本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『スプライトシュピーゲルT Batterfly&Dragonfly&honeybee』 冲方丁 富士見ファンタジア文庫
『スプライトシュピーゲルU Seven Angels Coming』 冲方丁 富士見ファンタジア文庫
『スプライトシュピーゲルV いかづちの日と自由の朝』 冲方丁 富士見ファンタジア文庫
『スプライトシュピーゲルW テンペスト』 冲方丁 富士見ファンタジア文庫
『テスタメントシュピーゲル1』 冲方丁 角川スニーカー文庫


図書館。
「オイレン」がミリオポリス憲兵大隊MPB所属の特甲児童三人娘、涼月・陽炎・夕霧。
「スプライト」がミリオポリス公安高機動隊MSS所属の特甲児童三人娘、あげはつばめひびな
「テスタメント」は合体編。
「オイレン」弐と「スプライト」Uが同じ事件をそれぞれの側から追う話。
「オイレン」肆と「スプライト」Wは、片や空港、片や国連ビルでの、同じ時間軸の話。
「オイレン」参から一気読みしていま一番心に残っているのは、「スプライト」Wの「世界統一ゲーム」。
レギュラー以外で一番心に残っているキャストは、「オイレン」弐のユーリー・スタリツキー中佐と「スプライト」Uの杜麟太郎。
これほど重厚な物語を読まされることになるとは、読み始めたときには想像すらしていなかった。
ただ「テスタメント」は、ついに螢と皇の側から物語が語られると思っていたので、ちょっと愕然とした。
さらに、いろんなことがどでんどでんとひっくり返っていくのにも、愕然とした。
そんでもって、終わってねえし、これーーー。
これ、続き読める日来るの? 本当に来るの?



『百姓貴族』2 荒川弘 新書館

新品購入。
農業って大変だねええ………。
そおいやわたし、つい最近まで、近所の農地が水どうしてるかとか、考えたこともなかったのだ。
一男伯父のお通夜のとき、けいこちゃんと夜伽してて、旱魃のときに狭山池から水買ったんだけど、途中で盗まれる恐れがあるから、狭山池から続く水路のあちこちに見張りたてて流してもらう水が水路傍の他の農地に勝手に流されないように見張ったたとか、あんまり雨が降らないと雨乞いのご祈祷みたいなのをしたけどしたらほんとに雨降ってきたことがけっこうあったとかいう話を聞いて、田や畑に上水道の水なんか使ってらんねえということに初めて思い至ったのだった。



『金色の獣、彼方に向かう』 恒川光太郎 双葉社

図書館。
中編集。「異神千夜」「風天孔参り」「森の神、夢に還る」「金色の獣、彼方に向かう」の四編入り。
各話タイトルにまずわくわくした。
が、どの話もなんだか微妙に口に合わず。



『マルドゥック・スクランブル』 冲方丁 早川書房

図書館。
わたしが借りてきたのは、2010年に出たハードカバー版。
最初に出たときは文庫で三分冊だった模様。
って、これ、2003年に日本SF大賞受賞してたのね。
未来。
囲われものの少女娼婦ルーン・「パロット」は囲った男シェルに焼き殺されかけるが、すんでのところで救われる。
救ったのはシェルを追っていた「ドクター」と「ウフコック」。
パロットは彼らに事件を委任する原告となり、治療のために手にいれた力で彼らの捜査に協力する。
が、ウフコックのかつての相棒「ボイルド」はシェル側の委任捜査官として雇われており、ドクターとウフコックに事件を委任する委任元であるパロットを亡きものとしようとする。


面白かったあああ

あああっっっ!!!


「ボイルド」「ウフコック」「パロット」は卵を殻ごと茹でる料理の名称だそうだ。「ボイルド」は固ゆで、「ウフコック」は半熟、「パロット」は孵化寸前の卵を茹でたもの。
茹でた卵がたまたま孵化寸前のものだったってエピソード、萩尾望都の漫画にあって、そっちを読んだときはあまりの怖さに血が凍ったが、孵化寸前だとわかっているものを茹でる料理があるとは思わなかった。栄養的になにかメリットがあるのかな? それとも食べてみたらけっこうおつな味だったのかな?
楽園のフェイスマン、トゥイードルディとトゥイードルディムのコンビ、カジノのベル・ウィング、アシュレイ・ハーベストと、ステキなキャラもいっぱい。
が、ギャンブルの解説部分はようわからんのでかなり読み飛ばした。


『ブタとおっちゃん』 山地としてる フォイル

図書館。
日曜日の午後、テレビをかけ流してたら、再放送だかのバラエティ番組で紹介されていた写真集。
わたし、これまで、食用の牛や豚を育てている人が育てている家畜に名前をつけて可愛がっているのを、なんだかブラックだと思っていたのだった。
ごめんなさい、ごめんなさい、おろかでした、未熟でした、すでに処理された肉をただ食わせてもらってるだけの人間の傲慢でした。
「人間の都合で食べるために育てているとしても、食べるために潰すときまで、楽しく暮らしてほしい」という言葉に、ガッツーン!とぶちのめされました。
おっちゃんがブタを育てていた豚舎、住宅化の波で豚舎の周囲にも家が建てられ人が引っ越してきて、その人たちが「豚舎が臭い」と市に抗議、結局おっちゃんは豚舎を引っ越すことになる。
そのときに住民とおっちゃんの間にいた市役所の担当の人が、おっちゃんの引越し先を訪ね、撮りつづけた写真を集めたもの。



『プラチナデータ』 東野圭吾 幻冬舎

かよちゃん@嵐が貸してくださいました。
東野圭吾、相当前にヘリコプターを原発に落とすのなんのみたいな話のを借りてきて、この人の書くものとはそりが合わないと、途中で投げ出したきりでした。
ドラマになった『ガリレオ』や『流星の絆』や『新参者』はドラマは観ましたが、原作を読みたいという気持ちは起こりませんでした。
近未来。
DNAが取り出せるようなブツを犯人が残せば、それを解析し、解析登録済みのDNAと照会して、犯人の容姿や近親者等が割り出せるシステムが、警察で使われるようになる。
ところがそのシステムを開発した兄妹が殺され、妹の胸元には頭髪が一本残されていたのだが、その頭髪のDNAが指し示した犯人は、システムの管理者で、その兄妹と親しくしていた二重人格者。
スズランが二度目出てきたあたりで再び投げ出しましかけたが、とりあえず最後まで読みました。
かよちゃん、ごめんなさい。
わたし、やっぱり、東野圭吾とはそりが合わない〜〜〜。



『中国嫁日記』2 井上純一 エンターブレイン

新品購入。
ブログ「中国嫁日記」の再録+描きおろし第二弾。
再録は震災から月さんのご両親との旅行まで。描きおろしはプロポーズ編。
月さんのお父さんがもう可愛くて可愛くて。
旅行の最後、天安門広場で、お父さんがいつまでも広場を見ていて、いつもならお父さんをせかすお母さんも静かに待っていたエピソード、ブログで読んだときもなんだか泣けたが、再録されたのを読んでまたなんだか泣けた。



『ちはやふる』16 末次由紀 講談社

新品購入。
読み始めたときは7巻まで出てたときだったのが、あっという間に16巻〜。
巻末付録四コマで、アニメをぜんぜん見忘れていたことに気づく。

が、月曜深夜2時44分〜、って、んなもん、録画せんと見られんわな。


『3月のライオン』7 羽海野チカ 白泉社

新品購入。
今回も読み応えあったわー。
ひなちゃんがいじめられていた問題の解決はすげースカッとしたが、担任のセンセがあんな状態にならなかったら放置のまんまだったのかなとか、いろいろ考えた。
ところでこないだ夜の八時頃、新世界に行った。二回目の新世界。長野から来たともちゃんと通天閣に登りに行ったのだ。新世界、中でたくさんのおっちゃんらが将棋差してる店が二軒ほどあって、びっくりした。



『修道女フィデルマ サクソンの司教冠』 ピーター・トレメイン(訳:甲斐萬里江) 創元推理文庫

新品購入。
日本では七冊目だが、本国の刊行順では長編第二作目。
舞台はローマ。カンタベリーの大司教に任命されるはずだったウィガードが殺され、教皇に献上する予定だった献上品も消えていた。ゲラシウス司教の政治判断で、フィデルマは再びエイダルフとともに、調査にあたることになる。
ローマの地下に作られた広大な地下墓所でフィデルマが遭難しかけるとこがある。
カッパドキアの地下都市や、イタリアやフランスの地下墓地、ピラミッド内部等、写真やテレビでは煌々とライトが灯されてるけど、そうだよね、作ったときは松明とかランプとかそういう灯りしかなかったんだよね。よくあんなもん、そんな灯りだけで作れたもんだ。
今回、訳者のあとがきはなく、解説は若竹七海。このシリーズずっと読んでるファンに喧嘩売っとんのか?みたいな酷い解説というか、感想文であった。



『ミラー衛星衝突』上下 ロイス・マクマスター・ビジョルド(訳:小木曽絢子) 創元SF文庫

新品購入。

マイルズシリーズっ!

シリーズ前作『メモリー』から
六年ぶりのマイルズシリ

ーズっ!


間に出た「死者の短剣」三部作は、「惑わし」はなんとか読んだものの、「遺産」は買ってちょっと読んだきり放置、完結巻の「旅路」上下に至っては、購入すらしていない…。
で、いつかは読める日を信じて、ひたすらマイルズを待っていました。
なんでこんなにかかったのかは、訳者あとがきに「こういった出版社の事情というのはアメリカでもありがちだと、ビジョルドはわたしを慰めてくれました」とあるので、創元社の事情だったらしい。このシリーズ、出たら必ず買うファンがそこそこの数いるはずなので、固定客ついてるこのシリーズを他の出版社が創元社から横取りしようとして揉めてたかなんかかな?
舞台はコマール。太陽から離れたコマールの光源であるミラー衛星に貨物船が衝突、前作で皇帝直属聴聞卿となったマイルズは同じく聴聞卿である元工学教授のヴォルシスとともにコマールへと調査に訪れる。
これまでと違うのは、コマールに暮らすエカテリンというヴォルの女性の視点とマイルズ視点、かわりべったんで話が進むこと。
お次の『シヴィル・キャンペイン』が読ませてもらえるのはいつ頃かなあ…。
待ってますーーー。
いつまでも待ってますーーー。



『彩雲国秘抄 骸骨を乞う』 雪乃紗衣 角川書店

新品購入。
「骸骨を乞う」とは、これを読むまで知らなかったが、役人が辞職を願い出ることで、出典は「史記」、こちら参照。
悠舜、旺季、晏樹、をメインに据えた三編と、秀麗が辞職して劉輝の奥方になってから娘を産んで亡くなるまでの一編と、紫霄の視点の掌編、最後に携帯配信されたおまけ番外編の再録。
うーん、秀麗の娘がそこそこ育ったあたりの愉快な話や紅家や藍家等のその後を読ませてもらえると思い込んでたんだがなー。まさかほとんど旺季側の番外編だとはまったくの想定外。
そんで世襲の人間の専横の中に一般人出身者が進出するってのが王道だが、逆になっちまったんだな。
『はじまりの風は紅く』が出たのが2003年、それから九年の間に、雪乃紗衣にいったい何があったんだろうな。






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