本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『ケロベロスの肖像』 海堂尊 宝島社

図書館。
田口&白鳥シリーズ。
白鳥の部下の姫宮嬢と田口、ついに邂逅。
碧翠院跡地に建てられたエーアイセンターがこの話を経て『医学のたまご』で描かれていた状態になったのか。
また、高階院長の若かりし日のお話がこれにいきなり絡むとは。
そしてこの後『モルフェウスの領域』につながる出来事も明かされたが、『モルフェウスの領域』までの間に東城大学病院って財政再建団体になるんじゃなかったっけ? それは今後描かれるのかな? それともいま予約かけて順番待ちしてる二冊のどちらかで語られるのかな?



獅子頭シーズトォ』 楊逸ヤン・イー 朝日新聞出版

図書館。
中国の農村育ちの二順アーシュンが、雑技団を経て料理人になり雲紗ユゥンシャと結婚、子供ができるぐらいまでは、ほっこりさせられるいい話だったんですが。
日本に来て以後の話は、読んでてしんどくて、斜め読み。



『枯れ騒ぎ』 ジル・チャーチル(訳:新谷寿美香) 創元推理文庫

新品購入。
未亡人探偵ジェーンのシリーズ。
今回はガーデニング。
ジェーンの家に届いた百合の花束、ジェーンが留守だったものでお隣のシェリイが預るのだが、これが実は間違って届けられたもので、正しい届け先は、ふたりが受講することにしていたガーデニング講座の講師宅。
が、ふたりがつれだって届けに行ったところ、その家には警察がいっぱい来ていて…。
今回もジェーンとシェリイのコンビがすっげえ愉快だった♪
あとがきに本国で出ている既刊一覧が紹介されてるのだが、2007年に出たシリーズ第16作以降、ジル・チャーチル、本出してないのね。
このまま書かないとしたら、このシリーズ、読めるのはあと四冊か…。



『ZUCCA×ZUCCA』1、2、3、4 はるな檸檬 講談社

新品購入。
先月、梅田のシアタードラマシティに、かっちょとこのヨシムラちゃんとミュージカル「デュエット」を観に行った。演出:錦織一清、内博貴と和音美桜が主演の舞台だ。
わたしはジャニオタで、ヨシムラちゃんもジャニオタで、わたしはいまや関Jr.が一番、関ジャニ∞が二番♪(※)だが、ヨシムラちゃんは関Jr.も好きだが断然関ジャニ∞!な∞erさんだ。ちなみに担当は亮ちゃんだ。
(※ たぶんね、左側に関ジャニ∞七人、右側に濱ちゃんひとりなら、わたし、きっと、右に向かって突進すると思うの…)
シアタードラマシティ入り口あたりで待ち合わせしたのだが。
「ヨシムラちゃん、わたし、こんな客層、初めて…」
「わたしもですー。うわー、うわー、見渡す限り、エレガンスーーー」
わたしたちが行った回の客は、大半が和音美桜側のお客さん、宝塚系の方々であった。
お洒落はしていくが比較的カジュアル、特に関ジャニ∞、いつしかけっこうみんなまともな格好で行くようになってたが、映画「エイトレンジャー」のせいか、最近は元の仮装大会に逆戻り〜、な関ジャニ∞の客層に馴れていたわたしたちは、
(客席が仮装大会なのは、ジャニーズ多しといえども、おそらくたぶん関ジャニ∞のコンサートだけ ( ̄^ ̄) である、念のため)
鶴の群れに紛れ込んだアヒルの気分であった。
ま、舞台が始まってしまえば、ステージの仕立てはいかすし、洒落たセリフがぽんぽん飛び交うしで、たらふく楽しんでしまったのですが。
で、この日、ヨシムラちゃんに教えてもらったのが、このサイトであった。
ヲタ対象は違えど、ジャニオタにも「ある、ある!」な身につまされるネタ、満載。
以来、愛読するようになったのだが、ついに既刊四冊も買ってしまった。
この四冊、これからダチの間を巡回予定。

ところで何巻かに出てきた窓際にカウンター席があるカフェ、有楽町のsegaferdoってセルフカフェの二階席にむっちゃ似てる気がするが、セルフカフェの二階席ってだいたいこんなもんか。


『紳士の契約』 ドン・ウィンズロウ(訳:中田宥) 角川文庫

新品購入。
サーファー探偵ドーンのシリーズ第二作。
図書館で借りて読んだ第一作もついでに新品購入。
世界中のサーファーから敬愛されるK2が殺された。捕まったのは、ごろつき気取りの金持ちの息子。
ペトラが勤める弁護士事務所がこの金持ちの息子の弁護を担当することになり、ドーンはK2が殺された夜の状況の洗い直しを依頼される。
が、この依頼を受けたことにより、仲間たちとの関係に軋轢が。
そこにさらに、サンディエゴの土地問題や、知り合いの妻の浮気問題が絡む。
第一作もほんとに楽しかったが、この第二作もほんっと楽しかった。
本当に本当に痛快で気持ちのよい物語。
そして主人公のドーン、この第二作でも、やっぱりほんとにいい奴なのだ。
ドン・ウィンズロウ、日本では『ストリートキッド』から翻訳ミステリ好きにはかなり知られた存在だったが、訳者あとがきによると本国アメリカでブレイクしたのはつい最近なんだそうだ。へーへーほー。



『封殺鬼 クダンノ如シ』下 霜島ケイ 小学館ルルル文庫

新品購入。
桐子さま、東京の女学校に通われるの巻、完結編。
面白かったあああああ。
穂積家の過去、妙子に憑いているものの正体、竹取の一族、そして志郎との関係。
いやもう満腹させてもらいました。
封殺鬼シリーズ、これからも書いて欲しい。
「終の神話」以降の話なんかも読みたい。



『希望』 瀬名秀明 ハヤカワ文庫JA

図書館。
短編集。
「魔法」「静かな恋の物語」「ロボ」「For a breath I tarry」「鶫と?」(「?」は「ひばり」だが、こんな一字で「ひばり」って読む漢字、あったんだ)「光の栞」「希望」の七編入り。
静かで端正な語り口が気持ちよい。
科学用語やSFからのさまざまな引用にほとんど説明がないことも清々しい。
『明日のロボット』はロボットを主題にした美しい連作短編集だったが、こちらは「ロボ」のみ『デカルトの密室』および『第九の日』のケンイチくんが登場するが、あとは独立した作品。


『七つの海を照らす星』 七河迦南 東京創元社

図書館。
最新作『空耳の森』の広告が面白そうだったが、まだ図書館に入ってなかったので、とりあえず第一作のこれを借りてきた。
児童養護施設の職員をしている若い女性を語り手とする、連作ミステリ。
「今は亡き星の光も」「滅びの指輪」「血文字の短冊」「夏期転住」「裏庭」「暗闇の天使」「七つの海を照らす星」の七編入り。
第五話「夏期転住」あたりまでは行け行けどんどん読んだのだが、「裏庭」あたりから失速、最後の「七つの海を照らす星」ではそれまでのすべての物語を束ねる新しい事実が発覚するのだが、なんかもう「ふーん、そうだったんだー」くらいの感じに…。
「滅びの指輪」なんかはぞくぞくしたんだけどなあ。



『パラダイス・ロスト』 柳広司 角川書店

図書館。
D機関シリーズ第三作。
「演算」「失楽園」「追跡」「暗号名ケルベロス 前編」「暗号名ケルベロス 後編」の五編入り。
あいかわらずの面白さ。
この面白さの一因には、目的の状態へと状況を導くための、D機関員たちの冷静で冷徹な分析や操作がこれほど気持ちよいのは、事件や災害の再発を防止するための議論において何かといえばすぐ情緒面へ訴えたがることへの歯がゆさもあると思う。




『三匹のおっさん』 有川浩 文春文庫
『三匹のおっさんふたたび』 有川浩 文藝春秋

『ふたたび』を映美ちゃんが貸してくれたが、第一作をまだ読んでおらず、読んでないと言ったら家捜ししてくれたがなぜかみつからず、しょうがなく第一作は文庫版を購入。

面白かったあああああっ!

定年を迎え、孫がバイトするゲーセンの経理として再就職した、剣道の達人清一。機械工房を自営する機械オタクの則夫。居酒屋の隠居の柔道家の重雄。この三人の幼なじみのおっさんが、清一の再就職先で起きた問題を解決したのを皮切りに、町内のいろんな問題を解決していく、痛快な連作集。
おっさんらの活躍をきっかけに、清一の孫と則夫の娘が少しづつ親しくなってくのも、すごくいい感じだった。
文庫で買った第一作の巻末には、児玉清がこの作品について語ったラジオ番組からの聞き起こし付録付。



『ビアンカ・オーバースタディ』 筒井康隆 星海社

図書館。
“筒井康隆がライノベ書いたー”なまとめスレを見て、こんなん出てたのを知った。
本のサイズは変則的だが、見た目は確かにライノベ。
が、ライノベの皮をかぶってるだけで、中身はごくごく平常運転の筒井康隆のスラップスティックSF。
そして、筒井康隆ものとしては、ごくごく普通に面白かった。

同じクラブの先輩が未来人だったというのは、書いてから数十年、いまだに稼いでくれている『時をかける少女』(「よく働く少女だ」by筒井康隆 いつかの「ビーバップハイヒール」より)へのいちびりか?







INDEX書庫