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本読み月記


【ジャンル分け】 最初から日本語で書かれた小説。
最初から日本語で書かれた小説以外。
日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説。

日本語以外で書かれたものを日本語に翻訳した小説以外。

コミックス


『通い猫アルフィーのはつ恋』 レイチェル・ウェルズ(訳:中西和美) ハーバーBOOKS
『通い猫アルフィーとジョージ』 レイチェル・ウェルズ(訳:中西和美) ハーバーBOOKS


図書館。→『奇跡』ともども一気買い考え中
(追記 とりあえず『奇跡』のみ新品購入)
『通い猫アルフィーの奇跡』の続編。
表紙絵は『奇跡』と同じく東久世
『はつ恋』はエドガーロードに新しく越してきたが、カーテンを閉めたて、近所の人々と交わろうとせずに暮らすスネル一家、その一家に飼われる猫スノーボールにアルフィーがフォーリンラブする話。
膠着状況のブレイクスルーのきっかけとなる、アルフィーの無謀な木登り、ナイス。恥ずかしさに怒りまくるアルフィーくっそ可愛い。
『ジョージ』は、恋人スノーボールが彼女の一家の引越しで遠く離れた場所へ。二人目の子供は望めないとわかって養子縁組を考えていたクレアが失恋で傷心のアルフィーにFACEBOOKの里親募集(手付け金というのがよくわからんのだが)で貰ってきたジョージの世話を押し付ける話。
ところでtwitterでレイチェル・ウェルズのアカウント発見。本国では第四作『alfie the holiday cat』が去年11月に発売されてました。



『姉・米原万里 思い出は食欲とともに』 井上ユリ 文藝春秋

図書館。
中図書館開架にあった。
2006年に亡くなった(もう12年も経つのか…)米原万里さんの妹さんによる万里さんの思い出話。
そういや妹さんて井上ひさしの二番目の奥さんだったなあ、と読んでる途中で思い出した。
万里さん、癌がみつかったとき、正規の癌治療を受けなかったことも、これで初めて知った。
友達とよく言ってるのは「癌みつかって何がイヤって治療じゃんくさそうなとこ」。
内服薬きちんと飲み続けるだけで治るようにならんもんか。
この妹さんの文章、あちこちちょっとそのイヤ~な感じで、万里さんの本を読み返して口直ししたくなった。



『チュベローズで待ってる』AGE22&AGE32 加藤シゲアキ 扶桑社

図書館。
AGE22は、就活全滅した「僕」が留年の一年、ホストをする話。
AGE32は、一年留年したあとでゲーム会社に就職してから十年後の話。
AGE22は多少辛気臭かったものの普通に読んだのだが。
AGE32、これなんなの?
なにこの、伏線ぞんざいなとりとめのない話。
美津子の甥のユースケ主人公にして、導入部がAGE22時点での美津子の自殺、本編が十年後、彼がホストになってそこでゲットした人脈駆使するとか、叔母が勤めてたこの会社に就職するとかして(そこで「僕」にも出会う)、叔母の自殺の真相をさぐっていく話に、どうしてしなかったの?

新宿美少女失踪事件については、連作短編集の一作ならよい話になったと思う。なぜここに突っ込んだの?


『むくどり通信』 池澤夏樹 朝日新聞社

図書館。
本腰入れて池澤夏樹を読んでみようかと、とりあえず中図書館にあった分を借りれるだけ借りてきた分の一冊。
1993年に週刊朝日で連載したエッセイ一年分を一冊にまとめたものだそうだ。
ちなみに「池澤夏樹読むとしてまず何から読むべき?」とググり、池澤夏樹が福永「テストに出る」武彦の息子だったことを初めて知った。
(そういや『〆切本』で寺田寅彦と外山滋比古に出くわしたとき、なんとも奇妙な気分がしたのは、教科書もしくはテスト以外でこのふたりの文章に初めて出くわしたためだったのかと)
(ちなみに福永武彦、教科書もしくはテスト以外ではまだ読んだことない、たぶん)



『スターシップ・イレヴン』上下 S・K・ダンストール(訳:三角和代) 創元SF文庫

図書館。
新刊コーナーから借りてきた。
500年前に発見された謎のエネルギー源「ライン」。
これを利用して「ボイド空間」を抜けることにより、人類は銀河系全域を版図とできるようになった。
ラインは全部で10、それぞれ違う役割を持ち、使用しているうちに撓んで歪む。その撓み歪みを元に戻す職能が「ラインズマン」だが、ラインを感知認識できなければできず、できるできないは先天的なものであり、ナンバリングされたラインのナンバーが大きくなるほど感知認識操作できる者はより少なく、10番のラインを扱えるラインズマンはレベル10と呼ばれ、全銀河で50人程度。
主人公イアン・ランバートはレベル10。しかしスラム育ちでラインの扱いも我流。
ラインズマンとして他のレベル10から蔑まれているこの主人公の飛びぬけすぎた有能さを物語の最初のほうで披露しすぎたかな、という感じ。



『悲嘆の門』上下 宮部みゆき 毎日新聞社

図書館。
11日のPEACHで日帰り東京の旅(目的はこれ)に持ってくのに、東百舌鳥図書館の開架漁っててみつけた。
ノンシリーズのミステリかと思ったら途中からむちゃくちゃファンタジーになって「え、そんなん聞いてへんー」みたいなキモチに。
。そしていまググって知ったが、『英雄の書』と同じ世界設定だそうだった。『英雄の書』ってわたし読んだっけ?と確認してみたら、2010年8月に読んでいた。


ところでこれ鞄に放り込んで東京行った日、有楽町の用事が2時頃終わってしまい、献血でもすっかと有楽町献血センターに行ったら残念ながらわたしの献血カードのデータでは次に400CC献血できるのは今月の26日から。あらま。
で、献血諦め、永田町に移動、前に参議院見物はしたことあったが衆議院見物はしたことなかった。ちょうど見学開始したとこだった岩手から来た修学旅行生軍団に混ざって決められた館内ルートを楽しんだが(NHKでライブ放送中だった会議は扉閉められてて声が聴こえてきただけだけど)(そして小泉進次郎がそのへんうろついてるということもなかったわ、ちっ)、それでも時間はまだ3時半。
そこでわたしはふと思った。
国会図書館って国会図書館いうくらいやから国会のすぐそばにあるんちゃうの?
スマホで調べたらすぐ近くであった。
そういうわけで、生まれて初めての国会図書館。
新館ロビーでカード作ってもらって初めて中に入った。
食堂で図書館カレー食べて、その隣の売店見物して、2階の喫煙室でのんびりして、空いてる機械で蔵書検索した。
あそこ最高、今度からわたし、東京で暇つぶさなあかんとき、ここ行くー。
本を読むもよし、AV室で映像資料やアナログレコードを楽しむもよし♪
今度は食堂でなに食べよう♪




『桜ほうさら』 宮部みゆき PHP

図書館。
時代物。
あらすじはここ参照。

面白かったのだが、最後がなんかばたばたで。


『はかぼんさん 空蝉風土記』 さだまさし 新潮社

図書館。
「私」が日本のあちこちで遭遇した不思議な出来事を書き留めたという形式の連作集。
「はかぼんさん」「夜神、または阿神吽神」「鬼宿」「人魚の恋」「同行三人」「崎陽神龍石」の六篇入り。
どれもわたしがすっごい好きなタチの話だった。



『星間商事株式会社社史編纂室』 三浦しをん 筑摩書房

図書館。
中堅どころの商社の社史編纂室が社史および同人誌を作るまで、および、編纂室に勤務する主人公幸代29歳BL同人作家の恋人事情とサークル事情。
元は営業にいた同僚のみっこちゃんが社史編纂室に飛ばされた事情を思えば、幸代たちがつきとめる星間商事の高度成長期の裏事情はなんかファンタジーだったなあと。



『スティル・ライフ』 池澤夏樹 中公文庫

図書館。
池澤夏樹をぼちぼち読んでるうちに、池澤夏樹といえばまずは『スティル・ライフ』みたいな感じなの?と気づいて借りてきた。
これ、芥川賞受賞作品だったのね。
「スティル・ライフ」と「ヤー・チャイカ」の二編入り。
「スティル・ライフ」は伯父夫婦の留守宅(部屋数20の豪邸)に一人暮らしする「ぼく」がバイト先の染色工場で知り合った男から連絡を受け、彼の奇妙な作業を手伝う話。
このお話で一番先々まで心に残りそうなのは、同じ染料と媒染剤で染めてもそのときどきで仕上がりの色が違うことについての佐々井の見解。
「ヤー・チャイカ」は二人暮らししてるシステムエンジニアの父親と高校生の娘と、父親がひょんなことから知り合ったソビエト人との交流と、合間に草食恐竜の話。



『ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台』 三上延 メディアワークス文庫

図書館。
開架で出くわして、読んだっけ?と最初のほうをぱらぱらしてみたら、まだ読んでなかった。
完結編。
栞子さんのお母さんが追っていた本はシェイクスピアの戯曲を最初にまとめたファースト・フォリオ、世界に二百数十部しか現存していないものだったことが判明。
このファースト・フォリオについての説明部分は面白かったが、そもそもの久我山の計画がなんか手がこみすぎてて、話のでかくなりかたもなんだかな、と。



『双生児』 クリストファー・プリースト(訳:吉沢嘉通) 早川書房

図書館。
そういやプリーストってはるか昔に『魔法』読んだきりだったなと思い出し、図書館探してこれ借りてきた。
著名なノンフィクション作家スチュワート・グラットンがチャーチル関係の資料で出くわして以来気になっている「良心的兵役忌避者にして英空軍操縦士」であったソウヤーという名の男。
彼について覚えている人がいないかという広告を見て、アンジェラという女性がひょっとしたらグラットンが探しているのは彼女の亡くなった父ではないかと、父が晩年書き綴ったノートのコピーをグラットンのもとに持ち込む。
そのノートに綴られていたのは、双子の片割れとして生まれた「ジョー」という青年の、1936年に双子の兄弟とともにベルリンオリンピックのボート競技で銅メダルを獲得した頃の話と、それから五年後、1941年に操縦していた爆撃機が墜落、大怪我をするものの助かったあとの話が、交互に少しづつ語られる。
のだが。
これが開架でみつけて借りてきた知らない作家の本だったら、わたし、この第二部「1936年-1945年」の途中あたりで投げ出してたかもしれない…。
なんとか最後まで読み、最後でぞくぞくさせられ、最初に戻って「…あ」ともっぺん驚かせてもらったものの、「良心的兵役忌避者にして英空軍操縦士」というテーゼが吸引力に乏しすぎて、はたしてこれだけの長さが要ったか、プリースト?と思わないでもない。
この時間軸では起こらなかったことをしれっと著述してるとこも、わたしがわかったのはすっごくわかりやすいとこだけで(第三次って何? アメリカがユーラシアを東端から西進って何?と)、ほかにもいっぱい「改変」されてたんだろうなあ。

これ読み終わったいま、ジェレミー・アイアンズ主演クローネンバーグ監督で映画化された「戦慄の絆」の原作を読み返したくてたまらない。


『書架の探偵』 ジーン・ウルフ(訳:酒井昭伸) 早川書房

図書館。
そういやジーン・ウルフ、去年『ケルベロス第五の首』やっと読み終えたあと他のも読もうと思ったけど図書館に予約してた本が続々順番来てしまって忘れてたな、と。
で、図書館あったうちで一番最近出たこれがすぐ借りれたので借りてきた。
地球上の人間の総数が10億人程度まで減った近未来。(そこまで数を減らした理由については特に明らかにされていなかった、と思う)
主人公は図書館に所蔵される「蔵書」ならぬ「蔵者」、E・A・スミス(を見た途端、スミスなのにE・A? E・EじゃなくてE・A? しかもSF作家じゃなくミステリ作家?と)という推理作家のクローンにオリジナルが生きているうちにスキャンした脳のバックアップをインストールした「複生体」。
亡くなった父から、そしてつい最近殺害された兄から、莫大な財産を相続することになった女性が、その財産を築いた父の秘密を探るため、彼を借り出したことにより、彼は彼女の父と兄の死の真相を解き明かすことになる。
好きな作家が亡くなって何が困るといって、その作家の新作が読めなくなることなので、作家の複生体が「書くことを禁じられている」という設定は、クローン作る意味?と思いはしたものの、面白かった~♪

ところでこの本が日本で出たのは去年2017年だが、本国アメリカでの発売は2015年。
ジーン・ウルフは1931年生まれ(筒井康隆が1934年生まれなので三歳年上ー)なので、出たときゃ83ちゃい、いま86ちゃい。
あ、お誕生日、5/7だそうなので、来月87ちゃい。



『エイミー』 バリ・ウッド(訳:倉本護) 扶桑社文庫

図書館。
プリーストの『双生児』読んだあと、監督はクローネンバーグ、ジェレミー・アイアンズ主演で映画化された「戦慄の絆」、あれの原作たしか読んだけど(映画化前に「小説JUNE」のお奨め本コーナーで紹介されてて借りて読んだ、確か)なんて作家が書いた本やったっけ?とググったら、このバリ・ウッドとジャック・ギースランドという人の共著であった。
主人公エイミーは八歳の少女。父親が母親を殴り殺してしまったことによってその事件を担当した刑事の家に引き取られることになるが、彼女はときおり奇妙な力をもつ者が現れる家系の血をひいていた。
エイミーの伯父、父親の兄で精神病院に入っている人が登場したあたりからがぜん勢いついた。
特に結末が好き。



『仙人と呼ばれた男 画家・熊谷守一の生涯』 田村祥蔵 中央公論新社

図書館。
TV大阪「美の巨人たち」で熊谷守一の「宵月」放送されたのが去年12月。その翌月、これが朝日新聞読書欄で紹介されてて予約。
自宅に引きこもってからの熊谷守一および描いた絵に興味はあるけど、それ以前のことにはさほど興味ないのね、わたし、と、これ読んで気づいた。



『ヒャッケンマワリ』 竹田昼 白泉社

新品購入。
内田百閒(「閒」を出すのにIMEパッドで手書きしたが、手書きして表示したあとでふと「ひゃっけん」変換してみたら、出たわ「百閒」)はたぶん『のらや』一冊しか読んでない。
のに、twitterの誰かのリツイートでこの本のことを知り、絵がすっごい好みだったので、ついふらふら買ってしまった。
宮城道雄という人のこともこの本で初めて知った。
どの頁だったか、百閒先生が電車に乗るなり靴脱いで窓側向かって行儀に座るシーン、むっちゃ好き。
百閒これから読むとしたら、さて、どのへんからだ?











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