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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『夜行』 森見登美彦 小学館

図書館。
ある年の鞍馬の火祭の夜、一緒に見物に行った仲間のひとりが行方不明となる。
それから十年、一緒に見に行った仲間が再び京都に集まるところから始まり、それぞれが十年の間に体験した奇妙な出来事が順次語られる。
語られるうちに次第に輪郭をはっきりさせていく岸田道生という銅版画家と彼が残した「夜行」という連作。
第一夜「尾道」から第四夜「天竜峡」まで、正直、話が謎の終わり方をしていて、このあと何がどうしてこの人はぶじに最初の鞍馬の火祭の夜の十年後の集まりにぶじ参加したのだろう?と思いながら読んだ。


『帰ってきた海馬が耳から駆けていく』5 菅野彰 新書館
『海馬が耳から駆けていく』5 菅野彰 新書館
『帰ってきた海馬が耳から駆けていく』1 菅野彰 新書館
『帰ってきた海馬が耳から駆けていく』2 菅野彰 新書館
『帰ってきた海馬が耳から駆けていく』3 菅野彰 新書館
『帰ってきた海馬が耳から駆けていく』4 菅野彰 新書館

図書館。
中図書館の新刊コーナーで『帰ってきた海馬が耳から駆けていく』5にひょっこり遭遇。
うわーーー、ひっさしぶりに出たんやーーー、と借りてきたが、読んでる途中であれれ?と思い調べたら。
わたしが最後に読んだのが『海馬』の4で、この『帰ってきた海馬』との間に、『海馬』5&『帰ってきた海馬』1~4までの5冊が存在、というか、知らない間に出ていたことが判明。
して堺市図書館蔵書検索してみたら。
あははは、中図書館にあったわ、エッセイコーナーの「す」のとこに全部ずらりと並んでたわー。
で、上記のとおりの順番で、やめられない、とまらない~、の一気読み。
『海馬』5が2003年くらいから始まってて、『帰ってきた海馬』5が2016年末までだったので、数日間で駆け抜けた菅野彰および彼女を取り巻く人々のの13年間。



『ダブルマリッジ』 橘玲 文藝春秋

図書館。
ジャニーズ大運動会のための一泊二日東京の旅に持ってった本その1。
父親のパスポート更新のために戸籍謄本を取りに行った大学生のマリ。
が、父親の戸籍謄本には、マリの母以外にフィリピン国籍の女性の名前が婚姻相手として記載されていた…。
話自体は途中までは面白かったが、後半、マリと異母系ケンの近親相姦だの、マリの父とフィリピン女性シンガーのコニーとの恋愛とかで、なんかとほほに…。
マリの母みたいな人間への著者の嫌悪には笑った。特に、彼女が手に職をつけるために選んだのがフラワー・アレンジメントってとこ。
で、びっくり仰天したのは、二重国籍を認めていない日本という国で二重国籍者が二十歳になったとき、日本以外の国籍を選んだ場合は日本国籍を放棄しないといけないが、日本国籍を選んだ場合はもうひとつの国籍の放棄については「外国の国籍の離脱につとめねばならない」、要は放棄しなくてもペナルティがないこと。
関西ジャニーズJr.にも数名ハーフがいる。
康二はパパが日本人でママンがタイ人。(タイ語は喋れるが文盲)
いま22歳なので既に選択済みなはずだが、たぶん日本国籍選んだんだろうな、とは思ってたが、日本国籍選んだらタイ国籍は放棄しなくちゃならないと思い込んでたわ。
そんで草間リチャード敬太。
ジャニーズ唯一(たぶん)のネグロイド&モンゴロイドのハーフで、パパはアフリカ系アメリカ人で、ママが日本人。
1996年1月11日生まれなので、現在21歳。
こっちはどうしたんだろ? アメリカ国籍は放棄したんかな? それともこの「離脱につとめねばならない」だけなのを知ってて、アメリカ国籍はそのまんま、現在も二重国籍なんかな? だってもったいないもんねえ、アメリカ国籍。
あとはベース担当でボクシングな吉岡廉。
この子は1998年10月26日生まれなので、本日(2017/04/23)現在、18歳。
なので選択年齢前。なので間に合う。
吉岡ーっ、二十歳になったら日本国籍選んで、フィリピン国籍放置よーっ! そうしといてもペナルティないらしいわよーっ! 将来的に何が役にたつか、今のご時勢わからんよ、ほんま。
ところでいま気づいたこと。二重国籍のかたっぽが兵役ある国だったらやっぱり兵役行かなならんの?

追記:蓮舫の二重国籍疑惑が湧いたのっていつくらいからだっけ? 「二重国籍を認めていない日本という国で二重国籍者が二十歳になったとき、日本以外の国籍を選んだ場合は日本国籍を放棄しないといけないが、日本国籍を選んだ場合はもうひとつの国籍の放棄については「外国の国籍の離脱につとめねばならない」、要は放棄しなくてもペナルティがないこと。」のなら、蓮舫が日本国籍を間違いなく保持しているならば二十歳になった時点で間違いなく日本国籍を選択してたってことやよね?


追記2:両親の国籍が違う人が「ハーフって呼ばれるのはなんか半端ものみたいな感じがしてイヤ。ダブルって呼んで」って、あれ変やよね? 「ハーフ」って「ハーフ&ハーフ」の略やよね? ダブル言うたら双子のことやんね?
ちなみにうちの啓介(故犬)なんかは、パパが秋田犬とハスキーのハーフ&ハーフ、ママンが柴犬だったので、ちゃんと言うなら「ハーフ&クオーター&クオーター」。



『万葉恋づくし』 梓澤要 新潮社

図書館。
奈良時代を舞台にし、万葉集の歌から材をとった、短編集。
「紅はかくこそ」(巻18 4108&4109)
「弟」(巻3 472&463)
「年下の男」(巻4 762&764)
「おその風流男」(巻1 126&127)
「醜の丈夫」(巻12 2875&2907)
「しゑやさらさら」(巻12 2870)
「恋の奴」(巻16 3816&巻4 695)
この時代の皇族の続柄と事件はおおまかなところ頭に入ってるが、皇族以外についてはよくわかってなかったので、どこまでほんとでどこから著者の想像なのかわからないまま、へーへーほーと面白く読みました。
そういやどの話かに「忖度」が出てきた。
この言葉、知ってはいても本で出くわすことはほとんどない。のが、松井知事のせいで一世を風靡、初めてこの言葉を知ったテレビに出ている人たちが「忖度」「忖度」とやかましいのにうんざりさせられたとこでタイムリー、かつ、テレビに出ている人たちが「ある」とか「ない」とかでしかよう使わんのにもうんざりさせられたとこだったのできちんと文脈の中に納まる「忖度」になんか心が慰められました。



『十字軍物語』2&3 塩野七生 新潮社
『皇帝フリードリヒ二世の生涯』上下 塩野七生 新潮社


新品購入。
十字軍の2を読み終えて3を読み始めたとこでなんとなく中断、してるうちにフリードリヒ出て、3を放置中なのが気にかかったもののフリードリヒのほうをちょっと読んでみたらこれがもう行け行けどんどんで、その勢いで3も再開してかわりべったん読んでたところ、ほとんど丸かぶってる十字軍3の第四章とフリードリヒ上の第四章をほぼ同時に読むという稀有の経験をした。
これ、出てすぐに順番どおりすぐ読んでたら、「あれ? なんか読んだ覚えが?」くらいだったと思うの。
ほぼ丸かぶってることについては、フリードリヒについて書いて削いで買いで削いでした結果、これ以外には書きようがないくらいになった結果なのではなかろうか。









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