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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『安倍晴明 天人相関の巻』 小松左京、高橋桐矢 二見書房

図書館。
さて小松左京、次は何を読むかと、堺市図書館蔵書眺めててこれ発見。
1968年に小松左京が書いた「女狐」という短編が元、夢枕獏の「陰陽師」シリーズブレイクで編集者がそれを思い出し、小松左京を通した上で高橋桐矢という作家が実際に書いたお話らしい。
20世紀最後頃に生きている記憶を二重写しのように持つ安倍晴明が伝奇ものな術をそのまま使うところはちょっとそのお…で、安倍晴明の母方の里である秦氏の目的についてもなんだかなだったが、もとは角つきあってた賀茂保憲と安倍晴明、秦氏の楓の三人が、なんかいい感じのトリオになってったとこは好き。
安倍晴明と、藤原忠平の長男実頼と、紀貫之、この三人が紀貫之の荒れた屋敷で歓談するシーンも好き。



『霧が晴れた時』 小松左京 角川ホラー文庫

図書館。
「すぐそこ」「まめつま」「くだんのはは」「秘密(タブ)」「影が重なる時」「召集令状」「悪霊」「消された女」「黄色い泉」「逃ける」「蟻の園」「骨」「保護鳥」「霧が晴れた時」「さとるの化物」の15編入り。
怪談としは完璧な「すぐそこ」と、太平洋戦争末期の兵庫を舞台にした「くだんのはは」、異様な状況が起きてからええとこで解説にどんぴしゃりな身内が登場する「秘密(タブ)」が、好みの話。「蟻の園」と「保護鳥」も好き。



『海賊とよばれた男』上下 百田尚樹 講談社

図書館。
中図書館の「うちで返却されましたが、うちの蔵書ではなく、(堺市内の)他図書館の蔵書なので、これから他館に返却されますが、いま現在予約ついてない本なので、読みたかったら借りられますよ」棚で発見、なんの前知識もなしに借りてきた。
読み始めてしばらくしたとこで、この国岡商店の国岡鐡造さんて誰かモデルいるの?と思ってググり、出光の創業者だったことを知る。
途中くらいからなんとはなしに鼻白みつつ読んだ。
そんで百田尚樹、『永遠のゼロ』はわたし、岡田くん主演の映画(をレンタル)で観ただけだったのね。これが初めての百田尚樹だったのね。そんでこれに載ってた著者略歴で初めて知ったけど百田尚樹、「探偵ナイトスクープ」のチーフ構成作家だったのね。
上巻352頁に『永遠のゼロ』の宮部、カメオ出演。



『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん 中央公論新社

図書館。
杉並区の古びた洋館で暮らす四人の女。
この家の家付き娘の鶴代と、鶴代のひとり娘で刺繍をなりわいにする佐知、この大家母娘と、佐知との縁でこの家に下宿?することになった雪乃と多恵美。および、ここん家の敷地内に建てた小屋のようなところで生まれ育っていまもそこに住む山田老人。
多恵美につきまとう元彼事件などはあったものの、のどかで楽しいお話であった。

多恵美、元彼のその場しのぎの薄っぺらい言葉にすぐほだされかけるのはともかく、「働くのが苦にならないほうが生活費を稼げばいい」という人生哲学はステキだった。というか、この二面が一緒くたになってることに、なんかちょっと目からうろこが…。
ところでうちは親戚ほとんど堺市内で、県外に親戚いる人がいまだにとっても羨ましい。ので、佐知がおんなじように田舎のある友達をうらやむところ、ほんまに心から共感した。



『砂浜に坐り込んだ船』 池澤夏樹 新潮社

図書館。
表題作「砂浜に坐り込んだ船」、「苦麻の村」、「上と下に腕を伸ばして鉛直に連なった猿たち」、「大聖堂」、「夢の中の夢の中の、」、「イスファハーンの魔神」、「監獄のバラード」、「マウント・ボラダイルへの飛翔」の八編入り。
今年の3月11日ももう間近い。
「苦麻の村」の佐々木さん、彼が帰宅困難区(正確には「福島第一原発に由来する放射性物質により被爆した場所」)で元住んでいた家に戻ること、、そこに戻って住むことの「デメリット」を理解した上での選択であるならば、そしてこの物語の佐々木さんはそれを己がもつ知識と照らし合わせて理解している、それを「禁止」する権利は果たして国にあるのだろうか。
「大聖堂」も結末はなんとはなしに予感しながら、予感どおりの結末を迎えたとき、なんともいえない気持ちにさせられた。
「夢の中の夢の中の、」、二度寝のときの眠りの深さ加減、たまにうっすらそのときに見た夢の断片が残っている瞬間、をうっすらと思い出す。
「イスファハーンの魔神」も好き。
表題作の光景も好き。

これを読んでから一週間後くらいにN塚長姉宅で「マツコの知らない世界」見てたら、日本で流通するペルシャ絨毯の半分はこの人通ったもんだという人が登場。この人の喋りがすっげえ愉快で、最後にマツコに1枚買わせてしまったのも凄かった。

これでペルシャ絨毯の五大産地のひとつとして紹介されてたイスファハーン、「イスファハーンを見たものはこの世の半分を見たと同じ」のイスファハーン、つい最近この地名知ったとこだぞ、いったいなんで知った?と思ったら、これやんけ。


『明日の子供たち』 有川浩 幻冬舎

図書館。
児童擁護施設、様々の事情で親と一緒に住めない子供たちが生活する施設が舞台。
そこに志をもって転職してきた青年を軸に、先輩職員やそこで暮らす子供たちを描いたもの。
面白かった、面白かったけど、福原施設長が杏里の癇癪への対処方法を思いつくとことか、三田村のスキルが役に立つとことか、すっごい気持ちよかったんだけど、なんというか、物語の中で対処できる問題だけを扱ったような気がして、なんかなあ。
この気持ちに一番近い言葉は「予定調和」かなあ。


『猫ピッチャー』7 そにしけんじ 中央公論新社

新品購入。( ̄^ ̄)
初めて新刊で買った7巻にして、読売契約してるN塚家で最初に読んだ231話に到達してしまった…。
この巻以後は単行本絶対新品で買うぜ、そにしけんじっ!
N塚家に読売新聞配達している某白鷺販売店さま、濵ちゃん(とお淳太さま)回の読ファ、N塚家を名乗って多めに配達してほしい旨お願い電話したら快く承知してくれて、10部配達、ありがとう、ありがとう、ありがとう。友達も幸せにありつきました。



『HUNTER×HUNTER』35 富樫義博 集英社

新品購入。
ええっと、誰が誰だかよくわからない~。
上にクラピカの能力の縛りがどやったかも忘れてる~。
クラピカの鎖のあれこれが説明されるのって何巻あたりやったっけ?

ところで大阪城ホールでジャニコンあるとき、昼の部夜の部両方観るとき、昼の部終わったあとダッシュで落ち着き先をみつけないと難民になる。
あれはいつのことだったか、福富ちゃんとなんのちゃんと三人でなんかを昼&夜行ったときのこと。
昼の部終演後、城ホを出てターゲットの店に向かったとき、このふたりの歩く速さが速すぎて、わたし、小走りにふたりを追いかける羽目に。
1巻のハンター試験を思い出したわ。



『ふるぎぬや紋様帳』3 波津彬子 小学館

新品購入。
風呂敷といえば、PC(ミニタワー)にBDドライブ増設してもらいに購入元のパソコン工房に持ってくのに、うちにある一番でっかい風呂敷に包んで持ってたわ。ミニタワー入れられる鞄がなかったからしょうがなしにやってんけど、担当してくれたスタッフさんにむっちゃ受けたわ。
その風呂敷、親戚が購入せざるを得なかった某代議士のパーティーの入場券がうちに回ってきて行ったときの引き出物で、「なにこのでっかい風呂敷…」と思ったが、役にたったよ、某代議士。
なので、第十七話、伊都子が濡れ手に粟で手に入れる本染め風呂敷1セット、ええな、ええな、ただでフルセット、とねたましかったわー。
袱紗といえば、おかん亡くなって実家を抜本的大整理したとき、袱紗もでてきた、お祝い用のから妹が結婚したとき家に放置してったお茶用の袱紗まで、各種全部一箇所にまとめておいた。
で、従妹の次男の結婚祝い持ってくのに、探さなくて済んだ。



『王妃マルゴー』6 萩尾望都 集英社

新品購入。
これに出てくるドン・フアンって、このドン・フアンで、こっちのドン・ファンとは違う人だったのね。
マルゴーのママのカトリーヌ・ド・メディチはまだ存命中。
なので、まだ1589年以前やねんね。
日本では豊臣秀吉が栄耀栄華を尽くしている頃?



『神秘大通り』上下 ジョン・アーヴィング(訳:小竹由美子) 新潮社

図書館。
メキシコ生まれ、十代半ばでアメリカに移住、著作が他言語に翻訳されて世界で読まれている有名作家フワン・ディエゴが主人公。
彼のフィリピンへの旅と平行して彼の子供時代がベータ遮断薬を飲みさぼったおかげで再び見ることができるようになった過去をたどる夢という形で語られる。
フワン・ディエゴがメキシコを出る前に亡くなった彼の妹ルペ。
彼女の語る言葉は兄のフワン・ディエゴしか理解できないという設定に、小川洋子の『ことり』の兄弟を思い出した。
先天的な声帯の変形があることが検査で明らかになるが、ルペが兄たちと同じ言葉を喋ってるつもりでもその変形のせいで違う音になってしまうだけなら、リゲロやペペ修道士もある程度は聞きなじんで理解できるようになってたと思うので、ルペが音として発する言葉は変形がなかったとしてもてんででたらめな音だったのかもしれない。
ペペ修道士、大好き。
あと老神父コンビ、アルフォンソ神父とオクタビオ神父も、なんか妙に愉快だった。
「役に立ちたい? なんと利己的な!」(上巻のどっか。返却日きて手元に本がないの。「誰かの役に立ちたい」か「役に立つ人間になりたい」だったかも)には爆笑した。このふたりがルペの葬儀で「やりたい放題」やるとこも好き。
そして現在でフワン・ディエゴが旅の途中で知り合うミリアムとドロシーの母娘、っていったいなんだったのだろう?
エスペランサの死の現場にいて、フワン・ディエゴの死の近くにも現れた、この母娘の別の姿とおぼしきふたりの黒衣の婦人もなんだったのだろう?
登場人物の表記が個人名だったり通称だったり象徴名だったりところころ変わるので、これ誰だっけ?と思うことが多々あったが、読みづらいというよりはいい感じに読むスピード調整してもらった感じ。

ところで作中の「現在」は2011年で、フワン・ディエゴは54歳。
その彼が「2000年以降のことはすべて『つい最近』」みたいなことを考えるのにすごく共感した。
わたしの場合、2000年にクウガのせいで特撮落ち、2007年からジャニヲタになったため、このふたつおよびジャニーズWESTデビューのてんやわんやあった2014年が、過去の記憶を確認する上で格好のランドマークになってくれてるけど。

フワン・ディエゴの養い親たちがエイズで亡くなったとこで、フレディ・マーキュリー亡くなったのいつだっけ?とググった。1991年11月24日だった。あれから三十年近く経ったのか…。

サーカスが作中に登場したあたりから、「そういや『サーカスの息子』、いっぺんかにへん借りてきたけど、結局読まずに返却日が来たなあ…」とか、読みながらずっと気にかかってしまった。
まだ読んでないアーヴィングは。
『158ポンドの結婚』
『サーカスの息子』
『未亡人の一年』
『ピギー・スニードを救う話』
『マイ・ムービー・ビジネス 映画の中のアーヴィング』
『第四の手』
『また会う日まで』
『ひとりの体で』
こんなにまだ読んでなかったのか…。



『身の丈にあった勉強法』 菅広文 幻冬舎

図書館。
ロザンの菅ちゃんが、府大一浪した己の経験と京大現役合格した相方を観察して気づいたことを軸にまとめた、勉強方法指南本。
なのか? 本当にそうか?
これまでと変わらず「うちの相方、こんなけったいな奴なんです」のろけ本だった気もするが。
一応勉強方法指南本として読んだ場合のものいい。
わたしは復習派だ。
小学校高学年くらいのとき、人もすなる「予習」というものをしてみたところ、授業が退屈すぎた記憶があるからだ。
(そして予習しない人間のまま育ち、高校で見事に落ちこぼれたのであった)
そしてわたし、小学校のときから地理が苦手だった。
なので中学校で一念発起、地理は予習して授業ちゃんと聞いて復習もしたのだ。
なんの役にも立たなかった。
歴史は教科書読んで試験前に問題集やっただけで点とれたのに、地理は低迷を極め続けた。
結論:苦手なものはどうしようもない。
(あ、でも、今はPCかスマホですぐ地図で確認できるもんね。今の時代ならわたし、地理も復習すればわかったかも。点数とれたかも)
(なにしろ地理、いまいったいどのへんの話をしてるのか、地名だけだとてんで見当がつかなかったのよ、わたし。小学校の頃、中国地方は日本の本州に中国の飛び地があると思い込んでたくらいだから)
最近では、歌舞伎。
これはもう断然復習である。
ちらしのあらすじも読まずに観る。
もちろんイヤホンガイドなんか死んでも借りない。
白紙で観にいき、観ながら必死で、時代はどこかとか、元ネタある話なのか、とか頭をフル回転させる。
だって歌舞伎、安土桃山より前を舞台にした話だと、時代考証ないんだもん。江戸時代の風俗なんだもん。
で、観終わってから、ググる。
ググって答え合わせする。
でも、「教えられるより教えたほうが得をする」…じゃない「勉強になる」とか、宿題しなかった親ほどわが子に「宿題せえ」とやかましく言うとか、目からうろこが落ちたよ、菅ちゃん。

ところで小学校&中学校、うちの隣の校区で、高校はうちの高校だった福本大晴くん@関西ジャニーズJr(そういや大晴、そろそろ高校生だけどどこ行ってんねんろ?とふと思って「福本大晴 高校」でググってみたとき、脈絡もなくうちの高校が三番目か四番目くらいにヒットしたときのびっくり仰天)(中学校でもうちょっとがんばれば、わたしでなく、沢口靖子の後輩だったのにね…).、ぶじ大学現役合格したそうです。
大晴、おめでとおおおおおーーーーーー。
ジャニーズWEST3/28夜の部MCでの情報がソース元の勘違いでなければ国立大学らしい。
(後の情報で国立ではなく国公立だったことが判明。経済、ということは大阪市立大学、通称市大か? うちのおいの後輩か?)
(でもできたら府大@親孝行コース!してほしかったわ、大晴)→なぜ府大が親孝行コースかというと、公立なので授業料が安い上、大晴の校区あたりからだと歩いて行けて交通費までかからんから)
大晴、おめでとおおおおおーーーーーー。
関ジャニ∞&ジャニーズWESTに合格祝い、はりこんでもらえ。
特に村上さん、現金ではりこんだってー。
いっそのこと村上信五奨学金(学費全額負担、返済義務なし)とか作って、大晴が最初の受給者とか、どうっすか?
そういや日本の税法、個人が個人名つけた奨学金作った場合、税制上の控除とかないんかな?

(いや、それ以前に、村上さんが大晴の学費だしたったら、今の日本の税制上、贈与税対象になるねんよな?)
(奨学金を出す側の控除以前に、学費については誰が出しても贈与非対象にしたらどないや?>税務署)

追記:贈与税の基礎控除って110万円やってんね。
ということは市大なら、入学金入れてもぜんぜん基礎控除圏内っ!
村上さん、GOGO!



『通い猫アルフィーの奇跡』 レイチェル・ウェルズ(訳:中西和美) ハーパーBOOKS

図書館。
老齢の飼い主マーガレットと先住猫アグネスのもとでぬくぬくと暮らしていたアルフィー。
まずアグネスが老衰で亡くなり、次に飼い主マーガレットが亡くなり、マーガレットの親族によってシェルターに送られそうになった四歳のオス猫アルフィーは、自ら家を出る。
いきなり飼い主と家を失った飼い猫育ちの身には厳しすぎる野良暮らしをなんとか生き延び、さまよった末にたどりついたのは、とある住宅街。そこの空き家に引っ越してきたばかりの一人暮らしの女性宅をゲットするも、もしものときのため、複数の家をキープしておくことにする。
が、メインの飼い主にしたクレアを筆頭に、彼が通う家の人々はそれぞれに問題を抱えていて、アルフィーは彼らを案じ、彼らのために画策する。
クライマックス、最悪の男にひっかかり転がりこまれて居つかれたクレア、彼女のためにアルフィーがある決意をする。

危険な賭になるだろう。それはわかっている。寝ているあいだにいつのまにかできていた計画は、控えめに言っても無謀なものだ。でもやるべきことはそれだと確信があるから、いちかばちかやってみて、うまくいくように祈るしかない。(340頁より無断転載)

このくだりについて「飄々とした優しげな「猫」くせしやがって、ハードボイルドかよw」とツイートしてらっしゃる人がいて、ほんまそれ、と胸が熱くなった。
やりとげたものの大怪我を負ったアルフィー。
なんとか回復、退院間際になって、彼がなんとか出会わせようとしたクレアとジョナサン、このふたりが一緒にアルフィーの目の前にいたシーン、好き、ほんま好き。
この本、表紙もステキ。東久世という人の絵。


追記。
Safty LIFE どんなときも Allright
次の家が保障されてる
(「SAFETY LOVE」 B'z 無断替歌)

複数の家をキープしようとするアルフィーに、これに似た状況なんか知ってる…と思ってたんですが、
6月13日、B’z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018後期に行き、シアターで去年の津山&豊中里帰りライブのドキュメンタリー観たとき、この曲登場したとこで「これかっ!」と。









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