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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『猫で語る怪異』1 TONO 朝日新聞出版

新品購入。
実話怪談を集めた短編漫画集だが、登場人物すべて猫。
二足歩行する猫。
なおかげで、実話怪談すぐ飽きるわたしも楽しく読めました。
第5話の水害で亡くなった嬰児の話、怪談ではこういうのが実は大好き。
第6話のC子さん、怖かった…。
第8話のキンキラキンの坊さん、大好き~♡



『アデライトの花』1 TONO 朝日新聞出版

新品購入。
TONOさんの新刊が同時に二冊出る日が来るとは。
『猫で語る怪異』は猫だらけだが、こちらは動物だらけ。
主要登場人物のひとり、ハント家の長男キューブの目には、母親と姉と異母弟と異母弟の母、姉の婚約者の母と妹以外の人間、ぜんぶ動物に見えて、キューブの目に見えているとおりの姿で描かれているから。
なんとも救いがない話なのだが、それが語り口のせいか、絵のせいか、読んでてそれほど辛くない。
しかしこれ、もはやある意味純文学…。



『新・私の部屋の猫放題』1、2 TONO 秋水社

新品購入。
上記二冊を予約したとき、この二冊買っていなかったことが判明。
猫との生活を描いたエッセイ漫画。
うわあああ、猛母日向小次郎が白髪になっているーーーー。



『鶴屋南北冥府巡』 皆川博子 新潮社

図書館。
水師の息子伊之助が歌舞伎役者松助にのめりこみ、己が見たい松助の舞台を作り上げたいがために狂言方(脚本家)にならんとして、鶴屋南北になる物語。
西に上る菊之丞を追った松助が問題を起こし千日前あたりにあった大阪七墓のひとつ、千日前ホテルの火災でも有名な千日前あたりの破れ寺に逼塞するとこがこのお話の重要なシーン。
が、これを読むまで、大阪七墓、千日、飛田、梅田、蒲生、小橋、葭原(芦原)、長柄、全部は知らんかったわ、へえええええーーー。
鶴屋南北脚本作品な歌舞伎、生で観たことあるのは『盟三五大切』、2011年2月に松竹座で観た。主演が当世仁左衛門さまで、むっちゃくちゃ面白かった。この前月につい出来心で観に行った染さま主演の松竹座『江戸宵闇妖鉤爪』に引き続きこれもむちゃくちゃ面白かったせいで、歌舞伎観に行き癖がついてしまったのだった。
(大学時代にゼミの同級生に誘われて観に行ったのは『桜姫東文章』で、これも仁左衛門さまおよび玉さまだったはずだが、こっちは筋をぜんぜん覚えていない。いま観たら違うんかな…)



『サラマンダー 無限の書』 トマス・ウォートン(訳:宇佐川晶子) 早川書房

図書館→古本購入。
朝日新聞書評欄で見て予約したと思い込んでたが、朝日新聞内を検索しても出てこない。
ということは、中図書館の新刊コーナーにあったのを、当たり臭を嗅ぐか、訳者が宇佐川晶子ならまあ間違いないかと思ったかして、借りてきたのか?
あらすじを書こうとがんばってみたが断念、ここ参照。

川の中州の島に建つ機械仕掛けの奇態な城で育った伯爵令嬢と「無限の書」のためにこの城に招かれたイギリス人でユグノーの印刷職人が静かに惹かれあう前半部がむちゃくちゃ好き。
あと新しい登場人物が登場するたびにその人物の来し方が語られるとこも好き。
カナダってフランスがカナダに売却したとかがっこで習ったので、カナダでもこんな戦争があったことを、これを読むまでぜんぜん知らんかった。



『大奥』14 よしながふみ 白泉社

新品購入。
13代将軍の御台所篤姫、登場。
大河ドラマ「篤姫」で謎でしょうがなかった、島津斉彬はなぜそんなに慶喜推しだったのか、やっと事情を説明してもらえました。
116頁、病に倒れた阿部正広の見舞いにも気軽に行けないことを嘆く家定に篤姫が瀧山を名代として見舞いに行かせることを進言した篤姫に瀧山が「さすがでございます御台様! やはり部外者は冷静さが違いまする!」って言うとこ、むっちゃ好き。



『BOX 箱の中に何かいる』1 諸星大二郎 講談社

新品購入。
いつの間にか出ていた。
2巻も予約受付中だった。
巻末の「キョウコ」さんについての著者解説で、読んでなかった諸星大二郎の小説があることがわかる。堺市図書館調べたらあった。速攻予約。



『皇后陛下御歌集 瀬音』 企画・編集:岩野文世 大東出版社

図書館。
読まずに溜め込んでた朝日新聞をまとめ読みしてて、やっと今年分になり、今年の歌会始で詠まれた歌が載ってたので読んでたら、美智子皇后陛下の今年の御歌が。

土筆摘み野蒜を引きてさながらに野にあるごとくここに住み来し

こんな凄みのある歌を詠まれる方だったのか、美智子皇后陛下。
最初は赤坂東宮御所、平成天皇が即位されてからは皇居、皇室に嫁がれて50数年経って、なおも己の住まう場所の不思議さにふと驚かれておられるのか。
と、びっくりして、調べたら、こんな歌集が出ていたことを発見、堺市の図書館にあったので借りてきた。
で読んでみて、なんというか、食べていくために筆をとった森茉莉さんとか、松本さんの「詞はお前が書け」で理系なのに歌詞を書くことになった稲葉浩志という人とか、しょうがなしになんか書くことになってしょうがないから書いたらなんか愉快なもんを書く人になってしまったこういう人たちとおんなじ匂いを感じた。
まあ、自分のダンナを「わが君」呼ばわりして、いちびりでも痛い人でもない人が今のこの日本に何人いるかといえば、まあ美智子皇后陛下くらいだろうという、アドバンテージはあるにしろ。



『マイルズの旅路』 ロイス・マクマスター・ビジョルド(訳:小木曽絢子) 創元SF文庫

新品購入。
ビジョルドのマイルズシリーズの最新刊。
「キボウダイニ」と呼ばれる惑星での会議に出席したマイルズが、当地が抱える問題に巻き込まれる話。
これを読んで思い出したのは、コリン・ウィルソンがどれかの本で書いてたはずの、モルモン教徒には1800年代の何年かに生まれた人の最後のひとりが亡くなったら、この世の終わりが来る、という教義があるとかいう話。
読んだ覚えはあって、確かコリン・ウィルソンの本だったはずなんだけど、どの本のどこに載ってたかわかんないのよ。
で、それを読んだとき、ほかのなんかのドキュメンタリーで読むか見たかした、まだ死んでないのに冷凍保存を選んだ人、選んだ人がモルモン教(ほんとにモルモン教だったかな? クエーカー教徒とかだったかな? だってググってもわたしが読んだはずのとこが見つからねえんだもん)が定義するその生年以前の人だった場合、今の技術ではまあ蘇生できる見込みはないけどどうすんのかな?と思ったことを思い出したのだった。
最後の最後、ついに到来してしまった出来事に号泣。
するも、マイルズシリーズ新刊を読み返したときの通例、マイルズのママであるコーデリア主演の『名誉のかけら』『バラヤー内乱』読み返し突入。
が、『バラヤー内乱』途中で予約してずっと待ってた本の順番来たでーのお知らせが堺市図書館からあり、途中中断。

ところで『天空の遺産』の舞台となったセタガンダは日本古代後半~中世、公家=ホート階級、武家=ゲム階級を思わせる世界だったが、今回の舞台「キボウダイニ」は地球の日本国出身の人たちが入植した惑星という設定。
なのだが。

ミナが訊いた。「パパのこと覚えている?」
「まあね。少しは」
「あたしは覚えてない。ママが家の神棚に飾ってた写真だけよ」

(144頁より無断転載)

ちょっと待て、ビジョルド。
神棚に死んだ家族の写真は飾らんぞ?
そこは仏壇だろ?
とか。

そのあと彼はちょっとあたりを見回して、玉ねぎの入っていないバット製の蛸焼きピザなら誰にでも受け入れられるだろう、と決めつけて注文をしに駆けだしていった。
(195頁より無断転載)

蛸焼きピザって?
ちょっと待ってビジョルド、蛸焼きピザって?
原文なによ、小木曽絢子っ!
いやそれより、玉ねぎは入ってないけど葱入ってっから、蛸焼きっ!
とか、あちこち引っかかり処あるのも愉快でした。

『茨の城』上下 サラ・ウォーターズ(訳:中村有希) 創元推理文庫

図書館。
ミネット・ウォルターズは新刊出るたび図書館で借りてきて読んでるが、なんでこれまで縁もゆかりもないサラ・ウォーターズとやらの小説を図書館で取り寄せ予約(予約した時点で堺市のどこかの図書館の書庫だか開架だかで遊んでいたの、この本)までして読もうとしたんだ、わたし???
19世紀半ばのロンドン、捨て子だったのを故売屋の夫婦に保護されて育てられたスウが、その故売屋にたまに出入りする詐欺師の要請で、片田舎の寂しい城で叔父の庇護下にある巨額の遺産相続人の令嬢から遺産を巻き上げるため、令嬢の小間使いとして城にもぐりこむことになるとこから始まる物語。
上巻はどきどきしながら読んだが、途中からどんでんがえしに飽きてだらだら読み。



『夜廻り猫』2 深谷かほる 講談社

新品購入。
1巻をついうっかり買ってしまい、ううう、えらいもんを買って読んでしまった、こんなもん読んだせいで、これから冬のむっちゃ寒い夜など、平蔵と重郎がどこかで寒がっていないか、ひもじい思いをしていないか、案じてしまうことになったではないか、と後悔した『夜廻り猫』なのに、なぜ2巻もついふらふら買ってしまったのか、自分でも謎。
が、2巻を買ってしまい、読んでしまったおかげで、居直りました。
漫画だもん。フィクションだもん。だから、平蔵やニィや重蔵、いきなり死ぬことはきっとないもん。塩分多いくいもん食っても大丈夫、だって漫画の登場猫だもん。
1巻からのその他おなじみ、永沢夫妻やラピとらみー、わがままモネとモネの下僕夫妻、作家のセンセとセンセとこの宙さんおよびタヌキ一家、おこそ頭巾、に加えて、1巻では名無しだった猫集会に参加したい猫が「ゼン」という名前をもらったり、彼に「ゼン」という名前を贈ったメロディ嬢とその姉分のメロディ姐さん、ついに明かされたおこそ頭巾背景なのだが。
ワカル。
114話から登場のワカル。
ちょっとおツムが足りなくて、おっとり図々しくて、空気読まなくて、でもほんとに善人じゃねえや善猫のワタル、
彼にほんともう、ほだされてしまったのだった。
一番好きで好きで好きでなんべん読み返しても飽きないのは、ワカルが一人暮らしの80歳過ぎのおばあちゃん家にあがりこむ172話。その次が「じゃ、噛んであげますー」「やめて そのまま食べて! 食べちゃって!」の169話。
そやねん。
あえて「空気を読まない」という高等思いやり技術もあるが、ワカルの場合、素で空気読んでへんねん。でも、その空気読まなさ加減に救われる状況って、ほんまあるねんっ、まじあるねんっ!
165話右側ページもなんか泣けます。
そやねん、一日生き延びるのがほんま精一杯な人のほうがぎりぎりっぽいけどまだ余裕ある人より、傍から見て呑気そうに見えることけっこうあるねん、ほんまあるねん。ヽ(;▽;)ノ

そんでワカルが人ん家にあがりこんじゃとりあえず米シャカシャカ研いで炊飯器仕掛けるのが好きすぎて、ついついうちでもご飯炊いてしまうようになってしまい、米消費量が急上昇です。
米消費拡大目的団体、ワカル、PRキャラに抜擢しろよー。
あ、貧むすですが、天かすに吸わせる前に麺つゆにわさび混ぜると、味が超グレードアップします。
さらに握るとき、水でなくゴマ油を手につけると、風味もプチアップよ~♪



『早乙女くんとQちゃん』1 くるねこ大和 幻冬舎コミックス
『くるねこ』19 くるねこ大和


新品購入。
Qちゃん、本家「くるねこ」で知ってるっぽい人や猫が出てきて別の役やってて楽しい。
本家「くるねこ」19は、胡マコさんがいらっしゃったあたり。








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