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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『我ら荒野の七重奏セプテット』 加納朋子 集英社

図書館。
加納朋子の新刊出てないかな?とふと検索したら、こんなん出ていた。去年の11月に出ていた。
『七人の敵がいる』の陽子さん再び。
今度は中学校の部活問題。
陽子さんのひとり息子陽介くんが中学校で入ったクラブは吹奏楽部。その入学から卒業までの、吹奏楽部親の会でのすったもんだあれこれ。
玉野遥、五十嵐礼子、村辺千香ら前作のレギュラーも再登場。
すっげえ愉快で一気読み。
新登場の人物では、東京子さんと赤西ゴルビー、どっちも大好き。
東京子さんがついにぶちきれるとこでは、落語「井戸の茶碗」の屑屋さん思い出した。
クライマックス、赤西ゴルビーが実はもと中学校の教諭で吹奏楽部顧問してたのが判明するとこからの展開もすっげえ気持ちよかった。
わたしは遠征とかあるような部に入ったことないし、ひとりもんで子もおらんのでこの手の苦労は経験してないが、小学校の頃、小学校の学区を小分けした「子供会」でいろんな催しものがあったのを思い出した。玉川峡で水遊びとか、会館でやるクリスマス会とか、地区対抗のポートボール大会とか。
大人、大変だったんだろうねえ…。
あとびっくりしたのはベルマーク。整理に大人が数人一日かかるくらい集めてほんの数千円なんっ?!

ところで陽子さんは「すらりと背が高く、後ろ姿からもなかなかスタイルが良いことが見て取れた。ぱっと見、京子より十センチ以上は高い。なのに体重は同程度……下手をすると京子の方が重そうだ」(44頁より無断転載)そうだ。
『無菌病棟より愛をこめて』によると著者の加納朋子もこういう体型の細長い人で、ジャニダチのともちゃんが字は「智美」だけど「とも」ちゃんが細くて長いこういう体型なもんで、『無菌病棟より愛をこめて』の加納朋子をともちゃんのビジュアルで読んでしもたのだが、その余波で陽子さんまでなんとなくともちゃんベース→陽子コスプレのビジュアルで読んでもうた。


『TONOちゃんのしましまえぶりでぃ』4 TONO 朝日出版社

新品購入。
2012年から2017年までのTONOさん周辺の猫話。
わたし、これ、3巻買ったっけ? 本棚に1巻と2巻はあったんだけど、3巻、ほんとに買い忘れてるのか、それとも2015年&16年に買って読んだ、まだここに感想文書いてくないもんで積んである分の山の中なのか。
フィーさん、今年19歳ということは、うちのおばばくそばば巳夜子とおないどし。
この年生まれのメス猫、びびりで根性ブスで長生きなの?



巳夜子、今年の二月くらいに19歳になったはず。(いま@2017/08/15深夜、撮ったご近影)
二年くらい前から、朝起きたら死んでいた、とか、帰宅したら死んでいた、とかの事態を想定しながら暮らしているが、だいぶ小さくなってきたものの(怖くて体重は数年前から測っていない)、そして多少食いボケ気味なものの、とりあえずいままだ生きている。
(ご飯食べるとき口の中から歯石がこすれるイヤ~ンな音がするので、転ばぬ先の杖と、インターフェロン打ってもらいにマンマ動物病院に久しぶりに連れてった。もうだいぶ軽いから安くあがるかと思ったら、まだ3キロ以上あったわ。2019/09/15)


『ケルベロス 第五の首』 ジーン・ウルフ(訳:柳下毅一郎) 国書刊行会

図書館。
だいぶ前、出てすぐの頃に、いっぺん借りたのだ。
が、読み終わる前に返却日が来て、でもまだ出てすぐの頃だったので予約待ちの人が数人いて、そのうち借りなおそうと思ったのにそのまま忘れていたことを、先月読んだ『無力な天使たち』巻末に載ってた既刊本案内にこれが載ってて、思い出したのだった。
読んでも読んでも読んでも読み覚えがあって、やっと「これは絶対読んでない。間違いなく読んでない」箇所にたどりついたのは、280頁あたりであった…。
舞台はこの太陽系から遠く離れた恒星系にあり、地球人が入植した双子惑星、サント・クロアとサント・アンヌ。
三部構成。
サント・クロアのポート・ミミゾンという都市にある高級娼館らしき館で育つ「わたし」の一人称による「ケルベロス第五の首」。
「ケルベロス第五の首」でヴェール博士に会うために館を訪ねたマーシュ博士の著作という体裁の「ある物語」。
サント・アンヌの監獄内のできごととマーシュ博士らしい人がサント・アンヌ奥地を探索した日誌が並行して語られる「V・R・T」。
最後の「V・R・T」、監獄にはいったのは「ケルベロス第五の首」でヴェール博士を訪ねたマーシュ博士なのか、それとも彼が奥地の探索に雇った父子の息子、母親がサント・アンヌの原住民らしきことが日誌でほのめかされていたその息子が入れ替わったものなのか、なにもかもあいまいなまま終わる。

ところでいま調べたら、これが出たあと、何冊も翻訳出てたのね、ジーン・ウルフ。
前は堺市図書館で行方不明中だった新しい太陽の書3も、再版されて図書館にあるわー。



『スペース・オペラ』 ジャック・ヴァンス(浅倉久志、白石朗) 国書刊行会

図書館。
魔王子シリーズすら読んでないので、これが初めてのジャック・ヴァンス。
「スペース・オペラ」「新しい元首」「悪魔のいる惑星」「海への贈り物」「エルンの海」の五編入り。
「スペース・オペラ」が白石研訳、他が浅倉久志訳。
ルラール星から地球に興行に来た歌劇団が不意に姿を消し、この興行に出資しており音楽を愛する大富豪デイム・イザベル、洗練の極みに達した西洋音楽は文化背景も発生背景もまったく異にする他惑星発生の知的生物をも魅了するはずであるとの持論の検証も兼ね、彼女が地球で最高のオペラ歌手とオーケストラを組織し、いろんな惑星でオペラを上演しながら、ルラール星へと向かう「スペース・オペラ」は、一軒目のシリウスの顛末あたりで飽きて、結末まですっ飛ばした挙句、あれれ?マドック・ロズウィンの正体って結局なんやってんろ?とすっ飛ばした部分を行きつ戻りつする羽目に。
浅倉久志訳の四編で一番好きなのは、銀河を統べる元首が次期留任権を得るための自ら考案の厳しいテストを他候補者とともに受ける「新しい元首」。



『種をまく人』 ポール・フライシュマン(訳:片岡しのぶ) あすなろ書房

図書館。
児童書コーナーの夏休み特設コーナーみたいなとこで拾ってきた本。
アメリカのクリーブランド州のあまり景気のよくない小さな町。
失業者だらけで治安もよくないその町の一角にある空き地。
不法投棄された粗大ゴミだらけだったその空き地が、あるベトナム人の少女が五粒のライマメの種を蒔き、育て始めたことをきっかけに、ある夏、その町に住む祖国をたがえる様々な人たちの農園菜園になっていく話。
一番好きなのはグアテマラから移住してきたゴンサーロの話。ゴンサーロ一家を頼ってこの町に来たゴンサーロの伯父さん、祖国では部落の最長老だった人、国もとでは百姓をしていたがこの国では耕すべき畑もなく、英語もわからず、家族以外に話す相手もいない、そんな中、空き地でいろんな人がいろんなものを育てているのに遭遇、英語が話せないことからアパートに引っ込んでいた人が、畑の世話をしている人に自分から身振り手振りで話しかけにいくところ。
最後の章、秋が来て次第に収穫が終わっていき、農園はただの空き地に戻る。
が、冬が終わり、次の春、ある日ライマメの種をもったアジア系の女の子がまた種を埋め、再び空き地がいろんな野菜や花に溢れる予感でお話は終わる。
ところで実家から歩いて五分ほどの場所にある大野芝の交差点、ここで前はガソリンスタンドだった場所が更地になってから数年経つが、いまだに「売り地」の看板が立ったまんまである。
誰かここ買って工夫満載の狭小住宅建ててそこに濵ちゃんが「住人十色」のロケに来てくんないかなあと夢見ているが、買い手がついた様子もなく、綺麗に慣らされた地面にはいまや草が競うように伸びている。
ここに、ここの日当たりとか気温とか降水量とかにちょうどいい木、それもすっごいでっかくなる木の苗を、夜中にこそっと植えに行きたい野望を、いま熟成中。
やっぱ楠かなあ。




だからその道は「高野街道」じゃねえよ、GoogleMAP。
たかだか六十年くらい前に田んぼと畑の中をずどんと通した国道310号線だってばよ、GoogleMAP。


『カルバニア物語』17 TONO 徳間書店

新品購入。
タニアの髪、だいぶ伸びたなあ。
リンゼイ・パクスタンみたいな女が実際にいたら絶対苦手だが、リンゼイ・パクスタン本人はけっこう好き。キャラって大事だなあ。



『ピアニストだって冒険する』 中村紘子 新潮社

新品購入。
六月にこんなん出てたのにやっと気づいた。
いろんなとこに書いたいろんなエッセイをまとめたもの。
いま(2017/10/05)これ書くのにぱらぱらして、題名のない音楽会を予約しなおすのを忘れてたのを思い出した。
関西は土曜日の朝6時なのか。ほぼ一週間遅れなのか。
って、たまーにゲーム音楽特集とか特撮音楽特集あるのを見そこねないように毎週録画してるだけで、ほとんどちゃんと見てないんですが。

ところで昔うちで週刊朝日定期購読してた頃、これに紘子さんが書かれた短いお話、ひもじい野良猫が近所に住む女の人から女の人の亡くなった猫が残したキャットフードを振舞われる話が載っていた。ついていた挿絵も『ぼくが猫語を話せるわけ』テイストだったっぽい記憶がある。ということは紘子さん画? これが収録された本ってあるんかな?
紘子さん亡くなられたとき、先に亡くなった近しい人がいっぱい迎えに来たと思うけど、その中をタンク@最盛期ステータスが先頭切ってダッシュしてきて、紘子さんめがけてジャーンプっ、7.5キロが紘子さんの胸元ドーンっ!、とかしたのかな?










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