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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『名探偵登場!』 筒井康隆・藤野可織・辻真先・松浦寿輝・町田康・片岡義男・谷崎由依・津村記久子・青木淳悟・稲葉真弓・中条省平・木内昇・海猫沢めろん・長野まゆみ 解説:中条省平 講談社

図書館。
筒井康隆がひさびさに短編集出した情報どっかで見て、その予約ついでにこれを発見。
ポーレット・ゴダードが「モダン・タイムズ」撮影直後に妊娠、ところが生まれてきたのは東洋系の赤ちゃんだったという導入部から始まる筒井康隆「科学探偵帆村」、むっちゃ面白かった。(が、海野十三の小説を読んだことがないので、探偵帆村のこともこれを読むまで知らなかった)
筒井康隆以外で面白かったのは、津村記久子「フェリシティの面接」、片岡義男「音符五つの春だった」、海猫沢めろん「三毛猫は電気鼠の夢を見るか」、長野まゆみ「ぼくの大伯母さん」。



『ひな菊の人生』 吉本ばなな ロッキンオン

図書館。
予約枠いっぱいに予約してる本の順番がなかなか回ってこず、開架周遊してて、そういや吉本ばななって最近読んでねーなと拾ってきた本。
ものすごいけったいな字組で、読みにくいことはなかったが、けったいだった。
語り手の女の子は伯父さんがやってるお好み焼き屋さんで毎日お好み焼きを焼き、焼きそばを焼いているのだが、読んでてもぜんぜんソースに匂いがしてこないのも、なんだかみょーに不思議だった。



『追想五断章』 米澤穂信 集英社

図書館。
上記と同じ事情から開架周遊してて、そういや壇れい主演でドラマ化された「福家警部補の挨拶」面白かったけど、あれって原作、米澤穂信だっけ? 大倉崇裕だっけ?と思いながら、まず作家名「よ」のとこ見て、なんとなく借りてきた。(いま調べたら、福家警部補は大倉崇裕であった)
経済的な事情で大学を止め、古本屋を営む叔父さんとこに居候、店を手伝っている主人公が、店を訪れた女性の亡父が生前に書いた五編の小説を探す手伝いをすることになる。
と書くとなにやらほのぼのした話のようだが、バブルが弾けてしばらくした頃を舞台にしており、小説とその謎をめぐる以外の部分、なんかものさびしい気持ちにさせられた。

映画化された『インシテミル』も借りてきたけど、最初の死体出現あたりでうんざりして、あとはすっ飛ばして結末のとこだけ読んだから、ノーカン。


『虹色の皿』 拓未司 角川書店

図書館。
上記と同じ事情で開架周遊してて、そういえば二冊しか読んでないというか最後に読んだ時点で二冊しか本出してなかったけど料理ミステリで出てくる料理がどれもこれもすっげえおいしそうな作家だったよな、この人、と四冊くらい並んでた中の未読の二冊から料理の話らしいこっちを借りてきた。
プロの料理人になるための修業を描いた辛気臭い、もとい、読んでてなんかしんどい話であった。



『双鳥の尸解 志賀姫物語』 泉竹史 郁朋社

図書館。
朝日新聞の広告で見たのか、日曜版読書欄で紹介されてたのか、そのどっちかで知って図書館探したらなくて、図書館のマイページのメモコーナーにメモっておいたのを久しぶりに見て検索しなおしたがやっぱりなくて、堺市外の図書館からお取り寄せしてもらった。
平安時代の最初の頃、空海や最澄がまだ生きていた頃の話。
藤原北家出身の智泉という僧が志賀姫という女性の女色に迷ったり、空海の書いた「三教指帰」のせいで道教に興味を持っていたのが出雲広定という師を得て錬丹修業を始めるも、志賀姫は志賀姫で赤箸翁という出雲広定とは敵対する流派の道師と出くわしたり、いろいろあって末に智泉がこもっていた寺で変死する話。
筋立て自体はなんかすっきりしないというかお話としての出来がそんなによいとはいえなかったが、この頃の仏教事情とか、平安遷都からしばらくの政治事情とか、志賀姫が迷い込む赤箸翁の結界とか、あちこちけっこう面白いとこはあった。
キャラで素敵だったのは護命律師。
ちなみにググりながら読んで、平城天皇と嵯峨天皇はどちらも桓武天皇の子で、だからどっちも孝謙天皇のあとに即位した光仁天皇の孫で、光仁天皇は天智天皇の孫だからどっちも天智天皇の玄孫、ということを確認、大化の改新の頃から平安初期までの天皇家の流れが、頭の中でやっとひとつづきになりました。



『とっぴんぱらりの風太郎』 万城目学 文藝春秋

図書館。
予約してからだいぶ待ってやっと順番まわってきたのだが、借りるとき、分厚さにびっくりした。
伊賀で忍者として育てられるも放逐された風太郎が、なんとなく住み着いた京都の郊外のあばらやで因心居士という妖怪みたいなのにとりつかれ、あれこれあって夏の陣まっただなかの大阪城へ潜入することになり…、みたいな?
ひさご様との再会あたりから、側室腹だけど秀頼に娘いたよな確か、出家させられたから子はないけど、とか思いながら読んだが、いまググったらやっぱりそうだった。
さらに、ひさご様のそばに母の淀君も正室の千姫もいなかったのも、謎だった。
あちこちいかにも万城目学な愉しいシーンもいっぱいあったが、最後は読んでてしんどかった。
因心居士とでくわす前に因心居士の祠に気づくシーンって要ったよな?
一番好きなのは、蹴鞠のとこ。



『砂の下の夢 空の下の緑』1 TONO 秋田書店

新品購入。
オアシスのシリーズの再版だと思ったら続編だった。
「南七番目のオアシス」みたいな話が一番好き。
「記憶のオアシス」も好き。
いっちゃん最初の「王様のオアシス」はなんだかよくわからなかった。



『銀の匙』1~12 荒川弘 小学館

1~11までは古本購入。12巻は新品購入。
気がついたときには5巻くらいまで出てて、そのうち古本まとめ買いしようと思って忘れてたら、なんと中島健人さまご主演で映画化決定で思い出したものの、そんときゃ古本価格がプチバブル。
映画のDVD発売のお知らせで思い出し、探したらプチバブってた価格が落ち着いてたので、まとめ買いして一気読み。



『養鶏場の殺人/火口箱』 ミネット・ウォルターズ(訳:成川裕子) 創元推理文庫

図書館。
「養鶏場の殺人」と「火口箱」の二作入り。
著者による「はじめに」によると、「養鶏場の殺人」はイギリスの「クイックリード」計画からの、「火口箱」はオランダ読書振興協会からの、依頼で書いたものなのだそうだ。
「養鶏場の殺人」は、ある未婚の女性がバラバラに切断されて埋められ、婚約者であった養鶏場を営む青年が殺人罪で絞首刑となった、実際にあった「エルシー・カメロン」事件を元にした話。
「火口箱」はフィクション。

返却日ぎりぎりで読み終えてこれだけ書いて返して手元に本がなく、amazonのレビューググってこれみつけた。
ほとんどこの人と同じ感想だけど、ひとつだけ違うのは、「養鶏場の殺人」のほう、もし著者の推理が正しかったとしてもこの青年に同情の念が起こらなかったとこはおんなじだけど、それは彼が彼女の死体を損壊してから遺棄したからでなく、あんたがちゃっちゃときっちり別れてたらこんなことにはならなかっただろうに、と思ったから。



『クラウド』上下 門谷憲二 竹書房

図書館。
朝日新聞の広告で見て予約したと思う。
予約詰まってて順番まわってくるまでだいぶ待った。
こんだけたくさんの人が予約してて、こんだけ待ったんだから、どっか面白いとこがあるかなと、飛ばし読みながらがんばって最後まで読んだ。
いまamazonのレビュー確認
してみたところ、そうか、これが面白かった人がこんなにいるのか…。







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