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本読み月記 |
【ジャンル分け】 | 最初から日本語で書かれた小説。 最初から日本語で書かれた小説以外。 日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。 日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。 コミックス |
『日本沈没』上下 小松左京 小学館文庫 図書館。 「日本沈没」が日本を席捲したのっていつ頃やったっけ? 確か1970年台やったよね? ということは原発、日本で既に稼動してたよね? 『日本沈没』の中で原発ってどう扱われててんろ? と思ったのが、今頃になってこれを読もうと思ったきっかけでした。 ググってみたら、原作『日本沈没』の発売が1973年、映画「日本沈没」公開も1973年、TVドラマ「日本沈没」放送が1974年。わし、小六&中一やんけ。阪神淡路大震災が原作発売から22年後の1995年、記憶に新しい東日本大震災が原作発売から38年後。 で図書館で借りてきたんですが。 東日本大震災の記憶もまだ新しい中、こういうこと言うのは正直不謹慎というか、とても気がひけるのですが。 くっっっそえげつな 面白かったああああああ ーーーーーーっっっ!!! 特に上巻第三章「政府」での田所博士のレクチャーおよび下巻第六章でついに中央構造線大地震が起きるところはほんまもう圧巻で、さらにさらにエピローグがもう、ほんとにもう…。 ちなみに下巻は今月6日、濵だちの直加ちゃんが「チケットあるけど来ます?」言うてくれはったジャニーズWEST横浜アリーナ夜の部行くのにのぞみ車内の友に持って行き、新大阪駅からのぞみ乗ってすぐ“4月30日”到来、 「あそこの---島はなんだ?」 「ばかやろう!」と中田がどなった。「仁徳天皇陵じゃないか……」 (下巻 291頁より無断転載) 太平洋側から押し寄せる津波をこのあたりが相当せきとめてくれたにも関わらず、堺市、おそらくたぶん1/4くらいが水没…。(うちは堺市でも内陸部で海抜38メートルだから、仁徳天皇陵が沈みきってなかったらたぶん大丈夫だけど、葉子ちゃん家とかさえこん家は…。あと高石の映美ちゃん家とか泉大津のくらちゃんとこの実家とかも…)(みんな、もしほんとにこんなことなったら、がんばってうちの実家目指してーーーー。うちよりまだ海抜高い42メートルだからっ! 実家二階やマンマ動物病院上も空いてるから、二、三世帯余裕だからっ!) そして富士山過ぎたあたりでエピローグ突入。 左右にひき裂かれた遠州灘ぞいの大地は、ずたずたに裂かれて豊橋、浜松、掛川の諸都市はすでに完全に海面下に沈み、泡立つ濁った海水は、南、中央アルプス山麓を直接洗い、天竜を逆流して、伊那盆地になだれこんで、ここを細長い湖に変えようとしていた。(下巻333頁より無断転載) この日、伊那在住の濵だちともちゃんも横アリ行ってて会える予定だった。 あはははは、ともちゃんとこも水没ーーーー。水没仲間ーーー。ヽ(;▽;)ノ 思わず浮かんだ「御市も弊市もずぶずぶ水没」。←元ネタはもちろん日経MJが映画「シンゴジラ」公開時にトップ記事のタイトルにして、去年の地上波初放送の折にもツイートしていた不朽の名コピー「御社も弊社も木っ端みじん」。 (ちなみに横アリ誘ってくれた直加ちゃんは東京都大田区在住なので、中央構造線大地震前に起きた第二次関東大震災の折にえらいことに…) エピローグ、行方不明だった田所博士が渡老人のもとを訪れるところで涙茫々。 ところで残るという花枝を旅立たせるために渡老人が彼女に送る言葉の伏線もと、八丈島に伝わる丹那婆伝説、これってどのへんに出てきたっけ? これを読むまでこの伝説のことをまったく知らなかった。衝撃だった。 そして映画「日本沈没」(昭和版)も借りてきて見た。 見たと思っていたが、間違いなく見ていなかった。わたしが見たのはTVシリーズ版だけだった。 原作読んですぐ見たおかげで、ものすごく原作に忠実な映画化だったことを今頃知った。 丹波哲郎の山本首相と二谷英明の中田がステキでステキでステキで。 しかし映画昭和版「日本沈没」、第二次関東大震災の被害状況は詳細に描かれながら、小松左京がこの小説で実に丹念に描いてくれた“4月30日”の中央構造線大地震はほぼブッチであった。 これ、田所教授のレクチャーとか“4月30日”部分だけをいまの技術で映像化したリニューアル版、出ないかなあ…。 ところで巨大大陸パンゲアが存在していたのは、たった2億年前。 2億年の間にパンゲアが剥がれて割れていま現在の六大陸(ユーラシア、北米、南米、アフリカ、オーストラリア、南極)になったというのも、読んだあとでググって知りました。 が、wikiの地球史の項によると、恐竜が発生して滅亡するまでは、2億5000万年前から6550万年前。 2億年前から6550万年前までの1億3450万年の間の地殻変動の間、恐竜たちもまた様々な地殻変動による災害にみまわれたのであろう。 そしてさらにググって、パンゲア以前にも巨大大陸が存在したことを知る。 ロディニア大陸。 これが10億年~7億年前だったらしい。 ということは、一番近くで7億年前にあったらしいロディニア大陸が分かれて、それが2億5000万年前に再びパンゲアに固まり、それがまた剥がれて、今の六大陸になったのか。 さらにwikiの地球史によると、地球が形成されたのが、この太陽系の太陽が誕生した46億年前から6000万年後の45億4000万年前。 この45億4000万年前から5億4200万年前までの40億年弱はざっくり「先カンブリア紀」。 この40億年弱の間にも、大陸は一箇所に集まって超大陸を作り、それが剥がれて幾つかの大陸に分かれ、それがまたひとつに集まって超大陸を作り、を繰り返してきたのだろうか。 (そういえば弥勒菩薩がこの世に降臨するのは、ゴータマ・シッダールタが亡くなってから56億7000万年後。この太陽系の太陽が誕生したのが46億年前、太陽はいま寿命の真ん中へんたれで、余命もたぶんそのくらい。この弥勒降臨を56億7000万年後と設定した人は10億年ほどの誤差はあるとはいうものの近似値といえば近似値なこんな数値をどうやって推測したのだろうと、弥勒伝説と太陽寿命を知って以来、不思議で不思議で) そういえば3億5920万年前~2億9900万年前の石炭紀以後、菌類が発達して植物や動物の死体を分解するようになり、いま現在、人間が採掘して使っている石炭や石油等の化石燃料は主にこの石炭紀に生成されたものなことを地球ドラマチックのなんかの回で知ったときはびっくりしたなあ。 ちなみにそもそも今頃『日本沈没』を読んでみようと思った原因、『日本沈没』で既に稼動中だった原発はどう扱われていたんだろうについては。 読んでも読んでも読んでも原発は現れず、やっとそれに触れられたのは圧巻のエピローグ。 東海発電所(だったはず。今頃『日本沈没』読むのは堺市内でわたしくらいだろうと返却日過ぎても呑気に構えてたら予約入れやがった奴がいて、「延滞、早く返してね」電話がかかってきて、慌てて返却行って、手元にいま本がないのよ)は、おそらく“4月30日”以前には運転停止、本格的に沈みだしたときにはベントで固めてあった。(実際の歴史では、東海発電所は、1998年に運低停止。ちなみにこの東海原子力発電は黒鉛減速ガス冷却炉。有名なチェルノブイリが黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉。「ガス冷却炉」と「軽水圧力管原子炉」の違いが読んでもいまいちよくわからない…) が『日本沈没』が発売されたのが1973年。 東日本大震災時、日本で稼動していた原発の大半がこの本の発売以降に稼動し始めた原発。 伊方原発、中央構造線間近のこれ、設置許可が出たのは『日本沈没』発売より1年前の1972年だけど、建設工事開始はその翌年、『日本沈没』発売と同じ1973年。1号機の運転開始が4年後の1977年。 これに関わった人たち、『日本沈没』読まなかったの? 字、読めない人たちなの? ろくすっぽ確認もせずに「しょせん小説やんけ、あはははは」だったの? ここに原発作ることにした人たち、近くに大きい町ないしーくらいの気持ちでここにしたんやろね、きっと。 (伊方原発を中心にした「30キロ圏内」が白い円の内側) ちなみにSF読みだけど完全文系の小娘だったわたしが大陸移動のことを知って(たぶん高校の地学かなんかの授業での余談部分で知った)『大陸は移動する』読んだのは1980年か81年くらいだけど、これがブルーバックスから出たのは『日本沈没』発売の翌年の1974年。 ところで映画「シンゴジラ」では、東京駅近くで停止したゴジラを完全に「駆除」するために多国籍軍が熱核兵器投入を決定、対象区域の360万人が東京以外へ疎開することになった。 映画「シンゴジラ」は公開時に映画館で観て(第四形態が伊福部昭作曲の「ゴジラ」テーマとともに鎌倉に上陸するとこと、東京駅近辺で米軍の攻撃を受けたことにより口からそして背びれのような部分から熱線を発するところで、なんかわからんがぼろぼろと泣いた)、2017年11月の地上波初放送もリアタイ、録画したのをこれを書いてるまでに二回観て、第四形態が伊福部昭作曲のゴジラのテーマとともに鎌倉上陸するとこで毎回泣いた。 あとでこの小松左京の『日本沈没』を初めて読み、映画「日本沈没」(昭和版)を初めて観たんですが。 小松左京はこの『日本沈没』で、日本政府が日本国土が二年以内(だったっけ?)に海底に沈むことを理解? 得心? 飲み込む? でから日本人を海外に脱出させようとし、諸外国の協力もあって、8000万人を脱出させることに成功したことにした。 映画「シンゴジラ」を先に観たせいでこちらの疎開シーンを先に観てしまったわけだが。 映画「シンゴジラ」でも「360万人を二週間? さすがに無理やろ…」と思ったが、それからこれを読んで「二年間で8000万人、さすがに無理やろ…」とやっぱり思った。 私はたぶん、うちの猫四匹置き去りにして脱出はようせえへんと思う。 ウィングロードに猫四匹積んで、車で行ける一番標高高い場所、金剛山の麓あたり?(そういえば、朝鮮半島に同じ名前の山があることを知ったのは、金蓮花の「銀葉亭茶話」シリーズ)で、四匹の猫とウィングロードごと、ずぶずぶ海水に飲み込まれることになると思うの…。 |
『日本沈没第二部』上下 小松左京、谷甲州 小学館文庫 図書館。 『日本沈没』が堺中図書館になかったので予約しようとして、十年前にこんなん出てたのを初めて知った。 小松左京の構想を元に谷甲州が書いたそうだ。 日本が沈没してしまってから25年後の話。 なんというか、たぶんこうなるだろうな、というシュミレーションの結果をだらだら発表した感じで、いまいち面白くなかった。 とはいうものの、小松左京がシュミレーションの結果を小松左京が小説にしたものが谷甲州だって死ぬほど読みたかったはずやねんもんね。 小松左京が知力の限りを尽くしたシュミレーションを小説の形にするという貧乏くじをよくぞ引いてくれた、谷甲州。 だらだら読んでたのがいきなりすっげえ面白くなったのが下巻、第七章「流氷の海」、国土を持たない日本という国の総理大臣中田(『日本沈没』のあの中田)が外務大臣鳥飼を罷免するまでのくだり。 (鳥飼)「いうまでもなく日本人は、世界に例をみないほど この言葉に胃の腑のど真ん中をずどんと直撃されました。 ところでこの第二部では、日本が開発した気候シュミレータによって氷河期の到来が予測され、事前にその情報が全世界的に共有されることにより、実際の到来以前に十分に対策がとられたことでハッピーエンドとなっているが。 いまひとつマスコミも取り上げず、ネットでもそれほど話題になっていないが、北極点がここ数百年の間に、ヨーロッパ側へ移動しているらしい。 北極点がヨーロッパ側へ移動しているということは、南極点は太平洋側へ移動してる? してるよね? このまま移動が続いて南極点が太平洋の南側あたりに到達したら、海流とかってどうなるの? 研究者、誰かシュミレートしてる? (そういえば、2000年前って、エジプトって大穀倉地帯、ここを直轄領にしてたことがローマ皇帝の富の元やったよね? それが今はだいぶ北のおフランスが農業大国。これについて書いてる本ってなに?) 均質化、で思い出したこと。 年末、神さん棚って大晦日に正月祭りにするんだったよな、と確認のため検索したら、「一夜飾りはダメ」のオンパレード。 しかしよくよく思い出してみれば、ばあちゃんやおかんが榊を正月のに替えて、いつもは洗い米と洗い小豆のかみのしき(漢字がわからず「神棚 かみのしき」で検索してみたところ、うちでは「かみのしき」と呼んでるものは世間では「折敷」と書いて「おしき」と読まれていた)にぜんざいを盛ってお供えしてたのは、絶対に大晦日の朝で、おぜんざいをおろして一柱に一セットづつお鏡をお供えするのは大晦日の夜で、かみのしきにお雑煮を盛ってお供えするのは元旦だった。 どこのローカルしきたりがいつの間にかネットで我が物顔にのさばってんだよ、「一夜飾りはダメ」。 自分家でやってたのは間違いだったと思って倣っちゃってる人もけっこう多いんかな、「一夜飾りはダメ」。 これ以外にも、TVで紹介される「正しいお作法」鵜呑みにする人も多いんだろうな。 こうしてさらに均質化が進んでくのかな? |
『八月の六日間』 北村薫 角川書店 図書館。 出版社で編集者をする趣味登山の「わたし」(女性)が山へ登るお話。 わたしは登山したいと思ったことがない。 これほど「登山」というものに対してネガティブな気持ちを持つに至った原因は、おそらくたぶんわが母校、“生駒金剛あおぎみる~♪”な登美丘西小学校で行われていた(今もやってるかどうかは不明)「耐寒登山」だと思う。 小四だか小五だかから小六まで年1回、わざわざ真冬の辛い時期を選んで、生徒を金剛山に登らせるのだ。 これがどんだけアホウな行事か気づいたのはつい最近、NHKの「歴史秘話ヒストリア」の2017年11月24日放送回「日本人と山 私たちは、なぜ登るのか」だった。 子供を自然好きにさせるなら、春とか秋とかの気持ちのいい季節に登らせたらええやんけ。 なぜ一番辛い真冬に山登りさせる? 子供の頃にこういう体験させて山登りなんか絶対イヤーっ!にさせるためか? もくろみどおりに「登山? ゼニもろてもイヤ」にされ、高校のときの長野修学旅行のときも御嶽山登山かオリエンテーリング二択で迷わずオリエンテーリング選んで数十年。 ですが。 同じ小学校だけど9歳年下、でもやっぱり「耐寒登山」のせいで登山なんかゼニもろてもイヤにさせられたN塚長姉に。 私 「いま北村薫の『八月の六日間』っていう女の人が趣味で山登る小説読んでんねんけどな」 長姉 「へえー」 私 「ちょっと山登りたい気持ちにさせられてしもてんねん」 長姉 「え゛ーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!」 「わたし」が基本単独行で、しかも毎回、山を登りだすまでの往路と山を降りてからの帰路に読む本を荷物に入れるとこに共感させられたこともあるが、ちゃんと体力的にきついことも書かれてるのになんだかほんとおもしろそうで…。 「わたし」は同僚の藤原ちゃんに山登りに誘われたのがきっかけで山登りを趣味にするようになったが、もしうちの小学校の登山行事がもうちょっと気候のいい時期だったら、わたしが山ガールになってた可能性もあったかもと思うのよ。>登美丘西小学校 |
『復活の日』 小松左京 角川春樹事務所 図書館。 映画は観た。 大学のAVルームにTV放送を録画したビデオテープ(ベータだったかUマチックだってか…)があって、それで観たのだ。(まだVHS vs Beta戦争の頃で家庭用ビデオデッキが高価だった頃。Betaが生き残るであろうというのが世間大方の見解であった頃…) 観たのはそのとき1回こっきりだが、日本の俳優たちが目の下に隈作ってはあはあしんどそうにしてただけだったのに対し、ロバート・ヴォーン扮するアメリカ上院議員がずるずる鼻を噛みまくってたのが、いまだに強烈に記憶に残っている。 で、『日本沈没』があんだけくそ面白かったんだから、これの原作もさぞくそ面白かろうと借りてきた。 これまた クッソ面白かったよ、 小松左京っ! 謎のインフルエンザが世界を席捲するまでは長かったが、このインフルエンザのせいでインフルエンザウィルスが生きられない各国南極基地だけが無事、でも本来南極基地というのは本国からの物資補給を受けることによって存続する消費オンリーの場所。 その補給がなくなる上、すでに南極にあるものも厳しい気温が原因で耐久年数は温暖な本国よりずっと短い。 そんな場所にいた人間だけが生き残る、しかも生き残った人間、女性のほうがかなり人数少ない、という設定って、「大絶滅が起きて、人間もごくひとにぎりしか生き残らなかった場合、そのひとにぎりがどうやって生き延びていくか」という話として、しばりきつすぎじゃね? とか思いながら読んでたんですが。 南極基地にいた人たちは、南極という特殊な場所に派遣されるだけのなんらかのスキルを持つ人であり、かつ、南極という特殊な場所でのさまざまなストレスに耐えられる人であり、しかも南極に派遣されたんだからそれなりに健康な人たちばかり、であったのだ。 まず南極基地ありきだったのか、まずインフルエンザありきでそこから考えてったら「南極基地は大丈夫だよな?」になったのか、どっちだったかは不明だが、結果として「生き残った人間が一箇所に集まるまでを描かずに済む」「理性的な人間が生き残ってくれるので、たまたま一箇所である程度の数が生き残ったのと違い、そんな場合に起こるであろうさまざまな軋轢を書かずに済む」という、ものすごいアドバンテージがあったのか、南極基地、と…。 ちなみに映画「復活の日」といえば、ボロをまとって髪髭ぼうぼうになった草刈正雄が荒野を歩くシーンがまず浮かぶけど、あれが南極に帰るシーンだったことが、すっぽり記憶から抜け落ちてました。 ところでこれ読み終わったあとしばらくして、インフルエンザ大流行のニュースが。 これはシンクロニシティしないで。 (シンクロニシティで思い出した。 映画「羊の木」、主演が決まる一週間前に、関ジャニ∞の亮ちゃん、たまたま原作読んでたらしい。 ある、あるわ、亮ちゃんっ! で、こういうシンクロニシティ起きるときって、対人対物別にして、自分の中での調子は絶好調なことない?>うちの亮ちゃん) |
『クリスマスの思い出』 トルーマン・カポーティ(訳:村上春樹) 文藝春秋 図書館。 初めてのカポーティ。 読んだきっかけは「グレーテルのかまど」。 2017年12月18放送の「カポーティのクリスマスフルーツケーキ」。 グレーテルのかまどでは、七歳過ぎの「僕」と60歳過ぎのスック(とふたりが飼っているラック・テリアのクイーニー)がクリスマスのフルーツケーキを作るくだりが紹介されていたが、それは前半で後半では、「僕」とスックがクリスマスツリー用の木を切りに行ったり、お互いへのプレゼントを用意したりするさまが語られる。 スックはたぶん今ならいわゆる「知的障害者」。 今では義務教育として設定されたカリキュラムに適応できず、就くことができる職業が限られてしまう人たちも、、100年くらい前までは、それぞれの特性にあった職をみつけていたのでは、と改めて思った。(落語「道具調べ」のあの大工さんなんか、今の世の中ではたぶん、大工になれなかったと思うもん)(自分のペースでなら根気のいる作業を苦にしない「職人」にむちゃくちゃ向いてる人とかも結構いると思うのよ) ところでラックテリアってどんな犬?とググったら、ジャックラッセルであった。 山本容子による挿絵からすると、順子んとこにいるココアとファニーみたいな、ラフ系かな? |
『日本人の知らない日本語』4 海外編 蛇蔵、海野凪子 メディアファクトリー 古本購入。 島本和彦とジャニーズWESTの座談会が載ってた月刊「ゲッサン」2017年12月号&2018年1月号。 後編は新品買ったが、前編うっかりしてて買いそびれ、ネットで探したらあったが、3000円以上買うと送料タダになるそうなので、読んだら面白かったので買って手元におきたかった本を探し、RP祐子に借りて面白かったこれをみつけた。で、3巻までは確かに借りて読んだが、この4巻は未読だったな、と。 蛇蔵さんと凪子先生が、各国の日本語学校を見学に行ってみつけたり気づいたりしたあれこれ。 行った国は、フランス、ベルギー、ドイツ、イギリス、オーストリア、チェコ、スイス。 ところかわれば常識もかわる、それを楽しみ、なぜそうなったのかを考察してまた楽しむところが、ほんとに楽しい本。 |
『風神雷神』 風の章、雷の章 柳広司 講談社 図書館。 俵屋宗達のお話。 「美の巨人たち」は毎週録画してて、それで何回かこの人の作品にお目にかかったことがあるけど、安土桃山からあとの絵描き、どの画をどの人が描いたか、以前にどの絵描きがどの時代の人なのかすら、わたし、いまいちよく飲み込めてないくらいのレベルなので、お話の中で宗達が新しい画を描くたび、iPhoneで画像検索しながら読んだ。 なので、生い立ち部分とかも、どこまでがほんとでどこまでが柳広司の虚構か、ぜんぜんわからない。 けど、面白かったあああああっっっ!!! 実に気持ちのよい「名人譚」であった。 |