊もハズレがない光原百合ですが、これで連勝記録をまたひとつ伸ばしました。
ケルト神話に初めて接したのは、わたしは山岸凉子の「妖精王」だったわー。巻末の参考文献一覧、これのほか、わたしは読んでないけど、中山星香の「妖精国の騎士」とあしべゆうほの「クリスタル☆ドラゴン」もあげられてたのも、すこぶる好感がもてるというか、正直な人だなあ、と。



『峠うどん物語』上下 重松清 講談社

図書館。
語り手「わたし」は中学三年の女の子。両親は揃って小学校の先生だが、父方のお祖父ちゃんお祖母ちゃんはうどん屋さんを営んでいる。そのうどん屋さん、元は「長寿庵」という屋号で、市街地からは離れていたが国道のすぐそばで、トラックやタクシーの運転手でにぎわっていた。が、「わたし」が生まれた頃、店のすぐ前にのっぺりとだだっ広い駐車場付の市の斎場が作られた。「長寿庵」は「峠うどん」と名を変え、客筋も斎場帰りのお客さんたちとなった。
受験生ながらときどき店を手伝いに行く「わたし」が「峠うどん」で出会うさまざまな人やできごと。
職人気質で偏屈で、でも筋の通ったおじいちゃん。おじいちゃんとは好一対の陽気でおしゃべりなおばあちゃん。ちょっと間抜けなお父さんに、しっかりもののお母さん。おじいちゃんの兄弟子だったけど実業家になってしまった源さん。おじいちゃんの幼なじみの「わびすけ」さん。斎場で霊柩車の運転手をするトクさん。町医者の榎本先生とその奥さんと息子さん。
ほっこりさせられ、しみじみさせられ、あるあると思わされ、あれこれ考えさせられる、本当にいいお話でした。

表紙を開いたとこと裏表紙のすぐ前、どちらも見開きで、「峠うどん」のメニュー表が載っていたのもステキだった。


『僕と彼女のXXX』8 森永あい マッグガーデン
『デッドマン・ワンダーランド』11 片岡人生、近藤一馬 角川書店
『花咲ける青少年 特別編』1、2 樹なつみ 白泉社
『DEATH EDGE』3 霜月かいり アスキー・メディアワークス
『七つのくるり』1 潮見知佳 講談社


RP祐子蔵書。
例によって、サイテーカラオケ持込本。
『僕と彼女のXXX』、ついに完結。ぎゃはははばんばん! こう来たかっ! あきらさえ諦めれば全部丸く納まるじゃんよねえ、これ、とは思ってたんだが、いやもうほんと納得の、見事な完結編。巻末のあとがき漫画も超愉快。故愛クソ猫、なまんだぶなまんだぶ、ええとこ行きや〜、ええとこ行きや〜。
(死んだばあちゃんが葬式行くと「南無阿弥陀仏なまんだぶ」に続けて「ええとこ行きや〜」とよく言ってたのだが、気がつけば自然とこれを口にしている自分がいた…)
『花咲ける…』は、なんで今頃?と思ったら、主要キャラの過去編だった。『花咲ける…』本編は1989年〜1994年にかけて連載されたもので、うちにはコミックスはないので、読んだのは相当前なのに、「これ誰だったっけ?」がまったくなかった。ものすごくすんなり読めてしまった。
『七つのくるり』、この人の絵、BLのイラストでしか見たことがなく、BLのイラストとしてはそんなに好きな絵ではなかった。しかし、BLのイラストとしては苦手だっただけで、絵自体は嫌いでなかったことを、これ読んで気づいた。すごく感じのよい伝奇ファンタジーであった。



『伏 贋作・里見八犬伝』 桜庭一樹 文藝春秋

図書館。
そのうち予約をかけようと思ってたら、思いがけず開架で遊んでるのに出くわしてしまった、ラッキ〜♪
道節・浜路の兄妹が伏、その性残虐な半人半獣、を追う。兄妹につきまとう瓦版書きの滝沢冥土。冥土の父が数十年に渡って書き続ける「南総里見八犬伝」と、その子冥土が調べに調べて書き綴る「贋作・八犬伝」。里見家に生まれた姫とその弟の物語。さらにそれ以前の因。そして伏が語る伏たちの物語。
満腹した。
初めて「八犬伝」を読んだときから(確か小学校のとき、図書館にあった子供向けの本で読んだのが最初。その後、NHKで人形劇「八犬伝」が始まった)抱えていた飢餓、八房と伏姫のプロローグ部分がもうむちゃくちゃ好きなのにそこはちょびっと、という飢餓感、これをかなり癒してもらえました。
なんか、野田秀樹が「八犬伝」を料理したらこんな感じになるんじゃないかと思われるような、実に気持ちのいい物語だった。
道節と浜路の兄妹、可愛かったなあ。
伏姫の弟の「鈍色にびいろ」、叔母の「藍色」、伏の信乃の役者名「黒白」等の名前にもわくわくさせてもらいました。ところで「簪」って名前の登場人物いたよな。誰だったっけ?

ところで黒白の芝居、日暮れに始まってたけど、江戸時代の芝居って、朝早くから夕方頃で、お昼の楽しみじゃなかったっけ? 


『夏目友人帳』13 緑川ゆき 白泉社

新品購入。
先月出てたのに気づいてなかった。
夏目が的場一門を襲う呪詛に巻き込まれる話と、夏目の友人たちの視点で描かれた夏目との馴れ初め二編。
ベンチから的場を見送るにゃんこ先生、怖かっこよかったー。
お風呂上りのほこほこでアイス食べるにゃんこ先生、よっ、癒し番長っ!


『秘密』10 清水玲子 白泉社

新品購入。
滝沢が滝沢でないと判明するあたりはぞくぞくわくわくしたが、あとはなんか、ただひたすら読んでてしんどく重たいんですが…。



『ファントムピークス』 北林一光 角川文庫

図書館。
朝日新聞日曜版読書欄で紹介されてたのか、広告だったのか、順番回ってきたときには忘れ果て、なんで読もうとしたのかも綺麗さっぱり。
山で主婦が行方不明となり、半年後、かなり離れた場所から頭蓋骨が見つかる。その後、その山ではさらに人が突然消え…。
なにしろ白紙の状態で読み始めたので、途中まではパニック物、でも人間がきちんと描かれている、として読んでいたんですが…。
原因である生き物の流出元、そしてそこで行われていたこと、それが明らかにされたとき、仙水忍が「『人間』という悪意」を思い知らされたあのシーン(『幽遊白書』 富樫義博 ジャンプコミックス)をまざまざと思い出した。たぶん、人間を「捕食されるもの」として考えるところがその前にあったから、ついずるずると連想してしまったと思う。
そして読み終えたとき、ふと思い出したのは、「地球ドラマチック」か「サイエンスZERO」かどちらかで紹介されていた、人間が作って放棄した山道みたいな場所に設置したビデオカメラが撮影した、クマ二頭の遭遇シーン。
それを見たとき、人間という種が滅んだら、この地上はなんと美しい場所になるだろうと、ふと夢想したこと。

それがもし実現されても、人間という種に属するわたしは、そのおそらくとても美しいであろう景色を、決して見られないのだけれど。


『箱庭図書館』 乙一 集英社

図書館。
朝日新聞に載ってた広告見て予約、だいぶ待った。
「小説家のつくり方」「コンビニ日和!」「青春絶縁体」「ワンダーランド」「王国の旗」「ホワイトステップ」の六編入り。
web文芸「RENZABURO」というところに送ってもらったボツ原稿をリメイクした作品を集めたものらしい。
「小説家のつくり方」に登場した「ぼく」の姉潮音さん、その後もあちこちに登場する。
この人に親近感を覚えた読者、親近感を覚えながらも、「でも、ここまでひどくないしー」と思った読者も多かろう。
ええ、もちろん私も覚えました。
電車乗ってて本読んでて降りる駅がきてひとまず本を閉じないといけないとき、朝起きるより根性要ることってあるわー。わたしは根性だして本を閉じて降りるけど。
話として一番好きなのはコンビニに強盗がはいる「コンビニ日和!」と、並行したふたつの世界が積もった雪を介在してつながる「ホワイトステップ」。



『ストライク・ザ・ブラッド3 天使炎上』 三雲岳斗 電撃文庫

新品購入。
1巻で雪菜、2巻で紗矢華から血を頂戴し、それまで召喚できなかった眷獣を召喚できるようになった古城だが、この3巻ではアルティギアの王女ラ・フォリアが血を提供。
眷獣は全部で八匹だったっけ? 最初に召喚できてたのは一匹だけだったっけ? だったらまだ召喚だせてないのは四匹? ペットじゃないから「匹」で数えていいよね、聖@KAT-TUN。
夏音は助からないんじゃないかとはらはらした。夏音、レギュラー入りするのかな? 彼女も血を古城に提供することになるのかな? 浅葱にはいつ正体明かすのかな?



『BILLY BAT』8 浦沢直樹 ストーリー共同制作:長崎尚志 講談社

新品購入。
舞台がついに日本にー。
東京オリンピックか。わたし三歳か。わたしは全然覚えてねーけど。
ジャッキーの父ちゃん、大好き。



『オイレンシュピーゲル参 Blue Murder』 冲方丁 角川スニーカー文庫
『オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog』 冲方丁 角川スニーカー文庫

図書館。
『オイレン参』にして、やっとこの文体を読むのに私が慣れたのか、それとも冲方丁がこの文体を書くのに疲れて文体次第に普通化したのか、参からもう行け行けどんどん、やめられないとまらないーに。
この後「スプライト」突入し、そしてこれを書いている3月7日、ついに「テスタメント」1まで読み終えてしまいました。
ので感想は来月まとめてー。






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