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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス



『話虫干』 小路幸也 筑摩書房

図書館。
馬場横町市立図書館が所蔵する夏目漱石『こヽろ』の初版本。
その本の内容はときどき変化する。変化した本の中に潜入して物語を元に戻す「虫干し」も、馬場横町市立図書館に勤める司書の仕事のひとつである。
「僕」井上馨がこの図書館に就職してしばらく経った頃、またもや物語の改変が発生し、彼は副館長である榛とともに、初めて虫干しの仕事に赴く。
夏目漱石の『こヽろ』を読んでいたら、もっとずっと楽しめたと思うのだが、わたし、夏目漱石で全部読んだの『草枕』だけで、『草枕』はむっちゃ面白かったけど、その次に『吾猫』読もうとして最初のほうで挫折してそれっきり。
とはいうものの、舞姫エリスや小泉八雲、挙句はシャーロック・ホームズまで登場したあたりは、愉快だったなあ。
そして、『こヽろ』の中に入った「僕」が、物語には書かれていないが物語の中に確かに存在する行間を暮らしている、と思うところに、すごく共感した。



『輝天炎上』 海堂尊 角川書店
『カレイドスコープの箱庭』 海堂尊 宝島社


図書館。
中図書館の開架を周遊していて、開架で遊んでるこの二冊を発見。
どっちも日生劇場遠征のお供にした。
『輝天炎上』のほうは『ケロベロスの肖像』のアナザーストーリーで『螺鈿迷宮』の後編でもあるそうなのだが(どれとつながってたか綺麗さっぱり忘れてて、amazonのレビューで確認した)、天馬の同級生で一緒にレポート書くことになる冷泉深雪がツインテールという設定なのがよくわからんかった。これ書いたくらいのときに覚えたてだったりして使いたかっただけか、「ツインテール」。
『カレイドスコープの箱庭』は田口&白鳥シリーズの番外編。そういや第一作の「バチスタ」は病理医問題扱ってたなと久々に思い出した。人物相関図や作品相関図、作品内でおきた出来事の年表とかの、付録いっぱい。



『新聞王がボストンにやってきた』 レスリー・メイヤー(訳:高田惠子) 創元推理文庫

図書館。
ルーシー・ストーンのシリーズ。
ルーシーが勤めるベニー・セイヴァー紙が「今年の最優秀コミュニティ新聞」に選ばれて、ルーシーは編集発行人であるテッドとともに新聞協会の年次総会に出席することになり、舞台は初めてティンカーズコーヴを出てボストンへ。
で、やっぱりそこでも殺人事件が。
普段のお馴染みさんがあんまり出てこなくて、殺人事件そのものにもあんまり興味が持てなかったが、ま、こんな巻もあるわーとか思いながら読んでたら…。
アメリカでは短編集含めてシリーズ22巻まで出てるのに、この巻でとりあえず創元から定期的に新刊出るのは終わりなのか…。

惰性で読み続けたとこもあるとはいうものの、うらうらと寂し…。


『2days 2日間で4人の女とセックスする方法』 村上龍 集英社

図書館。
育ちがよくてお金もいっぱい持ってて両親も既に亡くなってしがらみもなくて神経の壊れた女たちを預かってオーバーホールするという道楽をしている男が、謎の庭園をさまよいながら、いろんなことを回想する話。
あははは、笑っちゃうくらいつまんなかったよ、これー。
この男、何が楽しくて生きてんのかな?



 
夢違ゆめちがい』 恩田陸 角川書店

図書館。
借りてきて読みかけたとこで、これって「悪夢ちゃん」の原作じゃなかったっけ?と思い出した。
あらすじは「夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだろうか?そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する集団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは―。人は何処まで“視る”ことができるのか?」(amazonの商品説明から無断引用)。
ドラマの結衣子ちゃんの髪の毛がエディングスのベルガリアード&マロリオンのポルガラみたいに一部分だけ白いのは、原作の結衣子の髪の毛が一部分だけ白かったからなのかあ。
そんでこれ、ドラマのほうが絶対断然面白かった。



『レアリアⅠ』 雪乃紗衣 新潮文庫

図書館。
最後に読んだ雪乃紗衣の小説は『骸骨を乞う』。
だったもんで、これが出るのを知ったとき、買おうかどうしようか迷って、結局図書館に予約してしまった。
予約してよかった。
あちこちに雪乃紗衣らしい愉快な会話等はあるものの、突っ込みどころ満載で、構成もなんだかなーで、うーん、雪乃紗衣、これいったい何が書きたかったんだろうな。



『夜の底は柔らかな幻』上下 恩田陸 文藝春秋

図書館。
あらすじは「物語の舞台は、日本から切り離され、多くの犯罪者たちが逃げ込む治外法権の地「途鎖 (とさ) 」。この地には、昔から「イロ」という特殊能力を持つ者が多く存在していた。「イロ」を持つ者の一部には強い嗜虐性が見られるという。例えば、手を触れることなく人間を窒息させたり、空中でボールのように丸めたりする等の殺人を犯すとして世界的に問題になっていた。自らも途鎖出身であり、「イロ」を持つ実邦は、途鎖での忌まわしい記憶を消すかのように東京で暮らしていた。だが、数々のテロ事件を引き起こした凶悪犯を追い、故郷に戻ることになる。時は先祖を弔うために人々が山へ入る「闇月」。山は「イロ」の力を強くする危ない場所として知られているが、実邦は仲間とともにそこへと立ち入ることを決意する。しかし、そこでは、「イロ」を用いた問答無用の殺し合いが繰り広げられていた……」(「ダ・ヴィンチ」のこの頁にあったのを無断転載)
行け行けどんどん、やめられない、とまらない~。
結末はいまいちイメージしにくかったが、そこまでむちゃくちゃ面白かったから、ま、いいやー。
しかしこの「イロ」、使いようでは実生活の役にすっごい立つと思うが。
葛城くらいの力あったら、畑の一町や二町くらい、ひとりで簡単に耕したりできるだろうし。


『新聞王がボストンにやってきた』から『夜の底は柔らかな幻』までは一緒に借りてきて、そのとき買おうかどうしようか迷って買ってなかった小野不由美の『鬼談百景』(メディアファクトリー)が開架にあるのをみつけて借りてきてたが、一編一編がごくごく短い怪談ばかりの怪談集で、最初の二、三編読んだだけで飽きて読むのやんぴ。





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